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2章 視線交錯~アイズパニック~
第22話
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「高速移動する機体に弾を当てるのって結構難しい」
観戦中のミコが呟く、実際左右に大きく動くしかも早い敵を狙うのは難しい。射撃側にも高い反射神経と反応速度が要求されるのだ。
「偏差が追い付いてないですな」
相手の移動を予測して撃つ射撃方法だがそれがバラットの動きに全くついていけてなかったのだ。
「ただ撃つだけなら戦車でいい、ほら一機もうやられた」
「あんな戦い方ではバラット殿には一撃も当てれませんぞ。」
俺は仕留めた機体を盾にしながら隣に居た機体に迫っていく。流石に敵も危険と思ったのか散開して動きだすがもう遅い。俺はアサルトライフルを腰から取り出し正面に捕らえた機体に撃ち込んでいく。
「二機目」
ジグザグに動いたり回避運動すらしない敵なら的当てと変わらない。腹部から頭部にかけて銃弾の直撃を受けて倒れた機体の傍に盾にしていた機体を投げ捨て残り三機の位置を確認する。
「クロスファイアでも狙うつもりかな」
三機はバラバラに散開し俺を囲もうとしてるのか? いや、角付き二機だけは連携しているようだが通常機はただ発砲しながら退避しているようだった。
「あの程度だと一対一でバラットには勝てない」
「各個撃破で終わりですな」
俺はライフルを捨て、背中の弾倉コンテナをパージして機体を軽くする。使う機会が無くてちょっと残念だった。
「一気に決める!」
俺はスラスターを全開で吹かし距離を詰めていく。狙いは角付きの片方、相手も狙いを定めて撃ってくるがステップスラスターの長所をフルに活かしてジグザグに動きながら迫っていく。相手はまずいと思ったのかライフルを捨てて剣を抜こうとする。
「反応遅すぎ、三機目」
すでに俺は剣を抜刀し、角付きの胴体を左肩から斜めに深々と斬りつけそのまま両断した。斬り裂いた次の瞬間もう一機の角付きが剣を構え後ろから斬りかかってくる。
「いい反応じゃん」
俺は斬りかかる角付きに左足で後ろ回し蹴りを食らわし地面に叩きつける。そしてそのまま剣を胴体に突き立て機能を停止させた。
「四機目、あと一つ」
残りの一機を見るとそいつは何もせずにこっちを見ているようだった、なんとも言えない気持ち悪さを感じながら剣を引き抜き様子を見ている。目が赤く光った気がした……
「はっ!?」
奴はライフルを捨て、剣を抜刀しながらジグザクにステップを踏み一気に距離を詰めてくる。
「なんだ!? 急に動きがっ!!」
急接近してくる奴の攻撃をギリギリで躱し反撃の一撃を繰り出す、しかし奴はすぐさま反応して剣を弾いて見せた。明らかにさっきまでの動きと違う。
「あの馬鹿共! AIを自己学習型に切り替えたの、バラット君の動きを学習して真似してるのよ」
レイカさんから通信が入った。なるほど、俺の動きを真似て急に強くなったということか、実際今もお互いに剣で撃ち合っているがどんどん動きがよくなっていく。学習型AIと言っていたが現状俺のモノマネをしているだけ、ならばまだ問題はない。
「いくぞ!」
俺は敵の斬撃を弾き、腹部を蹴りつける。格闘はまだ学習していないらしく直撃し態勢を崩した、スラスターを全力で吹かしてそのまま踏み込み一瞬で胴薙ぎに斬り裂いて見せた。これで決着がついた。
「モノマネとか気持ち悪いわ……」
俺は奴の頭部を掴み上げ、AIごと握りつぶした。
「模擬戦終了、バラット君の勝利よ」
「これって報酬出ます?」
「もちろん出すわよ!」
「危険手当もお願いします」
命がけの模擬戦とかもう実戦でしかないのだった。
「とにかくありがと、詳しいことはザラタンで話すからちょっとまっててね! いろいろあの老害どもに言うこともあるし」
そう言うとレイカさんからの通信は切れた。俺達は再びエレベーターに乗り込み、今度こそザラタンへと向かうのであった。
「おつかれ」
「いい動きでしたぞ!」
「ありがと、出力が不安定って聞いてたからちょっと不安だったよ」
「見た感じ問題なさそうでしたけどね」
「最後の一機以外は雑魚だった」
「無人機とかAIって言ってましたね」
「そう言えばゲームにはそういう機体居なかったよね」
実際ゲームでNPCは無限に用意できるしプレイヤーも死んでも復活する、無人機やらAIやらは作る必要が無かったのだろう。
「とりあえず疲れたよ、自分のコピーと戦えたのは新鮮だったけどね」
「不気味じゃない?」
「まぁそこはね……」
話をしているうちに地下ドックに到着した、そこにはザラタンが定着し補給と整備を受けていた。
「さっきの演習場より広い」
「ほんと規模がデカすぎる」
俺達は機体をザラタンに載せてアオイさんに後のことを任せ会議室へと向かいレイカさんを待つことにしたのだった。
観戦中のミコが呟く、実際左右に大きく動くしかも早い敵を狙うのは難しい。射撃側にも高い反射神経と反応速度が要求されるのだ。
「偏差が追い付いてないですな」
相手の移動を予測して撃つ射撃方法だがそれがバラットの動きに全くついていけてなかったのだ。
「ただ撃つだけなら戦車でいい、ほら一機もうやられた」
「あんな戦い方ではバラット殿には一撃も当てれませんぞ。」
俺は仕留めた機体を盾にしながら隣に居た機体に迫っていく。流石に敵も危険と思ったのか散開して動きだすがもう遅い。俺はアサルトライフルを腰から取り出し正面に捕らえた機体に撃ち込んでいく。
「二機目」
ジグザグに動いたり回避運動すらしない敵なら的当てと変わらない。腹部から頭部にかけて銃弾の直撃を受けて倒れた機体の傍に盾にしていた機体を投げ捨て残り三機の位置を確認する。
「クロスファイアでも狙うつもりかな」
三機はバラバラに散開し俺を囲もうとしてるのか? いや、角付き二機だけは連携しているようだが通常機はただ発砲しながら退避しているようだった。
「あの程度だと一対一でバラットには勝てない」
「各個撃破で終わりですな」
俺はライフルを捨て、背中の弾倉コンテナをパージして機体を軽くする。使う機会が無くてちょっと残念だった。
「一気に決める!」
俺はスラスターを全開で吹かし距離を詰めていく。狙いは角付きの片方、相手も狙いを定めて撃ってくるがステップスラスターの長所をフルに活かしてジグザグに動きながら迫っていく。相手はまずいと思ったのかライフルを捨てて剣を抜こうとする。
「反応遅すぎ、三機目」
すでに俺は剣を抜刀し、角付きの胴体を左肩から斜めに深々と斬りつけそのまま両断した。斬り裂いた次の瞬間もう一機の角付きが剣を構え後ろから斬りかかってくる。
「いい反応じゃん」
俺は斬りかかる角付きに左足で後ろ回し蹴りを食らわし地面に叩きつける。そしてそのまま剣を胴体に突き立て機能を停止させた。
「四機目、あと一つ」
残りの一機を見るとそいつは何もせずにこっちを見ているようだった、なんとも言えない気持ち悪さを感じながら剣を引き抜き様子を見ている。目が赤く光った気がした……
「はっ!?」
奴はライフルを捨て、剣を抜刀しながらジグザクにステップを踏み一気に距離を詰めてくる。
「なんだ!? 急に動きがっ!!」
急接近してくる奴の攻撃をギリギリで躱し反撃の一撃を繰り出す、しかし奴はすぐさま反応して剣を弾いて見せた。明らかにさっきまでの動きと違う。
「あの馬鹿共! AIを自己学習型に切り替えたの、バラット君の動きを学習して真似してるのよ」
レイカさんから通信が入った。なるほど、俺の動きを真似て急に強くなったということか、実際今もお互いに剣で撃ち合っているがどんどん動きがよくなっていく。学習型AIと言っていたが現状俺のモノマネをしているだけ、ならばまだ問題はない。
「いくぞ!」
俺は敵の斬撃を弾き、腹部を蹴りつける。格闘はまだ学習していないらしく直撃し態勢を崩した、スラスターを全力で吹かしてそのまま踏み込み一瞬で胴薙ぎに斬り裂いて見せた。これで決着がついた。
「モノマネとか気持ち悪いわ……」
俺は奴の頭部を掴み上げ、AIごと握りつぶした。
「模擬戦終了、バラット君の勝利よ」
「これって報酬出ます?」
「もちろん出すわよ!」
「危険手当もお願いします」
命がけの模擬戦とかもう実戦でしかないのだった。
「とにかくありがと、詳しいことはザラタンで話すからちょっとまっててね! いろいろあの老害どもに言うこともあるし」
そう言うとレイカさんからの通信は切れた。俺達は再びエレベーターに乗り込み、今度こそザラタンへと向かうのであった。
「おつかれ」
「いい動きでしたぞ!」
「ありがと、出力が不安定って聞いてたからちょっと不安だったよ」
「見た感じ問題なさそうでしたけどね」
「最後の一機以外は雑魚だった」
「無人機とかAIって言ってましたね」
「そう言えばゲームにはそういう機体居なかったよね」
実際ゲームでNPCは無限に用意できるしプレイヤーも死んでも復活する、無人機やらAIやらは作る必要が無かったのだろう。
「とりあえず疲れたよ、自分のコピーと戦えたのは新鮮だったけどね」
「不気味じゃない?」
「まぁそこはね……」
話をしているうちに地下ドックに到着した、そこにはザラタンが定着し補給と整備を受けていた。
「さっきの演習場より広い」
「ほんと規模がデカすぎる」
俺達は機体をザラタンに載せてアオイさんに後のことを任せ会議室へと向かいレイカさんを待つことにしたのだった。
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