223 / 225
とある賢者のご乱心事件
第223話 ゴリラから人へ!
しおりを挟む
「鍵は、若返りの術にありますわ」
「若返りの術!?」
私とラズビーの声が合わさった。
なんだろうそれ。
いや、言葉の意味そのままなんだろうけれど。
ブルベリー氏はラズビーとの年齢差を気にしていて、できるだけ長く彼女といたいと願ったと。
それで、若返りの術とやらを試したということ……かな?
「そういうこと?」
「ええ。全くその通りですわ。この話はとても単純でしたの。犠牲者のいない、とても優しいお話ですわ。そこには新妻への気遣いしかありませんでしたもの。ブルベリー氏は暗黒大陸に渡り、そこで伝えられていた若返りの術を試したのでしょうね。こちらがその資料ですわ」
シャーロットは、いつの間にか手にしていたノートを開いてみせた。
これは、ブルベリー氏の研究ノートかな。
「若返りの薬草。これは試されたようですわね。結果、お腹を下しただけで失敗。効果なし。精霊による祝福。これもできませんわね。エルフ化しかけて慌てて逃げてきたようですわ。たしかに寿命は大きく伸びますけれども、認識もまたエルフに変わってしまいますもの。エルフと相対できるものは、超人的な精神を持ったものだけだと言われていますわね」
「色々やってたのねえ……」
「そこまで私のために……!? 愛を感じます……!」
ラズビーがちょっと感激している。
まあ、嬉しい気持ちは分かるけど。
「色々出てきましたわ! 雑に机の脇に転がしてあったので、持ってきていいと思ったのですけど」
「賢者の人って、雑多に置いてるように見えて、本人はきちんと整頓してると思ってるからなあ」
干からびた薬草らしきもの。
割れかけた精霊の護符。これは植物の精霊のものだったよね。
講義で教わった。
「そう言えば彼の耳、ちょっと尖ってた時期があったような」
「危ない危ない、本当にエルフになりかけてたんじゃない」
何やってるのブルベリー氏。
「そしてノートの一番大きい紙幅を使っているのがこれですわね。暗黒大陸における、精力増強の儀式。混沌の精霊に呼びかけて、体に元気をもたらすとありますわね。これを求めて暗黒大陸に渡ったのでしょうね」
「そんな怪しいものを求めて!」
「愛を感じます!」
それはそうだろうなあ。
私もドン引きするくらい愛が深い気がする。
というか、とにかく気遣いの人だったのか。
「そこで、混沌の精霊の儀式でゴリラになっちゃったと」
「ゴリラは幻の幻獣と言うだけあって、元気に満ち満ちた存在ですもの。ちなみに人間とは違い、精力が減退しないままずっと現役だそうですわ」
「色々と理に叶ってはいるのね……。だけどゴリラになったら意味がないだろうに」
「その問題ですけれど……」
こうして私たちは、バナナでブルベリー氏を釣って馬車に押し込んだ。
バナナを食べている間は大人しい。
「野菜も全般的に好き嫌いなく食べるんですよ、彼」
「ゴリラになると菜食主義になるのね」
あのパワフルさからは想像もできない。
ちなみにラズビーは、平然とブルベリー氏の横に腰掛けている。
愛のなせる業かも知れないなあ。
「どこに行くの、シャーロット?」
「ほら、以前森に飲み込まれそうになっていた王都の外れの家がありましたでしょう?」
「ああ、確か不良貴族だったっけ? がエルフを囲って……。って、あのエルフまた戻ってきてるの!?」
「ええ。案外住みよかったみたいで、あの家にいますわよ」
「せっかくお帰り願ったのに」
エルフ語通訳事件について思い出した私。
あの時のエルフ、とても意思疎通が可能そうには見えなかったのだけれど。
「こんにちはー」
到着した町外れの屋敷は、完全に森に飲まれていた。
これは明らかにエルフが住んでる。
「イニアナガ陛下はこれを許していたりするの?」
「ええ。エルフと盟約を交わしたみたいですわよ。この地にいるエルフが、エルフェバインの他のエルフたちとの繋がりを担当してくれていますわ」
「陛下、敏腕だなあ……」
私の知らないうちにめちゃくちゃ仕事をしているな。
そして、見覚えのあるエルフが屋敷から出てきた。
「あらシャーロット。それにジャネット。お久しぶりね」
「覚えていたの?」
「エルフは他人と会う機会が少ないわ。一期一会の出会いだから、それを覚えているものなの」
エルフの口から語られる新たな事実。
「混沌の精霊の強い気配を感じるわ。未知の土地にやって来たせいで、戸惑って依代に強く結びついている」
「ああ、そういうことでしたので。これで全て分かりましたわ。わたくし、エルフの方に混沌の精霊を植物の精霊で上書き、相殺してもらおうと思っていたのですけれど。混沌の精霊はつまり、ブルベリー氏とちゃんと共存できていますのね?」
「ええ。できているわ。上書きもできるけれど、混沌の精霊は消滅するわ」
「それはかわいそうですわねえ」
「そうだねえ。暗黒大陸からこっちに連れてきてしまったのは、ブルベリー氏の事情なわけだし」
ラズビーは話し合う私たちを、興味深そうにキョロキョロ見回している。
「それじゃあつまり、私たちはどうしたら……」
「ええ。それはですわね……」
後日の事。
お茶をしていた私とシャーロット。
「お手紙が来ましたわ」
シャーロットが見せてくれた手紙には、ラズビーからの御礼の言葉が書かれていた。
それは、暗黒大陸に移住したブルベリー氏とラズビーのもの。
向こうに行ったら、ブルベリー氏はすっかり元気になり、いつものように活動的になったという。
これからは暗黒大陸の研究を行い、現地の人々に学問を教えたりしながら暮らしていくらしい。
エルフェンバインという社会とのつながりは、こうして時折やりとりされる手紙くらいになってしまうけれど……。
あの二人はそれよりも、お互いの繋がりを選んだということみたい。
「まあ、めでたしめでたしね、これ。あら」
二人の名前が綴られている横に、可愛らしい肉球がスタンプしてあった。
きっとこれは、犬のストリベリーのものだな。
思わず微笑んでしまう私なのだった。
「若返りの術!?」
私とラズビーの声が合わさった。
なんだろうそれ。
いや、言葉の意味そのままなんだろうけれど。
ブルベリー氏はラズビーとの年齢差を気にしていて、できるだけ長く彼女といたいと願ったと。
それで、若返りの術とやらを試したということ……かな?
「そういうこと?」
「ええ。全くその通りですわ。この話はとても単純でしたの。犠牲者のいない、とても優しいお話ですわ。そこには新妻への気遣いしかありませんでしたもの。ブルベリー氏は暗黒大陸に渡り、そこで伝えられていた若返りの術を試したのでしょうね。こちらがその資料ですわ」
シャーロットは、いつの間にか手にしていたノートを開いてみせた。
これは、ブルベリー氏の研究ノートかな。
「若返りの薬草。これは試されたようですわね。結果、お腹を下しただけで失敗。効果なし。精霊による祝福。これもできませんわね。エルフ化しかけて慌てて逃げてきたようですわ。たしかに寿命は大きく伸びますけれども、認識もまたエルフに変わってしまいますもの。エルフと相対できるものは、超人的な精神を持ったものだけだと言われていますわね」
「色々やってたのねえ……」
「そこまで私のために……!? 愛を感じます……!」
ラズビーがちょっと感激している。
まあ、嬉しい気持ちは分かるけど。
「色々出てきましたわ! 雑に机の脇に転がしてあったので、持ってきていいと思ったのですけど」
「賢者の人って、雑多に置いてるように見えて、本人はきちんと整頓してると思ってるからなあ」
干からびた薬草らしきもの。
割れかけた精霊の護符。これは植物の精霊のものだったよね。
講義で教わった。
「そう言えば彼の耳、ちょっと尖ってた時期があったような」
「危ない危ない、本当にエルフになりかけてたんじゃない」
何やってるのブルベリー氏。
「そしてノートの一番大きい紙幅を使っているのがこれですわね。暗黒大陸における、精力増強の儀式。混沌の精霊に呼びかけて、体に元気をもたらすとありますわね。これを求めて暗黒大陸に渡ったのでしょうね」
「そんな怪しいものを求めて!」
「愛を感じます!」
それはそうだろうなあ。
私もドン引きするくらい愛が深い気がする。
というか、とにかく気遣いの人だったのか。
「そこで、混沌の精霊の儀式でゴリラになっちゃったと」
「ゴリラは幻の幻獣と言うだけあって、元気に満ち満ちた存在ですもの。ちなみに人間とは違い、精力が減退しないままずっと現役だそうですわ」
「色々と理に叶ってはいるのね……。だけどゴリラになったら意味がないだろうに」
「その問題ですけれど……」
こうして私たちは、バナナでブルベリー氏を釣って馬車に押し込んだ。
バナナを食べている間は大人しい。
「野菜も全般的に好き嫌いなく食べるんですよ、彼」
「ゴリラになると菜食主義になるのね」
あのパワフルさからは想像もできない。
ちなみにラズビーは、平然とブルベリー氏の横に腰掛けている。
愛のなせる業かも知れないなあ。
「どこに行くの、シャーロット?」
「ほら、以前森に飲み込まれそうになっていた王都の外れの家がありましたでしょう?」
「ああ、確か不良貴族だったっけ? がエルフを囲って……。って、あのエルフまた戻ってきてるの!?」
「ええ。案外住みよかったみたいで、あの家にいますわよ」
「せっかくお帰り願ったのに」
エルフ語通訳事件について思い出した私。
あの時のエルフ、とても意思疎通が可能そうには見えなかったのだけれど。
「こんにちはー」
到着した町外れの屋敷は、完全に森に飲まれていた。
これは明らかにエルフが住んでる。
「イニアナガ陛下はこれを許していたりするの?」
「ええ。エルフと盟約を交わしたみたいですわよ。この地にいるエルフが、エルフェバインの他のエルフたちとの繋がりを担当してくれていますわ」
「陛下、敏腕だなあ……」
私の知らないうちにめちゃくちゃ仕事をしているな。
そして、見覚えのあるエルフが屋敷から出てきた。
「あらシャーロット。それにジャネット。お久しぶりね」
「覚えていたの?」
「エルフは他人と会う機会が少ないわ。一期一会の出会いだから、それを覚えているものなの」
エルフの口から語られる新たな事実。
「混沌の精霊の強い気配を感じるわ。未知の土地にやって来たせいで、戸惑って依代に強く結びついている」
「ああ、そういうことでしたので。これで全て分かりましたわ。わたくし、エルフの方に混沌の精霊を植物の精霊で上書き、相殺してもらおうと思っていたのですけれど。混沌の精霊はつまり、ブルベリー氏とちゃんと共存できていますのね?」
「ええ。できているわ。上書きもできるけれど、混沌の精霊は消滅するわ」
「それはかわいそうですわねえ」
「そうだねえ。暗黒大陸からこっちに連れてきてしまったのは、ブルベリー氏の事情なわけだし」
ラズビーは話し合う私たちを、興味深そうにキョロキョロ見回している。
「それじゃあつまり、私たちはどうしたら……」
「ええ。それはですわね……」
後日の事。
お茶をしていた私とシャーロット。
「お手紙が来ましたわ」
シャーロットが見せてくれた手紙には、ラズビーからの御礼の言葉が書かれていた。
それは、暗黒大陸に移住したブルベリー氏とラズビーのもの。
向こうに行ったら、ブルベリー氏はすっかり元気になり、いつものように活動的になったという。
これからは暗黒大陸の研究を行い、現地の人々に学問を教えたりしながら暮らしていくらしい。
エルフェンバインという社会とのつながりは、こうして時折やりとりされる手紙くらいになってしまうけれど……。
あの二人はそれよりも、お互いの繋がりを選んだということみたい。
「まあ、めでたしめでたしね、これ。あら」
二人の名前が綴られている横に、可愛らしい肉球がスタンプしてあった。
きっとこれは、犬のストリベリーのものだな。
思わず微笑んでしまう私なのだった。
0
お気に入りに追加
442
あなたにおすすめの小説
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
【完結】4人の令嬢とその婚約者達
cc.
恋愛
仲の良い4人の令嬢には、それぞれ幼い頃から決められた婚約者がいた。
優れた才能を持つ婚約者達は、騎士団に入り活躍をみせると、その評判は瞬く間に広まっていく。
年に、数回だけ行われる婚約者との交流も活躍すればする程、回数は減り気がつけばもう数年以上もお互い顔を合わせていなかった。
そんな中、4人の令嬢が街にお忍びで遊びに来たある日…
有名な娼館の前で話している男女数組を見かける。
真昼間から、騎士団の制服で娼館に来ているなんて…
呆れていると、そのうちの1人…
いや、もう1人…
あれ、あと2人も…
まさかの、自分たちの婚約者であった。
貴方達が、好き勝手するならば、私達も自由に生きたい!
そう決意した4人の令嬢の、我慢をやめたお話である。
*20話完結予定です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる