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大好きだ!イケメンなのに彼女がいない弟が母親を抱く姿を目撃する私に起こる身の危険

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21歳になる私には、1歳年下の弟がいる。
成人した弟は妙に男らしくなった。
元々スポーツをしていたからがたいがよく、筋肉質な体が色気があり、家族であってもドキドキしてしまう。

それに、お風呂上りに腰にタオルを巻き、わざとらしく家中をウロウロするから「そんな姿で歩かないで!いやらしいわ」と叱り付けてしまう私。
「そういう目で見てくるのは姉ちゃんの方だろ?彼氏がいないから欲求不満なんじゃないの?」とからかってくるのだから憎らしい。

そんな弟は、イケメンなのに彼女がいない。
バレンタインの日には何十個ものチョコレートを持ち帰ってきたほどモテるのに、彼女がいたことがないのが不思議で仕方ない。
「もしかして、男の方が好きなのかも・・・」そんなふうに思う自分がいる。

そんなある日。

弟と母親が抱き合っているのを見てしまった。
リビングのソファに座っている2人が裸で抱き合っている。
まるで、恋人同士のように。
45歳の母親は目を潤ませながら、弟の激しい腰使いに酔いしれている。

「好きよ、大好きよ」と、かわいらしい声で弟の頬を撫でながら。
「俺も愛してる。好きだ」と、熱い気持ちを母親にぶつける親子の姿。
足音を立てないように私は後ずさりし、部屋へと駆け込んだ。
「母親を愛してるから、彼女を作らなかったのね・・・」

2人は何年も愛し合っている恋人同士のようだった。
私の知らない所で、親子以上の関係になっていたと思うと、「もう!早くに気づけばよかった。こんな所から消え去りたいわ!」と辛くなる。
もしかして、お父さんが家を出て行った原因は、2人ができているのを知ったからかもしれない。
私もこの家を早くに出て行った方がいいのかもしれない。
そう考えているときだった。

ガタンと部屋のドアが開いたかと思うと、そこに兄が立っていた。
「見たんだろ?」
「え?み、見たって?」
「俺と母さんが抱き合っていたところを」
そう聞かれたけど、私は答えたくないから、顔を逸らしてしまった。
「そのうち、姉ちゃんも抱いてやるよ・・・」弟はそう言うと、ニヤリと不敵な笑みを見せる。

1週間後。

私は弟から離れた場所にアパートを借りて、家を出てやった。
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