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第94話 バルログ山車!
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「はあ!?」
ドワーフの若者たちが驚愕する。
「バルログの山車を作る!?」
「うむ、その通り」
山車とは、祭りに使う飾り立てられた車の事。
高さがあり、遠目にも目立つ派手な見た目であることが多い。
これをバルログに見立てて飾り付け、イフリート教の魔法で燃え上がらせてしまおうと言うのである。
なぜそんな事をするのか?
信心深いドワーフのお歴々に、腰を抜かしてもらうためである。
俺は鉱山都市で革命を起こすと告げたが、無血革命を目指すつもりなのだ。
それで、ちょっとだけ若者の声が通りやすくなり、鉱山都市は温泉地帯……じゃない、イフリート教の聖地への侵攻を諦めると。
俺の筋書きはそういうものだった。
「本当に上手く行くもんかねえ。道化師、今までの興行はさ。あたいら少ない人数でやれてたからいけたんだ。だけど、今度はたくさんいるよ。こいつら統制も取れてないし、そういうのが嫌いだからここに集まって飲んだくれているような連中だよ?」
「ああ、知っているさ」
ギスカのあんまりな物言いに、ドワーフの若者たちは抗議の声を上げる。
だが、一睨みされて黙ってしまった。
鉱石魔法使いの凄腕ギスカは、正に次元が違う存在なのだ。
「それに、こいつらに都市の支配権を渡したら、それこそこの世の終わりだと思うけどねえ……」
「なんでそんな事言うんだよギスカ!」
「昔は一緒に面白おかしくやってたじゃねえか!」
あちこちから悲鳴みたいな声が聞こえるな。
言葉の内容はとてもしょうもないものだ。
「お前らね! あたいは外の世界で旅をしてみて、色々分かったのさ! 自分で金を稼がなきゃ、飯も食えないし宿にも泊まれない! さらにあたいの魔法は金食い虫の鉱石魔法と来たもんだ! いいかい? 世の中、クソみたいな苦労しなくちゃてめえ一人食わせていくことはできないよ!?」
ギスカが凄むと、ドワーフの若者たちが「うう……」とか呻いて引き下がった。
弱腰だ。
というか、ギスカの迫力が凄いだけかも知れない。
冒険者として様々な冒険をしてきた彼女にとって、何もせずに文句を言っているだけの彼らがどうしようもない存在に見えているのだろう。
よくあることだ。
ギスカは彼らより、一足早く大人になったということである。
だが、若者たちの不興を買ってしまっては作戦は決行出来ない。
俺はギスカにウィンクして、後は任せてくれと合図した。
彼女は不思議そうな顔をして頷く。
「諸君! 大丈夫。諸君の有能さは俺がよく知っている。優秀な冒険者であるギスカがともに暮らしていた諸君は、上から抑えつけられているからこそ、本当の力を発揮できないだけだろう?」
「そ、そうだぜ!」
「あたしたちはやればできるー!」
「そうだそうだ! 上がいつもうるせえからやる気にならないだけだー!」
乗ってきた。
「では諸君、仕事に取り掛かってくれたまえ! 決行は……明後日! ああ、鉱山都市は時間の経過が分かりづらいと聞いているが、安心して欲しい。俺の体内時計は極めて正確でね。明後日には、有能なる諸君が鉱山都市の支配権を得ているだろう! そう、これは正義のための革命だ!」
「うおおおー!!」
吠える若者たち。
なんだかよく分からないなりに、凄いことになりそうだと盛り上がっている者がほとんどだ。
ギスカは呆れた顔で彼らを見回していた。
「どうするんだい、道化師。こいつらで都市をやっていけると思うのかい?」
「無論、無理だろうね。だからこそ、作戦は二重、三重で行くよ」
「性格が悪いねえ!」
それは褒め言葉だね。
シャイクは状況を冷静に見極めつつ、ドワーフの酒を飲んでいるのだった。
かくして、いろいろな下準備を任せてから酒場を発つ。
ここから温泉へ逆戻りである。
「どうするんだい? あいつらを焚き付けて」
「明後日まで何も完成していない可能性もあるね。だが、それは君に監視をお願いしたい」
「あたいに!? なんかこう、あいつらが子どもっぽくて付き合いたくないんだけど!」
「彼らだって色々経験して大人になるのさ。君も最初から、達観している今のギスカじゃなかっただろう?」
「そりゃあそうだけど……」
「先を歩む者は、後進に道を指し示してやってもいいものだよ。これまでの冒険で培ってきたスキルと言うか、ギスカのキャラクターを、ここで活かしてみてはどうかな?」
「むう……。気乗りしないねえ」
「では、樽いっぱいの酒を奢ることを約束しよう」
すると彼女はニヤリと笑った。
「報酬が出るなら、こいつは仕事だねえ。任せときな!」
「我はどうすればいいのだ?」
シャイクが質問してくる。
「山車の中に入って、これを燃やしてくれればいい。後は炎が平気な信者の人がいれば、車を後ろから押してくれるよう頼みたい」
「分かりやすいことこの上ないな……!」
「これでもかというくらい分かりやすいものの方が通用しやすいものさ。後は演出とタイミング。何事もそうだ」
「ふうん……。なんか、あんたにしては随分世話焼きなんだねえ? 道化師、あんたの狙いは一体なんなんだい?」
ギスカの鋭い質問。
俺はこれに、素直に答えることにした。
「いいかい。あの素晴らしい温泉が、ドワーフの鉱山都市に飲み込まれてしまうなんて、これは大きな損失だ! むしろ俺は、イフリート教の教えを世界に広めて、多くの人々があの温泉を知って遊びに来てもらうべきだと思っている。全ては温泉を守るための戦いなのさ」
「それが、世話焼きの理由かい!」
ギスカが心底呆れたようだ。
だが、くすっと笑う。
「まあ、でも、いいかも知れないねえ。傍から見ればバカらしい、道楽みたいな理由のために大騒ぎを起こそうって言うんだろう? こういうの、あんたなら何て言うのか見当がつくよ」
「ああ、ご理解いただけて幸いだ」
この騒ぎは、笑える大騒ぎになることだろう。
ドワーフの若者たちが驚愕する。
「バルログの山車を作る!?」
「うむ、その通り」
山車とは、祭りに使う飾り立てられた車の事。
高さがあり、遠目にも目立つ派手な見た目であることが多い。
これをバルログに見立てて飾り付け、イフリート教の魔法で燃え上がらせてしまおうと言うのである。
なぜそんな事をするのか?
信心深いドワーフのお歴々に、腰を抜かしてもらうためである。
俺は鉱山都市で革命を起こすと告げたが、無血革命を目指すつもりなのだ。
それで、ちょっとだけ若者の声が通りやすくなり、鉱山都市は温泉地帯……じゃない、イフリート教の聖地への侵攻を諦めると。
俺の筋書きはそういうものだった。
「本当に上手く行くもんかねえ。道化師、今までの興行はさ。あたいら少ない人数でやれてたからいけたんだ。だけど、今度はたくさんいるよ。こいつら統制も取れてないし、そういうのが嫌いだからここに集まって飲んだくれているような連中だよ?」
「ああ、知っているさ」
ギスカのあんまりな物言いに、ドワーフの若者たちは抗議の声を上げる。
だが、一睨みされて黙ってしまった。
鉱石魔法使いの凄腕ギスカは、正に次元が違う存在なのだ。
「それに、こいつらに都市の支配権を渡したら、それこそこの世の終わりだと思うけどねえ……」
「なんでそんな事言うんだよギスカ!」
「昔は一緒に面白おかしくやってたじゃねえか!」
あちこちから悲鳴みたいな声が聞こえるな。
言葉の内容はとてもしょうもないものだ。
「お前らね! あたいは外の世界で旅をしてみて、色々分かったのさ! 自分で金を稼がなきゃ、飯も食えないし宿にも泊まれない! さらにあたいの魔法は金食い虫の鉱石魔法と来たもんだ! いいかい? 世の中、クソみたいな苦労しなくちゃてめえ一人食わせていくことはできないよ!?」
ギスカが凄むと、ドワーフの若者たちが「うう……」とか呻いて引き下がった。
弱腰だ。
というか、ギスカの迫力が凄いだけかも知れない。
冒険者として様々な冒険をしてきた彼女にとって、何もせずに文句を言っているだけの彼らがどうしようもない存在に見えているのだろう。
よくあることだ。
ギスカは彼らより、一足早く大人になったということである。
だが、若者たちの不興を買ってしまっては作戦は決行出来ない。
俺はギスカにウィンクして、後は任せてくれと合図した。
彼女は不思議そうな顔をして頷く。
「諸君! 大丈夫。諸君の有能さは俺がよく知っている。優秀な冒険者であるギスカがともに暮らしていた諸君は、上から抑えつけられているからこそ、本当の力を発揮できないだけだろう?」
「そ、そうだぜ!」
「あたしたちはやればできるー!」
「そうだそうだ! 上がいつもうるせえからやる気にならないだけだー!」
乗ってきた。
「では諸君、仕事に取り掛かってくれたまえ! 決行は……明後日! ああ、鉱山都市は時間の経過が分かりづらいと聞いているが、安心して欲しい。俺の体内時計は極めて正確でね。明後日には、有能なる諸君が鉱山都市の支配権を得ているだろう! そう、これは正義のための革命だ!」
「うおおおー!!」
吠える若者たち。
なんだかよく分からないなりに、凄いことになりそうだと盛り上がっている者がほとんどだ。
ギスカは呆れた顔で彼らを見回していた。
「どうするんだい、道化師。こいつらで都市をやっていけると思うのかい?」
「無論、無理だろうね。だからこそ、作戦は二重、三重で行くよ」
「性格が悪いねえ!」
それは褒め言葉だね。
シャイクは状況を冷静に見極めつつ、ドワーフの酒を飲んでいるのだった。
かくして、いろいろな下準備を任せてから酒場を発つ。
ここから温泉へ逆戻りである。
「どうするんだい? あいつらを焚き付けて」
「明後日まで何も完成していない可能性もあるね。だが、それは君に監視をお願いしたい」
「あたいに!? なんかこう、あいつらが子どもっぽくて付き合いたくないんだけど!」
「彼らだって色々経験して大人になるのさ。君も最初から、達観している今のギスカじゃなかっただろう?」
「そりゃあそうだけど……」
「先を歩む者は、後進に道を指し示してやってもいいものだよ。これまでの冒険で培ってきたスキルと言うか、ギスカのキャラクターを、ここで活かしてみてはどうかな?」
「むう……。気乗りしないねえ」
「では、樽いっぱいの酒を奢ることを約束しよう」
すると彼女はニヤリと笑った。
「報酬が出るなら、こいつは仕事だねえ。任せときな!」
「我はどうすればいいのだ?」
シャイクが質問してくる。
「山車の中に入って、これを燃やしてくれればいい。後は炎が平気な信者の人がいれば、車を後ろから押してくれるよう頼みたい」
「分かりやすいことこの上ないな……!」
「これでもかというくらい分かりやすいものの方が通用しやすいものさ。後は演出とタイミング。何事もそうだ」
「ふうん……。なんか、あんたにしては随分世話焼きなんだねえ? 道化師、あんたの狙いは一体なんなんだい?」
ギスカの鋭い質問。
俺はこれに、素直に答えることにした。
「いいかい。あの素晴らしい温泉が、ドワーフの鉱山都市に飲み込まれてしまうなんて、これは大きな損失だ! むしろ俺は、イフリート教の教えを世界に広めて、多くの人々があの温泉を知って遊びに来てもらうべきだと思っている。全ては温泉を守るための戦いなのさ」
「それが、世話焼きの理由かい!」
ギスカが心底呆れたようだ。
だが、くすっと笑う。
「まあ、でも、いいかも知れないねえ。傍から見ればバカらしい、道楽みたいな理由のために大騒ぎを起こそうって言うんだろう? こういうの、あんたなら何て言うのか見当がつくよ」
「ああ、ご理解いただけて幸いだ」
この騒ぎは、笑える大騒ぎになることだろう。
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