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第三章 お城からのお触れと今更ながらに気づく諸事情
5 今更的な世界背景やその他諸々昔話もよ 天音Side Ⅴ
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魔族だから魔法も自由に遣える。
今更ながらに私――――ドリゼラは魔法を行使する事が出来ていた。
そうあの瞬間まで……。
うんまあ今更ながらと人間だと言う天音の強い思い込みによって、この瞬間まで一時的に胎内で内包されているだろう魔力すらも感じなかったわ。
本当に思い込みとは恐ろしいものだと、我が身を以って知ってしまった感が否めない。
そうしてエラが入浴している間に私自身の魔力量とその力について完全に思い出し――――現在に至るのだっっ。
私自身の魔力量は下位の貴族令嬢にしてみればどうやら随分と多い。
それから魔法属性は当然私は純粋魔族だからして闇――――ではなく、何故か無属性と言いますか若干の闇属性の魔法を行使する事も可能だけれどどちらかと言えば癒し系魔法が、そして魔族には到底あり得ない事に聖属性の魔法の方が実にしっくりとくるのだ。
ただし本当にこれは純粋魔族にとって絶対にあり得ない事!!
また許されざる事なのだとっ、父方のお祖父様であるトレメール侯爵とお祖母様のトレメール侯爵夫人の両名は元より亡きお父様とお母様、そして亡きお父様の姉君であるオードラン伯爵夫人を含む五名より私は物心のつく頃からずっと何度も安易に魔法を遣うなと、特に癒し系でも聖属性は絶対に遣ってはいけないと、まだまだ稚い幼児を掴まえ何度も昏々と注意を受けたっけ。
最初は本当に何故こんなに私ばかり注意されるのだろうと毎日泣き暮らしていた。
また泣く事により当然感情が高ぶり魔力も暴走しがちになるわで暫くの間妹のアナとも引き離され、祖父母のいるトレメール侯爵領で半ば……あーアレはもしかしなくとも軟禁?
いやいや監禁に近かったと思う。
何故なら碌に屋敷の外さえも出して貰えなかったのだ。
そうしてただ只管祖父母達によって一日も早く精神的な成長と魔力制御する事を学ばされた。
でも今ならば……いいえ今だからちゃんと理解出来るわ。
あの異常なまでの祖父母達の監禁紛いな行いが、実は私を思っての行動であったのだと……。
何故なら聖なる者は我々魔族を治める王達を討つ事の出来得る力を持つとされているらしい。
また癒す力は闇属性の者でも行使は出来るのだけれどもだっ、それはあくまでも闇属性の魔力で以って行う魔法。
でも私の癒しの力は闇ではなく聖属性であるのは疑いようもないらしい。
何と言っても漆黒の真っ暗闇の中、一条の光すらない空間でさえも私が一度聖属性の魔法を行使すればそこは見る間に慈愛に満ちた光の空間と化してしまうからである。
現在では天上界に住まうだろう穢れを知らぬ者の存在等記録上ではこの数千年の間確認はされてはいない。
だから現在進行形で聖属性の魔法を行使出来るのは恐らく私一人――――と言う事らしい。
本来ならば魔王様に仕える魔族として、また魔王様にとって不穏分子にしかなりえない私の存在は彼の忠実な臣下でもあるお祖父様により差し出されなければいけない。
先の魔王様より忠実な僕として仕えていらしたお祖父様なのだもの。
寧ろ魔族として当たり前の行動であり、そこに私の意思も存在すらも関係はなかった筈。
だがしかし結果我がトレメール一族は魔王様よりも孫娘の命を護る決意をした。
それがどのように許されざる行為なのかも幼かった頃の私頃には今一理解は出来ていなかった。
護られていると思うどころかあ、これ絶対に虐められているのだと、きっとお祖父様達のご不興を何処かで買ってしまったのかもしれないと、幼心に血の繋がった祖父母に可愛がられてはいないのだと言う事実に、また迎えにも来ない両親へ不信感だけを募らせていたものよね。
そうして私=ドリゼラは心を閉ざしていったのよ。
愛する家族達によって隠され、いなかったかの様に……違う事はわかっているっっ。
愛故の行いだと今だからわかっているけれどもっ、幼いドリゼラには拒絶としか思えなかったの。
だからドリゼラは何としても皆に認めてもらいたいっ、そして将来より良い相手と結婚する事で幼かった頃の悲しみや悔しさ、寂しさ等諸々の負の感情を糧に歯を食い縛って誰よりも立派な淑女へ、そうして誰よりも尊い魔族であれと願い育ってきたんだったわ。
本当は人一倍寂しがり屋な女の子だっただけなのにね。
両親の愛情を一身に受けて大らかに育ったアナを目の敵にしたのも全ては愛情の裏返し。
まあ元はと言えば口下手なお祖父様と感情表現の下手なお祖母様が事態を余計ややこしくしたのが始まりっちゃそうなのだけれども……ね。
そんな両名共亡きお父様のお陰で今は関係も良好だ。
あちゃ〰〰〰〰っ、結局またまた昔話で何も進んでないんじゃね。
今更ながらに私――――ドリゼラは魔法を行使する事が出来ていた。
そうあの瞬間まで……。
うんまあ今更ながらと人間だと言う天音の強い思い込みによって、この瞬間まで一時的に胎内で内包されているだろう魔力すらも感じなかったわ。
本当に思い込みとは恐ろしいものだと、我が身を以って知ってしまった感が否めない。
そうしてエラが入浴している間に私自身の魔力量とその力について完全に思い出し――――現在に至るのだっっ。
私自身の魔力量は下位の貴族令嬢にしてみればどうやら随分と多い。
それから魔法属性は当然私は純粋魔族だからして闇――――ではなく、何故か無属性と言いますか若干の闇属性の魔法を行使する事も可能だけれどどちらかと言えば癒し系魔法が、そして魔族には到底あり得ない事に聖属性の魔法の方が実にしっくりとくるのだ。
ただし本当にこれは純粋魔族にとって絶対にあり得ない事!!
また許されざる事なのだとっ、父方のお祖父様であるトレメール侯爵とお祖母様のトレメール侯爵夫人の両名は元より亡きお父様とお母様、そして亡きお父様の姉君であるオードラン伯爵夫人を含む五名より私は物心のつく頃からずっと何度も安易に魔法を遣うなと、特に癒し系でも聖属性は絶対に遣ってはいけないと、まだまだ稚い幼児を掴まえ何度も昏々と注意を受けたっけ。
最初は本当に何故こんなに私ばかり注意されるのだろうと毎日泣き暮らしていた。
また泣く事により当然感情が高ぶり魔力も暴走しがちになるわで暫くの間妹のアナとも引き離され、祖父母のいるトレメール侯爵領で半ば……あーアレはもしかしなくとも軟禁?
いやいや監禁に近かったと思う。
何故なら碌に屋敷の外さえも出して貰えなかったのだ。
そうしてただ只管祖父母達によって一日も早く精神的な成長と魔力制御する事を学ばされた。
でも今ならば……いいえ今だからちゃんと理解出来るわ。
あの異常なまでの祖父母達の監禁紛いな行いが、実は私を思っての行動であったのだと……。
何故なら聖なる者は我々魔族を治める王達を討つ事の出来得る力を持つとされているらしい。
また癒す力は闇属性の者でも行使は出来るのだけれどもだっ、それはあくまでも闇属性の魔力で以って行う魔法。
でも私の癒しの力は闇ではなく聖属性であるのは疑いようもないらしい。
何と言っても漆黒の真っ暗闇の中、一条の光すらない空間でさえも私が一度聖属性の魔法を行使すればそこは見る間に慈愛に満ちた光の空間と化してしまうからである。
現在では天上界に住まうだろう穢れを知らぬ者の存在等記録上ではこの数千年の間確認はされてはいない。
だから現在進行形で聖属性の魔法を行使出来るのは恐らく私一人――――と言う事らしい。
本来ならば魔王様に仕える魔族として、また魔王様にとって不穏分子にしかなりえない私の存在は彼の忠実な臣下でもあるお祖父様により差し出されなければいけない。
先の魔王様より忠実な僕として仕えていらしたお祖父様なのだもの。
寧ろ魔族として当たり前の行動であり、そこに私の意思も存在すらも関係はなかった筈。
だがしかし結果我がトレメール一族は魔王様よりも孫娘の命を護る決意をした。
それがどのように許されざる行為なのかも幼かった頃の私頃には今一理解は出来ていなかった。
護られていると思うどころかあ、これ絶対に虐められているのだと、きっとお祖父様達のご不興を何処かで買ってしまったのかもしれないと、幼心に血の繋がった祖父母に可愛がられてはいないのだと言う事実に、また迎えにも来ない両親へ不信感だけを募らせていたものよね。
そうして私=ドリゼラは心を閉ざしていったのよ。
愛する家族達によって隠され、いなかったかの様に……違う事はわかっているっっ。
愛故の行いだと今だからわかっているけれどもっ、幼いドリゼラには拒絶としか思えなかったの。
だからドリゼラは何としても皆に認めてもらいたいっ、そして将来より良い相手と結婚する事で幼かった頃の悲しみや悔しさ、寂しさ等諸々の負の感情を糧に歯を食い縛って誰よりも立派な淑女へ、そうして誰よりも尊い魔族であれと願い育ってきたんだったわ。
本当は人一倍寂しがり屋な女の子だっただけなのにね。
両親の愛情を一身に受けて大らかに育ったアナを目の敵にしたのも全ては愛情の裏返し。
まあ元はと言えば口下手なお祖父様と感情表現の下手なお祖母様が事態を余計ややこしくしたのが始まりっちゃそうなのだけれども……ね。
そんな両名共亡きお父様のお陰で今は関係も良好だ。
あちゃ〰〰〰〰っ、結局またまた昔話で何も進んでないんじゃね。
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