モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

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第二部:神都ラグナスの冒険 6

第81話 追跡! 神都包囲網 その4

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『わおーん!』

『御用! 御用だにゃあー』

『ちゅっちゅ!』

『ピョイー』

 ブランの上にドレ、ドレの上にローズとロッキーが乗っかり、モフモフ動物四銃士みたいになった一団が廃教会に突撃した。

「あれで良かったのかなあ……」

「ロッキーにはわたくしめの呪歌を教え込んでおりますからな。一曲だけならば覚えていられますから、役立つこと間違いなしですぞ」

 ファルクスが自信ありげだ。
 ブランが教会の扉をぶち抜いて少しすると、ロッキーのピヨピヨ言う歌声が聞こえてきた。
 これは、興味を惹き付ける呪歌か!

「隠れている者たちも、顔を出したくなることでしょうな。そこを、ブラン殿とドレ殿が一撃で! さらに、ローズ殿が運の良さを与えてくれるでしょう」

「強いなあ、完璧じゃないか」

 俺が唸っていると、クルミが袖を引っ張ってきた。

「センセエセンセエ! やねのうえにだれかいるです!!」

「なんだって」

 大騒ぎになっている廃教会だが、屋根の上は静かなものだ。揺れてるけど。

 そこに、何人かの忘却派と見られる人影が逃げ出してきており、別の屋根に乗り移ろうとしていた。

「よーし、俺達は逃げ出す奴らを捕まえるぞ!」

「うっす! 全部モフモフ連中に取られてちゃ、戦士として形無しっすからね!! 俺にお任せっすよー!! どりゃあー!!」

 カイルが走っていく。

「クルミも行くですよー!」

「行ってらっしゃい。気をつけてね」

「はいです!」

 棒高跳びの要領で、槍を使って屋根上に飛び上がるカイルと、小さな取り掛かりを利用して壁面を駆け上がるクルミ。
 あっという間に逃走しようとする忘却派の前に回り込んだ。

 おお、戦いが始まっている。
 俺も下から、スリングを使って支援しよう。

「それじゃあわたくし、モフモフな方々のご活躍を拝見しに行ってきますわ~」

「アリサ、異教徒の前に司祭が堂々とやって来るのはどうなのかなあ……」

「ご安心を! ほら!」

 バッとローブを脱ぎ捨てるアリサ。
 その下には、普通の町娘風の衣装を着てきていた。
 ま、まさかこのために用意してきていた……!?

「では、行ってきますわね! ブランちゃーん! ドレちゃーん! ローズちゃーん! ロッキーちゃーん! 待っているのですわー!」

「あーっ! アリサ!」

「あー……。わたくしめが、護衛に行ってまいりますぞ。こう見えて腕には多少覚えがあるので」

「頼む……!」

 ファルクスも去り、俺は一人になった。
 さて……。
 ここで俺が、大局を見ながら状況をコントロールしていかないとな。

 屋根の上では、槍を振り回すカイルが大立ち回りを見せている。
 忘却派は間合いの違いから、うかつに攻め込む事ができない。

 逃げようとすると、クルミのスリングが唸りを上げる。
 
 おっと、後ろ側から一人逃げ出そうとしているな。
 俺は素早く、リュックから組み立て式の棒を取り出した。
 先端にスリングを設置する器具が取り付けてある。

 これぞ、スタッフスリング。
 より遠心力を増し、射程距離を伸ばす強化型スリングだ。

 弱点としてはスペースを取ることと、命中率の低下。
 だが、今回放り投げるのは雷晶石だ。

「そーれっ!」

 ぐるんぐるん振り回して、投擲する。
 猛烈な勢いで飛来した雷晶石が、逃げ出そうとする男の近くに炸裂した。
 壁が破壊され、雷晶石も砕け散る。

 砕けた石から、雷撃が撒き散らされた。

「ウグワーッ!」

 びりびりに痺れて、男が倒れる。
 これでよし、と。

 さて、廃教会の方は……。
 アリサとファルクスが、入り口から中を覗き込んでいる。
 あちこちで壁が破壊され、窓が破られ、何かが飛び出してくるな。

 あれは……地下かどこかにキメラを飼っていたのか?
 それっぽいものが出てくるが、相手がブランやドレじゃなあ。

 やがて、廃教会の建物自体がグラグラと動き始めた。
 あっ、いけない。

「ブラン! ドレ! 撤収ー!! 撤収だ! ローズとロッキーを連れて退却ー!」

『わふーん』

 ブランの声が聞こえた。
 アリサとファルクスが、慌てて教会から離れていく。

 ついに、廃教会は傾き始めた。
 建材がバラバラと崩れ落ち始める。

『わおーん!』

 教会の門扉を破って、ブランが駆け出してきた。
 その上には、大きいモードになったドレが乗っている。

 ドレの触手が、ローズとロッキーを確保しているようだ。

『わおん!』

『にゃ』

『ちゅっ』

『ピョ』

 脱出後、くるりとターンして教会に振り返る四匹。
 彼らの目の前で、廃教会は内側に向けて壊れていき、あっという間に瓦礫の山になってしまったのだった。

「うーん、圧倒的だ」

 俺はモフモフ達に駆け寄る。

「どうだったんだい? 状況を教えてくれないか」

『待ち構えていたにゃ。これは罠だったにゃ』

「なるほど」

 ドレがしゅるしゅると小さくなり、俺の腕の中にジャンプしてきた。
 キャッチ!

『ま、己達が突撃してくるとは思ってなかったにゃ。罠は全部、ローズが不発にしたにゃ。そして己とブランで粉々にして、出てきたキメラは全部倒したにゃ。隠れてるやつはロッキーが誘い出したにゃ。己とブランでぶっ飛ばしてやったにゃ』

「お疲れ様」

『ミルクを要求するにゃ』

『わふ! わふ!』

 ブランもご飯をご所望だ。

「よし、じゃあ戻って食事にしようか。それにしても……罠ということは、忘却派の本隊に関する手がかりはなしか……」

『そうでもないにゃ。己が、あいつらの心を順番に読んでやったにゃ』

「なんだって。ということは……」

『わふん』

 決戦だね、とブランが告げるのだった。
 いつもの、笑っているような犬の顔だった。


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