21 / 27
■女神降臨
しおりを挟む
囲まれて、殴る、蹴るの暴行はなかったけれど、集団の圧力で言葉の暴力を浴びせられた。
否定しようとすると嘘つき呼ばわりされるし、こうも多勢に無勢では反論の余地はなかった。
志恵子先輩を泣かせたペナルティとして、今後、部活動における更衣室の使用禁止の罰を与えられた。
着替えは体育館の隅か、外でする様にと志恵子先輩は意地の悪い顔をして言った。
女子テニス部の先輩たちもクスクス笑いながらそれに賛同する。
ロッカーも使用する事を禁止され、荷物は体育館の隅に置く様に言われた。
なんの権限があってそんな命令をするのか。
納得いかない。
いかないけれど、それを飲まなきゃ
解放されない状況にある。
私は、頷きそれを受け入れた。
そして、やっと解放される。
先輩たちが出て行くと、緊張の糸が解れ涙が頬を伝った。
恐かった!
恐かったよ………!!!!
その場にへたり込んで
動けなくなってしまった。
ガラガラ……
用具室の引き戸が開いた。
「あれ?どうしたのー?」
ハスキーな声のその主。
そこには素敵な男子………
ではなく、バレー部女子の1年生。
『愛ちゃん』の姿が。
「な…何でもないよ…!」
そうは言ったものの力が抜けて、床にへたり込みガクガクガクガク…と震える身体。
「え!?何があったの!?」
愛ちゃんは異常に気付き、私の元へ駆け寄った。
その声に安堵して、私はうわーんと声を上げて泣いた。
怖かった!怖かったよー!!!
本当に怖かった!!!
愛ちゃんは、何も言わず、震えて泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。
用具室から中々戻らない愛ちゃんの元へ、女子バレー部の1年生が二人駆けつけた。
「なになに!?何があったの!?」
私は、泣きながら先程の光景を説明した。
「マジそれ?志恵子ありえないッ!
アイツ元々気にくわなかったけど
今の話でもう無理だわ。限界突破した。」
隣コートでいつも顔を合わせる、バレー部女子たちには、志恵子先輩の悪態は知れ渡っていた。
「本当聞いてて腹立ってきた。
なんなのそれ?スゲー自分勝手じゃない?今度るあ泣かせたら、ウチらバレー部が志恵子に同じ事する!!2年とか関係ない。
囲むとかありえないし!!
結局一人じゃ何も言えないチキンなんでしょ?」
一緒になって腹を立ててくれた愛ちゃんたち3人は、1年の『ギャル』で先輩たちもちょっとビビる様な結構目立った存在。
バレー部は良い意味で緩い感じで、先輩後輩仲は良好。
顧問の先生もゆるゆるで、あんまり真面目に部活やっている様にはみえなかったけれど、和気あいあいやっている隣のコートが羨ましく感じた。
こちらもそんな良好な先輩後輩関係が良かったな…。
「ウチらがるあを守るからさ。
志恵子なんかに負けるな!
あんなのの為に泣くの勿体無い!」
そう言って愛ちゃんは私の事、もう一度ギューッと抱きしめてくれた。
彼女らは、見た目の派手さからは想像出来ないあったかい心を持っていた。
「るあ、もう泣くのやめな!
待ってて。今、コンビニでアイス買ってくるから。ウチらの部室で一緒に食べよ?」
「着替えも荷物置くのもウチらの部室使ったらいいよ。
大丈夫。先輩にも言っとくから!」
女バレの皆が優し過ぎて、本当泣けた~ (´இωஇ`)
その日を境に、私は愛ちゃんたちギャルグループと仲良くなった。
愛ちゃんたち3人は、全員彼氏持ちで、全員経験済だった。
「え!?るあまだ処女なの!?
マジで言ってる!?
ピュアすぎ~!!!」
「えー!?なんで桐島クンとシなかったの?
え?拒否ったの??なんで!?
もったいな~い!
桐島クン、めっちゃイケメンじゃん!!」
「本当もったいない!!
桐島クン絶対スゴイと思うんだけど♡」
えっ?えっ??
一体ナニがスゴいの (o''д''o)???
何だか今までの友達と全然種類が違って、性に関してオープンで、私はドギマギした。
だけど『セッ〇ス』は悪い事でもなんでもなくて、避妊や相手を思いやる事を前提とする行為であれば、不潔だとか、マイナスイメージを持つ必要はないのではないか?嫌悪感を持ってガチガチに構えなくてもいいんじゃないか?って思える様になった。
彼女らの性体験を色々聞いて、私も『初体験』してみたいなって段々と思う様になった。
ゴメンね、桐島。
別れた後でエッチに興味が湧くなんて。
もう少し早くこんな気持ちになっていたら、もしかしたら応えられてたかもしれない。
否定しようとすると嘘つき呼ばわりされるし、こうも多勢に無勢では反論の余地はなかった。
志恵子先輩を泣かせたペナルティとして、今後、部活動における更衣室の使用禁止の罰を与えられた。
着替えは体育館の隅か、外でする様にと志恵子先輩は意地の悪い顔をして言った。
女子テニス部の先輩たちもクスクス笑いながらそれに賛同する。
ロッカーも使用する事を禁止され、荷物は体育館の隅に置く様に言われた。
なんの権限があってそんな命令をするのか。
納得いかない。
いかないけれど、それを飲まなきゃ
解放されない状況にある。
私は、頷きそれを受け入れた。
そして、やっと解放される。
先輩たちが出て行くと、緊張の糸が解れ涙が頬を伝った。
恐かった!
恐かったよ………!!!!
その場にへたり込んで
動けなくなってしまった。
ガラガラ……
用具室の引き戸が開いた。
「あれ?どうしたのー?」
ハスキーな声のその主。
そこには素敵な男子………
ではなく、バレー部女子の1年生。
『愛ちゃん』の姿が。
「な…何でもないよ…!」
そうは言ったものの力が抜けて、床にへたり込みガクガクガクガク…と震える身体。
「え!?何があったの!?」
愛ちゃんは異常に気付き、私の元へ駆け寄った。
その声に安堵して、私はうわーんと声を上げて泣いた。
怖かった!怖かったよー!!!
本当に怖かった!!!
愛ちゃんは、何も言わず、震えて泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。
用具室から中々戻らない愛ちゃんの元へ、女子バレー部の1年生が二人駆けつけた。
「なになに!?何があったの!?」
私は、泣きながら先程の光景を説明した。
「マジそれ?志恵子ありえないッ!
アイツ元々気にくわなかったけど
今の話でもう無理だわ。限界突破した。」
隣コートでいつも顔を合わせる、バレー部女子たちには、志恵子先輩の悪態は知れ渡っていた。
「本当聞いてて腹立ってきた。
なんなのそれ?スゲー自分勝手じゃない?今度るあ泣かせたら、ウチらバレー部が志恵子に同じ事する!!2年とか関係ない。
囲むとかありえないし!!
結局一人じゃ何も言えないチキンなんでしょ?」
一緒になって腹を立ててくれた愛ちゃんたち3人は、1年の『ギャル』で先輩たちもちょっとビビる様な結構目立った存在。
バレー部は良い意味で緩い感じで、先輩後輩仲は良好。
顧問の先生もゆるゆるで、あんまり真面目に部活やっている様にはみえなかったけれど、和気あいあいやっている隣のコートが羨ましく感じた。
こちらもそんな良好な先輩後輩関係が良かったな…。
「ウチらがるあを守るからさ。
志恵子なんかに負けるな!
あんなのの為に泣くの勿体無い!」
そう言って愛ちゃんは私の事、もう一度ギューッと抱きしめてくれた。
彼女らは、見た目の派手さからは想像出来ないあったかい心を持っていた。
「るあ、もう泣くのやめな!
待ってて。今、コンビニでアイス買ってくるから。ウチらの部室で一緒に食べよ?」
「着替えも荷物置くのもウチらの部室使ったらいいよ。
大丈夫。先輩にも言っとくから!」
女バレの皆が優し過ぎて、本当泣けた~ (´இωஇ`)
その日を境に、私は愛ちゃんたちギャルグループと仲良くなった。
愛ちゃんたち3人は、全員彼氏持ちで、全員経験済だった。
「え!?るあまだ処女なの!?
マジで言ってる!?
ピュアすぎ~!!!」
「えー!?なんで桐島クンとシなかったの?
え?拒否ったの??なんで!?
もったいな~い!
桐島クン、めっちゃイケメンじゃん!!」
「本当もったいない!!
桐島クン絶対スゴイと思うんだけど♡」
えっ?えっ??
一体ナニがスゴいの (o''д''o)???
何だか今までの友達と全然種類が違って、性に関してオープンで、私はドギマギした。
だけど『セッ〇ス』は悪い事でもなんでもなくて、避妊や相手を思いやる事を前提とする行為であれば、不潔だとか、マイナスイメージを持つ必要はないのではないか?嫌悪感を持ってガチガチに構えなくてもいいんじゃないか?って思える様になった。
彼女らの性体験を色々聞いて、私も『初体験』してみたいなって段々と思う様になった。
ゴメンね、桐島。
別れた後でエッチに興味が湧くなんて。
もう少し早くこんな気持ちになっていたら、もしかしたら応えられてたかもしれない。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。
久野真一
青春
羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。
そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。
彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―
「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。
幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、
ある意味ラブレターのような代物で―
彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。
全三話構成です。
ファンファーレ!
ほしのことば
青春
♡完結まで毎日投稿♡
高校2年生の初夏、ユキは余命1年だと申告された。思えば、今まで「なんとなく」で生きてきた人生。延命治療も勧められたが、ユキは治療はせず、残りの人生を全力で生きることを決意した。
友情・恋愛・行事・学業…。
今まで適当にこなしてきただけの毎日を全力で過ごすことで、ユキの「生」に関する気持ちは段々と動いていく。
主人公のユキの心情を軸に、ユキが全力で生きることで起きる周りの心情の変化も描く。
誰もが感じたことのある青春時代の悩みや感動が、きっとあなたの心に寄り添う作品。


寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
海咲雪
青春
【頻発性哀愁症候群】ーーー度々、「寂しい」という感情に襲われる病。「寂しさ」の度合いは人それぞれだが、酷いと日常生活にまで支障を起こす。十万人に一人ほどの割合で発症する稀な病である。先天性の場合もあれば、後天性の場合もある。明確な治療方法はまだ無い。
頻発性哀愁症候群に悩まされる奈々花は、高校の入学式で同じ症状に苦しむ菅谷に出会う。菅谷はクラスの中心にいるような人物で、人と関わるのを恐れている奈々花とは真逆の人物だった。そんな二人が出会って……
「知ってる?人間って寂しくても死なないんだよ。こんなに辛いのに」
「大丈夫だよ。寂しくないから。全然寂しくない」
「病気なのは私も一緒。『寂しがり屋仲間』」
「寂しがり屋」の二人は、今日も手を繋いだまま勇気を出すから。
[この物語はフィクションです。病名等は全て架空の設定です]
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。
後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。
しかし、そこに香奈が現れる。
成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……
オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕!
※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。
「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。
【今後の大まかな流れ】
第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。
第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません!
本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに!
また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます!
※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。
少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる