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第2章 雪乃との日常
第20話 俺、雪乃と旧南都へ行く7
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猫又「ご察しの通り、俺は元々人に飼われていた極々一般的な普通の猫だった。ただ、飼い主が経営していた会社が倒産し、多額の借金を抱えてしまい、家族はバラバラに。飼い主はホームレスになっちまったが、俺は飼い主についていった。しかし、家族を失った精神的なダメージと栄養失調で飼い主はしだいに弱っていった。
そして、地元の不良たちに目を付けられた飼い主は、次第に嫌がらせを受けるようになった。
そんなある日、彼らは遊び半分で飼い主に暴行を加えた。おれは近くの川で魚を採り、帰ってきた時には既に飼い主は瀕死状態だった。俺は長年可愛がってくれた飼い主の悲惨な姿を見て怒り狂い、飼い主を守る為、彼らに飛び掛かった。俺は飼い主を守りたい一心で必死に彼らと戦い、彼らを追い払うことに成功した。しかし戦いの後、気が付けば俺の姿は醜い猫又へと変貌してしまっていた。思えば普通のちっぽけな猫が人間様複数人に敵う筈がなかった。おれは飼い主を守りたい一心で必死に戦う内に、猫又へと変貌してしまっていたんだ。
結果、飼い主を守り切る力を手に入れたのと引き換えに、俺はこんな姿になっちまったというわけさ。
でも飼い主は、俺がこんな姿になっても尚、俺を愛してくれた。しかし、その時の傷が原因でまもなく息を引き取った。その後、俺は慎ましく生活していたが、醜い俺を人間たちは気味悪がり、次第にいじめを受けるようになった。
皮肉なもんだよな、飼い主を守るために頑張った結果がこれだぜ?でも人間は話を聞いてくれない、醜いってだけでいじめてくる。そんな訳で、俺は性格が捻じ曲がっちまった。そして人間に対する憎悪が膨れ上がり、通行人を無作為に襲うようになると、警察から駆除の対象に認定されちまって、人間社会に居られなくなり、この山に移り住んだのさ。人間は、姿が醜いってだけでいじめてくる。そういう生き物だと思っていた。なのに、お前さんときたら、こんな俺と友達になろうだなんて物好きな娘だな。」
雪乃「そうだったのにゃ、、、辛い過去を話してくれてありがとにゃ?なんと、飼い主を守るために猫又へと変貌してしまっただなんて、なんて心優しい猫ちゃんなのか。そりゃあ話を聞いてくれず、見た目だけでいじめられてしまっては性格が捻じ曲がるというもの。その上、誰も手を差し伸べてくれなかったら、そりゃあ犯罪者になってしまうというもの。やっぱり犯罪者は、元は善良なのである。ちょっとした環境の影響で悪に走ってしまい、犯罪を起こしてしまうものなのにゃ。よし!そうと分かれば、あたしが手を差し伸べるにゃあ!猫又ちゃんはまだ間に合う!家に来て、家の警護を頼むにゃ!トト様へはあたしが説明するので安心するにゃあ!」
猫又「こんな醜い俺を受け入れてくれるのか?」
雪乃「醜いだなんてそんなそんな、どんな猫ちゃんだろうと、猫ちゃんは猫ちゃん。あたしにとっては可愛くて仕方がない存在にゃあ!」
猫又「お前さん、名を雪乃と言ったな。」
雪乃「そうだけども?」
猫又「よろしく、雪乃。」
雪乃「ぬおおおおお!こ、こちらこそ、よろしくにゃああ!
ペン吉・チュン太郎・唯「よろしく!」
猫又「ああ、君たちもありがとう!よろしく!」
雪乃「ふっふっふっ!猫又ちゃん、ゲットだぜ!」
一方、克海達は、夜が明けても帰ってこない雪乃を心配し、そわそわしていた。
克海母「不味いわよ不味いわよ!!これはいくらなんでもやばすぎるわよ!!」
克海「何かあったに違いないな、、、」
明日香「やっぱりあんな小さい子を一人で行かすんじゃなかった泣」
その時、
雪乃「おーい!!おーい!!皆の衆~!!」
明日香「ん?この声は!」
克海・克海母「!!?」
雪乃「心配かけたにゃあ~!無事任務完了にゃあ~!」
ドスドスドスドスドス、、、、
明日香「え、う、うそ、、、」
克海「ま、まじかぁ。」
雪乃「お待たせにゃーす!」
明日香・克海・克海母「..........」
雪乃「ん?なんにゃあ?そういう微妙な反応やめるにゃあ!」
巨大な猫又に乗って現れた雪乃に驚きを隠せない三人。
克海「改めて見ると、でっけぇな。」
克海(それにしても、やはり恐怖心が抑えられない、、、。ただでさえ猫にトラウマ持ってるってのに、
自分よりでかい猫を目の当たりになんてしたら、、前世の死に様を鮮明に思い出してしまって、、、。)
明日香「日中に見ると余計に感じるわね。」
雪乃「兄様、なんか変な汗が出ているけども、大丈夫であるか?」
克海「大丈夫大丈夫、、、はぁ、、、」
雪乃「んー?兄様、何か悩み事でもあるのかにゃ?」
克海母「それよりちょっと雪ちゃん!ゲットしたわいいけど、その子どうするつもりなのよ!?」
雪乃「もちろん!我が三条家で飼育するつもりである!」
克海母「う、うそでしょ?さすがにあたしは反対よ?」
雪乃「え、ええ、、、」
克海「さすがに、これを飼育するのはちょっとな、、、(世間体はもちろんのこと、俺の心の健康の為にも断固反対だ!)」
雪乃「あ、兄様まで、、、」
明日香「雪ちゃん、さすがにこの子は諦めたら?こんなに大きい猫ちゃん、さすがにトト様も受け入れられないんじゃないかしら。」
雪乃「そ、そんにゃあ、、、」
克海母「雪ちゃん、悪いことは言わないから、裏山に返してきな?会いたいときは裏山に行けば会えるからそれでいいじゃない。」
その瞬間、殺意の眼光で克海母を睨みつける雪乃。
雪乃「嫌である!裏山に残したら、また警官や猟師どもにいじめられてしまうにゃあ!猫又ちゃんを守るには家で保護するより他はにゃいというもの!
いくらカカ様であっても今の発言は到底受け入れられるものではないというもの!発言の撤回を所望するのである!」
克海母「いやでも、、、」
雪乃「トト様なら、きっと理解してくれるはずだにゃあ!」
そう言い残すと、雪乃は猫又に乗って三条邸へと向かってしまった。
克海「これは難しい話になってきたな、、、」
そして、地元の不良たちに目を付けられた飼い主は、次第に嫌がらせを受けるようになった。
そんなある日、彼らは遊び半分で飼い主に暴行を加えた。おれは近くの川で魚を採り、帰ってきた時には既に飼い主は瀕死状態だった。俺は長年可愛がってくれた飼い主の悲惨な姿を見て怒り狂い、飼い主を守る為、彼らに飛び掛かった。俺は飼い主を守りたい一心で必死に彼らと戦い、彼らを追い払うことに成功した。しかし戦いの後、気が付けば俺の姿は醜い猫又へと変貌してしまっていた。思えば普通のちっぽけな猫が人間様複数人に敵う筈がなかった。おれは飼い主を守りたい一心で必死に戦う内に、猫又へと変貌してしまっていたんだ。
結果、飼い主を守り切る力を手に入れたのと引き換えに、俺はこんな姿になっちまったというわけさ。
でも飼い主は、俺がこんな姿になっても尚、俺を愛してくれた。しかし、その時の傷が原因でまもなく息を引き取った。その後、俺は慎ましく生活していたが、醜い俺を人間たちは気味悪がり、次第にいじめを受けるようになった。
皮肉なもんだよな、飼い主を守るために頑張った結果がこれだぜ?でも人間は話を聞いてくれない、醜いってだけでいじめてくる。そんな訳で、俺は性格が捻じ曲がっちまった。そして人間に対する憎悪が膨れ上がり、通行人を無作為に襲うようになると、警察から駆除の対象に認定されちまって、人間社会に居られなくなり、この山に移り住んだのさ。人間は、姿が醜いってだけでいじめてくる。そういう生き物だと思っていた。なのに、お前さんときたら、こんな俺と友達になろうだなんて物好きな娘だな。」
雪乃「そうだったのにゃ、、、辛い過去を話してくれてありがとにゃ?なんと、飼い主を守るために猫又へと変貌してしまっただなんて、なんて心優しい猫ちゃんなのか。そりゃあ話を聞いてくれず、見た目だけでいじめられてしまっては性格が捻じ曲がるというもの。その上、誰も手を差し伸べてくれなかったら、そりゃあ犯罪者になってしまうというもの。やっぱり犯罪者は、元は善良なのである。ちょっとした環境の影響で悪に走ってしまい、犯罪を起こしてしまうものなのにゃ。よし!そうと分かれば、あたしが手を差し伸べるにゃあ!猫又ちゃんはまだ間に合う!家に来て、家の警護を頼むにゃ!トト様へはあたしが説明するので安心するにゃあ!」
猫又「こんな醜い俺を受け入れてくれるのか?」
雪乃「醜いだなんてそんなそんな、どんな猫ちゃんだろうと、猫ちゃんは猫ちゃん。あたしにとっては可愛くて仕方がない存在にゃあ!」
猫又「お前さん、名を雪乃と言ったな。」
雪乃「そうだけども?」
猫又「よろしく、雪乃。」
雪乃「ぬおおおおお!こ、こちらこそ、よろしくにゃああ!
ペン吉・チュン太郎・唯「よろしく!」
猫又「ああ、君たちもありがとう!よろしく!」
雪乃「ふっふっふっ!猫又ちゃん、ゲットだぜ!」
一方、克海達は、夜が明けても帰ってこない雪乃を心配し、そわそわしていた。
克海母「不味いわよ不味いわよ!!これはいくらなんでもやばすぎるわよ!!」
克海「何かあったに違いないな、、、」
明日香「やっぱりあんな小さい子を一人で行かすんじゃなかった泣」
その時、
雪乃「おーい!!おーい!!皆の衆~!!」
明日香「ん?この声は!」
克海・克海母「!!?」
雪乃「心配かけたにゃあ~!無事任務完了にゃあ~!」
ドスドスドスドスドス、、、、
明日香「え、う、うそ、、、」
克海「ま、まじかぁ。」
雪乃「お待たせにゃーす!」
明日香・克海・克海母「..........」
雪乃「ん?なんにゃあ?そういう微妙な反応やめるにゃあ!」
巨大な猫又に乗って現れた雪乃に驚きを隠せない三人。
克海「改めて見ると、でっけぇな。」
克海(それにしても、やはり恐怖心が抑えられない、、、。ただでさえ猫にトラウマ持ってるってのに、
自分よりでかい猫を目の当たりになんてしたら、、前世の死に様を鮮明に思い出してしまって、、、。)
明日香「日中に見ると余計に感じるわね。」
雪乃「兄様、なんか変な汗が出ているけども、大丈夫であるか?」
克海「大丈夫大丈夫、、、はぁ、、、」
雪乃「んー?兄様、何か悩み事でもあるのかにゃ?」
克海母「それよりちょっと雪ちゃん!ゲットしたわいいけど、その子どうするつもりなのよ!?」
雪乃「もちろん!我が三条家で飼育するつもりである!」
克海母「う、うそでしょ?さすがにあたしは反対よ?」
雪乃「え、ええ、、、」
克海「さすがに、これを飼育するのはちょっとな、、、(世間体はもちろんのこと、俺の心の健康の為にも断固反対だ!)」
雪乃「あ、兄様まで、、、」
明日香「雪ちゃん、さすがにこの子は諦めたら?こんなに大きい猫ちゃん、さすがにトト様も受け入れられないんじゃないかしら。」
雪乃「そ、そんにゃあ、、、」
克海母「雪ちゃん、悪いことは言わないから、裏山に返してきな?会いたいときは裏山に行けば会えるからそれでいいじゃない。」
その瞬間、殺意の眼光で克海母を睨みつける雪乃。
雪乃「嫌である!裏山に残したら、また警官や猟師どもにいじめられてしまうにゃあ!猫又ちゃんを守るには家で保護するより他はにゃいというもの!
いくらカカ様であっても今の発言は到底受け入れられるものではないというもの!発言の撤回を所望するのである!」
克海母「いやでも、、、」
雪乃「トト様なら、きっと理解してくれるはずだにゃあ!」
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