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【24】マネージャーに戻ってこい

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「あ、二人して笑うなよ!!」

武輝くん、ムスとしてる。


だって、ハイソ履いてる人に
真顔で言われてもwww
笑いが止まらないw



「あ、そうだ。
ちょっと部活の事で話したいから、るあ借りてくな。」


やっぴちゃんと、同じテーブルの女子たちにそう告げる武輝くん。


「いってらっしゃーい」と
皆に送り出された。
 


おーい………?授業中だぞ??
私まだ英字新聞読み終わってないし、武輝くんに至っては読む気すらない感じ。
そんなんでいいのかい。


しかし、結構真面目顔だったので、端っこのテーブルに移る事に。


一番隅っこの4人がけのテーブルに
二人で隣同士に座った。



「なぁに?部活の話って。」

テーブルに両肘を付きながら
武輝くんに尋ねると、
内容はバスケ部のマネージャーに
戻って来て欲しい、というものだった。


「え​─────!!
今更、
無理無理無理無理!!!」


「おい、るあ。お前、知ってるか?
今のキャプテン、俺なんだぞ?」


「ウソ!?えっ!そーなんだ!?
すごいじゃん!!出世したね!」


「そーだよ!
この一年、スゲー頑張ってきたんだから。
戻って来て、俺の活躍見ろよw」


隣に座る私の髪を武輝くんは
ワシャワシャと少々乱暴気味に撫でた。



それは全然知らなかった。
そういえば武輝くん、1年から試合出てたしなぁ。


「なぁ、お前が部活辞めた理由、
ぶっちゃけ志恵子のせい
だったんだろ?
志恵子がいなければあのまま部活続けてたよな?」


武輝くん、
私が辞めた理由、知ってたんだ……。


志恵子先輩が原因だって事、
バスケ部員には心配かけたくなかったから話してないのに……。


「なんで知ってるの?
それ、誰から聞いたの??」

 
「誰からも聞いてないけどさ。
だってあんなにいたマネージャー
全員辞めたっておかしいじゃん?
志恵子が原因だって俺にだってわかるよ。
るあにばっか荷物押し付けてたのも知ってるし、当たりキツかったし。」


………そうだよね、6人もいたのに
全員辞めるっておかしいよね。
まぁ、流石に私が志恵子先輩達に
囲まれた事までは知らないか。
そんな過去、部員には知られたくないけど。
プライド的に。


「もう、志恵子の奴いないし、
他に何かあったら俺が動くし。
戻って来いよ。」


武輝くんは、私にマネージャーに戻る様に必死で説得してきたけれど、私は今更部員や顧問にどの面下げて戻ればいいのか分からないし、その話は呑めなかった。


ごめんよ、武輝くん。




………バスケ部かぁ。


そういえばアイツはまだ続けてるのかな?
かれこれ一年程会っていない。

同じエリアに住んでいても、
意外と会わないものだね。


私はこのクラスでの生活に満足してるから、今のままで大丈夫。
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