上 下
8 / 27

【8】武輝くんとゲーム

しおりを挟む
今日は、休み時間、武輝くんと某モンスター配合型育成ゲームをやっていた。

武輝くんと私はゲーム仲間。
私が無類のゲーム好きな事を部活動を一緒にやっていた時から彼は知っていて、クラスが同じになってから度々ゲーム対戦してる。


高校生にもなって、こんな幼稚な事に付き合ってくれる人はなかなかいない。
なので貴重な存在だった。

……残念ながら彼に恋愛感情は湧かないけどw
(主な理由:スネ毛)


「るあのモンスターと、俺のモンスター結婚させよう‼」

「おっけー」


お互いの用意したモンスターを送り合い、配合してステータスを受け継いだ子供が生まれる。


「るあと俺の子供の名前、何にしようかなー?」

「その言い方、誤解を招くから辞めてw」


ジロリと睨むが、武輝くんは終始嬉しそうなニヤケ顔だった。


「何?子どもって。」


夢中で生まれたモンスターのステータス振りをしていると、背後から声が。


「へぇ……。そのゲームすきなんだ。」


耳元からドキッとする声。
驚いて振り向くと、我ら2-Eカーストトップの早川くんが後ろから画面を覗き込んでいた!


わぁ ─────ッ!!!
集中しすぎて気付かなかった!!


それより、ヲタク女子だと思われてドン引きされたらショック!!

早川くんに、自分がゲーム好きな事バレたくなかった!(焦)
どうしよう( ºωº ;)



「あっ!早川!!
今、良い所なんだから邪魔すんなよ!」

武輝くんがゲーム機片手にシッシッと追い払おうとする。


「別に良いじゃん。
見てるだけなんだから。……ねぇ?」


私の肩越しに会話をする早川くん。
近くてドキドキ。
ゲームなんかやってられません。
全く集中できません。 


すぐ様セーブをして、電源をOFFにし、鞄の中にゲーム機をしまった。


「あ~!
なんで終わりにするんだよ!
まだ休み時間あるだろ!?」


武輝くんが私の行動に不満を漏らす。

「今日は配合できたからもういいや。」

「何そのヤり捨て的な感じw
るあが用意しろって言ってたモンスター、トータル10時間くらいかけて育ててやったのに!」

「おつありw(適当)」

「酷い……。酷すぎる……!
貢いだ挙句、この対応。」


早川くんは、このやり取りを見て
爆笑していた。


「アハハw
そのゲームそんなに面白いの?」

早川くんが質問すると

「お前はやらなくて良い!」

武輝くんはそう言って
早川くんが会話に入ってくるのを遮断。
かなりご立腹の様でした( ˆ﹀ˆ٥)



次の授業は選択の生物♡


前の席の早川くんは、私の隣の席の武輝くんに気付かれない様に、
後ろを向かずにルーズリーフの切れ端をさり気なくポトッと、私の机の上に落とした。


広げて見てみると、そこには先程武輝くんとやっていたゲームのモンスターの絵が描かれていた。



上手​─────!!
カワイイ​──────ッ!!!!!




早川くんはこのゲームやった事ないっぽいけど、なんとなくで描いてくれた様。

絵心もあるんだ~~!!
クリエイティブな人好き♡


好きな事を否定するどころか、歩み寄ってくれてる感じがなんだか嬉しかった。



私もお返しに、負けじとノートに
モンスターのイラストを描き描きw
【絵、上手だね】とコメント付き。


早川くんの肩をポンポンと叩いて、ノートの切れ端を渡す。


早川くん、私の絵を見て右手でGOODサインをチラリと見せた。



そして、またまた早川くんは振り向かずに前を向いたまま私の机の上に紙をポトッと落とした。



折られた紙の切れ端を広げると
イラストと共に


【今度やらせて?】


と描いてあった。



えッ!?



………やらせてッ( //Д//)!?

あ、
ゲームだよねッ!!(焦)


早川くんはそんなハレンチな事、
言わないよねw大人だからw

【OK‼】


と紙に書いて、それを早川くんにコソッと渡した。


この、無言のやり取りがとても楽しかった♡

知らず知らずのうちに段々と仲良くなっていってる気がした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

処理中です...