75 / 107
第75話 キングバイ王国との交渉
しおりを挟む
「なぜ……そちらにオーギュストがいるのだ……?」
キルステン騎士団長を従えた、エミル王子。
彼ら二人は、困惑を隠しきれぬ様子だ。
戸惑うのも当然と言えよう。
つい先日、マールイ王国から追放された一冒険者として旧交を温めたばかりなのだ。
「オーギュスト殿。あなたは……まさかスパイに……いやいやいや。そんなことをする理由がない。あなたがマールイ王国にいたならば、国はこのような惨状になってはいないはずだからな」
「その通りです。理由があって王国に立ち寄ったところ、ご覧の有様でしてね。そして俺を追い落とした者たちは皆落ちぶれ、まっとうな状態ではありませんでした。私はキュータイ三世陛下から直々に要請され、改めてマールイ王国に戻ってきたのですよ」
「なるほど……。だが、我らキングバイ王国は海賊の末裔。奪う時は、例え知己であろうと容赦はせぬぞ」
「存じ上げておりますとも」
顔見知りであるからこそ、厳しく行くというのは分かる。
縁もゆかりもない相手であれば、事務的にいけば良い。
だが、相手が知己ならば、そうであるからこそ手心を加えたような事は注意深く見られる。
エミル王子は、ほぼ次期国王として内定している実力者だ。
だからこそ、彼の失点を探そうとする政敵はいくらでもいる。
キングバイ王国の王宮は、戦場なのである。
彼がこちらに、手心を加えることはできないし、その性分からしてもありえない。
「ですから、こちらはあらかじめ、差し出せる限りの最大限のものを提示致します」
「最大限……?」
エミル王子が訝しげな表情を浮かべた。
「御覧ください。マールイ王国の地図です」
「ほう! 地図をこの俺の目の前に出すとは……!」
地図とは、そこに描かれているものが偽りでなければ、国土そのものを忠実に表している。
故に、これを敵国に掴まれる事は、致命的な事態を意味するのである。
「本気か」
「ええ。この地図は差し上げましょう。なぜなら、我が国には必要なくなるものですから」
「なんと!?」
エミル王子が目を見開き、キルステンも呆然とした。
「ここから……ここまでの土地を、賠償金として献上致します」
「なん……だと……!?」
マールイ王国が直接支配する地域の、ほぼ半分である。
広大と言っていい広さの土地だ。
それらは、耕作に適した地域もあれば、鉱山などもある。
その全ては地図に書き記されていた。
「確かに、これだけの土地を奪えるのならば、賠償金として十分だ」
「ええ。キングバイ王国にとって、ミーゾイ以外の土地が大陸側にできるというのは大きな意味を持つでしょう。これで、キングバイ王国は海洋国家ではなくなるのです」
「うむ……!」
「そして、これをエミル殿下が勝ち取った戦果としてお持ち帰りいただきたい」
「なにっ!?」
さきほどから、エミル王子は驚きっぱなしである。
あまりに驚愕が続いたので、喉が乾いたらしい。
出されている茶を、ごくごくと飲み干した。
「で、殿下、毒味を……」
キルステンが慌てる。
「必要ない! オーギュストがいる場だぞ! そんな安い計略などやるわけがあるまい!」
「はっ、もっともです」
「オーギュスト……。これは……俺に対する賄賂か?」
「誠意ですよ。これだけのものを差し出せば、キングバイ王国は十分な賠償金を得たと言えるでしょう」
「うむ……。何が望みだ?」
「話が早い。今後、マールイ王国はゼロからスタート致します。その際、キングバイ王国との交易は重要になってまいりますからね。エイリーク陛下、そして次なる王位につかれる方とは、仲良くしておきたい」
「なるほど……。恐ろしい男だな、お前は。つくづく、この戦争でマールイ王国にオーギュストがいなかったことが幸運だった。だが、ここまでの譲歩をしては、マールイ王国も苦しいのではないか?」
「生きようとするから苦しむのですよ。相手が文句を言わぬ程度に割譲し、しかしここより多くを求めるならば、全滅戦前提の戦争再開。ここまで札を用意しておりましたからね。生きるためには、死に近づかねば」
「おお……。今の、オーギュストがいるマールイ王国とか……? ゾッとする」
「殿下。私は騎士団長として申し上げますが、この私がオーギュスト殿に勝つことは、極めて困難ですからね」
「敵に肩入れする騎士団長がどこにいる、キルステン!」
エミル王子が苦笑した。
「俺も、お前とはやり合いたくない。戦争そのものは勝っても、我が国に何か、致命的なダメージが残ることになるだろうからな」
「お分かりいただけて幸いです。マールイ王国は、新たなやり方で再生して参ります。ご安心ください」
「お、おう」
ここで、ずっと後ろにいたイングリドがぽつりと呟いた。
「どうして君はそんなに恐れられているんだ……」
一応、ガットルテ王国の王女であるイングリド。
今回はガットルテからの正式な書状がでて、イングリドをイングリッド姫として、この場の立会人とすることになったのである。
つまり、対外的に、ガットルテ王国はイングリドを王族の一人であると宣言したことになる。
「では、両国の関係はこれにて手打ちということで……異存はございませんかな?」
「ああ、無い。お土産まで持たせられてしまってはな……。これで、俺の地位は盤石となる。誰も俺の立場を脅かすことはできまい」
「おめでとうございます」
「俺の立場を固めた男が何を言う」
苦笑するエミル王子に小突かれた。
これで、交渉は終わりということになる。
つまり、終戦だ。
この報はすぐさま、城中に、そして城下町へと伝えられた。
自暴自棄になっていた人々は皆、少しだけやる気を取り戻したようである。
キルステン騎士団長を従えた、エミル王子。
彼ら二人は、困惑を隠しきれぬ様子だ。
戸惑うのも当然と言えよう。
つい先日、マールイ王国から追放された一冒険者として旧交を温めたばかりなのだ。
「オーギュスト殿。あなたは……まさかスパイに……いやいやいや。そんなことをする理由がない。あなたがマールイ王国にいたならば、国はこのような惨状になってはいないはずだからな」
「その通りです。理由があって王国に立ち寄ったところ、ご覧の有様でしてね。そして俺を追い落とした者たちは皆落ちぶれ、まっとうな状態ではありませんでした。私はキュータイ三世陛下から直々に要請され、改めてマールイ王国に戻ってきたのですよ」
「なるほど……。だが、我らキングバイ王国は海賊の末裔。奪う時は、例え知己であろうと容赦はせぬぞ」
「存じ上げておりますとも」
顔見知りであるからこそ、厳しく行くというのは分かる。
縁もゆかりもない相手であれば、事務的にいけば良い。
だが、相手が知己ならば、そうであるからこそ手心を加えたような事は注意深く見られる。
エミル王子は、ほぼ次期国王として内定している実力者だ。
だからこそ、彼の失点を探そうとする政敵はいくらでもいる。
キングバイ王国の王宮は、戦場なのである。
彼がこちらに、手心を加えることはできないし、その性分からしてもありえない。
「ですから、こちらはあらかじめ、差し出せる限りの最大限のものを提示致します」
「最大限……?」
エミル王子が訝しげな表情を浮かべた。
「御覧ください。マールイ王国の地図です」
「ほう! 地図をこの俺の目の前に出すとは……!」
地図とは、そこに描かれているものが偽りでなければ、国土そのものを忠実に表している。
故に、これを敵国に掴まれる事は、致命的な事態を意味するのである。
「本気か」
「ええ。この地図は差し上げましょう。なぜなら、我が国には必要なくなるものですから」
「なんと!?」
エミル王子が目を見開き、キルステンも呆然とした。
「ここから……ここまでの土地を、賠償金として献上致します」
「なん……だと……!?」
マールイ王国が直接支配する地域の、ほぼ半分である。
広大と言っていい広さの土地だ。
それらは、耕作に適した地域もあれば、鉱山などもある。
その全ては地図に書き記されていた。
「確かに、これだけの土地を奪えるのならば、賠償金として十分だ」
「ええ。キングバイ王国にとって、ミーゾイ以外の土地が大陸側にできるというのは大きな意味を持つでしょう。これで、キングバイ王国は海洋国家ではなくなるのです」
「うむ……!」
「そして、これをエミル殿下が勝ち取った戦果としてお持ち帰りいただきたい」
「なにっ!?」
さきほどから、エミル王子は驚きっぱなしである。
あまりに驚愕が続いたので、喉が乾いたらしい。
出されている茶を、ごくごくと飲み干した。
「で、殿下、毒味を……」
キルステンが慌てる。
「必要ない! オーギュストがいる場だぞ! そんな安い計略などやるわけがあるまい!」
「はっ、もっともです」
「オーギュスト……。これは……俺に対する賄賂か?」
「誠意ですよ。これだけのものを差し出せば、キングバイ王国は十分な賠償金を得たと言えるでしょう」
「うむ……。何が望みだ?」
「話が早い。今後、マールイ王国はゼロからスタート致します。その際、キングバイ王国との交易は重要になってまいりますからね。エイリーク陛下、そして次なる王位につかれる方とは、仲良くしておきたい」
「なるほど……。恐ろしい男だな、お前は。つくづく、この戦争でマールイ王国にオーギュストがいなかったことが幸運だった。だが、ここまでの譲歩をしては、マールイ王国も苦しいのではないか?」
「生きようとするから苦しむのですよ。相手が文句を言わぬ程度に割譲し、しかしここより多くを求めるならば、全滅戦前提の戦争再開。ここまで札を用意しておりましたからね。生きるためには、死に近づかねば」
「おお……。今の、オーギュストがいるマールイ王国とか……? ゾッとする」
「殿下。私は騎士団長として申し上げますが、この私がオーギュスト殿に勝つことは、極めて困難ですからね」
「敵に肩入れする騎士団長がどこにいる、キルステン!」
エミル王子が苦笑した。
「俺も、お前とはやり合いたくない。戦争そのものは勝っても、我が国に何か、致命的なダメージが残ることになるだろうからな」
「お分かりいただけて幸いです。マールイ王国は、新たなやり方で再生して参ります。ご安心ください」
「お、おう」
ここで、ずっと後ろにいたイングリドがぽつりと呟いた。
「どうして君はそんなに恐れられているんだ……」
一応、ガットルテ王国の王女であるイングリド。
今回はガットルテからの正式な書状がでて、イングリドをイングリッド姫として、この場の立会人とすることになったのである。
つまり、対外的に、ガットルテ王国はイングリドを王族の一人であると宣言したことになる。
「では、両国の関係はこれにて手打ちということで……異存はございませんかな?」
「ああ、無い。お土産まで持たせられてしまってはな……。これで、俺の地位は盤石となる。誰も俺の立場を脅かすことはできまい」
「おめでとうございます」
「俺の立場を固めた男が何を言う」
苦笑するエミル王子に小突かれた。
これで、交渉は終わりということになる。
つまり、終戦だ。
この報はすぐさま、城中に、そして城下町へと伝えられた。
自暴自棄になっていた人々は皆、少しだけやる気を取り戻したようである。
0
お気に入りに追加
1,937
あなたにおすすめの小説
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始!
2024/2/21小説本編完結!
旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です
※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。
※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。
生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。
伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。
勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。
代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。
リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。
ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。
タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。
タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。
そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。
なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。
レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。
いつか彼は血をも超えていくーー。
さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。
一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。
彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。
コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ!
・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持
・12/28 ハイファンランキング 3位

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる