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伯爵様が消えた?!娘の行方がわからずに捜していると男と女が次々に現れて愛してると言う
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伯爵様が突然屋敷からいなくなってしまった。
結婚してまだ半年というのに、忽然と屋敷からその姿を消してしまったのだ。
「ああ、どこに、どこに行ってしまったの?伯爵様・・・」
私は日に日に大きくなるお腹を抱えて、途方に暮れてしまう。
「まったく、伯爵の気持ちをつなぎとめることもできないなんて、がっかりな嫁だわ」
「ほんとに、色気がないのかしらね」
「器量もないのよ」
屋敷の中では、私を見ながら伯爵夫人が聞こえるようにヒソヒソ話をしてくるのだから嫌になる。
「誰も私の味方をしてくれる者はいないのね・・・」この屋敷には、よその国から嫁いできた私を貶す人ばかり。
この国には誰も知り合いはいないし、頼れる者もいない。
そんな中で私は子供を産み、一生この国で生きなければならないのだわ。
そう思うと、不安と悲しみで倒れてしまいそうになる。
倒れる前に、伯爵様を捜そう。
そして、屋敷へと連れ戻し、一緒に暮らすことを考えよう。
私は街中に捜索願いの貼り紙を貼り、伯爵様を捜した。
ところが、1年経っても、2年経っても伯爵様は見つからなかった。
伯爵様が見つからぬまま3年の月日が経った頃、子供が何者かに誘拐されてしまう。
「ああ、ローマン!どこに行ってしまったの!?お母様の元へ戻ってきてちょうだい!ローマン、ローマン!」
その時だった。
「ローマン様はこの子でしょうか?」と、子供を抱えた男が現れた。
「ええ、そうです。ありがとう!ああ!あなたは伯爵様ではないですか!」
目の前に立つ男の顔をよく見れば、行方不明となっていた伯爵様にそっくりだった。
「いえ、私は使用人ですよ。奥様」
「ち、ちがうわ!あなたはこの屋敷の主ですよ。オリゴール伯爵!」
きっと、記憶喪失になっているんだわ。
伯爵様の記憶が戻らずに困っていると、1人の貧しいなりをした女性が現れた。
「この人は私の夫ですが、本当は伯爵ということを知っておりました。でも、私はこの人を愛してしまったのです。心から。だから、記憶を失っていると知りつつ、私の夫として生活を共にしていたのです。許してくださいませ。奥様」
女性が跪く姿を見ていた伯爵は、「ああ、ルオーナ!そして、妻よ!愛する妻よ!」と記憶が蘇った。
私は「伯爵様、この子はあなたの娘です。名前はローマンと言うんですよ」
「なんとかわいい子供だろう、ローマン、愛おしい我が子よ」
助けてくれた女性には家と、一生食べ物に困らない褒美を与えた。
結婚してまだ半年というのに、忽然と屋敷からその姿を消してしまったのだ。
「ああ、どこに、どこに行ってしまったの?伯爵様・・・」
私は日に日に大きくなるお腹を抱えて、途方に暮れてしまう。
「まったく、伯爵の気持ちをつなぎとめることもできないなんて、がっかりな嫁だわ」
「ほんとに、色気がないのかしらね」
「器量もないのよ」
屋敷の中では、私を見ながら伯爵夫人が聞こえるようにヒソヒソ話をしてくるのだから嫌になる。
「誰も私の味方をしてくれる者はいないのね・・・」この屋敷には、よその国から嫁いできた私を貶す人ばかり。
この国には誰も知り合いはいないし、頼れる者もいない。
そんな中で私は子供を産み、一生この国で生きなければならないのだわ。
そう思うと、不安と悲しみで倒れてしまいそうになる。
倒れる前に、伯爵様を捜そう。
そして、屋敷へと連れ戻し、一緒に暮らすことを考えよう。
私は街中に捜索願いの貼り紙を貼り、伯爵様を捜した。
ところが、1年経っても、2年経っても伯爵様は見つからなかった。
伯爵様が見つからぬまま3年の月日が経った頃、子供が何者かに誘拐されてしまう。
「ああ、ローマン!どこに行ってしまったの!?お母様の元へ戻ってきてちょうだい!ローマン、ローマン!」
その時だった。
「ローマン様はこの子でしょうか?」と、子供を抱えた男が現れた。
「ええ、そうです。ありがとう!ああ!あなたは伯爵様ではないですか!」
目の前に立つ男の顔をよく見れば、行方不明となっていた伯爵様にそっくりだった。
「いえ、私は使用人ですよ。奥様」
「ち、ちがうわ!あなたはこの屋敷の主ですよ。オリゴール伯爵!」
きっと、記憶喪失になっているんだわ。
伯爵様の記憶が戻らずに困っていると、1人の貧しいなりをした女性が現れた。
「この人は私の夫ですが、本当は伯爵ということを知っておりました。でも、私はこの人を愛してしまったのです。心から。だから、記憶を失っていると知りつつ、私の夫として生活を共にしていたのです。許してくださいませ。奥様」
女性が跪く姿を見ていた伯爵は、「ああ、ルオーナ!そして、妻よ!愛する妻よ!」と記憶が蘇った。
私は「伯爵様、この子はあなたの娘です。名前はローマンと言うんですよ」
「なんとかわいい子供だろう、ローマン、愛おしい我が子よ」
助けてくれた女性には家と、一生食べ物に困らない褒美を与えた。
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