上 下
244 / 517
真夏な私の遭遇編

第244話 久々! きら星はづきの動向を追え!伝説

しおりを挟む
~冒険配信者うぉっちチャンネル~

 ─こんにちはなのだ!
 ─今日も冒険配信者うぉっちチャンネルをやっていくのだ!

 おなじみの合成音声が流れる。
 様々な冒険配信者を紹介し、彼らの来歴や、関わった人々からのインタビューを伝える、人気まとめチャンネル。
 アワチューブにおいて、冒険配信者系まとめ動画のトップランクに君臨している。

 最近では管理人本人も、使用しているトークロイドの姿にバーチャライズし、危険なダンジョンの奥深くまで配信者を追いかけて取材に行っているとか。
 それどころか、管理人は大罪の力に目覚め、これを完全に制御して、きら星はづきに続く二人目の大罪能力者だという噂まである……。

 ─最近はイベント目白押しだったのだ!
 ─ここ一ヶ月の間で伝えてきた、異世界からやって来た人たちのニュースはどうだったのだ?
 ─みんなの感想も読んでいるけど、ここでコメントをしてくれると嬉しいのだ!

※『異世界人デビューさせたりし始めたよな』『ドワーフの人がいきなりBANされたってマ!?』『Fワード連発したらしいぞ』『あー、チャラウェイが頭丸めてドワーフと一緒に謝罪配信してたもんなw』『大変だなあ……』

 ─うんうん、色々あるのだなー。
 ─異世界人はこっちの常識を学んでもらわないと、まだなかなか配信デビューは厳しいと思うのだ。

※『あっ、動画じゃない!』『コメント読んで反応してるぞ!』『管理人、さらにやるようになったな』『どうやってトークロイドでリアルタイムに喋らせてるんだ?』

 ─ちょっとしたコツがあるのだ。
 ─では、今日は久しぶりに、きら星はづきさんのネタで行くのだ!

※『待ってました!』『あの人、放っておくとどんどん世界的な大事件に突っ込んでいくからな……』『ネタが多すぎるんよ』

 ─全くその通りなのだ。
 ─でも、そんな彼女がまたとんでもないことをやらかしたのだ!
 ─異世界人がやってくると同時に、ダンジョンが異世界からの侵略であることも明らかになったのだ。
 ─このことはみんな知っているのだ?

※『知ってる知ってる!』『大罪勢の侵略が一段落して、魔将っていうのが出てきてるんだろ?』『モンスターの強さもランクアップしたとか聞くぜ』

 ─そうなのだ……。
 ─ダンジョンはより危険なところになっているのだ!
 ─本来であれば、個人勢の人たちはここで詰むことも多いのだ。
 ─だけど……ここで飛び道具が……いや、この話は脱線するから後にするのだ。

※『フィギュア……』『あの持って歩けるドーピング装置なw』『戦力バランスがまた釣り合っちゃったんだよなあ……』

 ─その話は後なのだー!
 ─ということで、きら星はづきさんがやった凄い業績をここで見せるのだ。
 ─これなのだ!
 ─魔将バルログ撃破!

 バーン! と効果音付きで出てくるテロップ。
 コメント欄がワッと盛り上がった。

※『見た見た!』『あれヤバかったよな……』『大罪勢レベルだろ、あの魔将』『完全に正面突破で粉砕したからな』

 ─さらにやるようになったな、きら星はづきっち!なのだ!
 ─それから、彼女が新しい技を披露してたのだなー。
 ─アンチを弾丸にして式神化、これをミサイルみたいにぶっ放していたのだ!
 ─なんでサラッと当たり前みたいに陰陽術をマスターしてるのだ……?

※『はづきっちに搦め手が増えたな……』『遠距離でも死角が無くなったってことかよ』『アンチが付くほど強くなるってマ!?』『無敵かよw』

 ─いやあ、びっくりしたのだ! それからはづきっちが始球式に出てたのだなー。

※『球速150kmのストレートだろ!』『そうそう! ど真ん中に投げてた!』『球速はあれ、あえて始球式用に落としたらしい……』『マジで!? それに、あの球速であのコントロールかよ』『はづきっち、なんでもできるからな……ゲーム以外』

 ─ゲームなのだなー。
 ─ゲームと言えば、VRロビーにも魔将が滞在していて、はづきさんは何度か戦っているのだ!
 ─ゲームで。

※『はづきっちが珍しく一度も勝利してないやつw』『この間、遊び方を魔将に教わってたぞ』『バングラッドな! あいついいキャラしてるんだよな』

 ─この、きら星はづきさんと魔将のやり取りが癒着だと週刊誌にすっぱ抜かれて、テレビでも特集してて、彼女にはたくさんのアンチが集中したようなのだ!
 ─それで、その後の展開はみんな分かってるのだなー?

※『はづきっちの弾丸が増えちゃったかあ……w』『昨日、夏休み初日らしくて中部地方でバードマンとケンタウロスに会ってたぞ』『あー、山間がまるごとダンジョン化したやつ!』『入り口をはづきアンチ蠱毒ミサイルで蹂躙してたな!』

 ─そう!
 ─アンチが増えたり、世間で叩かれるときら星はづきさんの遠距離攻撃力が増加するのだ!
 ─なお、この力を使った後のコストはアンチ発言した本人が支払うらしくて……。

※『えげつないんだよw!』『週刊醜聞のはづきっち事件担当記者がぶっ倒れて入院したってマ!?』『はづきっちのアンチ蠱毒ミサイルにエネルギーをめちゃくちゃ吸い上げられたな……』『アンチが命がけやんw』

 ─そこまでしてなんでアンチ活動をするのか不思議なのだなー。
 ─迷宮省は過剰なアンチ活動取締はしてるけど、はづきっちに関しては解禁することにしたそうなのだ!
 ─アンチ活動されるほど、本邦最強の配信者がさらに強くなるからなのだなー。

※『闇の力を吸って光がさらに強大になるんよ』『アンチだって認知されたらパワーを吸い上げられるからな……』『アンチ代ってコト……!?』

 ─話は戻るけど、昨日の配信ではづきっちはダンジョンを粉砕したら魔将に逃げられてしまったそうなのだ。
 ─次なるはづきっちと魔将との対決が楽しみなのだなー。
 ─ちなみにバードマンの人は日本は電柱が多くて楽しいって言ってたのだ!
 ─一人、はづきっちに連れられてイカルガに来たのだなー。
 ─イカルガエンターテイメントがどんどん国際的になっていくのだ!

※『ケンタウロスは日本だと活動しづらいもんなあ……』『移動手段が自前の足になりがち』

 ─おっと、もう時間なのだ!
 ─今日は雑談配信みたいになったのだなー。
 ─これからも色々なネタを仕入れて、どんどん配信も動画も出していくのだ!
 ─また見て欲しいのだー!
しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...