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年越し私のまったり編
第363話 年末前の日常伝説
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もうすぐ年の暮れでございます。
つまり、一年が終わるのだ。
いやあ、今年も盛り沢山な一年だった。
なんていうか……私が関わる事件の規模がインフレしてない……?
さらに私は二人に分かれたりしたし。
来年には、宇宙にぶっ飛ばされることが確定してる気がする。
「うーん、これでいいのか、私の青春……」
終業式で校長がぺらぺらなにか言っている体育館。
私は一人考え込んでいた。
いや、だけどあれだな。
入学当初の鬱々とした感じがどこかに吹き飛んでいってしまったし、これはこれでいいか!
毎日充実してるし。
私の悩みは晴れたぞ!
ということで、終業式も終わりです、終わり。
初詣するための振り袖レンタルも予約済みだし、今年の年末には何も予定を入れていないから、自宅で年越しそばを食べながら色々な年越し番組を見るぞー。
楽しみ楽しみ。
なお、イカルガでは年越しイベントをやるみたいで、これは実はもう収録が終わっているのだ!
動画形式ということですね。
イカルガエンタは、プライベートの生活を大事にする企業なので、こういうのは全部前録でやっちゃう。
「それじゃあね、またらいねーん」
「よいお年をー」
うちのクラスはなんかみんな仲がいいので、全員で手を振り合ってお別れだ。
地元に住んでるのは半分もいないから、冬休みが終わるまでは会えないなー。
うんうん、私がクラスメイトとの再会を楽しみにしてるなんて、きっとこの高校生活は凄く充実していて楽しいのだ。
「先輩、一緒に帰りましょ!」
「行こうぜ師匠ー」
「はづ……ううん、帰りましょ」
イノシカチョウの三人と一緒になった。
もみじちゃんが地元、はぎゅうちゃんとぼたんちゃんが少しだけ離れた駅。
「年末だし誰かの家に集まらない?」
「いいと思うー! クリスマスは仕事とかで遊べなかったしー」
「じゃあ……うち来る?」
「ぼたんちゃんの家に!?」
これは意外なお誘い!
もみじちゃんの家のパン屋さんには週イチくらいで買いに行くし、はぎゅうちゃんの家にも行って、妹さんに正体がバレそうになったりしたことがあるんだけど。
ぼたんちゃんの家には行ったことが無かったなあ。
ということで、自宅に荷物を置いて普段着になって駅へ。
待ってくれていたぼたんちゃんにはぎゅうちゃんと合流。
もみじちゃんもやって来た。
「シカコさ、なんかめっちゃ変わったよね」
はぎゅうちゃんがなんかしみじみ呟く。
「何がー?」
「去年はもっとボーイッシュでさ、服も男子みたいなシンプルなの着てたでしょ。でも今は髪も長くなってるし、赤くて可愛いダッフルコートとかめっちゃ似合ってるじゃん」
「むふふー、リスナーさんがうちの自己肯定感をどんどん上げてくれるからー」
わかる~。
「はづきちゃんはカラフルなもこもこのダウンなのね。凄くもこもこに見える……」
「師匠は服を着る時に体型がどう見られるかとか一切気にしないからね……」
「うんうん、先輩はマイペースだよねえ」
そうだろうか……!?
あったかい方が良くない?
体型にフィットしたコートとか……ほら、あそこの女の人が着てるのとか寒そう。
「うわあー、底なしのもこもこだあ」
むむっ、もみじちゃんが私のもこもこに抱きついてもこもこしている。
「私はこの暖の力をうちに取り込めるダウンコートが大好きなので……」
「な、なるほどー。それにしても、なんでピンクと紫の派手なダウンを……?」
「これ、メーカーさんが特注で作ってくれたはづき・ベルゼブブデザインなので」
「世界に一つのやつじゃない! しれっと着てきたら目立つでしょ!?」
ぼたんちゃんが小声で悲鳴を上げた。
せやろか……?
でも、なんか最高級ダウンを使ってるらしくてとてもあったかい。
私はほかほかしながら電車に乗り込んだ。
注目されている気がする。
「それは師匠目立つよねえ……」
「マスクで顔を隠しているので大丈夫……」
「先輩、まさにそれが頭隠して尻隠さずっていうやつですよ! マスク以外は全部オープンなんだもん!」
「ブランドに詳しい人には、すぐにあなたが四桁万円単位のコートを着てるって知られるわよ……」
「えっ!? このコートそんなにするの!?」
「世界に一つしか無い専用コートだもの……」
それは盲点だった。
さてさて、私たちはぼたんちゃんの住んでいる街に到着です。
ここは私の地元とは違ってギリギリ23区内。
「土日は快速が止まらないから不便で……」
なんかぼたんちゃんがぶつぶつ言っている。
降りてみると、私の地元よりも古いものが残ってる町並み。
昔からある有名な商店街もあるところで、ぼたんちゃんのお父さんはそこでお店を出しているそうな。
台湾料理のお店だっけ。
本日の夕食はそこでご馳走になります!
お店は二階建て。
とても賑わっているところにお邪魔します。
そしたら、予約席になっていた。
ぼたんちゃんのお父さんが出てきて、挨拶してくる。
恰幅の良い男の人だ。
「どうもね、うちの娘がお世話になってます。今日はたくさん食べてってね。それで、ご注文は?」
色々頼んだ……!
私とはぎゅうちゃんが特に食べるので、テーブルは料理で埋め尽くされたのだった。
野菜まんじゅうみたいなのとか、豆乳のスープ料理とか、めっちゃ大きなスパイシー唐揚げとか、おなじみ小籠包にビーフンとか!
「ひゃあー、とんでもないことになってしまった。いただきます!」
ベルゼブブが出てくる必要もないくらい、たっぷりといただこう!
他のお客さんは、女子高生があんなに!? みたいな顔をしてチラチラ見てきてたんだけど。
安心してください、完食しましたよ……!
つまり、一年が終わるのだ。
いやあ、今年も盛り沢山な一年だった。
なんていうか……私が関わる事件の規模がインフレしてない……?
さらに私は二人に分かれたりしたし。
来年には、宇宙にぶっ飛ばされることが確定してる気がする。
「うーん、これでいいのか、私の青春……」
終業式で校長がぺらぺらなにか言っている体育館。
私は一人考え込んでいた。
いや、だけどあれだな。
入学当初の鬱々とした感じがどこかに吹き飛んでいってしまったし、これはこれでいいか!
毎日充実してるし。
私の悩みは晴れたぞ!
ということで、終業式も終わりです、終わり。
初詣するための振り袖レンタルも予約済みだし、今年の年末には何も予定を入れていないから、自宅で年越しそばを食べながら色々な年越し番組を見るぞー。
楽しみ楽しみ。
なお、イカルガでは年越しイベントをやるみたいで、これは実はもう収録が終わっているのだ!
動画形式ということですね。
イカルガエンタは、プライベートの生活を大事にする企業なので、こういうのは全部前録でやっちゃう。
「それじゃあね、またらいねーん」
「よいお年をー」
うちのクラスはなんかみんな仲がいいので、全員で手を振り合ってお別れだ。
地元に住んでるのは半分もいないから、冬休みが終わるまでは会えないなー。
うんうん、私がクラスメイトとの再会を楽しみにしてるなんて、きっとこの高校生活は凄く充実していて楽しいのだ。
「先輩、一緒に帰りましょ!」
「行こうぜ師匠ー」
「はづ……ううん、帰りましょ」
イノシカチョウの三人と一緒になった。
もみじちゃんが地元、はぎゅうちゃんとぼたんちゃんが少しだけ離れた駅。
「年末だし誰かの家に集まらない?」
「いいと思うー! クリスマスは仕事とかで遊べなかったしー」
「じゃあ……うち来る?」
「ぼたんちゃんの家に!?」
これは意外なお誘い!
もみじちゃんの家のパン屋さんには週イチくらいで買いに行くし、はぎゅうちゃんの家にも行って、妹さんに正体がバレそうになったりしたことがあるんだけど。
ぼたんちゃんの家には行ったことが無かったなあ。
ということで、自宅に荷物を置いて普段着になって駅へ。
待ってくれていたぼたんちゃんにはぎゅうちゃんと合流。
もみじちゃんもやって来た。
「シカコさ、なんかめっちゃ変わったよね」
はぎゅうちゃんがなんかしみじみ呟く。
「何がー?」
「去年はもっとボーイッシュでさ、服も男子みたいなシンプルなの着てたでしょ。でも今は髪も長くなってるし、赤くて可愛いダッフルコートとかめっちゃ似合ってるじゃん」
「むふふー、リスナーさんがうちの自己肯定感をどんどん上げてくれるからー」
わかる~。
「はづきちゃんはカラフルなもこもこのダウンなのね。凄くもこもこに見える……」
「師匠は服を着る時に体型がどう見られるかとか一切気にしないからね……」
「うんうん、先輩はマイペースだよねえ」
そうだろうか……!?
あったかい方が良くない?
体型にフィットしたコートとか……ほら、あそこの女の人が着てるのとか寒そう。
「うわあー、底なしのもこもこだあ」
むむっ、もみじちゃんが私のもこもこに抱きついてもこもこしている。
「私はこの暖の力をうちに取り込めるダウンコートが大好きなので……」
「な、なるほどー。それにしても、なんでピンクと紫の派手なダウンを……?」
「これ、メーカーさんが特注で作ってくれたはづき・ベルゼブブデザインなので」
「世界に一つのやつじゃない! しれっと着てきたら目立つでしょ!?」
ぼたんちゃんが小声で悲鳴を上げた。
せやろか……?
でも、なんか最高級ダウンを使ってるらしくてとてもあったかい。
私はほかほかしながら電車に乗り込んだ。
注目されている気がする。
「それは師匠目立つよねえ……」
「マスクで顔を隠しているので大丈夫……」
「先輩、まさにそれが頭隠して尻隠さずっていうやつですよ! マスク以外は全部オープンなんだもん!」
「ブランドに詳しい人には、すぐにあなたが四桁万円単位のコートを着てるって知られるわよ……」
「えっ!? このコートそんなにするの!?」
「世界に一つしか無い専用コートだもの……」
それは盲点だった。
さてさて、私たちはぼたんちゃんの住んでいる街に到着です。
ここは私の地元とは違ってギリギリ23区内。
「土日は快速が止まらないから不便で……」
なんかぼたんちゃんがぶつぶつ言っている。
降りてみると、私の地元よりも古いものが残ってる町並み。
昔からある有名な商店街もあるところで、ぼたんちゃんのお父さんはそこでお店を出しているそうな。
台湾料理のお店だっけ。
本日の夕食はそこでご馳走になります!
お店は二階建て。
とても賑わっているところにお邪魔します。
そしたら、予約席になっていた。
ぼたんちゃんのお父さんが出てきて、挨拶してくる。
恰幅の良い男の人だ。
「どうもね、うちの娘がお世話になってます。今日はたくさん食べてってね。それで、ご注文は?」
色々頼んだ……!
私とはぎゅうちゃんが特に食べるので、テーブルは料理で埋め尽くされたのだった。
野菜まんじゅうみたいなのとか、豆乳のスープ料理とか、めっちゃ大きなスパイシー唐揚げとか、おなじみ小籠包にビーフンとか!
「ひゃあー、とんでもないことになってしまった。いただきます!」
ベルゼブブが出てくる必要もないくらい、たっぷりといただこう!
他のお客さんは、女子高生があんなに!? みたいな顔をしてチラチラ見てきてたんだけど。
安心してください、完食しましたよ……!
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