62 / 107
第62話 王都帰還と、マールイ王国の話
しおりを挟む
仕事を終えて王都まで戻ってきた我らラッキークラウン。
対策を熟知していたワイバーンが相手だったため、全ては滞りなく終わったと言えよう。
我々が一人も欠けずに帰ってきても、もう冒険者たちは何も言わない。
当たり前のような顔をしている。
だが、イングリドはちょっと得意げなのだ。
「どうだお前たち。また今回も無事に戻ってきたぞ」
彼女に言われて、ちょっとバツが悪そうな顔をする冒険者たちなのだった。
「いやあ、もうやめてくれよ」
「そうだそうだ。目の前でドラゴンゾンビをぶっ倒したあんたが死神だなんて、今さら誰も言わねえよ」
この言葉を引き出し、イングリドは凄い笑顔で俺に振り返った。
「聞いたかオーギュスト! 私はもう完全に、間違いなく、死神なんかじゃなくなったぞ!」
「ああ、そうだな。良かった良かった……!」
俺は拍手して彼女を称える。
ちなみに、実力が足りない者がイングリドと組めば、やはり以前までの仲間たち同様に命を落とす可能性がある。
イングリドの幸運と、そして実力。
それについてこられなければ、幸運スキルが守ってくれる範囲からこぼれ落ちてしまうのだ。
どうも、イングリドが参加する冒険は、全てに死の危険性が伴っている気がしないでもない。
かつて彼女は死神だった。
そのことを忘れず、冒険者諸氏は気軽にイングリドを冒険に誘うなど、してはいけないぞ。
連続して仕事をしたので、しばらくはオフである。
ワイバーン狩りでは、あまり資材を消耗しなかった。
ギスカも安い鋼玉石という石を使ったくらいで、後は現地の岩などでやりくりできたのだ。
報酬はほぼほぼ、我々の資産になったと言っていい。
これを使って、しばしゴロゴロしよう。
冒険者には休息が必要だ。
「おい道化師、マールイ王国が戦争に負けたらしいぜ」
「なんと!?」
ゆったりしながら茶など飲んでいたら、事情通な冒険者から思わぬ情報がやって来た。
「それはまた、どういう……。ああ、キングバイ王国とやりあったんだね、彼らは」
「そうそう。その前に、なんか魔族が襲ってきて、船をあらかた沈められちまったらしくてさ。もう一方的だったとよ。降参して高え賠償金を払うことになったらしいんだけどさ」
冒険者からすると、この辺の話はいい酒の肴なのだろう。
割と当事者である俺は、気になって仕方がないな……。
「他に詳しいことを知っている冒険者は?」
「ああ、マールイ王国方面で仕事してたやつがいるからよ。呼んできてやるよ。おーい」
冒険者が親切だ。
金を払って奢った甲斐があったというものだ。
すぐさま、情報は集まった。
・マールイ王国は、魔族ネレウスによって港を襲われた。どうやら契約不履行とかそういうことで、魔族の怒りを買ったらしい。
・ネレウスによって船をあらかた沈められたため、キングバイ王国に対してろくな抗戦ができなかった。だというのに、ボコボコにされるまで降参しなかったらしい。
・最後は騎士団長バリカスが、オルカ騎士団長キルステンにボッコボコにされて、騎士たちの心が折れ、降参した。
「驚いた。キルステン卿は強いんだな」
感心するイングリド。
「俺とやりあっていた時は、彼も楽しんでいたんだよ。全力ではあったろうが、俺とバリカスでは勝手も違うだろうしね。まあ、彼は強いよ。バリカス程度では相手にもなるまい。実力差があり過ぎて、体格差が意味をなさないほどだ」
キングバイ王国における最強の戦士は、なんと国王エイリーク六世である。
キルステンはそのエイリーク六世と互角に戦える。
つまり、キングバイ王国の切り札というわけだ。
傍から見ると、キングバイ王国は一騎士団長を出して余裕を見せて勝ったように見えるだろう。
だが、その実、最強の戦士を出したのだ。
全力だったな。
「マールイ王国も災難さねえ。いや、身から出た錆だったね」
かっかっか、と笑うギスカ。
「んで、道化師。あの国にゃ、賠償金を払えるような余裕なんてあるのかい?」
「あるわけがない。俺がどうにか資金繰りを回して国を維持していたのだ。今では借金まみれだろうさ。王都のインフラだって維持できてるかどうか分からない」
「ありゃあー。とんだアホな国さね。あたいの実家と比べると、何もかも違うねえ。ドワーフってのは質実剛健でねえ……」
「ああ、知っている。まあ、国に付き合わされる国民も災難だな。だが……」
俺に石を投げて追い出した国民を思い出す。
「多少は痛い目を見るべきだな。今日はマールイ王国の災難を酒の肴に、ゆったりするとしよう」
「いい性格だねえ道化師」
「オーギュストをひどい目に遭わせた国に、民なのだろう? 君が助けに行く謂れはないからな。そうだなあ……。ガルフス殿が直々に謝りに来なければいかんな」
「彼は謝らないだろうねえ」
「ああ、プライドが高いからな。彼は謝らないだろうな」
マールイ王国大臣ガルフスをよく知る俺とイングリドは、顔を見合わせて笑った。
さてさて、彼がどんな采配で国を動かしていくのか、楽しみに見守るとしよう……。
そう思っていた矢先である。
「なんやて!? ネレウスがいるんか!?」
甲高い怒声が響いた。
それが誰ものかなんてすぐに分かる。
フリッカが、怒髪天を衝くといった様子で冒険者を睨んでいる。
「お、おう。ネレウスとか言う名前の魔族がな。約束した報酬をもらえなかったからって、船を全部沈めちまってな」
「あの魔族野郎……!! こんなところにおったんか……!!」
尋常ではない怒り方である。
「それで! ネレウスはどこに行ったんや!? おい!」
「し、知らねえよ! 暴れるだけ暴れたら、どこかに去ってったって言うし」
「うぎいーっ! また、見失ったっ!!」
地団駄を踏むフリッカ。
これを、ジェダがニヤニヤしながら見ている。
「おいジェダ。フリッカの目的というのは」
「その通りだ」
ジェダは笑みを浮かべたままで頷いた。
「魔族ネレウスによって、あいつの故郷は滅ぼされてるのさ」
対策を熟知していたワイバーンが相手だったため、全ては滞りなく終わったと言えよう。
我々が一人も欠けずに帰ってきても、もう冒険者たちは何も言わない。
当たり前のような顔をしている。
だが、イングリドはちょっと得意げなのだ。
「どうだお前たち。また今回も無事に戻ってきたぞ」
彼女に言われて、ちょっとバツが悪そうな顔をする冒険者たちなのだった。
「いやあ、もうやめてくれよ」
「そうだそうだ。目の前でドラゴンゾンビをぶっ倒したあんたが死神だなんて、今さら誰も言わねえよ」
この言葉を引き出し、イングリドは凄い笑顔で俺に振り返った。
「聞いたかオーギュスト! 私はもう完全に、間違いなく、死神なんかじゃなくなったぞ!」
「ああ、そうだな。良かった良かった……!」
俺は拍手して彼女を称える。
ちなみに、実力が足りない者がイングリドと組めば、やはり以前までの仲間たち同様に命を落とす可能性がある。
イングリドの幸運と、そして実力。
それについてこられなければ、幸運スキルが守ってくれる範囲からこぼれ落ちてしまうのだ。
どうも、イングリドが参加する冒険は、全てに死の危険性が伴っている気がしないでもない。
かつて彼女は死神だった。
そのことを忘れず、冒険者諸氏は気軽にイングリドを冒険に誘うなど、してはいけないぞ。
連続して仕事をしたので、しばらくはオフである。
ワイバーン狩りでは、あまり資材を消耗しなかった。
ギスカも安い鋼玉石という石を使ったくらいで、後は現地の岩などでやりくりできたのだ。
報酬はほぼほぼ、我々の資産になったと言っていい。
これを使って、しばしゴロゴロしよう。
冒険者には休息が必要だ。
「おい道化師、マールイ王国が戦争に負けたらしいぜ」
「なんと!?」
ゆったりしながら茶など飲んでいたら、事情通な冒険者から思わぬ情報がやって来た。
「それはまた、どういう……。ああ、キングバイ王国とやりあったんだね、彼らは」
「そうそう。その前に、なんか魔族が襲ってきて、船をあらかた沈められちまったらしくてさ。もう一方的だったとよ。降参して高え賠償金を払うことになったらしいんだけどさ」
冒険者からすると、この辺の話はいい酒の肴なのだろう。
割と当事者である俺は、気になって仕方がないな……。
「他に詳しいことを知っている冒険者は?」
「ああ、マールイ王国方面で仕事してたやつがいるからよ。呼んできてやるよ。おーい」
冒険者が親切だ。
金を払って奢った甲斐があったというものだ。
すぐさま、情報は集まった。
・マールイ王国は、魔族ネレウスによって港を襲われた。どうやら契約不履行とかそういうことで、魔族の怒りを買ったらしい。
・ネレウスによって船をあらかた沈められたため、キングバイ王国に対してろくな抗戦ができなかった。だというのに、ボコボコにされるまで降参しなかったらしい。
・最後は騎士団長バリカスが、オルカ騎士団長キルステンにボッコボコにされて、騎士たちの心が折れ、降参した。
「驚いた。キルステン卿は強いんだな」
感心するイングリド。
「俺とやりあっていた時は、彼も楽しんでいたんだよ。全力ではあったろうが、俺とバリカスでは勝手も違うだろうしね。まあ、彼は強いよ。バリカス程度では相手にもなるまい。実力差があり過ぎて、体格差が意味をなさないほどだ」
キングバイ王国における最強の戦士は、なんと国王エイリーク六世である。
キルステンはそのエイリーク六世と互角に戦える。
つまり、キングバイ王国の切り札というわけだ。
傍から見ると、キングバイ王国は一騎士団長を出して余裕を見せて勝ったように見えるだろう。
だが、その実、最強の戦士を出したのだ。
全力だったな。
「マールイ王国も災難さねえ。いや、身から出た錆だったね」
かっかっか、と笑うギスカ。
「んで、道化師。あの国にゃ、賠償金を払えるような余裕なんてあるのかい?」
「あるわけがない。俺がどうにか資金繰りを回して国を維持していたのだ。今では借金まみれだろうさ。王都のインフラだって維持できてるかどうか分からない」
「ありゃあー。とんだアホな国さね。あたいの実家と比べると、何もかも違うねえ。ドワーフってのは質実剛健でねえ……」
「ああ、知っている。まあ、国に付き合わされる国民も災難だな。だが……」
俺に石を投げて追い出した国民を思い出す。
「多少は痛い目を見るべきだな。今日はマールイ王国の災難を酒の肴に、ゆったりするとしよう」
「いい性格だねえ道化師」
「オーギュストをひどい目に遭わせた国に、民なのだろう? 君が助けに行く謂れはないからな。そうだなあ……。ガルフス殿が直々に謝りに来なければいかんな」
「彼は謝らないだろうねえ」
「ああ、プライドが高いからな。彼は謝らないだろうな」
マールイ王国大臣ガルフスをよく知る俺とイングリドは、顔を見合わせて笑った。
さてさて、彼がどんな采配で国を動かしていくのか、楽しみに見守るとしよう……。
そう思っていた矢先である。
「なんやて!? ネレウスがいるんか!?」
甲高い怒声が響いた。
それが誰ものかなんてすぐに分かる。
フリッカが、怒髪天を衝くといった様子で冒険者を睨んでいる。
「お、おう。ネレウスとか言う名前の魔族がな。約束した報酬をもらえなかったからって、船を全部沈めちまってな」
「あの魔族野郎……!! こんなところにおったんか……!!」
尋常ではない怒り方である。
「それで! ネレウスはどこに行ったんや!? おい!」
「し、知らねえよ! 暴れるだけ暴れたら、どこかに去ってったって言うし」
「うぎいーっ! また、見失ったっ!!」
地団駄を踏むフリッカ。
これを、ジェダがニヤニヤしながら見ている。
「おいジェダ。フリッカの目的というのは」
「その通りだ」
ジェダは笑みを浮かべたままで頷いた。
「魔族ネレウスによって、あいつの故郷は滅ぼされてるのさ」
0
お気に入りに追加
1,873
あなたにおすすめの小説
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?
ラララキヲ
ファンタジー
王家主催の夜会で婚約者以外の令嬢をエスコートした侯爵令息は、突然自分の婚約者である伯爵令嬢に婚約破棄を宣言した。
それを受けて婚約者の伯爵令嬢は自分の婚約者に聞き返す。
「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」
侯爵令息の胸に抱かれる子爵令嬢も一緒になって婚約破棄を告げられた令嬢を責め立てる。しかし伯爵令嬢は首を傾げて問返す。
「何故わたくしが嫉妬すると思われるのですか?」
※この世界の貴族は『完全なピラミッド型』だと思って下さい……
◇テンプレ婚約破棄モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
【完結】聖女が性格良いと誰が決めたの?
仲村 嘉高
ファンタジー
子供の頃から、出来の良い姉と可愛い妹ばかりを優遇していた両親。
そしてそれを当たり前だと、主人公を蔑んでいた姉と妹。
「出来の悪い妹で恥ずかしい」
「姉だと知られたくないから、外では声を掛けないで」
そう言ってましたよね?
ある日、聖王国に神のお告げがあった。
この世界のどこかに聖女が誕生していたと。
「うちの娘のどちらかに違いない」
喜ぶ両親と姉妹。
しかし教会へ行くと、両親や姉妹の予想と違い、聖女だと選ばれたのは「出来損ない」の次女で……。
因果応報なお話(笑)
今回は、一人称です。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
外れスキル「トレース」が、修行をしたら壊れ性能になった~あれもこれもコピーで成り上がる~
うみ
ファンタジー
港で荷物の上げ下ろしをしてささやかに暮らしていたウィレムは、大商会のぼんくら息子に絡まれていた少女を救ったことで仕事を干され、街から出るしか道が無くなる。
魔の森で一人サバイバル生活をしながら、レベルとスキル熟練度を上げたウィレムだったが、外れスキル「トレース」がとんでもないスキルに変貌したのだった。
どんな動作でも記憶し、実行できるように進化したトレーススキルは、他のスキルの必殺技でさえ記憶し実行することができてしまうのだ。
三年の月日が経ち、修行を終えたウィレムのレベルは熟練冒険者を凌ぐほどになっていた。
街に戻り冒険者として名声を稼ぎながら、彼は仕事を首にされてから決意していたことを実行に移す。
それは、自分を追い出した奴らを見返し、街一番まで成り上がる――ということだった。
※なろうにも投稿してます。
※間違えた話を投稿してしまいました!
現在修正中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる