9 / 11
第九話
しおりを挟む
救急隊員の内の一人が俺に名前、年齢、住所、親の連絡先を訊いてきた。俺はそれに対してしっかりと答えていく。血を流しているからか、若干ぼうっとする。救急隊員は俺の様子を見て、割れている額に包帯を巻き、運転席に座っている救急隊員に声をかける。
「脳に問題があるかもしれない。総合病院に連絡を取ってくれ」
その言葉を聞いた救急隊員は無線で連絡をし、救急車を走らせた。
* * *
病院に着いた俺は救急車から降ろされ、診療所に運ばれた。診療所に着くとすぐに医者が問診を始める。俺は救急隊員に言ったことと同じことを口にした。
「それじゃあとりあえず足だけ真っ直ぐにしようか」
そう言って医者は俺の足を掴み、折れ曲がっている足を強引に真っ直ぐに伸ばした。俺は絶叫をする。今までの痛みもこらえきれたものじゃないが今の痛みはもっと酷い。涙も浮かんできた。俺はその涙を医者に見られないように乱暴に拭った。
医者は足に添え木を付けて包帯で巻いていく。気持ちの問題だと思うが若干痛みが和らいだ気がする。何重にも巻き、テープで止める。
「脳を打っているかもしれないからCTで確認しようか」
顔を上げるとともにそう言い、車いすに乗せられた。看護師が来て俺をCTのある場所に運んだ。
* * *
「時間大丈夫かな」
俺はCTを取り終わった後、そのままレントゲンを撮りに行った。するとそこですぐに添え木が外された。なんで俺は包帯を巻かれたんだろうって思ったのもしょうがないだろう。レントゲンを撮り終わると案の定、右足と肋骨の骨が折れていたようだ。他の骨は無事だったようだ。だが内臓の方にはダメージがいっていないようで不幸中の幸いだろう。
レントゲン結果を知った医者は俺の足をギプスで固定した。そしてベッドに運ばれ、点滴をしている。血も足りていないようなので輸血も行っている。医者曰く、これから二、三時間はここで安静にしていろ言うことだ。
「これで間に合うか?」
点滴終了後の時刻を考えて、ライブ会場に行くまでの所要時間を考える。ライブの開始にはぎりぎり間に合いそうだが、一本でもバスを逃すと間に合わなさそうだ。俺は体力回復のために点滴が終わるまで睡眠を取るのであった。
「脳に問題があるかもしれない。総合病院に連絡を取ってくれ」
その言葉を聞いた救急隊員は無線で連絡をし、救急車を走らせた。
* * *
病院に着いた俺は救急車から降ろされ、診療所に運ばれた。診療所に着くとすぐに医者が問診を始める。俺は救急隊員に言ったことと同じことを口にした。
「それじゃあとりあえず足だけ真っ直ぐにしようか」
そう言って医者は俺の足を掴み、折れ曲がっている足を強引に真っ直ぐに伸ばした。俺は絶叫をする。今までの痛みもこらえきれたものじゃないが今の痛みはもっと酷い。涙も浮かんできた。俺はその涙を医者に見られないように乱暴に拭った。
医者は足に添え木を付けて包帯で巻いていく。気持ちの問題だと思うが若干痛みが和らいだ気がする。何重にも巻き、テープで止める。
「脳を打っているかもしれないからCTで確認しようか」
顔を上げるとともにそう言い、車いすに乗せられた。看護師が来て俺をCTのある場所に運んだ。
* * *
「時間大丈夫かな」
俺はCTを取り終わった後、そのままレントゲンを撮りに行った。するとそこですぐに添え木が外された。なんで俺は包帯を巻かれたんだろうって思ったのもしょうがないだろう。レントゲンを撮り終わると案の定、右足と肋骨の骨が折れていたようだ。他の骨は無事だったようだ。だが内臓の方にはダメージがいっていないようで不幸中の幸いだろう。
レントゲン結果を知った医者は俺の足をギプスで固定した。そしてベッドに運ばれ、点滴をしている。血も足りていないようなので輸血も行っている。医者曰く、これから二、三時間はここで安静にしていろ言うことだ。
「これで間に合うか?」
点滴終了後の時刻を考えて、ライブ会場に行くまでの所要時間を考える。ライブの開始にはぎりぎり間に合いそうだが、一本でもバスを逃すと間に合わなさそうだ。俺は体力回復のために点滴が終わるまで睡眠を取るのであった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
その気が全くなかったがいつの間にかハーレム王と呼ばれてしまう 〜約束の赤い糸〜
朽木昴
恋愛
幼い頃に交わした結婚の約束。そんな大切なモノを忘れ、神崎直哉は高校生活を満喫していた。彼を取り巻くのは、恋心を抱く幼なじみ、人見知りの少女、幼なじみの親友、社長令嬢、そしてアイドル……。果たして、この中に約束の子はいるのだろうか!?
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる