生意気な後輩

火吹き石

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 訓練を終えたばかりの若い戦士たちが、年下の戦士たちにあてがわれる小さな寝室にぎゅうぎゅう詰めになった。壁際に置かれていた寝台の一つが部屋の真ん中に引っ張り出され、その上にアサヒが座らされ、周りに歳上の戦士がずらりと並んだ。

 もうじき夏も近く、部屋の中はむんむんと熱く蒸れ、みなが服を脱いで裸になると、汗の匂いが立ち込めた。

 立ち込める若い汗の匂いは、初な若者を酒のように酔わせてしまっていた。まだ誰にも触れられていないうちに、アサヒは期待と興奮で性器を固くしている。たまらなく恥ずかしかったが、しかし臆病と見られたくないので、なにも隠さず堂々と股を広げ、胸を張った。

 先輩の戦士たちは舌なめずりをして、アサヒを見下ろした。

「触ってねえのにギンギンにしちまって。そんなに期待してくれてるってのは、うれしい限りだな。」

「なかなかいいモン持ってるじゃねえか。」

 先輩たちが言った。その言葉通り、アサヒの股に熱り立ったものは、やや幼い顔立ちと比べて、肉太な代物だった。体には逞しく筋肉がつき、肌は汗で艶かしく輝いている。興奮して荒く息をするたびに、分厚い胸が大きく上下した。先輩たちは、そんなアサヒの体を欲望の籠もった目で舐め回すように見た。

 アサヒは、すでに赤い顔をさらに赤くして、居並ぶ先輩に言った。

「ほら、見惚れてないで、とっととはじめろよ。手ほどきしてくれるんだろ。」

「ああ、喜んで。」

 一人が答えた。そして、アサヒのすぐ横に立っている先輩が、手を伸ばし、若い戦士の肌に触れた。

 その瞬間だった。

「……あっ!」

 アサヒはぴくっと体を震わせて、甘い声を上げた。若者に触れた先輩は、びっくりして手を引いた。ほんの少し、肩に触れただけだった。それにもかかわらず声を上げたアサヒに、先輩たちは驚いて、一瞬言葉を失った。

 しかしその一瞬が過ぎると、先輩たちの顔に笑みが浮かび、アサヒの肩は恥じらいに震えた。

「そんなに気持ちよかったか? ちょっと触っただけなんだけどなあ。」

「違う、そんなんじゃ――」

 先輩の言葉に、アサヒは口答えしようとした。しかしその言葉は途切れた。別の先輩に、背中を撫でられたからだ。それから、前後左右からいくつも手が伸びた。背と肩を撫で、腕と足を擦り、胸を捏ねくり回し、腹を撫で回し、頬を弄ぶ。

「あっ、あっ、あっ――!」

 アサヒは甘い声で喘いだ。肌に触れられるたびに、なんとも言えぬ甘い刺激が体中を駆け巡った。驚いて思わず腕を振り払おうとすると、左右から手を掴まれ、頭の上で捕まえられた。先輩たちは笑いながら、アサヒの体を弄んだ。

「すげえ敏感。おもしれえ。」

「あんあん言って、可愛いなあこいつ。」

「触られただけで、なんでこんなに鳴いてんだ、え?」

 先輩たちは愉快でたまらないといった様子だった。アサヒは悔しさを感じながらも、体を触れられるだけで感じる甘い刺激に心を溶かされ、少しも抵抗ができなかった。

 一人の先輩が割り込んでアサヒの横に立つと、その肩を掴んで、寝台に乱暴に押し倒した。そして興奮しきった声を上げた。

「あー、たまんねえ。ちょっと喰わせろよ。」

 そう言って、先輩は身を屈めると、アサヒの胸にしゃぶりついた。訓練終わりの汗だくの熱い肌に吸い付き、舐め回し、甘噛みする。

 アサヒはその先輩の頭を抱き締めながら、甘い声で鳴いた。

「あっ、あーっ、あーっ――!」

 他の先輩たちも、興奮した笑みを浮かべながら、アサヒの肉体を取り合うように手を伸ばした。

「おれにも喰わせろ。」

「おれにも。」

「こっちにも寄越せって。」

 先輩たちはアサヒの胸に両側からしゃぶりつき、うまそうに味わった。そうしながら、別の戦士は後輩の腕を掴んで舐めたり、指先をしゃぶったりした。別の者は、太い足を舐め、汚れた足裏や指の間にまで舌を這わせた。みな互いの肩を押し、場所を取り合い、次々とアサヒの体を味わっては場所を変わっていった。

 そうやって貪られるアサヒは、もう周りの状況がまったく分からなくなっていた。先輩たちが自分の体に覆いかぶさり、全身をめくるめく快感で埋め尽くしていく。

 みなの肉体は一個の生き物のようで、触れ合い、絡み合い、溶け合っているかのように錯覚された。肌という肌からは汗が吹き出て、そのむせるような匂いにアサヒは興奮をいっそう昂ぶらせた。

 ふと、アサヒの口元に、先輩の一人が陰茎を押し当てた。濡れ濡れと光る肉塊からは淫靡な匂いが立ち昇っている。アサヒはそれを迷わず口に入れた。途端に、濃い汗の匂いと、強くえぐい塩気と酸味とを舌に感じた。

「んー、んっ、んーっ……!」

 アサヒは味と匂いとに不快を覚えながらも、なぜだか自分でも分からぬうちに、性器を一生懸命に舐め、吸い付き、しゃぶっていた。

 先輩はアサヒの頭を撫でながら、笑って仲間を見回した。

「見ろよ、こいつ。うれしそうにしゃぶってるぜ。こいつがこんなにチンコを欲しがってたなんて、知らなかったな!」

 先輩たちは笑った。そしてアサヒの顔の近くに争って身を割り込ませては、次々と陰茎を咥えさせた。アサヒはその汗臭いものを、どれも喜びを感じながらしゃぶった。

 そうしてアサヒが次々と口を使われている間に、先輩の一人はアサヒの尻を解しはじめた。両側から仲間に足を広げさせ、剥き出しになった股に口を埋め、汗で蒸れた穴の周りに舌を這わせる。湿った触感が秘部を撫でるたび、アサヒは身を固くし、穴をひくつかせた。

 しばらく、アサヒは代わる代わる先輩たちの蒸れた陰茎を口で磨きながら、体中を玩具のように弄り回され、尻をじっくりと解されていた。後ろの穴が舐め回され、たっぷりと唾液を塗りたくられ、指が挿入されていく。

 はじめは指一本を挿入して弱く揺することしかできない固さだったものが、すぐに楽に抜き差しできるようになった。すると指が二本に増やされ、内側を広げられ、擦られ、撫で回されるうちに、肛門は徐々に柔らかくなっていった。

「んっ……あっ、はっ……。」

 そうして後ろが慣れていくにしたがって、最初は息苦しさしか感じていなかったアサヒも、徐々にむず痒いような感じを覚えるようになり、それほど時を置かずして快感すら覚えるようになった。すると尻に気を取られて、口で先輩たちのものをしゃぶることが疎かになっていった。

 そしてそれはもちろん、周りの先輩たちの気づくところだった。アサヒを真ん中にして、若手の戦士たちはいやらしく笑いながら、互いに目を見合わせた。

「そろそろいいよな。」

 一人が言った。するとアサヒの尻を解していた若者が頷いて答えた。

「ああ。じゃあ、最初はおれがもらうからな。」

 若者は指を引き抜くと、自分の性器をアサヒの穴に押し当てた。それから、アサヒに目を向けた。

「入れるぞ。」

 そう言うや、若い戦士は力を籠めた。

「あ、あっ、ああっ……!」

 アサヒの口から、恍惚とした声が漏れた。熱くて太いものが肉を掻き分け、内奥へと入り込んでいく。息苦しさは感じたが、それよりも激しく強い、なんとも言えぬ喜びのほうが大きかった。若者の顔は蕩け、開いた口からは絶えず甘い声が上がった。

 周りの若者たちは、そんなアサヒの様子を見て、下卑た笑みを浮かべた。一人が言った。

「さすがアサヒだな。はじめてだってのに、もうこんなに慣れちまってよ。」

 別の者がそれに応じて言った。

「そりゃそうさ。剣の扱いなんかより、チンコをケツで咥えるほうが、ずいぶん簡単だろうよ。」

「うる……せえっ……。」

 アサヒはそう答えたが、それだけで精一杯、他の言葉は出てこなかった。熱い肉を捩じ込まれる快感に、頭の芯まで蕩けてしまったようだった。

 少しして、性器が根本までアサヒの尻に飲み込まれた。挿入している若者は、うれしそうに笑いながら、アサヒの尻臀を撫でた。

「たまんねえよ、こいつのケツ。」

 若者は仲間たちに言った。それから、アサヒに顔を向けた。

「お前、ほんとうに初めてか? 慣れてるだろ。弄ったことがあるんじゃねえか?」

「……あんたらとは違うんだ。初めてなんだって。」

 アサヒは喘ぎながら答えた。他の若者は、笑って囃し立てた。

「だから言っただろ。こいつにとっちゃあ、チンコを咥えるなんざ簡単なことなのさ。そんなことより、ほら、とっとと掘ってやれよ。そいつも欲しがってるぜ。それに、おれたちも待ってるんだ!」

 それで、挿入している若者は、腰を動かしはじめた。ゆっくりと陰茎を引き抜き、ゆっくりと差し込んでいく。すると、アサヒは背を仰け反らせ、甘ったるい声で鳴いた。

「あっ……あーっ、は……あ……。」

 しかし優しく動かしていたのは、最初の数回だけだった。若い戦士はすぐに腰使いを速め、乱暴にアサヒを突き立てた。

 アサヒは体を駆け巡る荒々しい快感に身悶えし、大声を上げそうになり、思わず口を両手の甲で塞いだ。だがそばにいた若者の一人がアサヒの腕を取ると、頭の上で押さえつけ、アサヒの顔をにやにやと笑いながら覗き込んだ。

「気持ちよかったら声を出せよ。」

 相手の挑発的な笑いに、アサヒの胸に少しばかり反抗心が蘇りかけ、歯を食いしばった。だが、別の若者に尻を突かれ、内奥を殴りつけられるたび、その気持ちは薄れ、消えていった。すぐに、アサヒは声を我慢できなくなり、盛大に喘ぐようになった。

「あーっ! あっ! はーっ、あっ、んぁっ! あんっ、あっ、あっ――!」

 それからしばらくの間、居並ぶ若い戦士たちに見られながら、アサヒは抱かれていた。しかし周りの若者たちも、ずっと黙って見ているだけではなかった。生意気なアサヒが甘ったるい声で泣き喚いているのだ。とことん可愛がってやれる、いい機会だった。

 周りから手が伸び、アサヒの体に群がった。胸を揉みしだき、太い手足を撫で回し、肌という肌を優しく、時に手荒に撫でていく。ほとんど体中を覆い尽くさんばかりだったが、ただ、まるで申し合わせたように、誰もアサヒの性器にだけは触らなかった。そんなところを触って、もしも射精でもさせようものなら、この楽しみが短くなると誰もが分かっていたからだ。

 アサヒ本人は、この荒々しい快感に、ほとんど気を失わんばかりだった。

 胸が強く抓られたかと思うと、腹のあたりを優しく撫でられ、指を誰かと熱烈に絡み合わせたかと思うと、頬を手荒に撫で回されるといった具合だった。

 そうやって体中を弄ばれながら、後ろは絶えず乱暴に犯されていた。寝台はぎしぎしと軋み、肉と肉がぶつかって高い音がひっきりなしに上がった。

 部屋に詰め込まれた若者たちは高まった興奮と籠もった熱で汗をかき、あたりはじっとりと蒸れたような匂いが立ち込めており、それがまたアサヒの快感を昂ぶらせた。

 少しして、アサヒを抱いていた若者が、声を上げた。

「あー、いくいく! 出すからな、アサヒ!」

 若い戦士はそう言うや、アサヒの中に果てた。周りの若者たちは、歓声を上げた。

 アサヒは、若者の熱い液体が体内に吐き出されるのを、ぼんやりと感じた。相手は乱暴に腰を打ち付け、体内で陰茎が脈打つたびに、精が体の奥深くにねじ込まれ、塗りたくられているようだった。すると、アサヒは頭の中が真っ白になり、相手の腰使いに合わせて、あられもなく声を上げた。

「あーっ、ああっ、はぁっ――!」

 アサヒは体をびくびくと震わせた。衝撃が全身を貫き、一瞬、周りがなにも見えなくなり、ふわふわと夢見るような心地になった。やがて相手が腰を動かすのを止めると、ようやく気がついた。

 すると、周りの若い戦士たちはそれまでアサヒを弄り回していた手を止めて、うれしそうに大声で叫び、アサヒの体をにやにやと笑いながら見下ろしていた。

 アサヒは気怠い体を起こして自分自身の体を見ると、性器が半ばなえ、臍の周りに精液が白い水たまりを作っていた。もちろん、それは相手のものではなく、自分の出したものだった。性器を触れられる事なく、尻を犯され、体を愛撫されるだけで、射精してしまったのだ。

 信じられない気持ちでいるアサヒに、先輩たちは笑って言葉をかけた。

「さすがだぜ、アサヒ! 初めてなのにケツでいっちまったな!」

「そいつのモン、そんなによかったか?」

 アサヒは答えられず、驚きに目を開いて、ただ座っていた。すると、それまでアサヒを抱いていた若者が、腰のものを引き抜き、満足気に微笑みながら、荒い息の混じった声で言った。

「気持ちよかったぜ、アサヒ。どうだ、休憩するか?」

 若者の声には、からかうような調子はなく、本当にたずねているのだった。そして実際、アサヒは少しばかり疲れを感じていた。だが先輩の余裕の表情が腹立たしく、悔しかった。それで、アサヒはわざと挑発的な笑いを浮かべると、居並ぶ戦士たちの顔を見た。

「……こんなん、なんともねえよ。一発くらいで、おれが収まると思うなよ。」

 そう言って、アサヒは性器を軽く扱いた。なえていたそれはすぐに力を取り戻し、頭をもたげた。それから、続けて言った。

「ほら、とっとと次が来いよ。あんたら、寝床だったらおれより上手なんだろ。もっと強いところを見せてみろよ。」

 アサヒは先輩たちを、不敵に睨みつけていった。この後輩の相も変わらぬ生意気な調子に、若い戦士たちは顔を見合わせ、笑った。一人が言った。

「お前、後悔するなよ。お前の望み通り、とことん乱暴に犯してやるからな。」

 それから、別の若者が場所を代わってアサヒの尻に熱り立った得物を差し込み、全力で腰を振りはじめた。他の若者たちも、アサヒの体を思う存分になぶり、弄り、弄びはじめた。

 アサヒは荒々しい快楽に呑まれながら、これからこの部屋にいる大勢によって次々と回されるということを思い、激しい興奮を抱くばかりだった。
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