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第85話 タートル山の鉱山都市
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ぶうぶう言うギスカをなだめすかしながら、翌々日に旅立つ我らラッキークラウン。
中休みを一日入れただけで次の仕事とは、我ながら生き急いでいる気がしないでもない。
馬車に揺られてガタゴトと、片道三日間の旅である。
ただの馬車では退屈なので、幌馬車を選んだ。
つまりちょっといい荷馬車である。
これは風が吹き抜けてくるし、外の光景を見放題。
馬の歩く速度は人間の早足程度で、乗っていることに飽きたら横で歩いてもいい。
普通の馬車だとこうはいかない。
のんびり行こう。
「一刻も早く到着しねえと……!!」
ディゴの焦る声が聞こえるが、それはそれ、これはこれだ。
彼は冒険者ギルドで三日くらい俺たちを待っていたそうだから、今更一日や二日掛かったところで状況は変わるまい。
旅の過程は、楽しむことに意義がある。
さて、タートル鉱山の場所は、マールイ、キングバイ両王国とは逆側。
ガットルテ内陸部に向かって進んでいくわけだ。
この辺りから国境線が曖昧になってきて、人間以外の様々な種族の暮らす国家や集落が増えてくる。
強く縄張りを意識する種族もいるので、通過には気を配らねばならない……が、今回の幌馬車、異種族との取引をメインとするアキンドー商会の商人が乗っているので、その点は問題ない。
「一箇所一箇所を通るたびにですね、そこの地域と細かく交流するんですわ。基本は物々交換で、その土地に無いものをあげて、特産品をもらう。これを繰り返しながらぐるりと廻るわけですわな。積荷があらかた、特産品に置き換わったら帰り時です。彼らも、うちらのことを物々交換して回っている商人だって認識してますから、『帰るところだよ』って告げればあっさり通してくれるんです」
面通しがきちんとしていれば、どこでも通過できるということだろう。
それでも、普段は護衛に冒険者を雇っているとのこと。
今回は、俺たちの旅に付き合ってくれるため、ラッキークラウンが無料で護衛をすることになる。
「鉱山に向かって、そこで皆さんの仕事が終わるまで一服して、それから戻ってくる行程になりますな。いやあ、名高いラッキークラウンがお金を払わずに守ってくれるなんて、最高ですわ」
そう言って、商人はかっかっか、と笑う。
こちらとしても、行き帰りの足と野宿のための設備や水や食料を提供してもらうわけだから、互恵関係と言えよう。
「さっきまで森だったと思ったら、もう荒れ地みたいになってきたな……」
イングリドが御者の隣に腰掛けて、キョロキョロしている。
曲がりなりにも、ガットルテ王国のお姫様なので、御者はカチコチに緊張していた。
彼女が王女だと、対外的にも公表されたからな。
キングバイ王国の一件で、そういうことになった。
「ここからは山なんだ。気付かなかったかも知れないが、少しずつ馬車は山道に向かっているんだぞ。ほら、地面が石みたいになって来ているだろう」
俺が指差す、大地や周囲を見て、イングリドが目を見開いた。
「本当だ……。足元は固くなっているし、遠くに見える風景が前よりも低いところにある。それで、道理でガタゴトとお尻が痛かったはずだ」
恐らくこの辺りは、ガットルテ王都から眺めれば、小高い山々が連なった場所に見えているはずだ。
この中に、タートル鉱山がある。
その名の通り、全体的になだらかで亀の甲羅のように見える山である。
「おう、見えてきたぜ! あれだあれ!」
ディゴが大声を張り上げた。
行く先を指差しつつ振り回すので、どこのことだか分からない。
「バカ兄貴! うるさいよあんた! ほんと、ガキの頃から落ち着きがないんだからねえ!」
ギスカが鼻息も荒く、ディゴの頭をぺちんとはたく。
気の強い妹である。
ディゴの指差しでは何も分からなかったが、近づいていくと俺たちの目にも、目的地は明らかとなる。
なるほど、タートル山だ。
なだらかな丸い岩山。
そして表面には、亀の甲羅のように筋が刻まれている。
あれは掘り出した鉱石を運ぶルートだな?
人為的にあのような姿になったため、タートル山と呼称するようになったのであろう。
一見すると、ただの鉱山で、町らしきものはどこにもない。
ドワーフの町は、地下……あるいは鉱山の中にあるのだ。
彼らは鉱山に住み着くと、それを掘り進めながら町を拡張していく。
そして鉱石を掘り尽くすと、次なる鉱山を探して旅に出るのだと言う。
だが、この旅に出ているドワーフの一団というものを俺は見たことがない。
噂ばかりで、実態についてもよく知らない。
その辺りはどうなっているのだろうか?
興味は尽きない。
山の麓に、鉱山都市への入り口があった。
「上と下に入口があるんだ。下はあんたらみたいな他の人族用だな。山をいちいち登るのも大変だし、荷物を運び込めねえだろ」
なるほど、入り口はとても広い。
何台もの荷馬車がすれ違えるほどだ。
あちこちに、支えとなるよう、柱の形となった岩が残されている。
これを見ながら鉱山の中に入っていくのだが……。
「うわあ、暗いなあ!」
フリッカの感想が全てだ。
魔法や、あるいは鉱石の性質を利用した明かりがあちこちに存在している。
だが、それでも鉱山の中全体を照らすことはできない。
内部の明るさは、せいぜい日没直前くらいのものだ。
「これでもね、随分明るい方なのさ。安心おし。町はおおよそこの明るさだからさ。だけど、鉱山部分はこうはいかないよ。もっとずっと暗いから」
なるほど、これではギスカが鉱山都市を飛び出してしまうのも仕方がない。
永遠に夕暮れ時なのが、ドワーフの都市なのだ。
「ちなみに夜は無いからね。ずーっとこの明るさだよ。だから都市の中にいると、時間なんてのは時計でしか分からないのさ。みんなめいめい、適当な時間に起きて寝て仕事して暮らしてるんだよ」
「それはまたカオスだなあ」
「だからさ! 外の世界はほら、朝があって、昼があって、夜があるだろ? あたい、本当にこれが好きでさあ。みんな夜には寝るじゃないかい。トンカン、ガンガン、槌打つ音が聞こえない睡眠ってのは大事だよ……」
なるほどなるほど……!
鉱山都市、なかなか特殊な環境らしい。
中休みを一日入れただけで次の仕事とは、我ながら生き急いでいる気がしないでもない。
馬車に揺られてガタゴトと、片道三日間の旅である。
ただの馬車では退屈なので、幌馬車を選んだ。
つまりちょっといい荷馬車である。
これは風が吹き抜けてくるし、外の光景を見放題。
馬の歩く速度は人間の早足程度で、乗っていることに飽きたら横で歩いてもいい。
普通の馬車だとこうはいかない。
のんびり行こう。
「一刻も早く到着しねえと……!!」
ディゴの焦る声が聞こえるが、それはそれ、これはこれだ。
彼は冒険者ギルドで三日くらい俺たちを待っていたそうだから、今更一日や二日掛かったところで状況は変わるまい。
旅の過程は、楽しむことに意義がある。
さて、タートル鉱山の場所は、マールイ、キングバイ両王国とは逆側。
ガットルテ内陸部に向かって進んでいくわけだ。
この辺りから国境線が曖昧になってきて、人間以外の様々な種族の暮らす国家や集落が増えてくる。
強く縄張りを意識する種族もいるので、通過には気を配らねばならない……が、今回の幌馬車、異種族との取引をメインとするアキンドー商会の商人が乗っているので、その点は問題ない。
「一箇所一箇所を通るたびにですね、そこの地域と細かく交流するんですわ。基本は物々交換で、その土地に無いものをあげて、特産品をもらう。これを繰り返しながらぐるりと廻るわけですわな。積荷があらかた、特産品に置き換わったら帰り時です。彼らも、うちらのことを物々交換して回っている商人だって認識してますから、『帰るところだよ』って告げればあっさり通してくれるんです」
面通しがきちんとしていれば、どこでも通過できるということだろう。
それでも、普段は護衛に冒険者を雇っているとのこと。
今回は、俺たちの旅に付き合ってくれるため、ラッキークラウンが無料で護衛をすることになる。
「鉱山に向かって、そこで皆さんの仕事が終わるまで一服して、それから戻ってくる行程になりますな。いやあ、名高いラッキークラウンがお金を払わずに守ってくれるなんて、最高ですわ」
そう言って、商人はかっかっか、と笑う。
こちらとしても、行き帰りの足と野宿のための設備や水や食料を提供してもらうわけだから、互恵関係と言えよう。
「さっきまで森だったと思ったら、もう荒れ地みたいになってきたな……」
イングリドが御者の隣に腰掛けて、キョロキョロしている。
曲がりなりにも、ガットルテ王国のお姫様なので、御者はカチコチに緊張していた。
彼女が王女だと、対外的にも公表されたからな。
キングバイ王国の一件で、そういうことになった。
「ここからは山なんだ。気付かなかったかも知れないが、少しずつ馬車は山道に向かっているんだぞ。ほら、地面が石みたいになって来ているだろう」
俺が指差す、大地や周囲を見て、イングリドが目を見開いた。
「本当だ……。足元は固くなっているし、遠くに見える風景が前よりも低いところにある。それで、道理でガタゴトとお尻が痛かったはずだ」
恐らくこの辺りは、ガットルテ王都から眺めれば、小高い山々が連なった場所に見えているはずだ。
この中に、タートル鉱山がある。
その名の通り、全体的になだらかで亀の甲羅のように見える山である。
「おう、見えてきたぜ! あれだあれ!」
ディゴが大声を張り上げた。
行く先を指差しつつ振り回すので、どこのことだか分からない。
「バカ兄貴! うるさいよあんた! ほんと、ガキの頃から落ち着きがないんだからねえ!」
ギスカが鼻息も荒く、ディゴの頭をぺちんとはたく。
気の強い妹である。
ディゴの指差しでは何も分からなかったが、近づいていくと俺たちの目にも、目的地は明らかとなる。
なるほど、タートル山だ。
なだらかな丸い岩山。
そして表面には、亀の甲羅のように筋が刻まれている。
あれは掘り出した鉱石を運ぶルートだな?
人為的にあのような姿になったため、タートル山と呼称するようになったのであろう。
一見すると、ただの鉱山で、町らしきものはどこにもない。
ドワーフの町は、地下……あるいは鉱山の中にあるのだ。
彼らは鉱山に住み着くと、それを掘り進めながら町を拡張していく。
そして鉱石を掘り尽くすと、次なる鉱山を探して旅に出るのだと言う。
だが、この旅に出ているドワーフの一団というものを俺は見たことがない。
噂ばかりで、実態についてもよく知らない。
その辺りはどうなっているのだろうか?
興味は尽きない。
山の麓に、鉱山都市への入り口があった。
「上と下に入口があるんだ。下はあんたらみたいな他の人族用だな。山をいちいち登るのも大変だし、荷物を運び込めねえだろ」
なるほど、入り口はとても広い。
何台もの荷馬車がすれ違えるほどだ。
あちこちに、支えとなるよう、柱の形となった岩が残されている。
これを見ながら鉱山の中に入っていくのだが……。
「うわあ、暗いなあ!」
フリッカの感想が全てだ。
魔法や、あるいは鉱石の性質を利用した明かりがあちこちに存在している。
だが、それでも鉱山の中全体を照らすことはできない。
内部の明るさは、せいぜい日没直前くらいのものだ。
「これでもね、随分明るい方なのさ。安心おし。町はおおよそこの明るさだからさ。だけど、鉱山部分はこうはいかないよ。もっとずっと暗いから」
なるほど、これではギスカが鉱山都市を飛び出してしまうのも仕方がない。
永遠に夕暮れ時なのが、ドワーフの都市なのだ。
「ちなみに夜は無いからね。ずーっとこの明るさだよ。だから都市の中にいると、時間なんてのは時計でしか分からないのさ。みんなめいめい、適当な時間に起きて寝て仕事して暮らしてるんだよ」
「それはまたカオスだなあ」
「だからさ! 外の世界はほら、朝があって、昼があって、夜があるだろ? あたい、本当にこれが好きでさあ。みんな夜には寝るじゃないかい。トンカン、ガンガン、槌打つ音が聞こえない睡眠ってのは大事だよ……」
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