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【15】体育祭②

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パンッ!

ピストルの音。


「せーの!」
「イチ、ニ、イチ、ニ」


肩を組んで、身体を密着させ、声掛けと共に脚を踏み出す。


私の不安など振り払う様な
好スタートだった。


歩幅と息を合わせて徐々に加速して行く。


「イチ、ニ、イチ、ニ……」


驚くほど息がピッタリで、どんどん進んだ。


と言っても早川くんが、全てリードしてくれてる。
私に合わせて歩幅も速度も調整してくれてる。



網くぐり、特に苦戦することなく
ササッとクリア!

カラーコーンをジグザグに通過し、


最後の難関、飴食い!!



「俺が先にいく(飴を探す)から、
るあちゃんは後からいってね」


スタート前にそう言われていたので、早川くんの作戦通りでいく。


早川くんよ、男らしくガバッと顔を突っ込むのか!?
このイケメンが顔面真っ白粉だらけに!?



いや ──────ッ!!!



ドキドキしながら見守ると、
早川くんは飴玉の入った台の前に立つと、中央部の表面の小麦粉をフーッ!!
と息で吹き飛ばし、露わになった飴玉をパクリと咥えた。
(今のご時世ではできない競技)

!!
そんなのアリ!?
頭良い!!
(これって違反?)


フーッと吹いて舞った粉が多少顔や髪にかかったものの、ダメージほぼナシ!!


次は私の番!
早川くんの策のお陰で、顔を突っ込んで探さずとも二、三個飴玉が顔を見せていたのでそれを上手く咥えた。

私もダメージほぼゼロ!!


そして、ブッチギリの1位!!!!


生まれてこのかた運動会で1位を取った事なくて、今日体験したはじめてのゴールテープ切りに感動!!
(自分の力じゃないけど……)



そして、早川くんの機転のお陰で
顔面真っ白にならずに済んだ事に大感謝した!!


私に粉がつかない様にこの策を考えてくれたのかな////
舞った小麦粉、目に入ったよね?
大丈夫かな?
マジありがとう////


私の肩を抱きながら目を擦る早川くんの姿を見てハートが持っていかれた♡



まだゴールしてない人達はコケて仕切り直したり、結んだ布が解けてしまったり、飴玉を中々探せなかったりで会場はその姿をみてケラケラと笑った。


こういう必死な姿で会場を沸かせるのが、この競技の醍醐味なんだろうけど…。


早川くんとペアじゃなかったら、私も笑われていた所だった。
恥かくのが嫌だったから助かったよ~。
本当に感謝!!


一緒に競技をして、相手のペースに配慮しながらもリードし、洞察力があって頭の回転の良い人だなぁと
ますます早川くんラブ♡になりました////


「やったッ!
宣言通り1位ー!」


「ウン!やったね!」


手を翳され、イエーイ!とハイタッチ♡


「息ピッタリじゃなかった?
一度も転ばないなんてすごくない?」


「すごいよ!
私、一人で走っても転んじゃうのに、二人三脚で転ばないなんて
驚きだよ!」


「アハハw
じゃあ、このままずっと繋いでる?」



ひゃ ──────ッ!?////



このまま永遠に繋がっていても
オッケーです♡




脚を繋いだまま、早川くんとイチャイチャ♡していたら脚元をゴソゴソされてるのに気付く。



「……ねぇ、何やってるの?蒼太くん。」 

「早く外してあげようかなって
思ってさ!w」


え!ちょ!w 外さないで(泣)


「てかずるいよ、顔白くならないなんてー!」


顔を粉で真っ白にした蒼太くんが
膨れっ面で、私と早川くんの結ばれた布を解いた。


「ぷw
蒼太くん、顔真っ白でオバケみたいw
カワイイwww」

「ぷっw 蒼太、顔洗って来たら?w」


私と早川くんは蒼太くんを笑ったw


「あ!そういう事いうなら
こうしてやる~~!!」


蒼太くんは、私から引き離した早川くんを軽く羽交い締めにして自分の顔についた粉を早川くんの顔にお裾分けw


私は仲良さそうな(?)その様子を見てケラケラと笑っていた。


「るあちゃんにもつけてあげる!!」



( ⊙_⊙)!?



「え!!嫌だ!嫌だ!嫌だ!
マジ来ないで ─────!!」


と蒼太くんから逃げ回ってたw


こんな感じで、体育祭めっちゃ楽しかった ─────♡♡♡


クロミは実行委員でバタバタしてて
邪魔されずに済みました♪


ラストのリレーの蒼太くんの走り、
めっちゃ早くてド肝を抜かれたw
普段の感じとのギャップに
ちょっとやられたのは内緒w
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