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年末! 私の色々挑戦編
第169話 配信はクリスマスパーティーの後で伝説
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やってきました、クリスマスイブ。
私としては別に心躍るイベントでもなんでもないのだけど……。
陽キャがカップルできゃあきゃあするイベントとしか認識していないのだ……!
サンタクロース的なファンタジーは小学生のうちに卒業してしまったし。
異世界に呼ばれる事件があった後、ダンジョンも大罪勢も落ち着いた感じみたいだし、世間は浮ついた空気に包まれている。
そして我が家では……。
「メリークリスマース!」
母がクラッカーをポンポーンと鳴らす。
「メリークリスマース!」
受付さんももう赤くなってる顔でクラッカーを鳴らす。
「今年のクリスマスは賑やかでいいなあ」
父もお酒で出来上がっていて、ニコニコだ。
「日本のチキンは小さいからどうかなと思ったけど、ターキーより柔らかいよねえ」
ビクトリアはむしゃむしゃと骨付きチキンを食べている。
「そこでお前にはさらに二人の教育係をだな。もみじがその場にお前がいたから了承は取り付けてあるという話だそうだな」
兄がなんか私に喋ってきている。
そう。
我が家はクリスマスイブのパーティーなのだ。
私と両親とビクトリア、それに兄と受付さんが加わって六人!
ビクトリアも受付さんも実家は海外だからねえ。
ビクトリアは早朝に、両親とクリスマスの挨拶をするらしい。
私も一緒にいてねと言われたので、早起きせねばなのだ。
「斑鳩さんもはづきちゃんばっかりじゃなくて私の方を見てくださいよう。ほらお酒」
「むっ、ちょっと待て。そんな強引にぐわーっ」
「あらあら」
「もう秒読みだな」
両親がニヤニヤしている。
この二人は完全に受付さんと結託しているので、兄包囲網は狭まるばかりなのだ。
何気にこの人は押しに弱い気がするから、あと一年か二年で決着がつくと私は睨んでいる。
そんなことを考えつつ、私はもりもりとお料理を食べ、ビクトリアとお喋りし、ケーキを食べ、大変満足した。
家族全員でクリスマスのお料理は食べ尽くした。
残りはない。
私と母で五割くらい食べた。
さあ、家族との時間を楽しんだら、次は配信だ……。
「お前ら、こんきらー」
「こんきらー! Merry Christmas!!」
※『こんきらー!』『こんきら! ビクトリアちゃん一緒じゃん!』『二人とも私服!? かわいい』
「家族でクリスマスのパーティしました。その前にお風呂は入ってるので、私たちはパジャマですねー。ご飯終わったからさっき着替えたんですけど」
※『パジャマ!?!?!?!』『うおおおおおお』おこのみ『ありがとうありがとう……!!』
なんかすごく喜ばれている……。
「リーダーのパジャマ借りてるんだけど、ちょっとサイズがオーバーみたい。ゆったりしてるの」
※『うおおおおお』『はづきっちに合わせたサイズだもんなあ』いももち『私も着たいー!!』
「い、いやいや、けっして私が太ってるわけじゃないです! でもパジャマはゆったりした感じで寝たいから大きめのをですね……。胸元とかお尻とか太ももはちょうどサイズなんですけど」
※『なんと素晴らしいクリスマスなのか』『聖なる夜にこれほどのサービスをしてくれるとは』『クリスマスプレゼント……もらっちゃったなあ』
盛り上がっている……。
私がきょとんとしていると、ビクトリアが気を遣って話を進めてくれた。
「エブリワン、クリスマスにはパーティした? ステディと一緒にいる? それともファミリー?」
※おこのみ『一人でごわす』『彼女と配信見てる!』『なんだとぉ……』『陽キャがおる』『我が家のテレビで見てるよー。家族みんなが見てる!』
「えっ、私のだらだら雑談を!?」
そんな、テレビで見るのに耐えられるクオリティではないのでは?
私は慌てて髪とかを気にし始めた。
※『今頃w』『いつものはづきっちを見てるんだから大丈夫だよ』『この間のカツ丼配信凄かったー』『なー、異世界の』
「あー、異世界行きましたねー。あれから風街さんと連絡取り合って、色々聞かれたんですよー。でも五分ちょっとしかいなかったんで何にも分からないです」
※『出た、話を聞かないはづきっちw』『まとめ動画楽しみだよな』『本編五分だからまとめようがないだろ、あれw』
今頃たこやきが他の動画とまとめて何か作ってくれていると思う……。
他の配信者の会社だと、クリスマスに合わせてイベントをやったり新情報を公開したりしている。
イカルガエンターテイメントは家族単位の会社だからなあ。
今日は実質お休みなのだ。
もみじちゃんも家族優先なので、今日の配信はなし。
兄は向こうで受付さんにお酒を飲まされて、すっかり出来上がっている。
私も来年まではのんびりかなー、などと思いつつ、適当にお喋りをしていたら……。
ザッコでなんかお便りが届いた。
なんだろうなんだろう。
「えーと……。きら星はづき様、冒険配信者による年末イベントにご参加いただけませんか、と……? ひえー」
※『えっ!? 今からイベントのお誘い!?』『急過ぎではw』『でもまあ、気持ちはわかる』『今年一番活躍した配信者だもんなあ』
「驚いた。一応、私はインタビューされるだけで、ゲストさんだから座って見てるだけでいいって。行ったほうがいいかなー。ではアンケートで」
※『こんな重要な決定をアンケートに任せるなw』『あっ、この人本当にアンケ作ってきたw!』『行け行け行け行け行け』
一瞬で、圧倒的大多数の票がイベント行けに流れ込んだ。
あひー!
これは一大事ですぞ。
私の静かな年末が……。
私としては別に心躍るイベントでもなんでもないのだけど……。
陽キャがカップルできゃあきゃあするイベントとしか認識していないのだ……!
サンタクロース的なファンタジーは小学生のうちに卒業してしまったし。
異世界に呼ばれる事件があった後、ダンジョンも大罪勢も落ち着いた感じみたいだし、世間は浮ついた空気に包まれている。
そして我が家では……。
「メリークリスマース!」
母がクラッカーをポンポーンと鳴らす。
「メリークリスマース!」
受付さんももう赤くなってる顔でクラッカーを鳴らす。
「今年のクリスマスは賑やかでいいなあ」
父もお酒で出来上がっていて、ニコニコだ。
「日本のチキンは小さいからどうかなと思ったけど、ターキーより柔らかいよねえ」
ビクトリアはむしゃむしゃと骨付きチキンを食べている。
「そこでお前にはさらに二人の教育係をだな。もみじがその場にお前がいたから了承は取り付けてあるという話だそうだな」
兄がなんか私に喋ってきている。
そう。
我が家はクリスマスイブのパーティーなのだ。
私と両親とビクトリア、それに兄と受付さんが加わって六人!
ビクトリアも受付さんも実家は海外だからねえ。
ビクトリアは早朝に、両親とクリスマスの挨拶をするらしい。
私も一緒にいてねと言われたので、早起きせねばなのだ。
「斑鳩さんもはづきちゃんばっかりじゃなくて私の方を見てくださいよう。ほらお酒」
「むっ、ちょっと待て。そんな強引にぐわーっ」
「あらあら」
「もう秒読みだな」
両親がニヤニヤしている。
この二人は完全に受付さんと結託しているので、兄包囲網は狭まるばかりなのだ。
何気にこの人は押しに弱い気がするから、あと一年か二年で決着がつくと私は睨んでいる。
そんなことを考えつつ、私はもりもりとお料理を食べ、ビクトリアとお喋りし、ケーキを食べ、大変満足した。
家族全員でクリスマスのお料理は食べ尽くした。
残りはない。
私と母で五割くらい食べた。
さあ、家族との時間を楽しんだら、次は配信だ……。
「お前ら、こんきらー」
「こんきらー! Merry Christmas!!」
※『こんきらー!』『こんきら! ビクトリアちゃん一緒じゃん!』『二人とも私服!? かわいい』
「家族でクリスマスのパーティしました。その前にお風呂は入ってるので、私たちはパジャマですねー。ご飯終わったからさっき着替えたんですけど」
※『パジャマ!?!?!?!』『うおおおおおお』おこのみ『ありがとうありがとう……!!』
なんかすごく喜ばれている……。
「リーダーのパジャマ借りてるんだけど、ちょっとサイズがオーバーみたい。ゆったりしてるの」
※『うおおおおお』『はづきっちに合わせたサイズだもんなあ』いももち『私も着たいー!!』
「い、いやいや、けっして私が太ってるわけじゃないです! でもパジャマはゆったりした感じで寝たいから大きめのをですね……。胸元とかお尻とか太ももはちょうどサイズなんですけど」
※『なんと素晴らしいクリスマスなのか』『聖なる夜にこれほどのサービスをしてくれるとは』『クリスマスプレゼント……もらっちゃったなあ』
盛り上がっている……。
私がきょとんとしていると、ビクトリアが気を遣って話を進めてくれた。
「エブリワン、クリスマスにはパーティした? ステディと一緒にいる? それともファミリー?」
※おこのみ『一人でごわす』『彼女と配信見てる!』『なんだとぉ……』『陽キャがおる』『我が家のテレビで見てるよー。家族みんなが見てる!』
「えっ、私のだらだら雑談を!?」
そんな、テレビで見るのに耐えられるクオリティではないのでは?
私は慌てて髪とかを気にし始めた。
※『今頃w』『いつものはづきっちを見てるんだから大丈夫だよ』『この間のカツ丼配信凄かったー』『なー、異世界の』
「あー、異世界行きましたねー。あれから風街さんと連絡取り合って、色々聞かれたんですよー。でも五分ちょっとしかいなかったんで何にも分からないです」
※『出た、話を聞かないはづきっちw』『まとめ動画楽しみだよな』『本編五分だからまとめようがないだろ、あれw』
今頃たこやきが他の動画とまとめて何か作ってくれていると思う……。
他の配信者の会社だと、クリスマスに合わせてイベントをやったり新情報を公開したりしている。
イカルガエンターテイメントは家族単位の会社だからなあ。
今日は実質お休みなのだ。
もみじちゃんも家族優先なので、今日の配信はなし。
兄は向こうで受付さんにお酒を飲まされて、すっかり出来上がっている。
私も来年まではのんびりかなー、などと思いつつ、適当にお喋りをしていたら……。
ザッコでなんかお便りが届いた。
なんだろうなんだろう。
「えーと……。きら星はづき様、冒険配信者による年末イベントにご参加いただけませんか、と……? ひえー」
※『えっ!? 今からイベントのお誘い!?』『急過ぎではw』『でもまあ、気持ちはわかる』『今年一番活躍した配信者だもんなあ』
「驚いた。一応、私はインタビューされるだけで、ゲストさんだから座って見てるだけでいいって。行ったほうがいいかなー。ではアンケートで」
※『こんな重要な決定をアンケートに任せるなw』『あっ、この人本当にアンケ作ってきたw!』『行け行け行け行け行け』
一瞬で、圧倒的大多数の票がイベント行けに流れ込んだ。
あひー!
これは一大事ですぞ。
私の静かな年末が……。
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