136 / 225
孤独な騎手事件
第136話 本当にやりたいことは
しおりを挟む
私たちは、一つの作戦を立てた。
シャーロット邸から出たアリアナは、銀竜号を駆り、道を行く。
貴族街へ向かう途中、彼女は果樹園などが集まる地域に立ち寄った。
この季節にはまだ果物は成っていない。
緑の葉を揺らす木々が道の両脇に立ち並んでいる。
その中を、ゆっくりと歩く銀竜号。
彼女の背後に、近づいていく者がある。
黒馬にまたがった男だ。
「まだ馬になんか乗って。お嬢さん」
男は声を掛けた。
騎士ウッドマンだ。
「あ、あなたには関係ないでしょう」
アリアナは少しだけ身を固くする。
銀竜号は黒馬を避けるように、道の脇へと動く。
後を追って黒馬が歩む。
「私は馬に乗りたいの。それがどうしていけないの」
「ご婦人が馬になんて乗るものじゃない。これは男の乗り物だ。第一、落馬してしまったらどうするんだ。あなたは大事な体なんだ。それにレースなんてとんでもない」
「馬に乗る以上、落ちるかも知れないのは覚悟の上だわ! それに、私はこの子と一緒にあのレース場を走るのが好きなの! 馬に乗っていたいの! この子と走っていられる時間は短いのよ。それくらいの時間、好きにさせてよ!」
アリアナの勢いに、ウッドマンは少したじろいだ様子だった。
「だ……だがしかし、いけない。旦那様はお嬢さんが馬に乗ることをよく思っていない。大体、非常識だ。どこの貴族のご令嬢が馬に乗ってレースに出るって言うんだ。上品な乗馬までならいい。だけど、それ以上はダメだ。ありえない。前例がないだろう」
「私が最初の一人になるわ! 私以外にも、王立アカデミーでは馬を好きな子が何人もいたわ! それに、辺境では……」
「へ、辺境は関係ないだろう」
ウッドマンの顔がひきつる。
辺境が関係ないとは何事だ。
「お嬢、押さえて押さえて」
「!? 今、何か聞こえたような」
危ない危ない。
「とにかく! お嬢さん、俺と一緒に来るんだ。旦那様のところに帰ろう」
「いやよ! 近寄らないで!」
「そんな我儘を言わないで!」
ウッドマンがアリアナに詰め寄ったところで、私たち登場だ。
「そこまでよウッドマン騎士爵!」
「な、なにぃーっ!?」
突然声を掛けられ、ウッドマンが振り返る。
そこには、ナイツの小脇に抱えられた私の姿。
うーん、かっこつかない!
「あなた、自分の気持ちではちょっとアリアナに同情してるくせに、リカイガナイ男爵に逆らうと今まで取り入ってきたのが無駄になるから従っているんでしょう!」
「むむうっ!」
「お嬢、もうちょっと手加減というものを……。男には面子ってものがありますからね」
「あら、ごめんなさい。でもウッドマン。言葉の端々から、感情的にはアリアナに味方したいっていうのが伝わってきたわ!」
「うぬう! さっきから、聞いていれば好き勝手を……。お前は誰だ!」
「ワトサップ辺境伯名代のジャネットよ」
私が名を告げた瞬間、ウッドマンの顔がこわばり、目を見開き、口をポカーンと開けて、即座に黒馬から飛び降りた。
そして地面に膝をついて深々と頭を下げる。
「こ……これはとんだ失礼を……!! わたくしめは、ウッドマン騎士爵と申します!」
「ああ、お前かあ!」
ナイツがどうやら、彼のことを知っているようだった。
「知ってるのナイツ?」
「ええ。こいつはですね、一昨年イニアナガ陛下への反乱を企てた、アクダイカー男爵を単身で捕らえた、英雄の一人ですよ。なるほどなあ。騎士爵とは言え、男爵が娘と結婚させて家に取り込もうと考えるわけだ」
その事件は私も知っている。
なるほど、この男が、あの事件を鎮圧した英雄だったのか。
「え……? 嘘、あのウッドマン? その……もっとかっこいい騎士様っていう外見かと思ってた」
アリアナがなんか言っている。
ナイツもウッドマンも、大柄でむきむきで、野性味溢れる外見だしねえ。
「ウッドマンは大方、貴族の称号を与えられ、その中で立ち回るので精一杯なんでしょうぜ。悪い男じゃないんですが、融通が利かないんだ」
「ははあ……。ウッドマン、顔を上げていいわよ。あとナイツ! そろそろ私を地面に下ろして!」
「おっと、こいつは失礼しました。お嬢は相変わらず羽のように軽いですな」
「うるさいわよ」
すとんと地面に降り立った私。
ウッドマンは片膝を突いた姿勢になり、私を見上げている。
「ねえウッドマン。アリアナをどうしたいわけ? 男爵は彼女を馬から引きずり下ろして、家の中に閉じ込めていたいんでしょう?」
「はい……。女が馬に乗ったり、外で仕事をするものではない、というのが男爵の考えで」
「はあー。本当にこう、理解がない男爵ねえ! 貴族としての役割をちゃんと果たしていれば、他にどんな好きなことをやっていたっていいでしょうに!」
私は天を仰いだ。
アリアナは大いに頷き、ウッドマンは戸惑っている風である。
そこに新たな登場人物。
アリアナのすぐ近くの果樹の影から、ほっそりした人影が顔を出した。
シャーロットだ。
「ジャネット様のお考えは、王都でもかなり進歩的というか、男女なく何でもやらねば生存すら危うい辺境メソッドですわね。ですが一理ありますわ」
「また増えた!」
「ラムズ侯爵令嬢シャーロットと申しますわ」
「ははーっ!」
またウッドマンが頭を下げた。
「な? こいつ、戦場以外では融通が利かないんですよ。とにかく地位が上の貴族に頭を下げなきゃってなってる。これが鉄火場だったら違うんですがねえ」
「なるほどですわ」
シャーロットがポン、と手を叩く。
「何がなるほどなの?」
「つまり、ウッドマン氏はこの状況を、鉄火場だとは考えていないということですわよ。いいかしらウッドマンさん。今この状況。あなたにとっては、男爵令嬢を連れ戻すだけの退屈な仕事に思えているかもしれませんけれど」
ここでシャーロットが、アリアナを手のひらで指し示す。
「アリアナさんにとっては、今がまさに勝負の時なのですわよ。自分の大切なものを奪おうとするお父様を前に、いかにして大好きな乗馬とレースを守ろうか。日々頭を働かせながら競馬場に立っているのですわ」
ウッドマンがハッとした。
それで通じるのかー。
「た、戦いだ。お嬢さんは戦ってるんですね」
「そういうことですわ。貴族社会はややこしてくて大変ですけれども、そこは形こそ違えど戦場に変わりはありませんの。ねえ、英雄ウッドマン。あなたはこの戦場で、今まさに大切な物を奪われようとしている姫君を見てどう思いますの?」
ウッドマンがアリアナを見る。
そして、自分の手を見た。
「ああ、腑に落ちました。ここが戦場なら、俺が味方する人は決まってました」
立ち上がるウッドマン。
憑き物が落ちたような顔をしている。
アリアナも、ほうっと一息。
かくして、ウッドマンはこっち側についた。
後の問題は……。
「リカイガナイ男爵に、ご理解いただくほかありませんわね!」
実に楽しげに、シャーロットが宣言するのだった。
シャーロット邸から出たアリアナは、銀竜号を駆り、道を行く。
貴族街へ向かう途中、彼女は果樹園などが集まる地域に立ち寄った。
この季節にはまだ果物は成っていない。
緑の葉を揺らす木々が道の両脇に立ち並んでいる。
その中を、ゆっくりと歩く銀竜号。
彼女の背後に、近づいていく者がある。
黒馬にまたがった男だ。
「まだ馬になんか乗って。お嬢さん」
男は声を掛けた。
騎士ウッドマンだ。
「あ、あなたには関係ないでしょう」
アリアナは少しだけ身を固くする。
銀竜号は黒馬を避けるように、道の脇へと動く。
後を追って黒馬が歩む。
「私は馬に乗りたいの。それがどうしていけないの」
「ご婦人が馬になんて乗るものじゃない。これは男の乗り物だ。第一、落馬してしまったらどうするんだ。あなたは大事な体なんだ。それにレースなんてとんでもない」
「馬に乗る以上、落ちるかも知れないのは覚悟の上だわ! それに、私はこの子と一緒にあのレース場を走るのが好きなの! 馬に乗っていたいの! この子と走っていられる時間は短いのよ。それくらいの時間、好きにさせてよ!」
アリアナの勢いに、ウッドマンは少したじろいだ様子だった。
「だ……だがしかし、いけない。旦那様はお嬢さんが馬に乗ることをよく思っていない。大体、非常識だ。どこの貴族のご令嬢が馬に乗ってレースに出るって言うんだ。上品な乗馬までならいい。だけど、それ以上はダメだ。ありえない。前例がないだろう」
「私が最初の一人になるわ! 私以外にも、王立アカデミーでは馬を好きな子が何人もいたわ! それに、辺境では……」
「へ、辺境は関係ないだろう」
ウッドマンの顔がひきつる。
辺境が関係ないとは何事だ。
「お嬢、押さえて押さえて」
「!? 今、何か聞こえたような」
危ない危ない。
「とにかく! お嬢さん、俺と一緒に来るんだ。旦那様のところに帰ろう」
「いやよ! 近寄らないで!」
「そんな我儘を言わないで!」
ウッドマンがアリアナに詰め寄ったところで、私たち登場だ。
「そこまでよウッドマン騎士爵!」
「な、なにぃーっ!?」
突然声を掛けられ、ウッドマンが振り返る。
そこには、ナイツの小脇に抱えられた私の姿。
うーん、かっこつかない!
「あなた、自分の気持ちではちょっとアリアナに同情してるくせに、リカイガナイ男爵に逆らうと今まで取り入ってきたのが無駄になるから従っているんでしょう!」
「むむうっ!」
「お嬢、もうちょっと手加減というものを……。男には面子ってものがありますからね」
「あら、ごめんなさい。でもウッドマン。言葉の端々から、感情的にはアリアナに味方したいっていうのが伝わってきたわ!」
「うぬう! さっきから、聞いていれば好き勝手を……。お前は誰だ!」
「ワトサップ辺境伯名代のジャネットよ」
私が名を告げた瞬間、ウッドマンの顔がこわばり、目を見開き、口をポカーンと開けて、即座に黒馬から飛び降りた。
そして地面に膝をついて深々と頭を下げる。
「こ……これはとんだ失礼を……!! わたくしめは、ウッドマン騎士爵と申します!」
「ああ、お前かあ!」
ナイツがどうやら、彼のことを知っているようだった。
「知ってるのナイツ?」
「ええ。こいつはですね、一昨年イニアナガ陛下への反乱を企てた、アクダイカー男爵を単身で捕らえた、英雄の一人ですよ。なるほどなあ。騎士爵とは言え、男爵が娘と結婚させて家に取り込もうと考えるわけだ」
その事件は私も知っている。
なるほど、この男が、あの事件を鎮圧した英雄だったのか。
「え……? 嘘、あのウッドマン? その……もっとかっこいい騎士様っていう外見かと思ってた」
アリアナがなんか言っている。
ナイツもウッドマンも、大柄でむきむきで、野性味溢れる外見だしねえ。
「ウッドマンは大方、貴族の称号を与えられ、その中で立ち回るので精一杯なんでしょうぜ。悪い男じゃないんですが、融通が利かないんだ」
「ははあ……。ウッドマン、顔を上げていいわよ。あとナイツ! そろそろ私を地面に下ろして!」
「おっと、こいつは失礼しました。お嬢は相変わらず羽のように軽いですな」
「うるさいわよ」
すとんと地面に降り立った私。
ウッドマンは片膝を突いた姿勢になり、私を見上げている。
「ねえウッドマン。アリアナをどうしたいわけ? 男爵は彼女を馬から引きずり下ろして、家の中に閉じ込めていたいんでしょう?」
「はい……。女が馬に乗ったり、外で仕事をするものではない、というのが男爵の考えで」
「はあー。本当にこう、理解がない男爵ねえ! 貴族としての役割をちゃんと果たしていれば、他にどんな好きなことをやっていたっていいでしょうに!」
私は天を仰いだ。
アリアナは大いに頷き、ウッドマンは戸惑っている風である。
そこに新たな登場人物。
アリアナのすぐ近くの果樹の影から、ほっそりした人影が顔を出した。
シャーロットだ。
「ジャネット様のお考えは、王都でもかなり進歩的というか、男女なく何でもやらねば生存すら危うい辺境メソッドですわね。ですが一理ありますわ」
「また増えた!」
「ラムズ侯爵令嬢シャーロットと申しますわ」
「ははーっ!」
またウッドマンが頭を下げた。
「な? こいつ、戦場以外では融通が利かないんですよ。とにかく地位が上の貴族に頭を下げなきゃってなってる。これが鉄火場だったら違うんですがねえ」
「なるほどですわ」
シャーロットがポン、と手を叩く。
「何がなるほどなの?」
「つまり、ウッドマン氏はこの状況を、鉄火場だとは考えていないということですわよ。いいかしらウッドマンさん。今この状況。あなたにとっては、男爵令嬢を連れ戻すだけの退屈な仕事に思えているかもしれませんけれど」
ここでシャーロットが、アリアナを手のひらで指し示す。
「アリアナさんにとっては、今がまさに勝負の時なのですわよ。自分の大切なものを奪おうとするお父様を前に、いかにして大好きな乗馬とレースを守ろうか。日々頭を働かせながら競馬場に立っているのですわ」
ウッドマンがハッとした。
それで通じるのかー。
「た、戦いだ。お嬢さんは戦ってるんですね」
「そういうことですわ。貴族社会はややこしてくて大変ですけれども、そこは形こそ違えど戦場に変わりはありませんの。ねえ、英雄ウッドマン。あなたはこの戦場で、今まさに大切な物を奪われようとしている姫君を見てどう思いますの?」
ウッドマンがアリアナを見る。
そして、自分の手を見た。
「ああ、腑に落ちました。ここが戦場なら、俺が味方する人は決まってました」
立ち上がるウッドマン。
憑き物が落ちたような顔をしている。
アリアナも、ほうっと一息。
かくして、ウッドマンはこっち側についた。
後の問題は……。
「リカイガナイ男爵に、ご理解いただくほかありませんわね!」
実に楽しげに、シャーロットが宣言するのだった。
0
お気に入りに追加
442
あなたにおすすめの小説
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
【完結】悪役令嬢の断罪現場に居合わせた私が巻き込まれた悲劇
藍生蕗
ファンタジー
悪役令嬢と揶揄される公爵令嬢フィラデラが公の場で断罪……されている。
トリアは会場の端でその様を傍観していたが、何故か急に自分の名前が出てきた事に動揺し、思わず返事をしてしまう。
会場が注目する中、聞かれる事に答える度に場の空気は悪くなって行って……
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる