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第88話 ちょこっと襲撃
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バリンカーで走っている間にも、並走してきた別のバリンカーに乗った眼鏡のドワーフ娘が大声で話しかけてきたりした。
「あんたたち外から来たんでしょ!? じゃあさ! ドワーフの里の名物料理とかどうよ! これ、鉱山弁当! 今なら安いよ! どう!?」
「よし、5人前いただこう!」
「まいどありぃ!!」
バリンカーの上で金銭と品物をやり取り。
その後、ギスカを見て目を丸くし、
「ギスカじゃん!! 戻ってきたの!? マジで? みんなに知らせなきゃ!」
そんな事を言った後、弁当売り娘は、そのままバリンカーを疾走させて行ってしまった。
「たくましいな」
「そうさ。ドワーフってのはハングリー精神に満ちてる連中も多いからね! あいつも金を稼いでこの町を出たいのかもしれないねえ」
「なるほど。そうして次々に鉱山都市を出ていくと。ドワーフがあちこちの鉱山に住み着く流れが段々分かってきた気がするぞ」
「いかん! いかーん!! 都市から出ることはまかりならーん! 働き手がいなくなるではないかー!!」
長が顔を真っ赤にして怒っている。
ギスカいわく、鉱山都市の仲は長幼の序列がそれなりに厳しく、実力があっても上のポジションが詰まっていると出世できなかったり、新しい仕事をやれなかったりするそうなのだ。
そういうのを嫌がり、若いドワーフは都市を飛び出していくのだ。
そしてそのドワーフたちが外で成功すると、元の都市に戻るのではなく、別の鉱山や山を見つけ出して、その地下に町を作る。
人がいなくなった古い鉱山都市は寂れ、やがて忘れられていく。
面白いのは、人がいなくなった鉱山都市の中は、徐々に鉱石が生まれ始め、やがて何もなかったかのように埋まってしまうのだそうだ。
鉱山は一つの生き物である、というのがドワーフの言葉だ。
ちなみに弁当は、冷えても美味いよう、濃い目に味付けされた焼き肉とキノコか何かの煮物。
そして主食としてカリカリに焼かれたビスケットと、きれいな水が入った袋。
「この袋は? 弁当一つ一つにこれをつけていたら、採算が合わないんじゃないか?」
「そいつはね、ソフトストーンってのがあって、これがもう、熱に弱いし衝撃に弱いし、溶かしてもあっという間に蒸発しちまうような石でね。ところが、適当に熱して筒で空気を吹き込んでやると、こういう袋になるのさ。慣れりゃどんどん増産できるんだよ。何せ、そこら中の鉱石に含まれてて、鉱石本体を守るクッションみたいな役割を果たしてるからね。だから、タダみたいなもんさ」
「ほお、便利なものだなあ。これもどうして外の世界に無いのか疑問を感じるくらいのものだ」
「真面目なドワーフからしたら、使い物にならない石だからね。恥ずかしくって外じゃ言わないのさ!」
そういうものなのだろうか。
ビスケットに肉を乗せてかじると、なかなか美味い。
これは力が付きそうだ。
まだハンドルを握っているイングリドが、物欲しそうにこれを見てくる。
「よしイングリド、口を開けたまえ! 俺が食べさせよう。あーん」
「済まないな! あーん!」
口に放り込むと、彼女は実に美味そうにもぐもぐと食べる。
なお、フリッカはひどい揺れのせいで弁当を食うどころでは無かったらしい。
到着したのは、下方へ向かうエレベーター。
これにバリンカーごと乗り込み、滑車でガタゴトと下っていくのだ。
こういうエレベーターが、鉱山内に無数に存在しているらしい。
新しい縦穴を作ったら、まずは即座にエレベーターを設置する。
そして横に向かって掘り進めていくのだ。
「目的地は最奥だ。そこで、マグマ溜まりと当たってしまったようでな。炎のモンスターが出てくるようになったのだ。ああ、いかん。わしはもう尻が痛くてこれ以上は無理だ……。ディゴ、任せたぞ。ひぃー」
長が尻をさすりながら、バリンカーから降りた。
ここから先はディゴが案内してくれるようだ。
「おいらの尻は鉄の尻だからな! 平気だぜ!!」
ディゴは元気そのものである。
彼に先導され、バリンカーが坑道を走り出す。
途中、広くなっている空間があり、ここに何台ものバリンカーが停められていた。
どうやら、ここからは歩きらしい。
坑道も狭くなっている。
「この先だ!」
坑道とは言っても、明かりがあちこちに設けられていて、日暮れ寸前の明るさくらいはある。
暗視能力がある方が便利だろうが、なくてもまあ、そこそこ見えるだろう。
イングリドとフリッカには、念の為に手をつないでいてもらおう。
はぐれたらことだ。
「なんや、子ども扱いかい! せやけど、ここで迷ったら洒落にならんなあ……」
「ははは、いいじゃないか。私はこうして手を繋ぐのも新鮮で楽しいぞ」
イングリドは愉快そうである。
彼女たちを真ん中にはさみながら、進んでいく。
前列はディゴと俺。
後列がジェダとギスカ。
やがて、坑道の奥まったところが真っ赤に輝いて見えてきた。
周囲の温度も上がっている。
「やべえ、これは……いやがるぜ」
ディゴが呟いた。
いる、というのは、炎のモンスターがいるということだろう。
話が早い。
「よっしゃよっしゃ!!」
ジェダがやる気になった。
壁を蹴り、天井を走り、あっという間に俺の目の前に降りてくる。
「ひえー!」
ディゴが悲鳴をあげるが構いもしない。
「行くぞフリッカ!!」
「ああ、もう!! 待ちやジェダーっ!!」
「追いかけるのか? よし、行くぞー!」
イングリドとフリッカが、手をつないで走っていく。
こうなれば、俺も走らねばなるまい。
「やれやれ。いつものノリだねえ!」
ギスカが楽しげに追いかけてくる。
かくして、我らラッキークラウンは炎のモンスターと対面。
それは、炎に包まれた大柄な人形をしていた。
角があり、顔は寸詰まりになったトカゲのよう。
尻尾が生えており、それが地面を叩いて、その度に炎が撒き散らされる。
なるほど、バルログのよう、か。
バルログの真の姿など、ネレウスくらいしか知るまい。
「よっしゃ、行くでジェダ! えーと、炎相手なら……何モードがいいんや? 魚……?」
「焼けちまうだろうが! リンクスでいいぞ!」
「んじゃあそれや! リンクスモードや、ジェダ!!」
「おうよ!」
おっと、始まってしまった!
「あんたたち外から来たんでしょ!? じゃあさ! ドワーフの里の名物料理とかどうよ! これ、鉱山弁当! 今なら安いよ! どう!?」
「よし、5人前いただこう!」
「まいどありぃ!!」
バリンカーの上で金銭と品物をやり取り。
その後、ギスカを見て目を丸くし、
「ギスカじゃん!! 戻ってきたの!? マジで? みんなに知らせなきゃ!」
そんな事を言った後、弁当売り娘は、そのままバリンカーを疾走させて行ってしまった。
「たくましいな」
「そうさ。ドワーフってのはハングリー精神に満ちてる連中も多いからね! あいつも金を稼いでこの町を出たいのかもしれないねえ」
「なるほど。そうして次々に鉱山都市を出ていくと。ドワーフがあちこちの鉱山に住み着く流れが段々分かってきた気がするぞ」
「いかん! いかーん!! 都市から出ることはまかりならーん! 働き手がいなくなるではないかー!!」
長が顔を真っ赤にして怒っている。
ギスカいわく、鉱山都市の仲は長幼の序列がそれなりに厳しく、実力があっても上のポジションが詰まっていると出世できなかったり、新しい仕事をやれなかったりするそうなのだ。
そういうのを嫌がり、若いドワーフは都市を飛び出していくのだ。
そしてそのドワーフたちが外で成功すると、元の都市に戻るのではなく、別の鉱山や山を見つけ出して、その地下に町を作る。
人がいなくなった古い鉱山都市は寂れ、やがて忘れられていく。
面白いのは、人がいなくなった鉱山都市の中は、徐々に鉱石が生まれ始め、やがて何もなかったかのように埋まってしまうのだそうだ。
鉱山は一つの生き物である、というのがドワーフの言葉だ。
ちなみに弁当は、冷えても美味いよう、濃い目に味付けされた焼き肉とキノコか何かの煮物。
そして主食としてカリカリに焼かれたビスケットと、きれいな水が入った袋。
「この袋は? 弁当一つ一つにこれをつけていたら、採算が合わないんじゃないか?」
「そいつはね、ソフトストーンってのがあって、これがもう、熱に弱いし衝撃に弱いし、溶かしてもあっという間に蒸発しちまうような石でね。ところが、適当に熱して筒で空気を吹き込んでやると、こういう袋になるのさ。慣れりゃどんどん増産できるんだよ。何せ、そこら中の鉱石に含まれてて、鉱石本体を守るクッションみたいな役割を果たしてるからね。だから、タダみたいなもんさ」
「ほお、便利なものだなあ。これもどうして外の世界に無いのか疑問を感じるくらいのものだ」
「真面目なドワーフからしたら、使い物にならない石だからね。恥ずかしくって外じゃ言わないのさ!」
そういうものなのだろうか。
ビスケットに肉を乗せてかじると、なかなか美味い。
これは力が付きそうだ。
まだハンドルを握っているイングリドが、物欲しそうにこれを見てくる。
「よしイングリド、口を開けたまえ! 俺が食べさせよう。あーん」
「済まないな! あーん!」
口に放り込むと、彼女は実に美味そうにもぐもぐと食べる。
なお、フリッカはひどい揺れのせいで弁当を食うどころでは無かったらしい。
到着したのは、下方へ向かうエレベーター。
これにバリンカーごと乗り込み、滑車でガタゴトと下っていくのだ。
こういうエレベーターが、鉱山内に無数に存在しているらしい。
新しい縦穴を作ったら、まずは即座にエレベーターを設置する。
そして横に向かって掘り進めていくのだ。
「目的地は最奥だ。そこで、マグマ溜まりと当たってしまったようでな。炎のモンスターが出てくるようになったのだ。ああ、いかん。わしはもう尻が痛くてこれ以上は無理だ……。ディゴ、任せたぞ。ひぃー」
長が尻をさすりながら、バリンカーから降りた。
ここから先はディゴが案内してくれるようだ。
「おいらの尻は鉄の尻だからな! 平気だぜ!!」
ディゴは元気そのものである。
彼に先導され、バリンカーが坑道を走り出す。
途中、広くなっている空間があり、ここに何台ものバリンカーが停められていた。
どうやら、ここからは歩きらしい。
坑道も狭くなっている。
「この先だ!」
坑道とは言っても、明かりがあちこちに設けられていて、日暮れ寸前の明るさくらいはある。
暗視能力がある方が便利だろうが、なくてもまあ、そこそこ見えるだろう。
イングリドとフリッカには、念の為に手をつないでいてもらおう。
はぐれたらことだ。
「なんや、子ども扱いかい! せやけど、ここで迷ったら洒落にならんなあ……」
「ははは、いいじゃないか。私はこうして手を繋ぐのも新鮮で楽しいぞ」
イングリドは愉快そうである。
彼女たちを真ん中にはさみながら、進んでいく。
前列はディゴと俺。
後列がジェダとギスカ。
やがて、坑道の奥まったところが真っ赤に輝いて見えてきた。
周囲の温度も上がっている。
「やべえ、これは……いやがるぜ」
ディゴが呟いた。
いる、というのは、炎のモンスターがいるということだろう。
話が早い。
「よっしゃよっしゃ!!」
ジェダがやる気になった。
壁を蹴り、天井を走り、あっという間に俺の目の前に降りてくる。
「ひえー!」
ディゴが悲鳴をあげるが構いもしない。
「行くぞフリッカ!!」
「ああ、もう!! 待ちやジェダーっ!!」
「追いかけるのか? よし、行くぞー!」
イングリドとフリッカが、手をつないで走っていく。
こうなれば、俺も走らねばなるまい。
「やれやれ。いつものノリだねえ!」
ギスカが楽しげに追いかけてくる。
かくして、我らラッキークラウンは炎のモンスターと対面。
それは、炎に包まれた大柄な人形をしていた。
角があり、顔は寸詰まりになったトカゲのよう。
尻尾が生えており、それが地面を叩いて、その度に炎が撒き散らされる。
なるほど、バルログのよう、か。
バルログの真の姿など、ネレウスくらいしか知るまい。
「よっしゃ、行くでジェダ! えーと、炎相手なら……何モードがいいんや? 魚……?」
「焼けちまうだろうが! リンクスでいいぞ!」
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