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年末! 私の色々挑戦編
第159話 考えるよりもVR伝説
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習うより慣れよ。
私のモットーです。
というか細かく調べたり段取りするより前に、自分ひとりだとぱっぱと動いちゃうんだよね。
深く思考をしていられないとも言う……。
『今日は自宅でVR配信か? どこで配信する、という内容をあまりおおっぴらにツブヤキしないほうがいいぞ。ある個人配信者がそれをやり、フリースペースにファンが溢れて、人間の感情のるつぼから新たなダンジョンが発生する事態になったケースがある』
「ひえーっ」
兄から恐ろしい話を聞いてしまった。
そうすると、あらかじめ場所の予告はしないほうがいいなあ。
案内人もんじゃ、とても便利でありがたかったのに。
仕方なく、今回は「配信しまぁす!」とだけツブヤキしてインキュベーター666を起動した。
ぶおんとVR世界にダイブ。
いつものロビーに降りると、妙に人口密度が高かった。
『はづきっちだ!』
『本当にはづきっちが来た!』
『このロビーでよかったー』
「あっ、いけない。必ず621ロビーに出てくるということは待ち構えられるのだった」
これは盲点。
まあロビー所属の人が全員いても、すし詰めにはならないくらいに調整されてるらしいんだけど。
だけど621ロビーの人たち、どうやら24時間体制で結構な人数が張り付いていたらしい。
しゃ、社会生活してくれ~。
なお、同じロビーらしいもんじゃはいない。
社会生活してる~。
「あっ、どうもどうも、これから配信なんで……」
『俺が案内しますよ!』
『私が! 私が!』
『配信に映ってる? ピースピース!』
な、なんだこいつら~。
これから配信を始めるのに、とても邪魔だったので穏便に退場願うことにした。
具体的には、配信をスタートしてゴボウを抜く。
「こんきら~。みんな、これからちょっと野次馬を押しのけてVRダンジョン配信します!」
※『こんきら~』『ホットスタートじゃん』『そうか、そこのロビーがネットニュースになってたもんな』『アカウントを買い取ってまでロビー移動したやつがいるらしい』『頑張れはづきっち!』
みるみる同接が増えると、ゴボウが輝き出した。
そのゴボウで、ペチッと地面を叩く。
すると、ピンク色の光が生まれて、それが野次馬の人たちを巻き込んで広がっていった。
『ウグワーッ!?』『なんだこれ!?』『モンスターしか影響しないんじゃなかったのか!』『まさか私たちがモンスター扱い!?』『ウグワーッ揺れる揺れる』
みんなシェイクされながら壁際まで押し流されていった。
道が開きましたねえ。
※『風評をものともせぬ強硬手段w』『配信者は国に守られていると言ってもこれはすごいw』『見ろよはづきっちの堂々たる歩み……』『いいことしてる時ほど挙動不審で、とんでもないことやらかした時ほど堂々としてるんだよな……w』
だ、だってここにダンジョンが発生しちゃったらそれこそ大変だし!
ということで、私はそそくさとフリースペースに移動した。
※たこやき『ノーマルアバターがはづきっちのままだから目立つんだと思う。偽装用のを作っておく』
「ほんと? ありがとー」
たこやきの技術力に期待。
さてさて。
VR空間に発生したダンジョンは、運営さんからの注意書きをチェックするとよく分かるみたい。
なるほど……立ち入り禁止区域がある……。
私は商店街をまっすぐ抜けて、禁止区域に向かった。
たくさんの食べ物が並んでいるけれど、味も香りもしないしお腹にも溜まらない。
スルーなのだ……。
『はづきっちおるやん』
『コスプレじゃなくって?』
『この間も来てたっしょ!』
『ネットニュースになってたじゃん!』
あひー!
現実世界以上に簡単に見つかって野次馬が集まってくる!
しかもフリースペースは広大で、めちゃくちゃたくさんの人がいるから、その人たちが集合するととんでもないことになる。
私は慌てて小走り移動した。
VRの方が現実よりも色々と気を使わなくちゃいけないってどういうことー!
禁止区域まで行くと、一般人は侵入できなくなっているようで人の数がグッと減った。
良かった良かった……。
※『今回は何気にダンジョンまでの道のりが一番過酷だったなw』『色欲のダンジョンよりも過酷なのどうなのw』『はづきっちの心情的には電車でサンフランシスコの大穴に突っ込む方が楽ちんだろうなあ』
ほんとだよ!
VRは色々勝手が違うなーと実感したのだった。
さてさて、ここはダンジョン。
突入準備をしている個人勢の人たちに挨拶すると、みんなびっくりしてペコペコ頭を下げてきた。
中には露骨に、
『表の世界で人気があるんだからわざわざVRまで来なくていいのに』
なんて言う人がいた。
それもそうなんだけど、同じ配信ばかりやっててマンネリ化するのは配信者にとって致命的なので。
私は常に新しいことに挑戦するのだ……。
「じゃあ潜りますね……」
※『感じ悪い対応されたのにスルッと無視したなw』『アンチ蠱毒やるような女だからな……ハートは鋼よ』『これは感じ悪い対応した側だけが炎上しちゃうケース……!』
みんな個人勢の人を心配していて優しい……。
頑張ってほしい、個人勢の人……!
さて、ここからダンジョンなわけですが……。
眼の前に広がっているのは、明らかに現実よりもおどろおどろしい感じの廃病院の廊下だ。
※たこやき『ゲームの改造データをModと言うんだけど、これはVR空間をホラゲーの廃病院にするタイプのだね。出来が良すぎて人の感情を集めてダンジョンになったぽい』『ちなみにこれがモデルになったゲームね。このModまじでそっくりだからぜひ遊んで欲しい』
「そ、そんなことが……」
※『VRのホラーはクッソ怖いぞ』『はづきっちホラーは平気?』
「リアルなほど怖くなくなります……」
※『草』『常に本物と殴り合ってたわこの人w』
ということで、VRダンジョン配信スタートなのだ。
私のモットーです。
というか細かく調べたり段取りするより前に、自分ひとりだとぱっぱと動いちゃうんだよね。
深く思考をしていられないとも言う……。
『今日は自宅でVR配信か? どこで配信する、という内容をあまりおおっぴらにツブヤキしないほうがいいぞ。ある個人配信者がそれをやり、フリースペースにファンが溢れて、人間の感情のるつぼから新たなダンジョンが発生する事態になったケースがある』
「ひえーっ」
兄から恐ろしい話を聞いてしまった。
そうすると、あらかじめ場所の予告はしないほうがいいなあ。
案内人もんじゃ、とても便利でありがたかったのに。
仕方なく、今回は「配信しまぁす!」とだけツブヤキしてインキュベーター666を起動した。
ぶおんとVR世界にダイブ。
いつものロビーに降りると、妙に人口密度が高かった。
『はづきっちだ!』
『本当にはづきっちが来た!』
『このロビーでよかったー』
「あっ、いけない。必ず621ロビーに出てくるということは待ち構えられるのだった」
これは盲点。
まあロビー所属の人が全員いても、すし詰めにはならないくらいに調整されてるらしいんだけど。
だけど621ロビーの人たち、どうやら24時間体制で結構な人数が張り付いていたらしい。
しゃ、社会生活してくれ~。
なお、同じロビーらしいもんじゃはいない。
社会生活してる~。
「あっ、どうもどうも、これから配信なんで……」
『俺が案内しますよ!』
『私が! 私が!』
『配信に映ってる? ピースピース!』
な、なんだこいつら~。
これから配信を始めるのに、とても邪魔だったので穏便に退場願うことにした。
具体的には、配信をスタートしてゴボウを抜く。
「こんきら~。みんな、これからちょっと野次馬を押しのけてVRダンジョン配信します!」
※『こんきら~』『ホットスタートじゃん』『そうか、そこのロビーがネットニュースになってたもんな』『アカウントを買い取ってまでロビー移動したやつがいるらしい』『頑張れはづきっち!』
みるみる同接が増えると、ゴボウが輝き出した。
そのゴボウで、ペチッと地面を叩く。
すると、ピンク色の光が生まれて、それが野次馬の人たちを巻き込んで広がっていった。
『ウグワーッ!?』『なんだこれ!?』『モンスターしか影響しないんじゃなかったのか!』『まさか私たちがモンスター扱い!?』『ウグワーッ揺れる揺れる』
みんなシェイクされながら壁際まで押し流されていった。
道が開きましたねえ。
※『風評をものともせぬ強硬手段w』『配信者は国に守られていると言ってもこれはすごいw』『見ろよはづきっちの堂々たる歩み……』『いいことしてる時ほど挙動不審で、とんでもないことやらかした時ほど堂々としてるんだよな……w』
だ、だってここにダンジョンが発生しちゃったらそれこそ大変だし!
ということで、私はそそくさとフリースペースに移動した。
※たこやき『ノーマルアバターがはづきっちのままだから目立つんだと思う。偽装用のを作っておく』
「ほんと? ありがとー」
たこやきの技術力に期待。
さてさて。
VR空間に発生したダンジョンは、運営さんからの注意書きをチェックするとよく分かるみたい。
なるほど……立ち入り禁止区域がある……。
私は商店街をまっすぐ抜けて、禁止区域に向かった。
たくさんの食べ物が並んでいるけれど、味も香りもしないしお腹にも溜まらない。
スルーなのだ……。
『はづきっちおるやん』
『コスプレじゃなくって?』
『この間も来てたっしょ!』
『ネットニュースになってたじゃん!』
あひー!
現実世界以上に簡単に見つかって野次馬が集まってくる!
しかもフリースペースは広大で、めちゃくちゃたくさんの人がいるから、その人たちが集合するととんでもないことになる。
私は慌てて小走り移動した。
VRの方が現実よりも色々と気を使わなくちゃいけないってどういうことー!
禁止区域まで行くと、一般人は侵入できなくなっているようで人の数がグッと減った。
良かった良かった……。
※『今回は何気にダンジョンまでの道のりが一番過酷だったなw』『色欲のダンジョンよりも過酷なのどうなのw』『はづきっちの心情的には電車でサンフランシスコの大穴に突っ込む方が楽ちんだろうなあ』
ほんとだよ!
VRは色々勝手が違うなーと実感したのだった。
さてさて、ここはダンジョン。
突入準備をしている個人勢の人たちに挨拶すると、みんなびっくりしてペコペコ頭を下げてきた。
中には露骨に、
『表の世界で人気があるんだからわざわざVRまで来なくていいのに』
なんて言う人がいた。
それもそうなんだけど、同じ配信ばかりやっててマンネリ化するのは配信者にとって致命的なので。
私は常に新しいことに挑戦するのだ……。
「じゃあ潜りますね……」
※『感じ悪い対応されたのにスルッと無視したなw』『アンチ蠱毒やるような女だからな……ハートは鋼よ』『これは感じ悪い対応した側だけが炎上しちゃうケース……!』
みんな個人勢の人を心配していて優しい……。
頑張ってほしい、個人勢の人……!
さて、ここからダンジョンなわけですが……。
眼の前に広がっているのは、明らかに現実よりもおどろおどろしい感じの廃病院の廊下だ。
※たこやき『ゲームの改造データをModと言うんだけど、これはVR空間をホラゲーの廃病院にするタイプのだね。出来が良すぎて人の感情を集めてダンジョンになったぽい』『ちなみにこれがモデルになったゲームね。このModまじでそっくりだからぜひ遊んで欲しい』
「そ、そんなことが……」
※『VRのホラーはクッソ怖いぞ』『はづきっちホラーは平気?』
「リアルなほど怖くなくなります……」
※『草』『常に本物と殴り合ってたわこの人w』
ということで、VRダンジョン配信スタートなのだ。
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