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秋な私の呉越同舟編
第283話 混乱の迷宮省伝説
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「お前ら、こんきらー」
※『こんきらー』『こんきらー』『いつもの雑談』『実家のような安心感』
「あのですね。昨日は迷宮省に呼ばれて舞踏館でパーティーがあったんですけど。ほら、迷宮省の偉い人が変わったじゃない。で、職員の人もたくさん入れ替わっててー」
※『あれなー』もんじゃ『中林議員はもともと文科省関連の経費削減等の改革で知られる人物で、ダンジョンによる人口減少を理由に教育施設への援助を多数打ち切ったことで色々恨まれてもいるな』『有識者!』
「なんでも知ってる人がいるなあー」
もんじゃは詳しい。
なるほど、そのノリで迷宮省で大鉈を振るおうとしてるのか。
大京元長官、湯水のようにお金を使ってダンジョン対策してた感じだもんね。
で、あちこちの配信者への援助も切っていこうということで、新しい職員の人が配信者会社を訪れたりしてるらしい。
うちに関してはなんか違反があるとかいちゃもんつけてたけど。
「あ、そう言えばイカルガは迷宮省が統括してるダンジョンデータベースから一方的に切り離されたんですけど、うちに設置してある陰陽ファイアウォールがなぜか発動して迷宮省のサーバーが一時的に全部ダウンしてですね、大混乱に」
※『配信者企業を普通の会社だと思ってると違うからな……』もんじゃ『同接数で神に近づく配信者を多数擁している場所なんか、神域と変わらない。そこに敬意を持たず接したら祟られるのが当然だからな』
そういうものらしい。
どうも、新しい迷宮省はそういうセオリーを全然知らないっぽい。
これ、やっちゃいけないところをバッサリ大鉈で断ち切ったくさい。
しばらくは大変そうですねー。
「あ、そうそう。あのですね、そのパーティーの話に戻って、そこでルシファーさんとウォンさんという海外から来た色々な意味での大物と、大罪同盟というのを結んでですねー」
※『!?!?!?!?!?!』『ちょ、まw!』『えっっっっっ!?』『さらっととんでもないこと言ったな!?』『ルシファーって、以前のルシファー・グリフォン議員!?』『考察サイトで傲慢の大罪だと言われてたやつだな』『確か、中国の怠惰の大罪はカンルーという名前だったはず』『怠惰は成長しきったとかでベルフェゴールを名乗るようになったんじゃなかったっけ?』『迷宮省が海外からわざわざ大罪を呼び寄せたってこと!?』
おっ、なんか盛り上がってますな。
「でですねえ、みんなでラーメンを食べました。これからは色々困ったことがあったら助け合おうねって約束して、とりあえずは異世界からの侵略に対して、協力して戦うことになりました!」
私がガッツポーズをしたら、コメントは半分歓声、半分が戸惑いになった。
どこに戸惑う要素が……?
※『とんでもない大暴露が来たぞw』『はづきっち、口止めとかされなかった?』『いや、これは絶対なにか言われる前に会場から勝手に消えたやつだw』『新迷宮省、あまりにも脇が甘すぎるw』『自分たちが何を相手にしてるか分かってないなこれは』『相手は、はづきっちなんだぞw』
ということで、近況についてのお喋りはここまで、
「あのですねあのですね、イカルガで男性配信者を募集してたのは知ってると思うんですがー」
※『知ってる!』『オーディション落ちたー!』『受験者がいた!』
「うんうん。応募者多数でした。ありがとうございます。書類審査の前に、厳密なくじ引きで第一次試験合格者を決めました。くじを引いたの私です」
※『はづきっちが!?』『噂の、最初に運の良さでふるいにかける試験だw』『実力以前に運を重視するよな、イカルガ』『世界一合格者がランダムな試験だよw』
「二次試験が書類審査で、そこから今度は三次試験でガラポンをやります。三回ガラガラ回して出てきた番号の人が面接まで進めます。あとは面接で、うちのお兄ちゃんが気に入ったら合格ですねー」
※『ハードルたっかwww!!』『あらゆる対策を無にする最後のガラポンという障壁よw』『他人に運命を握られてなお通過する三人をさらに選りすぐるのか……』
「……という試験が昨日で終わったそうで」
※『もう終わってるw!!』『展開が早いよイカルガ!!』『夏休み終わりくらいに募集スタートしてなかった?』『半月で最終試験終わったんかw』
「合格者が一名決まったので、後日発表していきたいと思いますー。誰でしょうねえ」
バードマンのトリットさんはかなりコンプラを学び、みだりに女性と直結しようとしてはならないことをよく理解したみたい。
この人はもうすぐデビューかな。
あとはオーディションで受かった男の人の教育がスタートするから……。
イカルガは大忙しなのだ!
こうしてこの日の雑談配信は終わり、私はまったり学校生活をしつつダンジョンを攻略したりしていた。
放っておいてもどんどんダンジョンは発生するからね。
次々にクリアしていかないと皆さんの生活の安全がね。
ツブヤキックスなどではそのへんの話題がちょこちょこ出ている。
『はづきっちが相変わらず精力的に活動してるよな』『迷宮省がイカルガに業務停止命令とか見た?』『見た見た! その直後に迷宮省のサーバーがまた全部ダウンしたんだろ? しかも今も復旧の目処が立ってないって』『何も仕事できない状態らしい』『祟りだろこれもうw』『最近の迷宮省おかしいよなあ』『そう言えば新しい長官の名前って、憤怒のナカバヤシと似てね……?』
はえー、業務停止命令とか出てたのか。
ちなみに、配信の後、その理由が曖昧だったんですぐに命令は撤回された。
後日、サーバーがいきなり復旧したらしい。
ウイルスが何かやったのかと調べられたけど、全くその痕跡が無かったとか。
うちの宇宙さん曰く、「陰陽ファイアウォールとドラゴンによるダンジョン化が行われているイカルガは、まんま神域になりつつあるからね。然るべき手段で敬意を持って接触しないと逆に侵食されてああなるのは仕方ない」
特にイカルガ関連にひたすら嫌がらせみたいなことをしてきてるみたいだけど、私の再販フィギュアを発売停止の回収しようとしたら担当部署がダンジョン化して、職員さんが全員巻き込まれたり。
私のグッズの効果に疑いがある発表をしたら、それを載せたニュース系サイト全部がサーバーダウンしたりした。
いやあ、大混乱でした。
何が起こっているんだ。
つまり、迷宮省は新体制になってから、何一つまともに動けていないことになる。
なんか片っ端からサーバーが落ちたりダンジョン化したりして、その後の対処もまともにできてないんだよね。
世の中の目がなんか厳しくなってきたのを感じるぞ……。
こうしている間にも、地方にどんどんダンジョンが出現したりする。
こういうのは、その土地の配信者さんが頑張って踏破してるわけで。
迷宮省のサポートが全然無くなったんで、配信が大変になったっていう話をよく聞く。
なので……。
「えっと、逆凸なんですけど、今配信で大変そうなんでアポなしで連絡しちゃいました!! お力になればー」
『えっ!? はづきっち!? う、うわー!! 感激です! 私は山口の配信者で川棚カワラって言います!』
※『うおおおお! カワラちゃんのアバターが輝き始めてる!』『これが噂のはづきっちバフかあ!』
「クリアまで通話つなげますんでファイトですー!!」
『が、がんばります!! うわーっ、力が湧き上がってくる!! うりゃあー!! 瓦そばソード!!』
『ウグワーッ!!』
画面の向こうで、ご当地配信者のカワラちゃんがデーモンを叩き切った。
おおー、見事ダンジョンを制覇です!
「おめでとうございますー! かっこよかったです! じゃあ私はこれで……」
『あっあっ、ありがとうございましたはづきっちー!!』
こんな感じで、あちこちはしごしながら配信に逆凸する私の新しい活動がスタートしたのだった。
※『こんきらー』『こんきらー』『いつもの雑談』『実家のような安心感』
「あのですね。昨日は迷宮省に呼ばれて舞踏館でパーティーがあったんですけど。ほら、迷宮省の偉い人が変わったじゃない。で、職員の人もたくさん入れ替わっててー」
※『あれなー』もんじゃ『中林議員はもともと文科省関連の経費削減等の改革で知られる人物で、ダンジョンによる人口減少を理由に教育施設への援助を多数打ち切ったことで色々恨まれてもいるな』『有識者!』
「なんでも知ってる人がいるなあー」
もんじゃは詳しい。
なるほど、そのノリで迷宮省で大鉈を振るおうとしてるのか。
大京元長官、湯水のようにお金を使ってダンジョン対策してた感じだもんね。
で、あちこちの配信者への援助も切っていこうということで、新しい職員の人が配信者会社を訪れたりしてるらしい。
うちに関してはなんか違反があるとかいちゃもんつけてたけど。
「あ、そう言えばイカルガは迷宮省が統括してるダンジョンデータベースから一方的に切り離されたんですけど、うちに設置してある陰陽ファイアウォールがなぜか発動して迷宮省のサーバーが一時的に全部ダウンしてですね、大混乱に」
※『配信者企業を普通の会社だと思ってると違うからな……』もんじゃ『同接数で神に近づく配信者を多数擁している場所なんか、神域と変わらない。そこに敬意を持たず接したら祟られるのが当然だからな』
そういうものらしい。
どうも、新しい迷宮省はそういうセオリーを全然知らないっぽい。
これ、やっちゃいけないところをバッサリ大鉈で断ち切ったくさい。
しばらくは大変そうですねー。
「あ、そうそう。あのですね、そのパーティーの話に戻って、そこでルシファーさんとウォンさんという海外から来た色々な意味での大物と、大罪同盟というのを結んでですねー」
※『!?!?!?!?!?!』『ちょ、まw!』『えっっっっっ!?』『さらっととんでもないこと言ったな!?』『ルシファーって、以前のルシファー・グリフォン議員!?』『考察サイトで傲慢の大罪だと言われてたやつだな』『確か、中国の怠惰の大罪はカンルーという名前だったはず』『怠惰は成長しきったとかでベルフェゴールを名乗るようになったんじゃなかったっけ?』『迷宮省が海外からわざわざ大罪を呼び寄せたってこと!?』
おっ、なんか盛り上がってますな。
「でですねえ、みんなでラーメンを食べました。これからは色々困ったことがあったら助け合おうねって約束して、とりあえずは異世界からの侵略に対して、協力して戦うことになりました!」
私がガッツポーズをしたら、コメントは半分歓声、半分が戸惑いになった。
どこに戸惑う要素が……?
※『とんでもない大暴露が来たぞw』『はづきっち、口止めとかされなかった?』『いや、これは絶対なにか言われる前に会場から勝手に消えたやつだw』『新迷宮省、あまりにも脇が甘すぎるw』『自分たちが何を相手にしてるか分かってないなこれは』『相手は、はづきっちなんだぞw』
ということで、近況についてのお喋りはここまで、
「あのですねあのですね、イカルガで男性配信者を募集してたのは知ってると思うんですがー」
※『知ってる!』『オーディション落ちたー!』『受験者がいた!』
「うんうん。応募者多数でした。ありがとうございます。書類審査の前に、厳密なくじ引きで第一次試験合格者を決めました。くじを引いたの私です」
※『はづきっちが!?』『噂の、最初に運の良さでふるいにかける試験だw』『実力以前に運を重視するよな、イカルガ』『世界一合格者がランダムな試験だよw』
「二次試験が書類審査で、そこから今度は三次試験でガラポンをやります。三回ガラガラ回して出てきた番号の人が面接まで進めます。あとは面接で、うちのお兄ちゃんが気に入ったら合格ですねー」
※『ハードルたっかwww!!』『あらゆる対策を無にする最後のガラポンという障壁よw』『他人に運命を握られてなお通過する三人をさらに選りすぐるのか……』
「……という試験が昨日で終わったそうで」
※『もう終わってるw!!』『展開が早いよイカルガ!!』『夏休み終わりくらいに募集スタートしてなかった?』『半月で最終試験終わったんかw』
「合格者が一名決まったので、後日発表していきたいと思いますー。誰でしょうねえ」
バードマンのトリットさんはかなりコンプラを学び、みだりに女性と直結しようとしてはならないことをよく理解したみたい。
この人はもうすぐデビューかな。
あとはオーディションで受かった男の人の教育がスタートするから……。
イカルガは大忙しなのだ!
こうしてこの日の雑談配信は終わり、私はまったり学校生活をしつつダンジョンを攻略したりしていた。
放っておいてもどんどんダンジョンは発生するからね。
次々にクリアしていかないと皆さんの生活の安全がね。
ツブヤキックスなどではそのへんの話題がちょこちょこ出ている。
『はづきっちが相変わらず精力的に活動してるよな』『迷宮省がイカルガに業務停止命令とか見た?』『見た見た! その直後に迷宮省のサーバーがまた全部ダウンしたんだろ? しかも今も復旧の目処が立ってないって』『何も仕事できない状態らしい』『祟りだろこれもうw』『最近の迷宮省おかしいよなあ』『そう言えば新しい長官の名前って、憤怒のナカバヤシと似てね……?』
はえー、業務停止命令とか出てたのか。
ちなみに、配信の後、その理由が曖昧だったんですぐに命令は撤回された。
後日、サーバーがいきなり復旧したらしい。
ウイルスが何かやったのかと調べられたけど、全くその痕跡が無かったとか。
うちの宇宙さん曰く、「陰陽ファイアウォールとドラゴンによるダンジョン化が行われているイカルガは、まんま神域になりつつあるからね。然るべき手段で敬意を持って接触しないと逆に侵食されてああなるのは仕方ない」
特にイカルガ関連にひたすら嫌がらせみたいなことをしてきてるみたいだけど、私の再販フィギュアを発売停止の回収しようとしたら担当部署がダンジョン化して、職員さんが全員巻き込まれたり。
私のグッズの効果に疑いがある発表をしたら、それを載せたニュース系サイト全部がサーバーダウンしたりした。
いやあ、大混乱でした。
何が起こっているんだ。
つまり、迷宮省は新体制になってから、何一つまともに動けていないことになる。
なんか片っ端からサーバーが落ちたりダンジョン化したりして、その後の対処もまともにできてないんだよね。
世の中の目がなんか厳しくなってきたのを感じるぞ……。
こうしている間にも、地方にどんどんダンジョンが出現したりする。
こういうのは、その土地の配信者さんが頑張って踏破してるわけで。
迷宮省のサポートが全然無くなったんで、配信が大変になったっていう話をよく聞く。
なので……。
「えっと、逆凸なんですけど、今配信で大変そうなんでアポなしで連絡しちゃいました!! お力になればー」
『えっ!? はづきっち!? う、うわー!! 感激です! 私は山口の配信者で川棚カワラって言います!』
※『うおおおお! カワラちゃんのアバターが輝き始めてる!』『これが噂のはづきっちバフかあ!』
「クリアまで通話つなげますんでファイトですー!!」
『が、がんばります!! うわーっ、力が湧き上がってくる!! うりゃあー!! 瓦そばソード!!』
『ウグワーッ!!』
画面の向こうで、ご当地配信者のカワラちゃんがデーモンを叩き切った。
おおー、見事ダンジョンを制覇です!
「おめでとうございますー! かっこよかったです! じゃあ私はこれで……」
『あっあっ、ありがとうございましたはづきっちー!!』
こんな感じで、あちこちはしごしながら配信に逆凸する私の新しい活動がスタートしたのだった。
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