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五
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「もう一度……もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか?」
不敬だとわかっていても聞き返さずにはいられなかった。想定内だったのだろう。国王陛下は気にした様子もなくもう一度同じ内容を告げる。ただし、今度はゆっくりとした口調で、はっきりと。
「カルロとベアトリーチェの婚約を白紙にする。そして、ベアトリーチェには王太子になったばかりのマルコを支えてもらいたい。王太子妃として」
「っ。以前、それについてはお断りしたはずですがっ」
カルロが王太子の座を降りる際にベアトリーチェも王太子妃候補を辞退した。国王陛下も認めてくれたのではなかったのか。どうして今更。
思わずカルロの方を見る。しかし、カルロは国王陛下を真っすぐに見つめたまま決してベアトリーチェの方を見ようとはしなかった。嫌な予感がした。
国王陛下の方へ向き直る。
「何故私なのでしょうか。カルロ様の婚約者である私がマルコ様の妃に、となると余計な火種を生む可能性があります。もっと、他に相応しい方がいるのではないでしょうか?」
と言いつつ、自分でもわかっている。いなかったからこんな話が出たのだ。国王陛下だって一度自分が認めたことを取り消したくはないはず。そうせざるを得ない事情ができたのだろう。
でも、ベアトリーチェだって断る余地があるのなら断りたい。
国王陛下が嘆息する。
「マルコが王太子でなかったらそうであっただろう。アレに国を任せることはできん。素質もなければ教養もない。こうなることがわかっていたらアレにもカルロと同じ教育を受けさせたのだが……いや……これも今更な話。とにかく、今は早急にアレを支える者が必要なのだ。『王太子妃教育を終え、王太子の仕事を肩代わりできるだけの能力を持つ者』が。今それができる者はベアトリーチェ其方しかいない」
だから、仕方ないことだと受け入れろ……という圧を感じた。
ベアトリーチェは口を閉じる。ちらりとカルロを見た。おそらくカルロは先にこの話を聞いていたのだろう。……酷く胸が痛む。
ベアトリーチェは視線を戻した。
国王陛下は黙ってベアトリーチェが答えを出すのを待っている。「わかりました」と受け入れるのを。
ベアトリーチェも頭ではわかっている。これは提案に見せかけた決定事項だということを。
この場にベアトリーチェとカルロだけが呼ばれたということは、おそらくすでに国の重責を担う家臣達やベアトリーチェの父にも話が通っているのだろう。
ベアトリーチェは一度強く瞼を閉じ、目を開き、国王陛下……ではなくカルロの方を向いた。カルロの瞳が揺れる。
「カルロ。カルロも承知の上なの? いいの?」
なんて意地悪な質問なのだろうと自分でも思う。それでも、一言、たった一言だけでもいいからカルロの口から否定の言葉が聞きたかった。
でも……やっぱり、カルロはカルロだった。
罪悪感を滲ませながらもそれでも真っすぐにベアトリーチェを見つめる。
「ベアトリーチェ……ごめん。僕にはどうしても国を見捨てることはできない。僕のことを恨んでくれていい。最低なやつだといくらなじってくれても構わない。僕は、君に、王太子妃になってもらいたい。この国の為に……どうか……どうか受け入れて欲しい。僕からの最後のお願いだ」
途中からカルロの声は震えていた。
まだ身体も本調子ではないだろうに頭を深く深く下げるカルロ。そんな彼を見てベアトリーチェの目に涙が込み上げてきた。
自国を愛し、常に民の為になることを考え生きてきた彼らしい答えだ。そんなカルロだからこそベアトリーチェは惹かれ、生涯をかけて心から支えたいと思った。
ベアトリーチェはドレスが汚れるのも構わずその場に膝をつく。そして、カルロの手を両手で握った。きっとこれが最後の触れ合いになるだろう。カルロがゆっくりと顔を上げる。
カルロの頬も、ベアトリーチェと同じように涙で濡れていた。ベアトリーチェはあえて笑顔を浮かべた。
「私、ベアトリーチェ・ボゼッティはカルロ・コスタの分までコスタ国民を愛し、この先の人生を国に捧げると誓います」
「っ。カルロ・コスタはベアトリーチェ・ボゼッティの献身的な愛を生涯をかけて見届けると誓います」
国王陛下からもの言いたげな視線を感じるが気づかないフリをした。カルロは気づいていないだろうが、これは国王陛下へのちょっとした意趣返しだ。二人の未来を引き裂く決断をした国王陛下への。
◇
マルコとの結婚式は本来カルロと挙げるはずだった結婚式場で行われることになった。マルコの強い要望で。
コスタ王国の『王太子』と『王太子妃』の結婚式への招待状はすでに他国にも届いている。延期の知らせも。それなら今更中止して新しく招待しなおすよりも、その招待状をそのまま利用すればいいのではとマルコは提案した。事情は当日公表すればいい。そうすれば否応なしに皆二人の結婚を認めざるを得なくなるだろうというマルコの言葉に国王陛下は納得した。珍しく頭を使っているマルコに感心したくらいだ。
マルコの魂胆は別のところにあったが、ソレに気づく者はいなかった。ベアトリーチェを除いて。
雲一つない快晴の中、結婚式は執り行われた。予想通り皆『王太子』がカルロではなくマルコだと知り驚いていたが、事情を知ると納得する者がほとんどだった。
浮かれるマルコとは対照的にベアトリーチェの心の中は地獄だった。
マルコは皆に見せつけるように必要以上にべたべたとベアトリーチェに触れた。皆の前でその手を払いのけるわけにもいかない。形だけの笑顔を浮かべ、ベアトリーチェは耐え続けた。
無駄なことだとわかっていても願わずにはいられない。
――――どうかカルロ、見ないで欲しい。こんな私を、今だけは。お願いだから。
◇
初夜は恙なく終わった。
翌日から、ベアトリーチェの仕事漬けの毎日が始まった。
マルコは新婚旅行を望んだが、ベアトリーチェだけではなく国王陛下からも却下された。そんな余裕はないと。そう言われるとマルコも強くは出れない。そもそも、自分が原因なのだから。
パーティーや外交等の華やかな仕事ならいくらでもこなせるが、他の仕事についてはさっぱりだ。その結果、本来マルコがやるべき仕事が大量に蓄えられ、放置されていた。
想像していた以上の実情にベアトリーチェは頭を抱えた。けれど、同時に感謝もした。おかげで夫婦生活を最低限で済ませられる。
マルコに対して、呆れはするが、少しだけ同情もした。
昔からマルコに対する周囲からの期待はほぼゼロに等しかった。優秀なカルロがすでにいたせいもあるだろう。比べられることすらなかった。無駄な競争心を育てたくなかったという狙いがあったのかもしれない。
のびのびと育てられたマルコは今まで努力や苦労とは無縁の世界にいた。面倒なことは全て自分以外の誰かがしてくれる。それがマルコにとっての当たり前だった。
マルコがそうなってしまったのはもちろんマルコ自身の素質もあるだろうが、原因の一つに国王陛下やマルコを取り巻く環境があったのは間違いないだろう。
ベアトリーチェの頑張りのおかげで、国王陛下や家臣達はようやく一安心できた。マルコが国王となる未来にようやく希望を見いだせるようになったのだ。
けれど、とうのマルコは不満を抱えていた。
いつになったら夫婦の時間が増えるのか。一応、定期的に夜をともにしているが、それ以外は別行動だ。圧倒的に足りない。
いったいベアトリーチェは仕事と自分のどちらが大事なのか。もしかして、まだカルロと通じているのではないだろうか。
一度疑い始めたら止まらない。
思い切って影に二人を監視させた。けれど、それらしい証拠は出てこなかった。
王位継承権を放棄したカルロは、現在一家臣として執務をこなしている。ベアトリーチェとは違う別室で。仕事の関わりは少なからずあるようだが、直接会って話すことはない。誤解を生まないようにと必ず間に人を挟んでいるらしい。
さすがベアトリーチェだ。徹底している。
安堵はしたが、それでも不満は消えない。
そこでマルコは一計を思いついた。もし、自分に女性関係の噂が流れればベアトリーチェもさすがに考えを改め夫婦の時間を増やしてくれるのではないか。
妙案を思いついたマルコはさっそく適当な女性を呼び寄せ、人目につきやすい場所ばかりを選んで連れ回した。
効果は……あった。偶然出くわした際にベアトリーチェがじっとマルコを見つめてきたのだ。今までで一番熱い視線だったと思う。思い出しただけでゾクゾクする。その視線をもう一度向けてもらいたくてマルコは何度も同じことを繰り返した。
でも、それも次第に物足りなくなってきた。
どうして何も言ってこないのか。他の女性との間に何も起こるわけないとわかっているからか。
実際、マルコに取り入ろうという女性達は多かったが、一線を越えようとする女性はいなかった。まあ、マルコにもその気はさらさらなかったのだが。
どうにかして、もっとベアトリーチェの気を引く方法はないか。そんな時に現れたのがアンナだった。
不敬だとわかっていても聞き返さずにはいられなかった。想定内だったのだろう。国王陛下は気にした様子もなくもう一度同じ内容を告げる。ただし、今度はゆっくりとした口調で、はっきりと。
「カルロとベアトリーチェの婚約を白紙にする。そして、ベアトリーチェには王太子になったばかりのマルコを支えてもらいたい。王太子妃として」
「っ。以前、それについてはお断りしたはずですがっ」
カルロが王太子の座を降りる際にベアトリーチェも王太子妃候補を辞退した。国王陛下も認めてくれたのではなかったのか。どうして今更。
思わずカルロの方を見る。しかし、カルロは国王陛下を真っすぐに見つめたまま決してベアトリーチェの方を見ようとはしなかった。嫌な予感がした。
国王陛下の方へ向き直る。
「何故私なのでしょうか。カルロ様の婚約者である私がマルコ様の妃に、となると余計な火種を生む可能性があります。もっと、他に相応しい方がいるのではないでしょうか?」
と言いつつ、自分でもわかっている。いなかったからこんな話が出たのだ。国王陛下だって一度自分が認めたことを取り消したくはないはず。そうせざるを得ない事情ができたのだろう。
でも、ベアトリーチェだって断る余地があるのなら断りたい。
国王陛下が嘆息する。
「マルコが王太子でなかったらそうであっただろう。アレに国を任せることはできん。素質もなければ教養もない。こうなることがわかっていたらアレにもカルロと同じ教育を受けさせたのだが……いや……これも今更な話。とにかく、今は早急にアレを支える者が必要なのだ。『王太子妃教育を終え、王太子の仕事を肩代わりできるだけの能力を持つ者』が。今それができる者はベアトリーチェ其方しかいない」
だから、仕方ないことだと受け入れろ……という圧を感じた。
ベアトリーチェは口を閉じる。ちらりとカルロを見た。おそらくカルロは先にこの話を聞いていたのだろう。……酷く胸が痛む。
ベアトリーチェは視線を戻した。
国王陛下は黙ってベアトリーチェが答えを出すのを待っている。「わかりました」と受け入れるのを。
ベアトリーチェも頭ではわかっている。これは提案に見せかけた決定事項だということを。
この場にベアトリーチェとカルロだけが呼ばれたということは、おそらくすでに国の重責を担う家臣達やベアトリーチェの父にも話が通っているのだろう。
ベアトリーチェは一度強く瞼を閉じ、目を開き、国王陛下……ではなくカルロの方を向いた。カルロの瞳が揺れる。
「カルロ。カルロも承知の上なの? いいの?」
なんて意地悪な質問なのだろうと自分でも思う。それでも、一言、たった一言だけでもいいからカルロの口から否定の言葉が聞きたかった。
でも……やっぱり、カルロはカルロだった。
罪悪感を滲ませながらもそれでも真っすぐにベアトリーチェを見つめる。
「ベアトリーチェ……ごめん。僕にはどうしても国を見捨てることはできない。僕のことを恨んでくれていい。最低なやつだといくらなじってくれても構わない。僕は、君に、王太子妃になってもらいたい。この国の為に……どうか……どうか受け入れて欲しい。僕からの最後のお願いだ」
途中からカルロの声は震えていた。
まだ身体も本調子ではないだろうに頭を深く深く下げるカルロ。そんな彼を見てベアトリーチェの目に涙が込み上げてきた。
自国を愛し、常に民の為になることを考え生きてきた彼らしい答えだ。そんなカルロだからこそベアトリーチェは惹かれ、生涯をかけて心から支えたいと思った。
ベアトリーチェはドレスが汚れるのも構わずその場に膝をつく。そして、カルロの手を両手で握った。きっとこれが最後の触れ合いになるだろう。カルロがゆっくりと顔を上げる。
カルロの頬も、ベアトリーチェと同じように涙で濡れていた。ベアトリーチェはあえて笑顔を浮かべた。
「私、ベアトリーチェ・ボゼッティはカルロ・コスタの分までコスタ国民を愛し、この先の人生を国に捧げると誓います」
「っ。カルロ・コスタはベアトリーチェ・ボゼッティの献身的な愛を生涯をかけて見届けると誓います」
国王陛下からもの言いたげな視線を感じるが気づかないフリをした。カルロは気づいていないだろうが、これは国王陛下へのちょっとした意趣返しだ。二人の未来を引き裂く決断をした国王陛下への。
◇
マルコとの結婚式は本来カルロと挙げるはずだった結婚式場で行われることになった。マルコの強い要望で。
コスタ王国の『王太子』と『王太子妃』の結婚式への招待状はすでに他国にも届いている。延期の知らせも。それなら今更中止して新しく招待しなおすよりも、その招待状をそのまま利用すればいいのではとマルコは提案した。事情は当日公表すればいい。そうすれば否応なしに皆二人の結婚を認めざるを得なくなるだろうというマルコの言葉に国王陛下は納得した。珍しく頭を使っているマルコに感心したくらいだ。
マルコの魂胆は別のところにあったが、ソレに気づく者はいなかった。ベアトリーチェを除いて。
雲一つない快晴の中、結婚式は執り行われた。予想通り皆『王太子』がカルロではなくマルコだと知り驚いていたが、事情を知ると納得する者がほとんどだった。
浮かれるマルコとは対照的にベアトリーチェの心の中は地獄だった。
マルコは皆に見せつけるように必要以上にべたべたとベアトリーチェに触れた。皆の前でその手を払いのけるわけにもいかない。形だけの笑顔を浮かべ、ベアトリーチェは耐え続けた。
無駄なことだとわかっていても願わずにはいられない。
――――どうかカルロ、見ないで欲しい。こんな私を、今だけは。お願いだから。
◇
初夜は恙なく終わった。
翌日から、ベアトリーチェの仕事漬けの毎日が始まった。
マルコは新婚旅行を望んだが、ベアトリーチェだけではなく国王陛下からも却下された。そんな余裕はないと。そう言われるとマルコも強くは出れない。そもそも、自分が原因なのだから。
パーティーや外交等の華やかな仕事ならいくらでもこなせるが、他の仕事についてはさっぱりだ。その結果、本来マルコがやるべき仕事が大量に蓄えられ、放置されていた。
想像していた以上の実情にベアトリーチェは頭を抱えた。けれど、同時に感謝もした。おかげで夫婦生活を最低限で済ませられる。
マルコに対して、呆れはするが、少しだけ同情もした。
昔からマルコに対する周囲からの期待はほぼゼロに等しかった。優秀なカルロがすでにいたせいもあるだろう。比べられることすらなかった。無駄な競争心を育てたくなかったという狙いがあったのかもしれない。
のびのびと育てられたマルコは今まで努力や苦労とは無縁の世界にいた。面倒なことは全て自分以外の誰かがしてくれる。それがマルコにとっての当たり前だった。
マルコがそうなってしまったのはもちろんマルコ自身の素質もあるだろうが、原因の一つに国王陛下やマルコを取り巻く環境があったのは間違いないだろう。
ベアトリーチェの頑張りのおかげで、国王陛下や家臣達はようやく一安心できた。マルコが国王となる未来にようやく希望を見いだせるようになったのだ。
けれど、とうのマルコは不満を抱えていた。
いつになったら夫婦の時間が増えるのか。一応、定期的に夜をともにしているが、それ以外は別行動だ。圧倒的に足りない。
いったいベアトリーチェは仕事と自分のどちらが大事なのか。もしかして、まだカルロと通じているのではないだろうか。
一度疑い始めたら止まらない。
思い切って影に二人を監視させた。けれど、それらしい証拠は出てこなかった。
王位継承権を放棄したカルロは、現在一家臣として執務をこなしている。ベアトリーチェとは違う別室で。仕事の関わりは少なからずあるようだが、直接会って話すことはない。誤解を生まないようにと必ず間に人を挟んでいるらしい。
さすがベアトリーチェだ。徹底している。
安堵はしたが、それでも不満は消えない。
そこでマルコは一計を思いついた。もし、自分に女性関係の噂が流れればベアトリーチェもさすがに考えを改め夫婦の時間を増やしてくれるのではないか。
妙案を思いついたマルコはさっそく適当な女性を呼び寄せ、人目につきやすい場所ばかりを選んで連れ回した。
効果は……あった。偶然出くわした際にベアトリーチェがじっとマルコを見つめてきたのだ。今までで一番熱い視線だったと思う。思い出しただけでゾクゾクする。その視線をもう一度向けてもらいたくてマルコは何度も同じことを繰り返した。
でも、それも次第に物足りなくなってきた。
どうして何も言ってこないのか。他の女性との間に何も起こるわけないとわかっているからか。
実際、マルコに取り入ろうという女性達は多かったが、一線を越えようとする女性はいなかった。まあ、マルコにもその気はさらさらなかったのだが。
どうにかして、もっとベアトリーチェの気を引く方法はないか。そんな時に現れたのがアンナだった。
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