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柳川憂士に於かれた運命(さだめ)
第2話 憂士に於かれた使命
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急転直下、実咲に“クラスの女子を全員抱け”という指令が飛び、憂士は困惑の色を隠せなかった。
なにしろ女性経験が皆無と言っていいほどについさっきまで皆無だった憂士のことだ、自覚がある分ハードルは物凄く高かった。
しかも中出し付き、イコールは全員を孕ませろと言っていることに等しい。
教師がそんな邪な事を口走って大丈夫なのか………という一抹の不安がよぎってしまっていた。
「なーに、心配するな。君はもう、何もしなくても女子が寄ってくる体質になっている。何故なら………私がその“鍵”を解いたのだからな。」
「え、えっ…………と…………せ、先生、御言葉ですが、さっきから何を仰られているのですか…………??」
憂士が言うことは至極尤もなことで、実咲は何か知っているような口ぶりだったが、説明をキチンとしていないので理解ができないのも無理はない。
「………知りたいか?」
「な、なんで………こんな僕なんかに、そんなこと………言い切れるのかな、って………」
憂士の問いに、実咲は悪戯な笑みを浮かべる。
「知りたかったら………まず、やってみてからにしたまえ。そうでなければ君に於かれた事象を話すわけにはいかない。これは“使命”なんだ、君にとっての、な。」
「そ、その………僕………女の子と、話したことがなくって………」
「自分に自信がない、そう言いたいんだね?」
「も、モテる要素が僕には何もないから………出来るのかな、って………」
この告白を聞き、実咲は高らかに笑った。
「ハッハハハ!! なんだ、そんなことか? 言ったろう? 君はもう、自然と女の子が寄ってくる体質になっているんだ、ってさ? キッカケさえあったら、20人もいる女子とはいえど簡単に抱けるものさ。」
そう、実咲のクラスは40人、うち女子が20人もいるのだ。
ギャル系や清楚系や高嶺の花系、小悪魔系に巨貧乳、スレンダー、ぽっちゃり系だったり、処女非処女、彼氏持ちなど、美形なのを最低条件にしても、抱き心地のいい女案件が揃いに揃っている。
そんな使命を与えられた憂士にとっては、ハーレム待ったなしの夢のような話なのだが______今の今まで虚無な空気感しかなかったなかった憂士がすぐにそれが出来るとは、本人は全く思っていなかったし、実咲以外の人間もそう思うだろう。
ただ、「キッカケさえあれば」………その言葉が妙に引っかかる。
返事を躊躇う憂士だが、ここで実咲がまた、背中を押した。
「柳川………自分を変えたくはないのか?」
「ッッッ…………!! か、変えたい………です…………!!」
「変えたい、変わりたい………その原動力があったら、どこまでも進めるさ。大丈夫、君なら出来るよ。君は勇気を持って、この私を抱いたのだからな、同じ年頃の子など容易いだろう? 私は君が出来ると確信している。だがゆっくりでいい、一歩一歩、進んでいこう。何かあれば私がいるからな、いつでも頼るといい。」
「…………!!! ハイ!!!」
憂士は表情が明るくなり、生徒指導室を抜けて帰宅していった。
一方、1人になった実咲は、というと。
(力が“発現した”ということは………まあ、柳川に伝えなくてもいずれ本人も実感はするだろうさ………アイツは理性はブレーキのように働くが、同時に膨大なまでの性欲を隠し持っている………おそらく柳川は………いや、間違い無いな、我々の希望たる存在になる………!!)
そしてスマホを取り出し、あるアドレスに電話をかけた。
「私です。………ハイ、ハイ………ええ、そうですね………1人を“発現”させることに成功しました。おそらく彼は………間違いなく最高クラスの逸材です。」
帰り道の憂士は、というと。
スーパーで買い物をしながら、今日の事を考えていた。
(キッカケ………キッカケ、かあ…………)
実を言うと、憂士は4つ上のホストの兄・圭悟と2人で暮らしているため、この時間は大体仕事で遅くなる兄に夕飯を作るか、自分で作って一人で食べるか、という2択である。
学費や生活費の上では自らの稼ぎで補償してくれている圭悟だったが、少しでも負担をかけないように、と憂士は率先して料理を自分で作ったりしている。
ちなみに今日は、豚の生姜焼き定食の予定である。
(兄ちゃんも多分、先生と同じことを言うだろうな………自分から行動してみる、っていうのもアリかもな………)
憂士は決意を固めた。
自分を少しでも変えることを。
翌日。
委員会決めの時間だ。
次々と役職が決まっていく中、男子の枠で空いていたのが「図書委員」だった。
電子書籍が全盛の時代の中、紙の本などわざわざ借りて読むのか、と突っ込みたくもなるが、三つ編みメガネの女子・堂上綾水が女子で立候補しているので、彼女も地味系で売っているが故、誰も入りたがらなかったのが実情である。
しかし、千載一遇のチャンスを憂士は逃したくなかった。
綾水を抱けるチャンスを、逃すわけにはいかなかった。
勇気を振り絞り、手を挙げる。
男子からは、誰だよお前_____というような冷ややかな目で見られたが、晴れて憂士は図書委員として綾水と共に仕事をすることになったのである。
そして放課後、綾水と共に、早速仕事をすることになった。
内容は新規入荷の図書を整頓すること。
それ自体は指示が的確だったこともあり、スムーズに終わったのだが、憂士はあろうことか綾水と二人きりになっていた。
「柳川くん………あ、ありがとね、今日………すっごく助かったよ?」
「え………う、うん、僕の方こそ………だってやったこと………なかったから、こういうの………教えてくれなかったら全然戦力になれてなかったし………」
お世辞なんていいのに、と憂士は思ったが、お互いに物静かな性格なため、素直にこうやって口にしてくれるだけありがたかった。
しかし他に誰もいない図書室に、現在二人っきりの空間。
シチュエーションとしては最高なのだが………どうも理性が働いて躊躇ってしまっている憂士がいた。
性欲を暴発させてでも、綾水を抱きに行かなければいけないにも拘らず、である。
だが事態が動いたのは、まさかの綾水の方からであった。
「や、柳川くん………つ、ついてきて………?」
「う………うん………」
妙に艶かしい綾水の仕草に、つい心臓が高鳴る。
連れられて辿り着いたのは、廊下側の角にある本棚の裏。
今度はそこで二人きりになった。
綾水はいつの間にかメガネを外していて、三つ編みにしていた髪を解いて下ろした。
火照った顔も相まって、憂士の顔とイチモツが最高潮に興奮状態にあった。
しかもメガネを外したら童顔系の端正な顔立ちが目の前にある。
そして綾水から告げられたのは、衝撃的な一言であった。
「その………今朝から柳川くんを意識してたら………ムラムラが止まらないの………!! お願い………!! 私とエッチなことして………??」
「ど、堂上さん!? ちょっと待って、コワイコワイコワイ!!! どうしちゃったの、急に!?!?」
どちらにせよ綾水を抱けることには変わりはないのだが、憂士が全く予想もしていなかった展開に焦りの色を隠すことができなくなっていたのであった。
なにしろ女性経験が皆無と言っていいほどについさっきまで皆無だった憂士のことだ、自覚がある分ハードルは物凄く高かった。
しかも中出し付き、イコールは全員を孕ませろと言っていることに等しい。
教師がそんな邪な事を口走って大丈夫なのか………という一抹の不安がよぎってしまっていた。
「なーに、心配するな。君はもう、何もしなくても女子が寄ってくる体質になっている。何故なら………私がその“鍵”を解いたのだからな。」
「え、えっ…………と…………せ、先生、御言葉ですが、さっきから何を仰られているのですか…………??」
憂士が言うことは至極尤もなことで、実咲は何か知っているような口ぶりだったが、説明をキチンとしていないので理解ができないのも無理はない。
「………知りたいか?」
「な、なんで………こんな僕なんかに、そんなこと………言い切れるのかな、って………」
憂士の問いに、実咲は悪戯な笑みを浮かべる。
「知りたかったら………まず、やってみてからにしたまえ。そうでなければ君に於かれた事象を話すわけにはいかない。これは“使命”なんだ、君にとっての、な。」
「そ、その………僕………女の子と、話したことがなくって………」
「自分に自信がない、そう言いたいんだね?」
「も、モテる要素が僕には何もないから………出来るのかな、って………」
この告白を聞き、実咲は高らかに笑った。
「ハッハハハ!! なんだ、そんなことか? 言ったろう? 君はもう、自然と女の子が寄ってくる体質になっているんだ、ってさ? キッカケさえあったら、20人もいる女子とはいえど簡単に抱けるものさ。」
そう、実咲のクラスは40人、うち女子が20人もいるのだ。
ギャル系や清楚系や高嶺の花系、小悪魔系に巨貧乳、スレンダー、ぽっちゃり系だったり、処女非処女、彼氏持ちなど、美形なのを最低条件にしても、抱き心地のいい女案件が揃いに揃っている。
そんな使命を与えられた憂士にとっては、ハーレム待ったなしの夢のような話なのだが______今の今まで虚無な空気感しかなかったなかった憂士がすぐにそれが出来るとは、本人は全く思っていなかったし、実咲以外の人間もそう思うだろう。
ただ、「キッカケさえあれば」………その言葉が妙に引っかかる。
返事を躊躇う憂士だが、ここで実咲がまた、背中を押した。
「柳川………自分を変えたくはないのか?」
「ッッッ…………!! か、変えたい………です…………!!」
「変えたい、変わりたい………その原動力があったら、どこまでも進めるさ。大丈夫、君なら出来るよ。君は勇気を持って、この私を抱いたのだからな、同じ年頃の子など容易いだろう? 私は君が出来ると確信している。だがゆっくりでいい、一歩一歩、進んでいこう。何かあれば私がいるからな、いつでも頼るといい。」
「…………!!! ハイ!!!」
憂士は表情が明るくなり、生徒指導室を抜けて帰宅していった。
一方、1人になった実咲は、というと。
(力が“発現した”ということは………まあ、柳川に伝えなくてもいずれ本人も実感はするだろうさ………アイツは理性はブレーキのように働くが、同時に膨大なまでの性欲を隠し持っている………おそらく柳川は………いや、間違い無いな、我々の希望たる存在になる………!!)
そしてスマホを取り出し、あるアドレスに電話をかけた。
「私です。………ハイ、ハイ………ええ、そうですね………1人を“発現”させることに成功しました。おそらく彼は………間違いなく最高クラスの逸材です。」
帰り道の憂士は、というと。
スーパーで買い物をしながら、今日の事を考えていた。
(キッカケ………キッカケ、かあ…………)
実を言うと、憂士は4つ上のホストの兄・圭悟と2人で暮らしているため、この時間は大体仕事で遅くなる兄に夕飯を作るか、自分で作って一人で食べるか、という2択である。
学費や生活費の上では自らの稼ぎで補償してくれている圭悟だったが、少しでも負担をかけないように、と憂士は率先して料理を自分で作ったりしている。
ちなみに今日は、豚の生姜焼き定食の予定である。
(兄ちゃんも多分、先生と同じことを言うだろうな………自分から行動してみる、っていうのもアリかもな………)
憂士は決意を固めた。
自分を少しでも変えることを。
翌日。
委員会決めの時間だ。
次々と役職が決まっていく中、男子の枠で空いていたのが「図書委員」だった。
電子書籍が全盛の時代の中、紙の本などわざわざ借りて読むのか、と突っ込みたくもなるが、三つ編みメガネの女子・堂上綾水が女子で立候補しているので、彼女も地味系で売っているが故、誰も入りたがらなかったのが実情である。
しかし、千載一遇のチャンスを憂士は逃したくなかった。
綾水を抱けるチャンスを、逃すわけにはいかなかった。
勇気を振り絞り、手を挙げる。
男子からは、誰だよお前_____というような冷ややかな目で見られたが、晴れて憂士は図書委員として綾水と共に仕事をすることになったのである。
そして放課後、綾水と共に、早速仕事をすることになった。
内容は新規入荷の図書を整頓すること。
それ自体は指示が的確だったこともあり、スムーズに終わったのだが、憂士はあろうことか綾水と二人きりになっていた。
「柳川くん………あ、ありがとね、今日………すっごく助かったよ?」
「え………う、うん、僕の方こそ………だってやったこと………なかったから、こういうの………教えてくれなかったら全然戦力になれてなかったし………」
お世辞なんていいのに、と憂士は思ったが、お互いに物静かな性格なため、素直にこうやって口にしてくれるだけありがたかった。
しかし他に誰もいない図書室に、現在二人っきりの空間。
シチュエーションとしては最高なのだが………どうも理性が働いて躊躇ってしまっている憂士がいた。
性欲を暴発させてでも、綾水を抱きに行かなければいけないにも拘らず、である。
だが事態が動いたのは、まさかの綾水の方からであった。
「や、柳川くん………つ、ついてきて………?」
「う………うん………」
妙に艶かしい綾水の仕草に、つい心臓が高鳴る。
連れられて辿り着いたのは、廊下側の角にある本棚の裏。
今度はそこで二人きりになった。
綾水はいつの間にかメガネを外していて、三つ編みにしていた髪を解いて下ろした。
火照った顔も相まって、憂士の顔とイチモツが最高潮に興奮状態にあった。
しかもメガネを外したら童顔系の端正な顔立ちが目の前にある。
そして綾水から告げられたのは、衝撃的な一言であった。
「その………今朝から柳川くんを意識してたら………ムラムラが止まらないの………!! お願い………!! 私とエッチなことして………??」
「ど、堂上さん!? ちょっと待って、コワイコワイコワイ!!! どうしちゃったの、急に!?!?」
どちらにせよ綾水を抱けることには変わりはないのだが、憂士が全く予想もしていなかった展開に焦りの色を隠すことができなくなっていたのであった。
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