321 / 517
晩秋な私の魔王編
第321話 帰還ともみチェンコラボ視聴伝説
しおりを挟む
日本到着!
たくさんのお出迎えを受けたんだけど、私にとってもっと大事なことがあるのだ!
それは……補習!
「2週間分の勉強を追いかけなくちゃ……」
ということで、学校側の全面的な協力を得て、私は遅れていた授業の進捗を取り戻すのだ。
バリバリ勉強だ。
うおー。
「あなた、飲み込みが早いから補習がすごい速度で進むわね……」
初めて絡む先生がびっくりしてらっしゃる。
「はっ、その、教科書とか全部把握し終わってるので……」
「優秀! なるほど、塾に行ってないのに志望校の模試でA判定なわけだわ……。あなた、あの大学志望の人の中でトップ3に入ってるからね」
「おおーっ、嬉しみ」
良かった良かった。
参考書とかも図書館で過去のはさらっと読み切ってるんだよね。
ちゃんと成果が出てた。
この感じなら、一週間で遅れは取り戻せそう。
で、残念だけどその間は配信なしかな。
雑談配信がせいぜいかも知れない。
配信よりも、学校が大事だからね……。
私の配信はあくまで趣味だからね。
『きら星はづき! お主、趣味で世界を何度も救っておったのか!?』
「はっ、それはたまたまで……」
バングラッド氏が呆れて天を仰いだ。
『大物と言うべきか、流石は魔王と言うべきか……。並のダンジョンではお主は食い足りんのだろうなあ』
何か言ってらっしゃる。
私は自宅で、さらっと補習内容を復習した。
これに30分ほど。
一週間配信をお休みするという話はしてあるから、ツブヤキックスでちょこちょこリスナーと絡むくらいしかすることはないかな。
さて、何か面白い配信はやってないものか……。
あっ!
チェンファが日本に来てる!
中国が怠惰の大罪の脅威から解放されて、こっちとの行き来が自由になったんだよね。
どうも、向こうの国の体制も大きく変わったみたい。
もうちょっと国際的に協調する人に、トップが入れ替わったのだ。
お陰で今日は……。
もみじちゃんとチェンファのコラボが見られる!
ハッシュタグ、もみチェンで検索だ!
『本日もかいてーん! もみじパン工房へようこそ!』
『お兄ちゃんたち、また見に来たの? 仕方ないなあー。今日もチェンファが遊んであ・げ・る!』
配信が始まった!
小さい二人のコラボ配信。
毎月、海を超えたコラボ配信をしてるんだけど、もみチェンオフコラボは半年に一度!
つまり今回が二回目なのだ。
凄い同接数になってる。
三万人いるよ?
今日は二人でダンジョンを攻めるみたいだ。
これは何のダンジョンなんです?
『実はねえ、ちょっとずつなんだけど地の大魔将があちこちにダンジョンを作ってきててねえ』
うわー、一難去ってまた一難!
大魔将一気に来てるなあ。
水と風はやっつけたでしょ。
じゃあ残りは……地と火かあ。
地は地の底から来るだろうけど、だとしたら火は火山かなあー。
前のバルログの親玉みたいな感じ?
いやいや、なんかもっと斜め上なところから来そうな気がする……。
そう思いながらぼーっと配信を見ていると、もみじちゃんが戦闘用惣菜パンを展開していた。
最近、じっくりともみじちゃんのスタイル見てなかったからなあ。
あっ、地面が揚げパンの衣に変わった!!
モンスターたちがパン粉の尖ったところでぐさぐさ刺されて動けなくなる。
スリップダメージ入ってるっぽいですねえ。
パン粉の尖ったところを軽快に駆け抜けながら、チェンファが手にした二本のしなる剣でモンスターたちを刈り取っていきますね。
次々にモンスターをやっつけた後、チェンファが振り返ってウィンクした。
『お兄ちゃんたち、チェンファに見とれちゃった? 仕方ないお兄ちゃんたちだなあ~。絶対エッチなところ見てたんでしょ? 目が離せないなんてなさけなーい』
私はちょっと興奮したので、書き込みをした。
※はづき『ぬぎぎぎ、め、メスガキぃ~』『!?』『本物!?』『はづきっちいたってw』『はづきっちもよう見とる』『はづきっちさあw』
『あれ? 先輩いた? せんぱーい! 補習頑張ってー』
もみじちゃんが和やかに手を振ってくる。
手を振りながら、彼女の周りでは動物型のパンがぴょんぴょん飛び回り、もみじちゃんの侵攻に合わせて戦場を均していく。
強いなー!
環境構築型の配信者ではトップクラスじゃないかしら。
ちなみに私に名前を呼ばれたチェンファはちょっと嬉しそうに、ファンサービスで色々カワイイポーズをしてくれた。
スクショ連打する私。
※はづき『スクショタイムたすかる』『はづきっちは俺らだったのか……』『あれ? 俺こんな書き込みしたかな……?』
今、私ともみじちゃんのお客さんたちの心が一つに……!
ちなみにチェンファは整えられた戦場を物凄い速度で突き進んで道を切り開くので、この二人のコンビは強いなーなんて思うのだった。
今回のボスデーモンは、なんか名状しがたい外見のうにょうにょした触手な生き物。
チェンファが触手に絡まれて大変なことに!
『も、もみじー!! 助けて! このままだと配信できなくなるから!』
『いけなーい! 塩焼きそばパン!!』
伸びる焼きそば、触手を撃墜!
落っこちるチェンファが空中で姿勢を立て直して、そこに取り落とした剣を焼きそばが拾ってくれる。
受け取ったチェンファ、触手をざくざく切り刻む。
そしてとどめに、ジャンボフランクフルトパンが飛び出していって、デーモンを撃破!
普段の私の配信なら、触手の無能をなじるコメントが出たりするけど、もみチェンコラボのお客さんたちはみんな紳士なのだ。
喜んでるー。
それにしても、いろんなパンが見られたなあ……。
ピタパンだと剣みたいな事ができるらしいし、フランスパンは壁になる。もみじちゃんの攻め手は多彩だなあ。
これなら、地の大魔将はお任せできるかも知れない!
頼むぞもみじちゃん……!!
たくさんのお出迎えを受けたんだけど、私にとってもっと大事なことがあるのだ!
それは……補習!
「2週間分の勉強を追いかけなくちゃ……」
ということで、学校側の全面的な協力を得て、私は遅れていた授業の進捗を取り戻すのだ。
バリバリ勉強だ。
うおー。
「あなた、飲み込みが早いから補習がすごい速度で進むわね……」
初めて絡む先生がびっくりしてらっしゃる。
「はっ、その、教科書とか全部把握し終わってるので……」
「優秀! なるほど、塾に行ってないのに志望校の模試でA判定なわけだわ……。あなた、あの大学志望の人の中でトップ3に入ってるからね」
「おおーっ、嬉しみ」
良かった良かった。
参考書とかも図書館で過去のはさらっと読み切ってるんだよね。
ちゃんと成果が出てた。
この感じなら、一週間で遅れは取り戻せそう。
で、残念だけどその間は配信なしかな。
雑談配信がせいぜいかも知れない。
配信よりも、学校が大事だからね……。
私の配信はあくまで趣味だからね。
『きら星はづき! お主、趣味で世界を何度も救っておったのか!?』
「はっ、それはたまたまで……」
バングラッド氏が呆れて天を仰いだ。
『大物と言うべきか、流石は魔王と言うべきか……。並のダンジョンではお主は食い足りんのだろうなあ』
何か言ってらっしゃる。
私は自宅で、さらっと補習内容を復習した。
これに30分ほど。
一週間配信をお休みするという話はしてあるから、ツブヤキックスでちょこちょこリスナーと絡むくらいしかすることはないかな。
さて、何か面白い配信はやってないものか……。
あっ!
チェンファが日本に来てる!
中国が怠惰の大罪の脅威から解放されて、こっちとの行き来が自由になったんだよね。
どうも、向こうの国の体制も大きく変わったみたい。
もうちょっと国際的に協調する人に、トップが入れ替わったのだ。
お陰で今日は……。
もみじちゃんとチェンファのコラボが見られる!
ハッシュタグ、もみチェンで検索だ!
『本日もかいてーん! もみじパン工房へようこそ!』
『お兄ちゃんたち、また見に来たの? 仕方ないなあー。今日もチェンファが遊んであ・げ・る!』
配信が始まった!
小さい二人のコラボ配信。
毎月、海を超えたコラボ配信をしてるんだけど、もみチェンオフコラボは半年に一度!
つまり今回が二回目なのだ。
凄い同接数になってる。
三万人いるよ?
今日は二人でダンジョンを攻めるみたいだ。
これは何のダンジョンなんです?
『実はねえ、ちょっとずつなんだけど地の大魔将があちこちにダンジョンを作ってきててねえ』
うわー、一難去ってまた一難!
大魔将一気に来てるなあ。
水と風はやっつけたでしょ。
じゃあ残りは……地と火かあ。
地は地の底から来るだろうけど、だとしたら火は火山かなあー。
前のバルログの親玉みたいな感じ?
いやいや、なんかもっと斜め上なところから来そうな気がする……。
そう思いながらぼーっと配信を見ていると、もみじちゃんが戦闘用惣菜パンを展開していた。
最近、じっくりともみじちゃんのスタイル見てなかったからなあ。
あっ、地面が揚げパンの衣に変わった!!
モンスターたちがパン粉の尖ったところでぐさぐさ刺されて動けなくなる。
スリップダメージ入ってるっぽいですねえ。
パン粉の尖ったところを軽快に駆け抜けながら、チェンファが手にした二本のしなる剣でモンスターたちを刈り取っていきますね。
次々にモンスターをやっつけた後、チェンファが振り返ってウィンクした。
『お兄ちゃんたち、チェンファに見とれちゃった? 仕方ないお兄ちゃんたちだなあ~。絶対エッチなところ見てたんでしょ? 目が離せないなんてなさけなーい』
私はちょっと興奮したので、書き込みをした。
※はづき『ぬぎぎぎ、め、メスガキぃ~』『!?』『本物!?』『はづきっちいたってw』『はづきっちもよう見とる』『はづきっちさあw』
『あれ? 先輩いた? せんぱーい! 補習頑張ってー』
もみじちゃんが和やかに手を振ってくる。
手を振りながら、彼女の周りでは動物型のパンがぴょんぴょん飛び回り、もみじちゃんの侵攻に合わせて戦場を均していく。
強いなー!
環境構築型の配信者ではトップクラスじゃないかしら。
ちなみに私に名前を呼ばれたチェンファはちょっと嬉しそうに、ファンサービスで色々カワイイポーズをしてくれた。
スクショ連打する私。
※はづき『スクショタイムたすかる』『はづきっちは俺らだったのか……』『あれ? 俺こんな書き込みしたかな……?』
今、私ともみじちゃんのお客さんたちの心が一つに……!
ちなみにチェンファは整えられた戦場を物凄い速度で突き進んで道を切り開くので、この二人のコンビは強いなーなんて思うのだった。
今回のボスデーモンは、なんか名状しがたい外見のうにょうにょした触手な生き物。
チェンファが触手に絡まれて大変なことに!
『も、もみじー!! 助けて! このままだと配信できなくなるから!』
『いけなーい! 塩焼きそばパン!!』
伸びる焼きそば、触手を撃墜!
落っこちるチェンファが空中で姿勢を立て直して、そこに取り落とした剣を焼きそばが拾ってくれる。
受け取ったチェンファ、触手をざくざく切り刻む。
そしてとどめに、ジャンボフランクフルトパンが飛び出していって、デーモンを撃破!
普段の私の配信なら、触手の無能をなじるコメントが出たりするけど、もみチェンコラボのお客さんたちはみんな紳士なのだ。
喜んでるー。
それにしても、いろんなパンが見られたなあ……。
ピタパンだと剣みたいな事ができるらしいし、フランスパンは壁になる。もみじちゃんの攻め手は多彩だなあ。
これなら、地の大魔将はお任せできるかも知れない!
頼むぞもみじちゃん……!!
73
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
強制的にダンジョンに閉じ込められ配信を始めた俺、吸血鬼に進化するがエロい衝動を抑えきれない
ぐうのすけ
ファンタジー
朝起きると美人予言者が俺を訪ねて来る。
「どうも、予言者です。あなたがダンジョンで配信をしないと日本人の半分近くが死にます。さあ、行きましょう」
そして俺は黒服マッチョに両脇を抱えられて黒塗りの車に乗せられ、日本に1つしかないダンジョンに移動する。
『ダンジョン配信の義務さえ果たせばハーレムをお約束します』
『ダンジョン配信の義務さえ果たせば一生お金の心配はいりません』
「いや、それより自由をください!!」
俺は進化して力を手に入れるが、その力にはトラップがあった。
「吸血鬼、だと!バンパイア=エロだと相場は決まっている!」
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる