398 / 517
年度末私のイベントもりもり編
第399話 イベントリハーサル、謎の新人見学伝説
しおりを挟む
「おや? ママ、その娘は一体?」
フォーガイズさんのイベント前日。
リハのためにやって来た私は、後ろにスファトリーさんを連れていたのだった。
彼女、後学のために色々学びたいと言うので、異世界の方は勤勉だなあと私はちょっと感動したのだった。
で、連れてきました。
「あのですね、この間から弟子にしているスファトリーさんです。異世界の人で。チャラウェイさんにはザッコで送ったんですけど」
「ウェイ! 届いてるよー! あ、スレイヤーVに共有できてなかったっけ?」
「あ、いや、子どもの授業参観があってな……。忙しくてザッコに目を通してなかった」
お父さんもやってるスレイヤーVさん、大忙しなのだ。
「よ、よろしくお願いします」
スファトリーさんがペコリと頭を下げたので、みんな「あっ、ちゃんとした子だ」という空気になった。
挨拶は大事……!!
「なるほど、はづきちゃんの新しい弟子なんだね? いいことだ。君は君という配信者の遺伝子を多く残しておかねばならない。これは優れたものの義務だと思うね。ちなみに僕は弟子はいません」
「おいぃ!」
なんか言って突っ込みを食らってる八咫烏さん。
バーチャライズ前もスラッとしたイケメンなんだけど、チャラウェイさんもストリート系のまあイケメンな人なんで、変身後の二人の姿のギャップが面白いんだよね。
で、事前にフォーガイズを予習してきたスファトリーさん。
最後の一人を探す。
スパイスちゃんだね。
「一人だけ小柄な女の子がいたと思うのじゃが……」
「あっ、誰誰~? 新人さん?」
ガタイのいい男の人がパタパタ走ってきた。
「あっ、スパイスちゃんどうもどうもー」
「やっほーはづきちゃん! イベントはよろしくお願いします」
「えっ!?」
私とスパイスちゃんのやり取りを聞いて、スファトリーさんが目を見開いた。
「は、は、はづきさん。今、一体何を言っていたのじゃ……?」
「この人が黒胡椒スパイスちゃん」
「どうもー! スパイスでーす!」
「こ、この人が!? 全然配信時と姿が違うのじゃが!?」
「それはスファトリーさんもでしょ? 私が作ったマスコットキャラ系配信者としてデビューする予定なんだし」
「な、なるほど……。どうしてマスコットキャラなのか疑問だったが、眼の前にその実例を出されては……」
ご納得いただけたでしょうか。
そして今回のイベントのプロデューサーの人がやって来て、挨拶してきた。
「どうもー。担当させていただきます! では皆さんバーチャライズして通しでやってみましょう」
スファトリーさんはパイプ椅子を用意してもらい、ここにちょこんと腰掛けて見学することになる。
いきなりイレギュラーな現場だけど、冒険配信者という仕事の奥深さをたくさん知ってほしい……!!
スファトリーさん、不安そうな顔をしている気がするがきっと気のせいでしょう……。
チャラウェイさんの助手をしてるドワーフに話しかけて、なんか色々説明してもらってる。
「チャラウェイさんドワーフの人雇ったの?」
「おう! めっちゃスケジューリングが得意な人がいてさ! 俺のスタッフになってもらったんだ」
ウィンウィンの関係が生まれつつある。
さて、バーチャライズすると、私たちの姿がガラリと変わる。
一番体格が大きい大京さんがスラリとしたナチュラル系マッチョのスレイヤーVになり、チャラウェイさんが一回り大きなモヒカン棘付き肩パットのヒャッハーになり、八咫烏さんがシルエットはそのままに黒いコートを纏った厨の香りを漂わせる美形に。
そしてスパイスちゃんがローティーンくらいのカワイイ女の子になった。
「ち、縮んだ!!」
スファトリーさんが思わず立ち上がって突っ込みを入れる。
慣れていただきたい。
「一番変化が少ないのははづきさんでは」
そう!?
八咫烏さんも結構まんまでは……!?
あ、でもコートが風もないのに常になびいているから、面積がすごくなるのか。
私は体型とかまんまだしな……。
大本のアバター、自分を鏡で見て作ったし。
なお、スファトリーさんに用意したアバターはかなり縮むよ。
40センチくらいのマスコットだから。
アバターっていうのは面白くて、これを被ると肉体が感じるサイズ感というか、当たり判定はアバターに準拠するようになる。
つまり、大きいものを被れば体は大きくなったのと同じ状態になり、小さいものを被ると当たり判定がグッと減る。
それでも自分と大きくかけ離れた形だと、コントロールが難しくなるので注意ね。
スファトリーさんは魔法とかが使えるそうなんで、どうにかなるでしょう……。
なって欲しい。
なので、私は彼女に師匠ヅラをして付き合って色々教えております。
これはイカルガエンタとは違う部分で、完全に私の趣味。
ウォンさん経由で家まで紹介したので、面倒見なくちゃなあという感じになっているのです。
後でマスコットアバターの当たり判定確認しようねえ。
こうしてリハーサルは一通り終わり……。
私の出番はほどほどだったけど、結構疲れた。
出ずっぱりのフォーガイズのみんなはさすがだなあ。
歌あり、ミニゲームあり、寸劇あり、告知ありのイベント。
明日が本番、実に楽しみです。
フォーガイズさんのイベント前日。
リハのためにやって来た私は、後ろにスファトリーさんを連れていたのだった。
彼女、後学のために色々学びたいと言うので、異世界の方は勤勉だなあと私はちょっと感動したのだった。
で、連れてきました。
「あのですね、この間から弟子にしているスファトリーさんです。異世界の人で。チャラウェイさんにはザッコで送ったんですけど」
「ウェイ! 届いてるよー! あ、スレイヤーVに共有できてなかったっけ?」
「あ、いや、子どもの授業参観があってな……。忙しくてザッコに目を通してなかった」
お父さんもやってるスレイヤーVさん、大忙しなのだ。
「よ、よろしくお願いします」
スファトリーさんがペコリと頭を下げたので、みんな「あっ、ちゃんとした子だ」という空気になった。
挨拶は大事……!!
「なるほど、はづきちゃんの新しい弟子なんだね? いいことだ。君は君という配信者の遺伝子を多く残しておかねばならない。これは優れたものの義務だと思うね。ちなみに僕は弟子はいません」
「おいぃ!」
なんか言って突っ込みを食らってる八咫烏さん。
バーチャライズ前もスラッとしたイケメンなんだけど、チャラウェイさんもストリート系のまあイケメンな人なんで、変身後の二人の姿のギャップが面白いんだよね。
で、事前にフォーガイズを予習してきたスファトリーさん。
最後の一人を探す。
スパイスちゃんだね。
「一人だけ小柄な女の子がいたと思うのじゃが……」
「あっ、誰誰~? 新人さん?」
ガタイのいい男の人がパタパタ走ってきた。
「あっ、スパイスちゃんどうもどうもー」
「やっほーはづきちゃん! イベントはよろしくお願いします」
「えっ!?」
私とスパイスちゃんのやり取りを聞いて、スファトリーさんが目を見開いた。
「は、は、はづきさん。今、一体何を言っていたのじゃ……?」
「この人が黒胡椒スパイスちゃん」
「どうもー! スパイスでーす!」
「こ、この人が!? 全然配信時と姿が違うのじゃが!?」
「それはスファトリーさんもでしょ? 私が作ったマスコットキャラ系配信者としてデビューする予定なんだし」
「な、なるほど……。どうしてマスコットキャラなのか疑問だったが、眼の前にその実例を出されては……」
ご納得いただけたでしょうか。
そして今回のイベントのプロデューサーの人がやって来て、挨拶してきた。
「どうもー。担当させていただきます! では皆さんバーチャライズして通しでやってみましょう」
スファトリーさんはパイプ椅子を用意してもらい、ここにちょこんと腰掛けて見学することになる。
いきなりイレギュラーな現場だけど、冒険配信者という仕事の奥深さをたくさん知ってほしい……!!
スファトリーさん、不安そうな顔をしている気がするがきっと気のせいでしょう……。
チャラウェイさんの助手をしてるドワーフに話しかけて、なんか色々説明してもらってる。
「チャラウェイさんドワーフの人雇ったの?」
「おう! めっちゃスケジューリングが得意な人がいてさ! 俺のスタッフになってもらったんだ」
ウィンウィンの関係が生まれつつある。
さて、バーチャライズすると、私たちの姿がガラリと変わる。
一番体格が大きい大京さんがスラリとしたナチュラル系マッチョのスレイヤーVになり、チャラウェイさんが一回り大きなモヒカン棘付き肩パットのヒャッハーになり、八咫烏さんがシルエットはそのままに黒いコートを纏った厨の香りを漂わせる美形に。
そしてスパイスちゃんがローティーンくらいのカワイイ女の子になった。
「ち、縮んだ!!」
スファトリーさんが思わず立ち上がって突っ込みを入れる。
慣れていただきたい。
「一番変化が少ないのははづきさんでは」
そう!?
八咫烏さんも結構まんまでは……!?
あ、でもコートが風もないのに常になびいているから、面積がすごくなるのか。
私は体型とかまんまだしな……。
大本のアバター、自分を鏡で見て作ったし。
なお、スファトリーさんに用意したアバターはかなり縮むよ。
40センチくらいのマスコットだから。
アバターっていうのは面白くて、これを被ると肉体が感じるサイズ感というか、当たり判定はアバターに準拠するようになる。
つまり、大きいものを被れば体は大きくなったのと同じ状態になり、小さいものを被ると当たり判定がグッと減る。
それでも自分と大きくかけ離れた形だと、コントロールが難しくなるので注意ね。
スファトリーさんは魔法とかが使えるそうなんで、どうにかなるでしょう……。
なって欲しい。
なので、私は彼女に師匠ヅラをして付き合って色々教えております。
これはイカルガエンタとは違う部分で、完全に私の趣味。
ウォンさん経由で家まで紹介したので、面倒見なくちゃなあという感じになっているのです。
後でマスコットアバターの当たり判定確認しようねえ。
こうしてリハーサルは一通り終わり……。
私の出番はほどほどだったけど、結構疲れた。
出ずっぱりのフォーガイズのみんなはさすがだなあ。
歌あり、ミニゲームあり、寸劇あり、告知ありのイベント。
明日が本番、実に楽しみです。
70
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
おじさんが異世界転移してしまった。
月見ひろっさん
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる