332 / 517
晩秋な私の魔王編
第332話 与那国島へひとっ飛び伝説
しおりを挟む
私=飛べない。
ベルゼブブ=飛べるけど持久力に難あり。お腹へっちゃう。
ということで、外部からの協力を得て開発された……。
なんか銀色の飛翔体アバター!
『急ごしらえだったんで、外見をかっこよくはできなかったけどね!』『余計なテクスチャーを貼ると計算が狂うから、今回はこの外見なんだ。次回までには改善するから!』『でもギリギリまでエメラク=サンの絵を再現できるよう頑張ったよ!』
イギリスのアバターチーム、頑張ってくれました!
向こうはもう真夜中らしくて、これから寝るらしい。
こっちは午前中なので、実証してきます!
銀色飛翔体の裏側には、宇宙さんが防御の護符みたいなのを貼り付けている。
これはAフォンでやってるんだけど、全部インターネッツ上でできちゃうの凄いなあ。
たこやきはね、銀色飛翔体の後ろにカワイイブタのお尻をくっつけてる。
何をしてるの。
「計算上、ここにブタのお尻があっても空気抵抗の邪魔をしないんだ」
「ほへー。そしてブタのお尻の意味は」
「可愛いでしょ」
「た、たこやき~!」
この人、初配信の頃から基本的に変わんないなあ。
こうして私は、与那国島までひとっ飛び配信を開始することになった。
今回の配信は同接パワーも必要だからね。
アバターチームの計算だと、この飛翔体、行って帰ってでギリギリぶっ壊れる計算らしい。
壊れちゃうのか!
『ミス・ハヅキの力があれば大丈夫だよ!』『中の人が強い前提だから、君にしか使えないんだ』『あと、これを作るための計算でうちのスパコンが落ちたから、そうそう作れないよ!』
あひー!
大変な代物だ!
私の与那国島へぶっ飛ぶ配信、そういうことで、イギリス側でも注視してるらしい。
カナンさんの顔を見に行くだけなのに~。
「えーと、じゃあ配信ぬるっと始まりました。こんきらー! 私です」
※『こんきらー!』『こんきらー!』『はづきっちだったのか』『今日は海外行くんでしょ?』『与那国島は国内だぞw 本土より台湾に近いけど』
「そうそう! ということで、ここはイカルガエンタビルの屋上なんですがー」
※『初公開じゃん』『こんな風になってるんだなあ……』
「今から私は飛び立って、与那国島まで突撃します! 東京から与那国島までは……。1900km! マッハ1なら2時間かからないですね」
※『机上の計算w!』『人体が耐えられないでしょw』『はづきっちならあるいは……』『でも時間が長いからなあ』
「はい、そういう問題が出てきまして。なので、ここに秘密の乗り物を用意しました! じゃーん! こちらに実体化させたアバター、銀色の飛翔体です! 日英合作で、向こうのアバターチームは“シルバーバレット”って呼んでましたけど」
※『人が乗り込む弾丸!!』『大昔のロケットじゃんw!!』『原点回帰~』
そうなの!?
「とにかく、ここに私が乗り込みます! 行きますよー。分離!」
スパーン、と私とベルゼブブが分かれた。
※『キター!! センシティブはづきっち!』『闇のはづき!』『もう巷ではベルっちって呼ばれてるよ』
『いつの間に私の名前が漏れてた……?』
※もんじゃ『暴食の大罪を司る魔王と言えばベルゼブブだからね……』『隠す気ゼロだったじゃんw』いももち『そのセンシティブ、抱きしめたい……』おこのみ『はづきっちのあどけない感じでコスがセンシティブってのが堪らんのですよ……』
センシティブ勢が元気になってる!
だけど今回は色々事情があって、上からジャージを羽織れないのだ。
重さとか色々ギリギリの計算だからね。
お土産もAフォンに入るくらいしか持って帰れない。
「じゃあ、アワチューブでセンシティブBANされないよう祈りながら、今日の配信をやっていきます! えーとですね。今回は主導権をベルっちに回してですね。ゆーはぶこんとろーる!」
『ほいほい、あいはぶこんとろーる!』
※『普通なら危険なフラグ!』『闇が光を取り込む……!』『でもどっちもはづきっちだからなあ』『表も裏も無いもんね』
そうです。
私は「ほわー!」と気合を入れた。
そうすると、私の体がピカッと光って……。
ベルゼブブの中に入ってしまった。
『じゃあここからは闇のはづきことベルっちがやっていきますねー。銀色飛翔体に乗り込みます。ここから作業するんで、質問とか色々受け付けますー』
※『ベルっちはもともと魔王なの?』
『いい質問ですねー。私は魔王っていうか、きら星はづきの分身なんだよね。暴食の力を分けた存在っていうか、多分、きら星はづきは配信者としてのはづきと、暴食の大罪としてのはづきがいたわけ。それで、私は暴食側のはづきなんですねえ』
※『なるほどー』『じゃあ本当にはづきっちが分かれただけなんだw』『力は二つ、心は一つ』『こうして受け答えしてても、エッチな格好のはづきっちなだけだもんな』『いつものはづきっちなら恥ずかしがりそうだけど』
『それは多分、私が色欲とか憤怒とか嫉妬とかもちょっとずつ取り入れてるからじゃないかなあ。ただ、嫉妬とかはよく分からない……。私は雰囲気で毎日を生きてる。あと、憤怒はカンナちゃんとのデートを邪魔されたあの時以来感じてない……』
※『電子の海を割ったやつ!!』『あれは凄かった……』『あそこから、東京湾を割る伏線が張られてたんだなあ』
『ねー』
ベルっち、完全に私だなあ!
彼女……というか闇の私は、銀色飛翔体の中にすっぽり収まった。
そして、背中の薄羽を展開する。
これは実体がないっぽくて、ジャージを着てても貫通するし、飛翔体だって貫通して外に飛び出す。
銀色飛翔体だけだと初速が足りないみたいで、そこはベルっちの羽でなんとかする。
『では、カウントダウン開始! 2!』
※『2から始まったw!!』『心の準備をさせろw』『すぐ飛び立つつもりだw』
『1! ゼロ! 発射!!』
ベルっちが羽ばたく。
その瞬間に、銀色飛翔体がものすごい勢いで空に飛び出していった。
ベルっちは初速マッハだもんねー。一瞬しか持たないけど。
で、彼女が勢いを付けたんで、銀色飛翔体も本気になってきた。
内側に刻まれた宇宙さんの護符が輝き、なんかから私を守り始める。
周りの雲がすごい勢いで後ろに流れていく。
びゅんびゅん飛ぶ!
※たこやき『しまった! 飛んでるとブタのお尻が見えないじゃないか……!』
コメントの中で、たこやきが変なところを嘆いているのだった。
ベルゼブブ=飛べるけど持久力に難あり。お腹へっちゃう。
ということで、外部からの協力を得て開発された……。
なんか銀色の飛翔体アバター!
『急ごしらえだったんで、外見をかっこよくはできなかったけどね!』『余計なテクスチャーを貼ると計算が狂うから、今回はこの外見なんだ。次回までには改善するから!』『でもギリギリまでエメラク=サンの絵を再現できるよう頑張ったよ!』
イギリスのアバターチーム、頑張ってくれました!
向こうはもう真夜中らしくて、これから寝るらしい。
こっちは午前中なので、実証してきます!
銀色飛翔体の裏側には、宇宙さんが防御の護符みたいなのを貼り付けている。
これはAフォンでやってるんだけど、全部インターネッツ上でできちゃうの凄いなあ。
たこやきはね、銀色飛翔体の後ろにカワイイブタのお尻をくっつけてる。
何をしてるの。
「計算上、ここにブタのお尻があっても空気抵抗の邪魔をしないんだ」
「ほへー。そしてブタのお尻の意味は」
「可愛いでしょ」
「た、たこやき~!」
この人、初配信の頃から基本的に変わんないなあ。
こうして私は、与那国島までひとっ飛び配信を開始することになった。
今回の配信は同接パワーも必要だからね。
アバターチームの計算だと、この飛翔体、行って帰ってでギリギリぶっ壊れる計算らしい。
壊れちゃうのか!
『ミス・ハヅキの力があれば大丈夫だよ!』『中の人が強い前提だから、君にしか使えないんだ』『あと、これを作るための計算でうちのスパコンが落ちたから、そうそう作れないよ!』
あひー!
大変な代物だ!
私の与那国島へぶっ飛ぶ配信、そういうことで、イギリス側でも注視してるらしい。
カナンさんの顔を見に行くだけなのに~。
「えーと、じゃあ配信ぬるっと始まりました。こんきらー! 私です」
※『こんきらー!』『こんきらー!』『はづきっちだったのか』『今日は海外行くんでしょ?』『与那国島は国内だぞw 本土より台湾に近いけど』
「そうそう! ということで、ここはイカルガエンタビルの屋上なんですがー」
※『初公開じゃん』『こんな風になってるんだなあ……』
「今から私は飛び立って、与那国島まで突撃します! 東京から与那国島までは……。1900km! マッハ1なら2時間かからないですね」
※『机上の計算w!』『人体が耐えられないでしょw』『はづきっちならあるいは……』『でも時間が長いからなあ』
「はい、そういう問題が出てきまして。なので、ここに秘密の乗り物を用意しました! じゃーん! こちらに実体化させたアバター、銀色の飛翔体です! 日英合作で、向こうのアバターチームは“シルバーバレット”って呼んでましたけど」
※『人が乗り込む弾丸!!』『大昔のロケットじゃんw!!』『原点回帰~』
そうなの!?
「とにかく、ここに私が乗り込みます! 行きますよー。分離!」
スパーン、と私とベルゼブブが分かれた。
※『キター!! センシティブはづきっち!』『闇のはづき!』『もう巷ではベルっちって呼ばれてるよ』
『いつの間に私の名前が漏れてた……?』
※もんじゃ『暴食の大罪を司る魔王と言えばベルゼブブだからね……』『隠す気ゼロだったじゃんw』いももち『そのセンシティブ、抱きしめたい……』おこのみ『はづきっちのあどけない感じでコスがセンシティブってのが堪らんのですよ……』
センシティブ勢が元気になってる!
だけど今回は色々事情があって、上からジャージを羽織れないのだ。
重さとか色々ギリギリの計算だからね。
お土産もAフォンに入るくらいしか持って帰れない。
「じゃあ、アワチューブでセンシティブBANされないよう祈りながら、今日の配信をやっていきます! えーとですね。今回は主導権をベルっちに回してですね。ゆーはぶこんとろーる!」
『ほいほい、あいはぶこんとろーる!』
※『普通なら危険なフラグ!』『闇が光を取り込む……!』『でもどっちもはづきっちだからなあ』『表も裏も無いもんね』
そうです。
私は「ほわー!」と気合を入れた。
そうすると、私の体がピカッと光って……。
ベルゼブブの中に入ってしまった。
『じゃあここからは闇のはづきことベルっちがやっていきますねー。銀色飛翔体に乗り込みます。ここから作業するんで、質問とか色々受け付けますー』
※『ベルっちはもともと魔王なの?』
『いい質問ですねー。私は魔王っていうか、きら星はづきの分身なんだよね。暴食の力を分けた存在っていうか、多分、きら星はづきは配信者としてのはづきと、暴食の大罪としてのはづきがいたわけ。それで、私は暴食側のはづきなんですねえ』
※『なるほどー』『じゃあ本当にはづきっちが分かれただけなんだw』『力は二つ、心は一つ』『こうして受け答えしてても、エッチな格好のはづきっちなだけだもんな』『いつものはづきっちなら恥ずかしがりそうだけど』
『それは多分、私が色欲とか憤怒とか嫉妬とかもちょっとずつ取り入れてるからじゃないかなあ。ただ、嫉妬とかはよく分からない……。私は雰囲気で毎日を生きてる。あと、憤怒はカンナちゃんとのデートを邪魔されたあの時以来感じてない……』
※『電子の海を割ったやつ!!』『あれは凄かった……』『あそこから、東京湾を割る伏線が張られてたんだなあ』
『ねー』
ベルっち、完全に私だなあ!
彼女……というか闇の私は、銀色飛翔体の中にすっぽり収まった。
そして、背中の薄羽を展開する。
これは実体がないっぽくて、ジャージを着てても貫通するし、飛翔体だって貫通して外に飛び出す。
銀色飛翔体だけだと初速が足りないみたいで、そこはベルっちの羽でなんとかする。
『では、カウントダウン開始! 2!』
※『2から始まったw!!』『心の準備をさせろw』『すぐ飛び立つつもりだw』
『1! ゼロ! 発射!!』
ベルっちが羽ばたく。
その瞬間に、銀色飛翔体がものすごい勢いで空に飛び出していった。
ベルっちは初速マッハだもんねー。一瞬しか持たないけど。
で、彼女が勢いを付けたんで、銀色飛翔体も本気になってきた。
内側に刻まれた宇宙さんの護符が輝き、なんかから私を守り始める。
周りの雲がすごい勢いで後ろに流れていく。
びゅんびゅん飛ぶ!
※たこやき『しまった! 飛んでるとブタのお尻が見えないじゃないか……!』
コメントの中で、たこやきが変なところを嘆いているのだった。
77
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
強制的にダンジョンに閉じ込められ配信を始めた俺、吸血鬼に進化するがエロい衝動を抑えきれない
ぐうのすけ
ファンタジー
朝起きると美人予言者が俺を訪ねて来る。
「どうも、予言者です。あなたがダンジョンで配信をしないと日本人の半分近くが死にます。さあ、行きましょう」
そして俺は黒服マッチョに両脇を抱えられて黒塗りの車に乗せられ、日本に1つしかないダンジョンに移動する。
『ダンジョン配信の義務さえ果たせばハーレムをお約束します』
『ダンジョン配信の義務さえ果たせば一生お金の心配はいりません』
「いや、それより自由をください!!」
俺は進化して力を手に入れるが、その力にはトラップがあった。
「吸血鬼、だと!バンパイア=エロだと相場は決まっている!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる