42 / 107
第42話 オルカ騎士団
しおりを挟む
「凄い拍手だな……。どうしたんだ? 何かオーギュストが凄い芸を見せたのか?」
振り返るイングリド。
ここまで、俺とキルステンの試合に興味がないのは珍しい。
彼女の頭の中は、初めての海でいっぱいになってしまっているようだった。
「第一、オーギュストが誰と試合をしたところで、彼の手のひらの上で転がされるだけだろう」
「相方のこと、よく分かってるねえ」
呆れるギスカ。
信頼されているが故の無関心、というわけだ。
さて、キルステンと握手したり肩を叩きあったり、関係について話をしたりと、ひとしきりの観客サービスを終えた俺。
海から目線を離そうとしないイングリドの襟首を捕まえ、これからの仕事についての話をすることにする。
「仕事は簡単だ。我々とともに、海に出てもらいたい」
キルステンの依頼内容は単純明快だった。
「我らオルカ騎士団は、ミーゾイまでやって来た。だが、ここで足止めを食らってしまったのだ。敵は、恐らく海に適した魔族。それが何らかの意図を持って、我らを本国へ帰さないようにしている。マールイ王国についての情報を、持ち帰ることができないでいるのだ」
「ははあ。これは狙いがあからさまだね」
「ええ、その通りですオーギュスト師。もうお分かりになりましたか。さすがです」
部下たちの手前、騎士団長としての言葉遣いをするキルステンだが、俺に対する時だけかつての少年の顔になる。
この場にはオルカ騎士団の面々もいて、彼らは皆、強面の大男たちだ。
そんな髭面の巨漢を従えるキルステンは、優男の外見ながら凄腕なのであろう。
オルカ騎士団からすると、このキルステンがプライベートな顔を覗かせる俺という人間に興味があるようだった。
それに、騎士団長の人間らしい顔が珍しいらしく、目を丸くしたり、苦笑したりしている。
「ああ、それで。団長、いいですかい」
髭をみつあみにした大男が手を上げた。
「発言を許す、グットルム副団長」
「どうも。俺らオルカ騎士団でも手に負えなかった魔族の野郎を、冒険者でしかないこいつらにどうにかできると?」
「ああ。冒険者とは、様々な職能を持った者の集まりだ。我々には分からない解決の道も見つかるかも知れない。アキンドー商会には、そういう人選も含めて任せてある。そして、最高の冒険者がやって来た」
「こいつは参った。団長が恋する乙女みたいな目になってるぜ」
グットルムが肩をすくめると、団員がドッと沸いた。
彼らにしても、本気で俺たちの能力を疑問視しているわけではない。
俺がキルステンとやりあったのを見ていたであろうし、そこで俺の実力を見抜けぬような節穴ではなかろう。
「詳しい説明は、わたくしめからしてもよろしいですかな、キルステン団長」
「あ、はい、どうぞ!」
許可をもらい、俺は団員たちの前に立つ。
咳払い。
「先程、自己紹介の通り。手前は元道化師の冒険者、オーギュストと申します。この度は、オルカ騎士団の皆さまが本国へ戻れるよう、そのご活躍の助力になればと馳せ参じました次第。道化師でございますので、様々な芸事に通じております。海の上でも、泳ぎに操船、船大工にイルカ乗り、あるいはオルカに乗ることも」
「お前、オルカに乗れるのか!!」
グットルムが目を見開いた。
彼が驚いたのも当然。
オルカとは、海における獣の頂点。
黒と白の美しい体色を持つ、巨大な海獣である。
賢く、乗り手を見極めるだけの目を持つ。
「オルカ? さっき海辺で見えたあの大きい魚みたいなものか?」
イングリドが首を傾げた。
「あれに乗れるのか! 凄いな!」
「凄いもなにも。オルカ騎士団とは、あのオルカを乗騎とする海の騎士たちなのだよ」
俺の説明を受けて、イングリドの目がきらきら輝いた。
「なんだって!? 本当か!? す、すごい!」
年頃の女性が目をキラキラさせているとなると、喜ばせたくなるのが男のサガというものである。
グットルムや他の騎士たちがニヤニヤ……いや、ニコニコしながら、魅力的な提案を口にしてきた。
「乗ってみるかい?」
「うちのオルカは気立てもいいから、最高だぜ」
「な、なんだって!? オルカに乗れるのか!! うわーっ、すごいことになってしまった」
はしゃぐイングリド。
まさか騎士たちも、この大喜びしている女戦士が、ガットルテ王国の王女だとは夢にも思うまい。
そんなわけで、イングリドがオルカに乗る準備が整いつつある。
ギスカも誘われたが、丁重にお断りしたようだ。
「ドワーフは沈むんだよ……! いいかい、あたいを深い水につけようとしないことだよ。二度と浮かんでこないからね……」
「君は本当に水が嫌いだな」
「足がつかない水は大嫌いさね! ただ、海そのものは嫌いじゃないよ。入らない分にはね」
複雑な乙女心である。
オルカ騎士団は男ばかりだが、イルカ騎士団というのがいて、そちらは女性メインらしい。
イングリドはイルカ騎士団の服を貸してもらったようだ。
「一番大きいサイズでどうにかちょうどだったか……!」
イングリドがあちこち気にしている。
体にフィットしたスーツのようなもので、海獣の皮で作られているらしい。
彼女のボディラインがはっきり分かる。
そこに、水の抵抗にならないよう、なめらかな形の革鎧が貼り付けられている。
それなりの防御力と、動きやすさを両立した形だ。
「おおー」
オルカ騎士団がどよめいた。
イングリドは女性としてはかなりの長身だが、その分だけ、出るところは出ている。
男性陣の目を釘付けにする魅力は充分というわけだ。
「お前たち! あまりあからさまにじろじろ見るものではないぞ! 紳士的に見ろ」
キルステンのユーモアのある注意で、オルカ騎士団がドッと笑い、それぞれに敬礼した。
イングリドはそれどころでは無いらしい。
海辺にオルカが集められ、この白黒の大きな海獣のことで、頭がいっぱいだ。
「大きい! 凄いなあこれは! うわー、これに乗れるのか!」
「うわあ」
イングリドの「うわー」と、ギスカの「うわあ」は全く逆の意味だろうな。
「ちなみにイングリド。海での戦いでは、我々はオルカに手伝ってもらうことになる。ここで搭乗訓練をしつつ、海に出るとしようじゃないか」
「ああ、いいとも! こんなに楽しい仕事は初めてだなあ……!」
ハイテンションなイングリド。
すると、一頭のオルカがぬっと体を突き出して、陸に乗り上げてきた。
そのオルカは、イングリドに近づくと、大きな口から舌先を覗かせて、彼女の頬にキスをしたではないか。
自ら乗り手を選ぶとは!
賢い生き物だ。
「これは決まりだな。イングリド嬢、彼女が君を乗せたいらしい! 私のオルカを取られてしまったな!」
キルステンの楽しそうな声が響いた。
「そうか! よろしく!」
イングリドが鼻先を撫でると、オルカは『キュォォォォーン』と鳴いて応えるのだった。
振り返るイングリド。
ここまで、俺とキルステンの試合に興味がないのは珍しい。
彼女の頭の中は、初めての海でいっぱいになってしまっているようだった。
「第一、オーギュストが誰と試合をしたところで、彼の手のひらの上で転がされるだけだろう」
「相方のこと、よく分かってるねえ」
呆れるギスカ。
信頼されているが故の無関心、というわけだ。
さて、キルステンと握手したり肩を叩きあったり、関係について話をしたりと、ひとしきりの観客サービスを終えた俺。
海から目線を離そうとしないイングリドの襟首を捕まえ、これからの仕事についての話をすることにする。
「仕事は簡単だ。我々とともに、海に出てもらいたい」
キルステンの依頼内容は単純明快だった。
「我らオルカ騎士団は、ミーゾイまでやって来た。だが、ここで足止めを食らってしまったのだ。敵は、恐らく海に適した魔族。それが何らかの意図を持って、我らを本国へ帰さないようにしている。マールイ王国についての情報を、持ち帰ることができないでいるのだ」
「ははあ。これは狙いがあからさまだね」
「ええ、その通りですオーギュスト師。もうお分かりになりましたか。さすがです」
部下たちの手前、騎士団長としての言葉遣いをするキルステンだが、俺に対する時だけかつての少年の顔になる。
この場にはオルカ騎士団の面々もいて、彼らは皆、強面の大男たちだ。
そんな髭面の巨漢を従えるキルステンは、優男の外見ながら凄腕なのであろう。
オルカ騎士団からすると、このキルステンがプライベートな顔を覗かせる俺という人間に興味があるようだった。
それに、騎士団長の人間らしい顔が珍しいらしく、目を丸くしたり、苦笑したりしている。
「ああ、それで。団長、いいですかい」
髭をみつあみにした大男が手を上げた。
「発言を許す、グットルム副団長」
「どうも。俺らオルカ騎士団でも手に負えなかった魔族の野郎を、冒険者でしかないこいつらにどうにかできると?」
「ああ。冒険者とは、様々な職能を持った者の集まりだ。我々には分からない解決の道も見つかるかも知れない。アキンドー商会には、そういう人選も含めて任せてある。そして、最高の冒険者がやって来た」
「こいつは参った。団長が恋する乙女みたいな目になってるぜ」
グットルムが肩をすくめると、団員がドッと沸いた。
彼らにしても、本気で俺たちの能力を疑問視しているわけではない。
俺がキルステンとやりあったのを見ていたであろうし、そこで俺の実力を見抜けぬような節穴ではなかろう。
「詳しい説明は、わたくしめからしてもよろしいですかな、キルステン団長」
「あ、はい、どうぞ!」
許可をもらい、俺は団員たちの前に立つ。
咳払い。
「先程、自己紹介の通り。手前は元道化師の冒険者、オーギュストと申します。この度は、オルカ騎士団の皆さまが本国へ戻れるよう、そのご活躍の助力になればと馳せ参じました次第。道化師でございますので、様々な芸事に通じております。海の上でも、泳ぎに操船、船大工にイルカ乗り、あるいはオルカに乗ることも」
「お前、オルカに乗れるのか!!」
グットルムが目を見開いた。
彼が驚いたのも当然。
オルカとは、海における獣の頂点。
黒と白の美しい体色を持つ、巨大な海獣である。
賢く、乗り手を見極めるだけの目を持つ。
「オルカ? さっき海辺で見えたあの大きい魚みたいなものか?」
イングリドが首を傾げた。
「あれに乗れるのか! 凄いな!」
「凄いもなにも。オルカ騎士団とは、あのオルカを乗騎とする海の騎士たちなのだよ」
俺の説明を受けて、イングリドの目がきらきら輝いた。
「なんだって!? 本当か!? す、すごい!」
年頃の女性が目をキラキラさせているとなると、喜ばせたくなるのが男のサガというものである。
グットルムや他の騎士たちがニヤニヤ……いや、ニコニコしながら、魅力的な提案を口にしてきた。
「乗ってみるかい?」
「うちのオルカは気立てもいいから、最高だぜ」
「な、なんだって!? オルカに乗れるのか!! うわーっ、すごいことになってしまった」
はしゃぐイングリド。
まさか騎士たちも、この大喜びしている女戦士が、ガットルテ王国の王女だとは夢にも思うまい。
そんなわけで、イングリドがオルカに乗る準備が整いつつある。
ギスカも誘われたが、丁重にお断りしたようだ。
「ドワーフは沈むんだよ……! いいかい、あたいを深い水につけようとしないことだよ。二度と浮かんでこないからね……」
「君は本当に水が嫌いだな」
「足がつかない水は大嫌いさね! ただ、海そのものは嫌いじゃないよ。入らない分にはね」
複雑な乙女心である。
オルカ騎士団は男ばかりだが、イルカ騎士団というのがいて、そちらは女性メインらしい。
イングリドはイルカ騎士団の服を貸してもらったようだ。
「一番大きいサイズでどうにかちょうどだったか……!」
イングリドがあちこち気にしている。
体にフィットしたスーツのようなもので、海獣の皮で作られているらしい。
彼女のボディラインがはっきり分かる。
そこに、水の抵抗にならないよう、なめらかな形の革鎧が貼り付けられている。
それなりの防御力と、動きやすさを両立した形だ。
「おおー」
オルカ騎士団がどよめいた。
イングリドは女性としてはかなりの長身だが、その分だけ、出るところは出ている。
男性陣の目を釘付けにする魅力は充分というわけだ。
「お前たち! あまりあからさまにじろじろ見るものではないぞ! 紳士的に見ろ」
キルステンのユーモアのある注意で、オルカ騎士団がドッと笑い、それぞれに敬礼した。
イングリドはそれどころでは無いらしい。
海辺にオルカが集められ、この白黒の大きな海獣のことで、頭がいっぱいだ。
「大きい! 凄いなあこれは! うわー、これに乗れるのか!」
「うわあ」
イングリドの「うわー」と、ギスカの「うわあ」は全く逆の意味だろうな。
「ちなみにイングリド。海での戦いでは、我々はオルカに手伝ってもらうことになる。ここで搭乗訓練をしつつ、海に出るとしようじゃないか」
「ああ、いいとも! こんなに楽しい仕事は初めてだなあ……!」
ハイテンションなイングリド。
すると、一頭のオルカがぬっと体を突き出して、陸に乗り上げてきた。
そのオルカは、イングリドに近づくと、大きな口から舌先を覗かせて、彼女の頬にキスをしたではないか。
自ら乗り手を選ぶとは!
賢い生き物だ。
「これは決まりだな。イングリド嬢、彼女が君を乗せたいらしい! 私のオルカを取られてしまったな!」
キルステンの楽しそうな声が響いた。
「そうか! よろしく!」
イングリドが鼻先を撫でると、オルカは『キュォォォォーン』と鳴いて応えるのだった。
1
お気に入りに追加
1,933
あなたにおすすめの小説

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる