ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。

あけちともあき

文字の大きさ
上 下
301 / 517
出張!私のイギリス編

第301話 地球の裏側からの連絡伝説

しおりを挟む
 学園祭が終わると気が抜けるね。
 しなしなになりながら、雑談配信などをした。

「お前ら、こんきらー。私です」

※『こんきらー』『こんきらー』『お前か』『私だったか』『なんだそのだらけた姿勢はw』『そっか、はづきっちの学校、この間学園祭だったもんな』『リアル事情に詳しいやつがいるぞ』

「まあ確かに学園祭だったんですけどね! 大盛況のうちに終わりました! それでですねー、イベントが終わると気が抜けるよねーという」

※『ダンジョンを攻略してもそこまで疲れてないのに』『人間と接するからな……』『はづきっち、人付き合いが得意じゃないもんな』

「私への理解度が高い! そうです、そうです。大変でしたー。でも、楽しんでもらえて良かったー」

 あっ、なんか無言スパチャが飛んできた。
 なんだろう。

「スパチャありがとうございます~」

※『ナイスパ!』『ナイスパ!』『主張のない奥ゆかしいスパチャだな』『はづきっちの学校の生徒さんじゃね……?』『あの、リテラシーが高くてはづきっちの学園生活の情報を一切ネットに流さないと評判の……』

 やたら詳しいのがいるぞ!
 だけど確かに、私の話が全然ネットに流出しないのは凄い。
 まあ、私の正体隠蔽が完璧だから、全然バレてないからだと思うけどね!

※『急にドヤ顔をしたぞ』『多分だが、考えていることは違う、そうじゃない、みたいな内容だろうなw』

 な、なにぃーっ!
 そんな風なやり取りをしていたのだけど……。

 そこへ、妙なコメントが飛んできた。

※ルシファー『きら星はづき。緊急事態だ。貴様の協力を要請する!』『なんやこいつ』『いきなり馴れ馴れしいぞ』『ルシファーって、あっ』『あっ』『あっ』『察し』

「あっ、もしかして」

 急に配信にノイズが掛かった。
 そして、私の配信画面の左上に勝手にワイプ画面が出現する。

『私だ』

「ルシファーさんじゃないですか」

 コメント欄騒然。
 
※『配信ジャック!?』『いや、普通に配信の主導権ははづきっちだな』『なんか和気あいあいと喋り始めたぞ』

「どうしたんですか、突然?」

『ああ。日本でもそろそろ報道される頃だと思うが、新たな魔将が出現している。きら星はづき。貴様が東京湾で撃破した大魔将のうちの一体だ』

「あー、イギリスでも! 大変ですねえ……」

『協力を要請する!』

「ほえ?」

『きら星はづきの協力を要請する! これから迷宮省へ英国政府を通じた正式な要請を行う! 人間どもに任せておくと、メンツを気にして自国だけでどうにかしようとするからな。だから現在、北部アイルランドをダンジョンにやられ、凍結される羽目になったのだ』

 そんな事があったんですねえー。

※『ルシファーって傲慢じゃなかったっけ』『素直に頭を下げてくるとは』『大罪勢が当たり前みたいな顔して配信にいるの草』『まあはづきっちもそうだからね……!』

『頭を下げてなどいない。これは対等な関係としての要請だ。国家間のやり取りとはかくあるべきなのだ。人間どもはそこが分かっていない。いいか? 人種や宗教を盾にした見下しがあるが故に、要請ができぬ愚かしさはだな……』

※『せ、説教が始まったー!!』『この人日本語ほんと上手いなw』『いちいち人間を見下してくる辺り、傲慢の大罪だなーって感じw』『顔と声の良さでギリギリ許されてるw』

 うちのリスナーさんとルシファー氏は割と打ち解けたかな?
 というか向こうからもコメント見てるんだ。

 とにかく、詳しい話を聞いてみたら、風の魔将っていうのがやって来てるらしい。
 北部アイルランドで猛威を振るっているみたいで、ルシファー氏はすぐに救援を出したけど、民族的な云々でそれが難航。
 結果的に、北部アイルランドが壊滅状態に陥ったとかなんとか。

 で、ルシファー氏激おこ、というわけなのだ!

 ちゃんと政治家してる~!

『やることをきっちりとやりきらずして、なんのための傲慢か! 慢心と傲慢は違うのだ!』

 傲慢の美学ー!
 結局その後は、私がイギリスの美味しいお店などをルシファー氏からたくさん聞くことになった。
 インド料理と中華が美味しいんだって。
 楽しみー。

「ということでお前ら、私はどうやらイギリス旅行に行くみたいです! 毎年秋は忙しいかも知れない」

※いももち『はづきちゃんはいっつも忙しいでしょ! 応援してるー!!』『ゴーゴー! イギリスを救っちゃえ!』もんじゃ『大罪能力者二人が肩を並べて戦うことになるのか。これは凄いことになりそうだ』

 みんなのあったかい声援が嬉しいなあ。
 今回の配信内容は、迷宮省にも共有されたらしい。
 新しくなった迷宮省は優秀だなあ。

 すぐにPDF形式にまとめられて、今回の件が正式な要請として送られてきた。
 前は感じられた、担当者の自我みたいなのが完全に削られてますね!
 AI?

 あっ、一応責任者のはんこは押してある……。

 書類の内容的には、ルシファー氏が話した通りのまま。
 余計な一言すら付け加えてない。
 こういうのでいいんですよ、こういうので。

 本当に、一切、絶対に余計なことをしないで配信者のサポートに徹するという固い決意を感じる。

 夕食時に、父が早く帰ってきてたんで、今後の報告などをしておいた。

「イギリスに行くことになるって」

「えっ!? イギリスに!?」

 ものすごく驚く父。

「心配だ……心配だ……」

「去年はアメリカだったし、この子なら平気だと思うわよ」

 母からの信頼が厚い。

『我は同行しよう。小さくなれば持ち運びも楽であろうからな。なんならば、きら星はづきを守るアーマーにもなれる』

「なんと! バングラッドさん、行ってくれるか!! 娘を頼む……!!」

「リーダーの海外遠征! 懐かしいわね……。もうあれから一年かあ……」

 ビクトリアが遠い目をしてる。
 横では父がバングラッド氏と固い握手を交わしてるし。

「あ、ビクトリアも行くんだって」

「えっ!? 私も!?」

 ということで、今回は私、ビクトリア、バングラッド氏の三人でイギリス入りします!
しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...