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3章 脳無舞踊~デュラハンダンス~

第42話

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 ノールとエミリアの訓練が始まってそろそろ一月が経とうとしていた。二人ともすごい勢いで腕を上げていてもう一般兵よりも戦えるだろう、ただ教え方が俺達プレイヤーの戦闘スタイルなため軍隊のような統制の取れた行動は難しいかもしれない。
「皆、ちょっと第二格納庫に集まってもらってもいい?」
 いつも通り練習をしていた時、レイカさんから連絡が入った。
「レイカさん? 了解です。ノール、今日はここまでにして格納庫に行こうか」
「わかった」
 俺達は機体を戻して第二格納庫へと向かうと、別で訓練をしていたレミィとエミリアのペア、ミコ達新型調整組も集まっていた。
「皆揃ったわね!」
「今日は何の用ですか?」
「つれないわねぇ。ノールちゃんとエミリアちゃんの機体が用意できたのよ」
「ホントか!?」
 ノールは早速食いついた。やっぱり専用の愛機ができるというのは嬉しいのだろうか?
「レクティスだけどね。バーディアンとか局地対応機だと癖があるしまだ後継機の量産は無理だし選択肢がないのは申し訳ないわね」
「レクティスなら機体数に余裕あったんじゃないの?」
 確かにレクティスならすぐにでも用意できたと思うがなぜ一月も掛かっていたのだろうか?
「今各国から増産の依頼がすごい来てて生産が追い付いてないのよ、さすがにドロイドの有効性に気づいたみたいよ?」
「そうなのね……」
「ちなみにこの二機だからもう好きに使っていいわよ」
 レイカさんがそう言いながら指差すとそこには白をベースに肩部と胸部、脚部をエメラルドグリーンに塗装されたレクティスが二機用意されていた。
「これが私の機体……」
 エミリアは機体を見ながら呟き、ノールは拳を握りやる気満々な顔をしていた。
「これがまず一つ目のお知らせで、次が本題!」
 レイカさんが格納庫の大型モニターの元へ歩いていきタブレットを操作すると画面が表示される。
「十日後、オーストラリアで全国首脳会議が開催されることになったわ。」
 そうなんだ、正直あまり興味はなかった。
「どうでもいいって顔してるわね」
 バレてた。
「確かに国同士で話し合うだけなら私達には関係なかったんだけど。機体の提供をしている都合上うちにも出席要請が来ているの」
 確かに各国の軍備に大きな影響を与えているのは確かだし今後の方針決定のためにも必要なのだろう。
「出席するんですか?」
「ええ、うちの三人いる総督の一人が出席するわ」
 そういえばレイカさんとレイジさん以上の偉い人とはあったことないなとふと思った。
「滅多に出てこないんだけど今回は大事な会議だろうし行くことにしたのよ」
「そうなんですね」
「で、こちらとしても護衛を付けなきゃいけないの!」
 なんとなく流れはわかった。
「俺達にやれと?」
「お願い! 世界的にも何が起きるかわからないしうちの最高戦力を用意しておきたいの!」
 ノール達のレクティスを急に用意したのもそういうことなのだろう。実際少数精鋭を連れて行きたいというのは当然なのだろうと思いつつ最高戦力、精鋭といわれるのは気持ちいいものだ。
「それにね、この会議ヨハネも来るのよ……」
「はい!? テロ組織が呼ばれてるんですか??」
「私達からしたらテロ組織だけど、あっちも機体を提供したりしてるし扱いとしては軍事会社なのよ……」
 なるほど、テロ組織として認識していたがどうやら向こうも機体の国家提供や傭兵業をしているということらしい。
「それは、なんか起きそうな……」
「でしょ!? こちらとしても万全を期しておきたいの」
 レイカさんは手を合わせてお願いしてきた。周りの皆を見ると全員こっちを見ていた、つまりお前が決めろと丸投げされたのだ。
「はぁ……わかりましたよ、行きましょう」
「ありがとぉ! バラット君なら言ってくれるって信じてたわ!!」
「ベオルクスもいつでも行ける状態、大丈夫」
「私も、頑張ります!」
 ミコは親指を立ててみせてくるしエミリアもやる気満々だ、できれば何も起きないことを祈りたい。
「じゃあ詳しくは改めて会議室で説明するわね! ザラタン・セカンドの準備ができ次第出発するから用意お願いね!」
「了解、最近触れてないし俺もドラクス見てきます」
 そうして俺達は全国首脳会議に向けて準備を始めるのであった。
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