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犯人はシャーロット?事件
第148話 恐れ知らずのマイルボン
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「マイルボン男爵という方はですわね。とにかく恐れというものを知りませんの」
手ずから紅茶を淹れてくれた後で、シャーロットが語りだした。
もともとは、由緒正しきマイルボン男爵家の跡取りだったと。
それが王宮に勤めるようになり、様々な貴族たちのゴシップを知ることになった。
このゴシップを関係者にほのめかしたところ、マイルボン男爵は多額のお金を手に入れることができたのだそうだ。
それ以来、彼は味をしめて恐喝みたいな真似を繰り返していると。
「最低な人じゃない」
「ええ、最低なのですわ。マイルボン男爵家そのものは田舎に領地を持っていて、そこの運営はとても堅実ですの。ただ、貴族たちのゴシップを売りさばく真似だけが最低なんですのよ」
プリプリ怒っているシャーロット。
こんなに怒った彼女を見るのは初めてかも知れない。
「シャーロットがそんなに怒るほどだなんて」
「怒りますとも。彼が、わたくしが婚約者を物理的にも政治的にもぶっ飛ばした話を貴族中に触れ回り、お陰でお兄様はお相手を見つけるのに大変苦労なさったのですから」
「半分シャーロットのせいじゃない」
「それはまあそうなんですけれども」
お互い、悪びれずに紅茶を口にする。
カゲリナが胃を痛そうにしつつ、私とシャーロットを交互に見ていた。
「それより、ラムズ侯爵は結婚なさっていたのね。独身だと思ってた」
「義姉は騎士爵の娘なのですわ。貴族としては一番低い立場ですので、うるさいところが嫌いな兄ともども、滅多に宮廷には出てきませんの」
そういうことか。
あの色々と凄いラムズ侯爵の妻なのだ。
どんな人なのか興味があるかも知れない。
「ということでジャネット様。今回は事件というほどのことはないのですけれど」
「あら、シャーロットからのお誘いね」
「ええ。マイルボン男爵家に忍び込んで、彼が手にしている醜聞をまるごと暖炉で焼いてやりません?」
危うく紅茶を吹き出すところだった。
はしたない。
「凄いこと言ったわね!!」
「わたくし、正気ですわよ」
「まあ、いつものシャーロットらしくはある」
「あーあー! 私は何も聞いてません! 聞いてませんからー!」
カゲリナが叫んだ。
気の利く娘は好きよ!
ということで。
「本当に行くんですかい!?」
ナイツまで目を剥いて驚いたのだが、行くつもりだ。
私は付き合いが良いタイプである。
あまり馬が合う相手がいないので、普段はその性質が発揮されないのだが。
「マイルボン男爵のやっていること、詳しく調べていくと違法みたいなの。なので、それを潜入捜査で暴くみたいな?」
「潜入が違法でしょうよ」
「それはそう。だから、裏から手を回してマイルボン家に私を招待させたの」
「お嬢がついに辺境伯家の権力を自在に扱えるように……。成長なさいましたなあ」
ナイツがしみじみとした。
止める気は全く無いらしい。
「同行者としてシャーロットを変装させてメイドにしていくの」
「シャーロット嬢は普通に違法でしょうなあ。だけど誰もが、彼女ならやると言うでしょうな」
「でしょう」
そいうわけで、私はナイツに御者をしてもらい、マイルボン家へ。
かの男爵家としても、辺境伯家と仲良くなっておくことは重要だと考えているみたいだ。
辺境を守る、貴族としての位階ばかりが高い家なんだけど、どう得をするんだろう?
私が呟きながら考えていると、隣に座ったシャーロットが微笑んだ。
「それはもちろん、王家に顔を売ることに繋がるからでしょうね」
「私と仲良くなることが、どうして?」
「ご自覚がまだ無い」
なぜ笑うの、シャーロット。
彼女は完璧にメイドの変装をしており、親しい私が見ても見破るのが難しい。
背丈まで偽装されてる。どうやってるの。
「ワトサップ辺境伯名代様! お待ちしていましたよ!」
マイルボン男爵自身が出迎えてくれた。
声のよく通る、むちむちした体格のおじさんだ。
「お招きありがとうございます、マイルボン男爵」
私は鷹揚に頷くと、彼がエスコートするままに任せた。
こういうところは男性に華を持たせておくのがいいらしい。
ナイツは馬車周りで待機。
一応家令なんだけど、見た目が明らかに荒事に向いた傭兵みたいな感じだからね。
そして、マイルボン邸での会食が始まった。
男爵家は金回りがいいのか、王都では珍しい分厚いステーキなんかが出てくる。
新鮮な肉を王都に運ぶというのは難しいから、大抵は塩漬けになったりしてるものだけど。
うん、ちゃんと新鮮なお肉を焼いたものだ。
かなりお金が掛かっている。
私はマイルボン男爵との会話をしながら、もりもりとステーキを食べ進めた。
あまりにステーキをどんどん食べるので、男爵が驚いている。
「け……健啖ですな」
「ええ。辺境では食べないものは生き残れませんでしたので」
「恐ろしいところだ」
男爵が引いている気がする。
辺境で恐喝なんかやったら、その場で首を刈られるものね。
さて、私が会話を進めている間に、シャーロットは調査を始めているはずだ。
使用人はこの部屋に同席できないから、彼女は専用の部屋を用意され、待機しているよう言われていた。
そこを抜け出し、シャーロットは男爵の部屋をつきとめているであろう。
私は会話で、彼を引き止めておくだけ。
しかしこのステーキは美味しい。
お代わりいただけるだろうか。
「旦那様」
そこへ、マイルボン家の家令が寄ってきて、男爵に耳打ちした。
「なんだと? 今日の私はワトサップ辺境伯名代との大事な食事会なのだぞ? 帰せ帰せ」
「向こうも貴族ですので……」
「全く……」
男爵は鼻息を荒げて立ち上がった。
「ワトサップ辺境伯名代様、失礼致します。知人が訪ねて来たようで……」
恐縮しながら告げてくる。
「構いません。行ってらっしゃいな」
「お心遣い感謝します」
男爵は立ち去り、私はその隙にステーキのお代わりを注文した。
焼き上がったお肉が出てくるまでの間に、玄関の方から喧々諤々と争いの声が聞こえてくる。
おや、これは、婚約を潰されたというご令嬢の声では……?
「ステーキでございます」
男爵家の使用人が、分厚いお肉を持ってきた。
よく食べるなあ、このご令嬢、という目を私に向けている。
そう、よく食べるのだ。
私が大きくカットした肉をもぐもぐやっているとだ。
「ウグワー! お、お助けえー!」
マイルボン男爵の悲鳴が響き渡ったのである。
手ずから紅茶を淹れてくれた後で、シャーロットが語りだした。
もともとは、由緒正しきマイルボン男爵家の跡取りだったと。
それが王宮に勤めるようになり、様々な貴族たちのゴシップを知ることになった。
このゴシップを関係者にほのめかしたところ、マイルボン男爵は多額のお金を手に入れることができたのだそうだ。
それ以来、彼は味をしめて恐喝みたいな真似を繰り返していると。
「最低な人じゃない」
「ええ、最低なのですわ。マイルボン男爵家そのものは田舎に領地を持っていて、そこの運営はとても堅実ですの。ただ、貴族たちのゴシップを売りさばく真似だけが最低なんですのよ」
プリプリ怒っているシャーロット。
こんなに怒った彼女を見るのは初めてかも知れない。
「シャーロットがそんなに怒るほどだなんて」
「怒りますとも。彼が、わたくしが婚約者を物理的にも政治的にもぶっ飛ばした話を貴族中に触れ回り、お陰でお兄様はお相手を見つけるのに大変苦労なさったのですから」
「半分シャーロットのせいじゃない」
「それはまあそうなんですけれども」
お互い、悪びれずに紅茶を口にする。
カゲリナが胃を痛そうにしつつ、私とシャーロットを交互に見ていた。
「それより、ラムズ侯爵は結婚なさっていたのね。独身だと思ってた」
「義姉は騎士爵の娘なのですわ。貴族としては一番低い立場ですので、うるさいところが嫌いな兄ともども、滅多に宮廷には出てきませんの」
そういうことか。
あの色々と凄いラムズ侯爵の妻なのだ。
どんな人なのか興味があるかも知れない。
「ということでジャネット様。今回は事件というほどのことはないのですけれど」
「あら、シャーロットからのお誘いね」
「ええ。マイルボン男爵家に忍び込んで、彼が手にしている醜聞をまるごと暖炉で焼いてやりません?」
危うく紅茶を吹き出すところだった。
はしたない。
「凄いこと言ったわね!!」
「わたくし、正気ですわよ」
「まあ、いつものシャーロットらしくはある」
「あーあー! 私は何も聞いてません! 聞いてませんからー!」
カゲリナが叫んだ。
気の利く娘は好きよ!
ということで。
「本当に行くんですかい!?」
ナイツまで目を剥いて驚いたのだが、行くつもりだ。
私は付き合いが良いタイプである。
あまり馬が合う相手がいないので、普段はその性質が発揮されないのだが。
「マイルボン男爵のやっていること、詳しく調べていくと違法みたいなの。なので、それを潜入捜査で暴くみたいな?」
「潜入が違法でしょうよ」
「それはそう。だから、裏から手を回してマイルボン家に私を招待させたの」
「お嬢がついに辺境伯家の権力を自在に扱えるように……。成長なさいましたなあ」
ナイツがしみじみとした。
止める気は全く無いらしい。
「同行者としてシャーロットを変装させてメイドにしていくの」
「シャーロット嬢は普通に違法でしょうなあ。だけど誰もが、彼女ならやると言うでしょうな」
「でしょう」
そいうわけで、私はナイツに御者をしてもらい、マイルボン家へ。
かの男爵家としても、辺境伯家と仲良くなっておくことは重要だと考えているみたいだ。
辺境を守る、貴族としての位階ばかりが高い家なんだけど、どう得をするんだろう?
私が呟きながら考えていると、隣に座ったシャーロットが微笑んだ。
「それはもちろん、王家に顔を売ることに繋がるからでしょうね」
「私と仲良くなることが、どうして?」
「ご自覚がまだ無い」
なぜ笑うの、シャーロット。
彼女は完璧にメイドの変装をしており、親しい私が見ても見破るのが難しい。
背丈まで偽装されてる。どうやってるの。
「ワトサップ辺境伯名代様! お待ちしていましたよ!」
マイルボン男爵自身が出迎えてくれた。
声のよく通る、むちむちした体格のおじさんだ。
「お招きありがとうございます、マイルボン男爵」
私は鷹揚に頷くと、彼がエスコートするままに任せた。
こういうところは男性に華を持たせておくのがいいらしい。
ナイツは馬車周りで待機。
一応家令なんだけど、見た目が明らかに荒事に向いた傭兵みたいな感じだからね。
そして、マイルボン邸での会食が始まった。
男爵家は金回りがいいのか、王都では珍しい分厚いステーキなんかが出てくる。
新鮮な肉を王都に運ぶというのは難しいから、大抵は塩漬けになったりしてるものだけど。
うん、ちゃんと新鮮なお肉を焼いたものだ。
かなりお金が掛かっている。
私はマイルボン男爵との会話をしながら、もりもりとステーキを食べ進めた。
あまりにステーキをどんどん食べるので、男爵が驚いている。
「け……健啖ですな」
「ええ。辺境では食べないものは生き残れませんでしたので」
「恐ろしいところだ」
男爵が引いている気がする。
辺境で恐喝なんかやったら、その場で首を刈られるものね。
さて、私が会話を進めている間に、シャーロットは調査を始めているはずだ。
使用人はこの部屋に同席できないから、彼女は専用の部屋を用意され、待機しているよう言われていた。
そこを抜け出し、シャーロットは男爵の部屋をつきとめているであろう。
私は会話で、彼を引き止めておくだけ。
しかしこのステーキは美味しい。
お代わりいただけるだろうか。
「旦那様」
そこへ、マイルボン家の家令が寄ってきて、男爵に耳打ちした。
「なんだと? 今日の私はワトサップ辺境伯名代との大事な食事会なのだぞ? 帰せ帰せ」
「向こうも貴族ですので……」
「全く……」
男爵は鼻息を荒げて立ち上がった。
「ワトサップ辺境伯名代様、失礼致します。知人が訪ねて来たようで……」
恐縮しながら告げてくる。
「構いません。行ってらっしゃいな」
「お心遣い感謝します」
男爵は立ち去り、私はその隙にステーキのお代わりを注文した。
焼き上がったお肉が出てくるまでの間に、玄関の方から喧々諤々と争いの声が聞こえてくる。
おや、これは、婚約を潰されたというご令嬢の声では……?
「ステーキでございます」
男爵家の使用人が、分厚いお肉を持ってきた。
よく食べるなあ、このご令嬢、という目を私に向けている。
そう、よく食べるのだ。
私が大きくカットした肉をもぐもぐやっているとだ。
「ウグワー! お、お助けえー!」
マイルボン男爵の悲鳴が響き渡ったのである。
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