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第16話 腐り果てた畑
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王都から一日ほど。
ジョノーキン村よりも近いそこは、どこまでも続くような畑の中にあった。
穀倉地帯というところだろうか。
「ああ、これは……ひどい」
イングリドが畑を見回して、顔を曇らせた。
確かに、それはひどいものだった。
畑に実っているはずの麦も野菜も、枯れて腐り、地に落ちている。
土は色合いが悪く、痩せているように見える。
「ふむ……。なるほど、これは異常事態だ」
俺は周囲を一瞥して、状況を把握した。
これはどうやら、イングリドがこの依頼を選び取った意味が確かにあるようだ。
「おお、これはこれは、冒険者の方々で? なかなかいらっしゃらないので、すっかり忘れられているものとばかり……」
俺たちを出迎えたのは、身なりのしっかりした老人である。
彼の護衛なのか、村の若い衆もついてきている。
「依頼書が他の依頼書と被っていましてね。お陰で、なかなか見つからなかったようです」
「なんと、そんなことが……」
老人はしょんぼりとした。
「確かに、依頼は緊急ではないのですが……。幸い、蓄えていた食料などもあります。すぐに飢えることはございません」
「なるほど。では、食料集め依頼というのは、どうして出したのですか」
「ご覧のとおり、当村は穀倉地帯。王都の食料供給の一端を担っておりました。このままの状況が長く続けば、王都は食糧不足になってしまうでしょう。そうなれば、我らが備蓄している食物を送り出して、それを幾らかでも軽減せねばなりません。しかし、我らも何かを食べなければ生きてはいけない……。食料を集めねば、ということなのです」
イングリドの丁寧な問いかけに、老人は頷いた。
彼の言葉遣いも優しいものになっているのは、応対しているイングリドの人柄によるものだろう。
俺は、彼女は貴族の血筋ではないかと睨んでいる。
何かの理由があって、冒険者となっているのだろう。
「ご老人。どうして村の作物は枯れてしまったのですか。そして、それはいつ頃ですか?」
「はい、一月ほど前から兆候はあったのですが、この二週間ほどであっという間に……」
イングリドと老人のやり取りを聞いて、俺は確信した。
次は、その確信を口にするときである。
「これは人為的な災害だね。疫病ではない」
「なんと!?」
「ああ、俺たちは食料集めはやりましょう。それは急務だ。だが、同時にこの疫病まがいの事件を解決することもやっていきたい。これはお許し願えますかな?」
俺の言葉に、老人は目を瞬かせた。
「そ……それは構いませんが」
「いい加減なことを言うな!」
「冒険者め、俺たち村の足元を見て、報酬を吊り上げるつもりだろう!!」
ここで若い衆が憤った。
村が危機的な状況になっているから、気が短くなっているのだろう。
抑圧されていた感情が吹き出した形だ。
感情的な彼らに、理屈で物を言っても受け入れられはするまい。
故に、彼らが、村で作物を扱う専門家であると考え、彼らの言葉で説明することにした。
「問うが、村で育てている作物は?」
「む、麦と、芋と、葉野菜だ! 葉野菜は村で漬物にしている」
「ありがとう。では、村で複数の作物を同時に育てている理由は?」
「一つの作物を続けて育てると、土が痩せてしまうからだ。それに、疫病で一つの作物がやられても、別の作物が生き残る――あ」
ここで若い衆はハッとしたようだった。
俺はニンマリ笑う。
「気付いたかな? 今、全ての作物が、恐らくは同じ種類の疫病によって枯れ、腐っている。こんなことは、基本的にありえない。新種の疫病が発生したとでも言うので無い限りはね。しかも、ここ最近のできごとだ。さて諸君!」
俺は声を張り上げた。
声量のスキルを使っているから、この声は村の隅々まで届くはずだ。
誰もが俺の声を聞く。
そして、俺の発音は聞き間違えるということはない。そのように訓練している。
「諸君に聞きたいのは、一ヶ月前に誰がやって来たか、だ! 一体誰が、見知らぬ何者かがこの村にやって来たかな?」
村のあちこちから、人が集まってくる足音が聞こえる。
これは、情報が集まる音だ。
人は情報なり。
村人の数だけ、目があり、耳があり、鼻があり。
これだけの数の彼らが何も見ていないなどということはありえないのだ。
さあ、情報収集と行こう。
一見して食料集めだったこの依頼。
実は、村の作物を人為的な手段で枯らした何者かの仕業だった。
それは誰か。
どんな理由があってこんなことをしたのか。
愉快犯なのか?
それとも、この先に大きな狙いが存在しており、その一環としてこんな悪事を成したのか。
「オーギュスト、またか。また、この依頼には裏があるのか……! 私はどうしても、こういう大変な仕事を引き当ててしまう星の元にいるようだ。ううう、頼むぞ。みんな死んでくれるなよ……」
「また出たね、イングリドの死神発言だ。確かにこれは、一面的な物の見方では不幸と言えるかも知れない。大変に面倒くさい仕事になりそうだからね。とても、金貨五枚では釣り合わない」
「ううっ、面目ない。私がこの依頼書を選んだばかりに……」
「そう! 君があの依頼書を選んだばかりに……この村の人々は救われることになる!」
「なにっ!?」
しょげていたイングリドが顔を上げる。
「我々は恐らく、ベストなタイミングでここにやって来て、そして幸いにも村人はまだ一人も犠牲になっていない! 俺は思うのだが、これはジョノーキン村の事件と繋がっているよ。どうやら大きな陰謀が蠢いているらしい。我々はその尻尾に食いついたんだ。なるほど、なるほど、こいつはツイてる。イングリドの幸運様様だ」
「ど、どうしてだオーギュスト! 報酬が割に合わないと言ったじゃないか!」
「ああ、その通り。これがこの一件だけで終われば割に合わないさ。だが、ここからもっと大きな事件に繋がっていくのなら、それは俺たちの名前を、王国中に知らしめるきっかけになる! 二人きりでも、派手な活躍ができて名を売れるってわけだ! この金貨五枚は、まあ手付金としてもらっておこう……」
「もう、この依頼を達成したつもりでいるのか!?」
イングリドが呆れ顔になる。
俺は得意げに笑いながら応じた。
「始める前から、負けると思ってる奴はいないだろ? その舞台を成功させるために、道化師は芸を磨くものさ。見ているがいい。今回の仕事も成功させてみせるよ」
ジョノーキン村よりも近いそこは、どこまでも続くような畑の中にあった。
穀倉地帯というところだろうか。
「ああ、これは……ひどい」
イングリドが畑を見回して、顔を曇らせた。
確かに、それはひどいものだった。
畑に実っているはずの麦も野菜も、枯れて腐り、地に落ちている。
土は色合いが悪く、痩せているように見える。
「ふむ……。なるほど、これは異常事態だ」
俺は周囲を一瞥して、状況を把握した。
これはどうやら、イングリドがこの依頼を選び取った意味が確かにあるようだ。
「おお、これはこれは、冒険者の方々で? なかなかいらっしゃらないので、すっかり忘れられているものとばかり……」
俺たちを出迎えたのは、身なりのしっかりした老人である。
彼の護衛なのか、村の若い衆もついてきている。
「依頼書が他の依頼書と被っていましてね。お陰で、なかなか見つからなかったようです」
「なんと、そんなことが……」
老人はしょんぼりとした。
「確かに、依頼は緊急ではないのですが……。幸い、蓄えていた食料などもあります。すぐに飢えることはございません」
「なるほど。では、食料集め依頼というのは、どうして出したのですか」
「ご覧のとおり、当村は穀倉地帯。王都の食料供給の一端を担っておりました。このままの状況が長く続けば、王都は食糧不足になってしまうでしょう。そうなれば、我らが備蓄している食物を送り出して、それを幾らかでも軽減せねばなりません。しかし、我らも何かを食べなければ生きてはいけない……。食料を集めねば、ということなのです」
イングリドの丁寧な問いかけに、老人は頷いた。
彼の言葉遣いも優しいものになっているのは、応対しているイングリドの人柄によるものだろう。
俺は、彼女は貴族の血筋ではないかと睨んでいる。
何かの理由があって、冒険者となっているのだろう。
「ご老人。どうして村の作物は枯れてしまったのですか。そして、それはいつ頃ですか?」
「はい、一月ほど前から兆候はあったのですが、この二週間ほどであっという間に……」
イングリドと老人のやり取りを聞いて、俺は確信した。
次は、その確信を口にするときである。
「これは人為的な災害だね。疫病ではない」
「なんと!?」
「ああ、俺たちは食料集めはやりましょう。それは急務だ。だが、同時にこの疫病まがいの事件を解決することもやっていきたい。これはお許し願えますかな?」
俺の言葉に、老人は目を瞬かせた。
「そ……それは構いませんが」
「いい加減なことを言うな!」
「冒険者め、俺たち村の足元を見て、報酬を吊り上げるつもりだろう!!」
ここで若い衆が憤った。
村が危機的な状況になっているから、気が短くなっているのだろう。
抑圧されていた感情が吹き出した形だ。
感情的な彼らに、理屈で物を言っても受け入れられはするまい。
故に、彼らが、村で作物を扱う専門家であると考え、彼らの言葉で説明することにした。
「問うが、村で育てている作物は?」
「む、麦と、芋と、葉野菜だ! 葉野菜は村で漬物にしている」
「ありがとう。では、村で複数の作物を同時に育てている理由は?」
「一つの作物を続けて育てると、土が痩せてしまうからだ。それに、疫病で一つの作物がやられても、別の作物が生き残る――あ」
ここで若い衆はハッとしたようだった。
俺はニンマリ笑う。
「気付いたかな? 今、全ての作物が、恐らくは同じ種類の疫病によって枯れ、腐っている。こんなことは、基本的にありえない。新種の疫病が発生したとでも言うので無い限りはね。しかも、ここ最近のできごとだ。さて諸君!」
俺は声を張り上げた。
声量のスキルを使っているから、この声は村の隅々まで届くはずだ。
誰もが俺の声を聞く。
そして、俺の発音は聞き間違えるということはない。そのように訓練している。
「諸君に聞きたいのは、一ヶ月前に誰がやって来たか、だ! 一体誰が、見知らぬ何者かがこの村にやって来たかな?」
村のあちこちから、人が集まってくる足音が聞こえる。
これは、情報が集まる音だ。
人は情報なり。
村人の数だけ、目があり、耳があり、鼻があり。
これだけの数の彼らが何も見ていないなどということはありえないのだ。
さあ、情報収集と行こう。
一見して食料集めだったこの依頼。
実は、村の作物を人為的な手段で枯らした何者かの仕業だった。
それは誰か。
どんな理由があってこんなことをしたのか。
愉快犯なのか?
それとも、この先に大きな狙いが存在しており、その一環としてこんな悪事を成したのか。
「オーギュスト、またか。また、この依頼には裏があるのか……! 私はどうしても、こういう大変な仕事を引き当ててしまう星の元にいるようだ。ううう、頼むぞ。みんな死んでくれるなよ……」
「また出たね、イングリドの死神発言だ。確かにこれは、一面的な物の見方では不幸と言えるかも知れない。大変に面倒くさい仕事になりそうだからね。とても、金貨五枚では釣り合わない」
「ううっ、面目ない。私がこの依頼書を選んだばかりに……」
「そう! 君があの依頼書を選んだばかりに……この村の人々は救われることになる!」
「なにっ!?」
しょげていたイングリドが顔を上げる。
「我々は恐らく、ベストなタイミングでここにやって来て、そして幸いにも村人はまだ一人も犠牲になっていない! 俺は思うのだが、これはジョノーキン村の事件と繋がっているよ。どうやら大きな陰謀が蠢いているらしい。我々はその尻尾に食いついたんだ。なるほど、なるほど、こいつはツイてる。イングリドの幸運様様だ」
「ど、どうしてだオーギュスト! 報酬が割に合わないと言ったじゃないか!」
「ああ、その通り。これがこの一件だけで終われば割に合わないさ。だが、ここからもっと大きな事件に繋がっていくのなら、それは俺たちの名前を、王国中に知らしめるきっかけになる! 二人きりでも、派手な活躍ができて名を売れるってわけだ! この金貨五枚は、まあ手付金としてもらっておこう……」
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