97 / 173
第二部:神都ラグナスの冒険 7
第88話 幕間 地下世界に行こう!
しおりを挟む
アストラルとファレナが、ぐるぐるにふん縛られて運ばれていく。
新種の芋虫のように、二人ともじたばた暴れていた。
「これでようやく片付いたか。ご苦労だった。お前達が発見した忘却派のアジトも、同時にこちらから攻撃を仕掛けている。今頃は制圧が終わっているはずだ」
フランチェスコ枢機卿が俺達をねぎらってくれる。
どうやらこれで、忘却派に関係する事件は終わりのようだった。
そして、俺の因縁みたいなものにも決着がついたわけだ。
捕まえられた忘却派がどうなるかは分からないが、ザクサーンのアキムという男、きっと彼らを効果的に使ってみせることだろう。
ところで、俺は一つ疑問があった。
これは、ラグナ新教が持つとんでもない力と、どうやらそれを自在に操るらしい枢機卿についての疑問だった。
「枢機卿。この一連の事件……あなたならば簡単に解決できたのではないですか?」
「どうしてそう思うかね?」
彼は俺を見つめ返してきた。
「うちの猫がですね。あいつ世界の外から来たそうなんですが、ここに来る前にラグナの神を見たと言ってたんです。大きな船の形をしてたと。あなたもまた、別の世界から来た神なんじゃないですか?」
「神か」
枢機卿は表情を変えないまま、少し黙った。
「神とは不完全なものだ。故に、私は神と言えるのかも知れないな。だが、不完全だからこそ変わっていくのだよ。私はな、千年前のあの時、必要以上に人に介入することをやめたのだ」
必要以上に……。
俺の頭の中を、とんでもない性能を誇るラグナの神聖魔法や、大教会の中を走り回るセグウォークが思い浮かんだ。
必要以上に……?
「権限を一定以上の信頼を得たものに制限しているだろうが。お前達冒険者が持つクラスというものは、ある意味、人が己の力で道を切り開くための助けとして私が授けたものだ」
ああ、なるほど。
俺は理解した。
この人は、彼なりに最低限と思うお膳立てだけを用意し、それをどう生かしていくかは俺達次第と見守っているつもりなのだ。
十分以上に手助けしてくれていると思うけどな。
ラグナの、人と亜人が対立しないように作られた法制度とか人事採用とか。
だが、ここで突っ込むのは無粋だろう。
「お疲れさまです」
俺からもねぎらっておくことにした。
「うむ。そして冒険者オース。お前もまた人であるが故に、自由に生きるべきだと私は思う。思うが……お前の力は世界のバランスを揺るがすほどに強大だ」
「そうなんですか……?」
「そうだ。お前も私の正体を知る身だ。腹を割って話そう。アリサをお前の監視役としてつける。あの娘を連れて行動するように。それ以外は自由だ」
「アリサはモフモフ目当てに勝手についてきそうですね」
「私もそう思う」
枢機卿が遠い目をした。
これで彼との話は終わりだ。
この後、報酬の支払いが行われ、我がモフライダーズは莫大な量の資産を得たのである。
具体的には、全員が一生働かなくても暮らしていける金額だ。
「豪遊! 豪遊しましょうよオースさん!! 酒! 肉! 女!」
大変嬉しそうなカイル。
ちなみに我がパーティで、大金に浮かれているのはカイル一人だけという。
「クルミはお金とかなくてもいいですよ?」
基本的に貨幣経済に馴染んでいないゼロ族はそうだよね。
「わたくしめ、曲を作って広めるのが生き甲斐でして」
ファルクスはらしい返答をする。
「モフモフできればそれでいいですわ!!」
アリサの返答はいっそ男らしい。
カイルはこのメンツを見回した後、がっくり肩を落とした。
「みんなストイック過ぎねえ……?」
「ああ、いや。カイルの言い分ももっともだ。ここはみんなでパーッと遊ぼう。お金をたっぷり街に落とそうじゃないか」
「おおーっ!! オースさん分かってるっすね!」
「神都にお金が回ることはいいことだろ? カイルも取り分がたっぷりあるんだから、好きに遊んでくるといい」
「うっす!!」
ということで。
俺達は、歓楽街や商店街を巻き込んで、盛大な飲み会を開いた。
この一日の間、全ての支払は俺達モフライダーズが持つ。
神都の冒険者達は大いに盛り上がり、飲み食いした。
俺達の報酬はあっという間に支払いに消え、まあそれなりの金額だけが手元に残ったのだった。
「派手に使いましたわねえ……」
「安心できるだけのお金があると、人間、冒険に出なくなるものだ。お金は使ってこそだよ」
アリサにそう告げると、俺は朝帰りしてきたカイルを出迎えた。
ツヤツヤしている。
「命の洗濯をしてきたっす……。いやあ、生きててよかった……」
「そうか、それは良かった。じゃあ、朝飯を食いながらこれからの話をしよう」
「あの、昨日飲み過ぎで飯があまり腹に入らない気が……」
「粥を用意させるよ」
「うおお、寝させてもらえねえ」
こうして全員が宿のテーブルについた。
「さて、神都ラグナスに思いの外長く居座って、色々と冒険してきたわけだけど……どうやらここも、しばらくは落ち着くみたいだ」
「楽しかったです!」
クルミが、朝ごはんのパンに野菜を山盛りにしながら笑う。
「クルミ、こんなおっきな街はじめてだったですよ。いろんな人がいたです! 毎日びっくりすることがいっぱいで、楽しかったですねー」
「うんうん、わたくしもモフモフと存分に戯れられましたし、お師様からオースさんについていくなら自由行動で構わないとお達しをいただきましたし。素晴らしい結果に落ち着いた気がしますわ」
「わたくしめは、ここでお別れとなりますな」
アリサのあと、ファルクスが口を開いた。
「なにせ、戯曲のネタも溜まりましたしな。ここで一つ、作品に仕上げて発表したい。次にラグナスにおいでになる時は、皆様ヒーローですぞ」
「楽しみなような、怖いような……」
俺のつぶやきに、ファルクスはニヤリと笑ってみせた。
「じゃあ、ロッキーお別れですか! さみしくなるですねえー」
クルミが手を伸ばすと、ファルクスの肩に乗っていた小鳥のロッキーが飛び移ってきた。
『ピョイー』
ロッキーも別れを惜しんでいるようだ。
『ちゅっちゅ』
『またにゃ、鳥。己と再会するまで誰にも食われるんじゃにゃあぞ』
『わふわふ』
うちのモフモフ達も別れを告げている。
なんだかしんみりしてしまったな。
だが、そんな暇はないぞ。
「みんな。次の仕事だが」
「すぐ仕事するんすか!?」
「今日すぐじゃないから、カイルはたっぷり寝る余裕はあるぞ」
「お気遣い感謝っす……!」
俺が目をつけたのは、ちょっと面白いルートで外国に行くやり方だった。
イリアノス法国と、海を隔てたところにあるある意味では隣国、セントロー王国。
つい最近まで、あらゆる国と没交渉だったここが、外国からの旅人を受け入れているのだと言う。
「セントロー王国に行ってみようと思う。ここにはなんと、船で行くんじゃない。歩いていけるんだ」
「歩いて?」
クルミが首を傾げた。
「そうだ。セントロー王国の地下には、レイアスという名の地下世界が広がっているんだそうだ。その端の部分がイリアノスに繋がっていてね。ここを使わせてもらう。実はもう、大教会からの許可はもらってるんだ」
「ちか?」
「クルミちゃん、地下っていうのは、地面の下のことですわよ。わたくし達が立っている世界の下に、もう一つ世界があるのですわ。そこを伝って、セントロー王国にいくのですの!」
「ほえー! びっくりです! 土の下に世界があるですか!!」
クルミが目を丸くしている。
「ま、これは俺の趣味である、文献関係があの国にはたくさんあると聞いてるからなんだけどね。彼の国の王は学問に詳しいらしい。ということで……付き合ってもらえるかな?」
「行くですよー!」
「もちろんですわ!」
「任せろっす!」
『ちゅっ』
『にゃん』
『わふ』
俺達の、次なる目的地は定まった。
文化と賢者の国、セントロー王国。
そこが次なる冒険の舞台なのだ。
~~~~~~~~~
これにて、第二部は終わりです。
明日から第三部。
更新回数は一日一回、夜8~9時台になります。
新種の芋虫のように、二人ともじたばた暴れていた。
「これでようやく片付いたか。ご苦労だった。お前達が発見した忘却派のアジトも、同時にこちらから攻撃を仕掛けている。今頃は制圧が終わっているはずだ」
フランチェスコ枢機卿が俺達をねぎらってくれる。
どうやらこれで、忘却派に関係する事件は終わりのようだった。
そして、俺の因縁みたいなものにも決着がついたわけだ。
捕まえられた忘却派がどうなるかは分からないが、ザクサーンのアキムという男、きっと彼らを効果的に使ってみせることだろう。
ところで、俺は一つ疑問があった。
これは、ラグナ新教が持つとんでもない力と、どうやらそれを自在に操るらしい枢機卿についての疑問だった。
「枢機卿。この一連の事件……あなたならば簡単に解決できたのではないですか?」
「どうしてそう思うかね?」
彼は俺を見つめ返してきた。
「うちの猫がですね。あいつ世界の外から来たそうなんですが、ここに来る前にラグナの神を見たと言ってたんです。大きな船の形をしてたと。あなたもまた、別の世界から来た神なんじゃないですか?」
「神か」
枢機卿は表情を変えないまま、少し黙った。
「神とは不完全なものだ。故に、私は神と言えるのかも知れないな。だが、不完全だからこそ変わっていくのだよ。私はな、千年前のあの時、必要以上に人に介入することをやめたのだ」
必要以上に……。
俺の頭の中を、とんでもない性能を誇るラグナの神聖魔法や、大教会の中を走り回るセグウォークが思い浮かんだ。
必要以上に……?
「権限を一定以上の信頼を得たものに制限しているだろうが。お前達冒険者が持つクラスというものは、ある意味、人が己の力で道を切り開くための助けとして私が授けたものだ」
ああ、なるほど。
俺は理解した。
この人は、彼なりに最低限と思うお膳立てだけを用意し、それをどう生かしていくかは俺達次第と見守っているつもりなのだ。
十分以上に手助けしてくれていると思うけどな。
ラグナの、人と亜人が対立しないように作られた法制度とか人事採用とか。
だが、ここで突っ込むのは無粋だろう。
「お疲れさまです」
俺からもねぎらっておくことにした。
「うむ。そして冒険者オース。お前もまた人であるが故に、自由に生きるべきだと私は思う。思うが……お前の力は世界のバランスを揺るがすほどに強大だ」
「そうなんですか……?」
「そうだ。お前も私の正体を知る身だ。腹を割って話そう。アリサをお前の監視役としてつける。あの娘を連れて行動するように。それ以外は自由だ」
「アリサはモフモフ目当てに勝手についてきそうですね」
「私もそう思う」
枢機卿が遠い目をした。
これで彼との話は終わりだ。
この後、報酬の支払いが行われ、我がモフライダーズは莫大な量の資産を得たのである。
具体的には、全員が一生働かなくても暮らしていける金額だ。
「豪遊! 豪遊しましょうよオースさん!! 酒! 肉! 女!」
大変嬉しそうなカイル。
ちなみに我がパーティで、大金に浮かれているのはカイル一人だけという。
「クルミはお金とかなくてもいいですよ?」
基本的に貨幣経済に馴染んでいないゼロ族はそうだよね。
「わたくしめ、曲を作って広めるのが生き甲斐でして」
ファルクスはらしい返答をする。
「モフモフできればそれでいいですわ!!」
アリサの返答はいっそ男らしい。
カイルはこのメンツを見回した後、がっくり肩を落とした。
「みんなストイック過ぎねえ……?」
「ああ、いや。カイルの言い分ももっともだ。ここはみんなでパーッと遊ぼう。お金をたっぷり街に落とそうじゃないか」
「おおーっ!! オースさん分かってるっすね!」
「神都にお金が回ることはいいことだろ? カイルも取り分がたっぷりあるんだから、好きに遊んでくるといい」
「うっす!!」
ということで。
俺達は、歓楽街や商店街を巻き込んで、盛大な飲み会を開いた。
この一日の間、全ての支払は俺達モフライダーズが持つ。
神都の冒険者達は大いに盛り上がり、飲み食いした。
俺達の報酬はあっという間に支払いに消え、まあそれなりの金額だけが手元に残ったのだった。
「派手に使いましたわねえ……」
「安心できるだけのお金があると、人間、冒険に出なくなるものだ。お金は使ってこそだよ」
アリサにそう告げると、俺は朝帰りしてきたカイルを出迎えた。
ツヤツヤしている。
「命の洗濯をしてきたっす……。いやあ、生きててよかった……」
「そうか、それは良かった。じゃあ、朝飯を食いながらこれからの話をしよう」
「あの、昨日飲み過ぎで飯があまり腹に入らない気が……」
「粥を用意させるよ」
「うおお、寝させてもらえねえ」
こうして全員が宿のテーブルについた。
「さて、神都ラグナスに思いの外長く居座って、色々と冒険してきたわけだけど……どうやらここも、しばらくは落ち着くみたいだ」
「楽しかったです!」
クルミが、朝ごはんのパンに野菜を山盛りにしながら笑う。
「クルミ、こんなおっきな街はじめてだったですよ。いろんな人がいたです! 毎日びっくりすることがいっぱいで、楽しかったですねー」
「うんうん、わたくしもモフモフと存分に戯れられましたし、お師様からオースさんについていくなら自由行動で構わないとお達しをいただきましたし。素晴らしい結果に落ち着いた気がしますわ」
「わたくしめは、ここでお別れとなりますな」
アリサのあと、ファルクスが口を開いた。
「なにせ、戯曲のネタも溜まりましたしな。ここで一つ、作品に仕上げて発表したい。次にラグナスにおいでになる時は、皆様ヒーローですぞ」
「楽しみなような、怖いような……」
俺のつぶやきに、ファルクスはニヤリと笑ってみせた。
「じゃあ、ロッキーお別れですか! さみしくなるですねえー」
クルミが手を伸ばすと、ファルクスの肩に乗っていた小鳥のロッキーが飛び移ってきた。
『ピョイー』
ロッキーも別れを惜しんでいるようだ。
『ちゅっちゅ』
『またにゃ、鳥。己と再会するまで誰にも食われるんじゃにゃあぞ』
『わふわふ』
うちのモフモフ達も別れを告げている。
なんだかしんみりしてしまったな。
だが、そんな暇はないぞ。
「みんな。次の仕事だが」
「すぐ仕事するんすか!?」
「今日すぐじゃないから、カイルはたっぷり寝る余裕はあるぞ」
「お気遣い感謝っす……!」
俺が目をつけたのは、ちょっと面白いルートで外国に行くやり方だった。
イリアノス法国と、海を隔てたところにあるある意味では隣国、セントロー王国。
つい最近まで、あらゆる国と没交渉だったここが、外国からの旅人を受け入れているのだと言う。
「セントロー王国に行ってみようと思う。ここにはなんと、船で行くんじゃない。歩いていけるんだ」
「歩いて?」
クルミが首を傾げた。
「そうだ。セントロー王国の地下には、レイアスという名の地下世界が広がっているんだそうだ。その端の部分がイリアノスに繋がっていてね。ここを使わせてもらう。実はもう、大教会からの許可はもらってるんだ」
「ちか?」
「クルミちゃん、地下っていうのは、地面の下のことですわよ。わたくし達が立っている世界の下に、もう一つ世界があるのですわ。そこを伝って、セントロー王国にいくのですの!」
「ほえー! びっくりです! 土の下に世界があるですか!!」
クルミが目を丸くしている。
「ま、これは俺の趣味である、文献関係があの国にはたくさんあると聞いてるからなんだけどね。彼の国の王は学問に詳しいらしい。ということで……付き合ってもらえるかな?」
「行くですよー!」
「もちろんですわ!」
「任せろっす!」
『ちゅっ』
『にゃん』
『わふ』
俺達の、次なる目的地は定まった。
文化と賢者の国、セントロー王国。
そこが次なる冒険の舞台なのだ。
~~~~~~~~~
これにて、第二部は終わりです。
明日から第三部。
更新回数は一日一回、夜8~9時台になります。
10
お気に入りに追加
3,099
あなたにおすすめの小説
金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。
向原 行人
ファンタジー
土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。
とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。
こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。
土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど!
一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ダブル魔眼の最強術師 ~前世は散々でしたが、せっかく転生したので今度は最高の人生を目指します!~
雪華慧太
ファンタジー
理不尽なイジメが原因で引きこもっていた俺は、よりにもよって自分の誕生日にあっけなく人生を終えた。魂になった俺は、そこで助けた少女の力で不思議な瞳と前世の記憶を持って異世界に転生する。聖女で超絶美人の母親とエルフの魔法教師! アニメ顔負けの世界の中で今度こそ気楽な学園ライフを送れるかと思いきや、傲慢貴族の息子と戦うことになって……。
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる