27 / 33
第二章 こうして物語はこうしてゆっくりとでも確実に動いていく?
12 ゾンビが部屋へとやってきました? エラSide Ⅲ
しおりを挟む
「本当になんて役立たずなのよっっ!! 馬鹿、アホ グズ、鈍間っっ!!」
あの後約一時間後にエドモンは一人で戻って来た。
まあエドモンにしてみればそのままお義母様の補佐へ回るよりも、私の最初の命令でもあるアナスタシアへ薬を飲ませ損なったの事に対して一刻も早く報告をする方がいいと思ったのだろう。
確かに幾ら私の操り人形と化したとは言っても、そこは執事であった記憶と言うか習慣が少しは残っていたらしい。
うん、何処の世界に居ようとも報連相は大事だもんね。
そうして私の前で項垂れたままエドモンは一つのいい訳も何もしない。
ただ何が遭ったのかを覚束ない口調でポツリポツリと報告するだけ。
多分嘘偽りなく――――ね。
あ゛あ゛〰〰〰〰でもよりにもよってあの女の部屋で事を起こさなくても良かったんじゃない。
本当にあの間の抜けているアナスタシアだからこそっ、妖精の誘惑も難なく飲ませられると思ったと言うのにっっ。
然もだっ、今まであれだけジャンジャカ昼夜を問わずお菓子を大量に食べ漁っていたアナスタシアがよっ、よりにもよってどうして今夜に限ってお菓子を食べないなんて本当に運の悪い事ったらありゃしない。
でもどうしよう。
今回の事であの女が変に不審を抱かないかな。
あーもういっその事あの女へ魔女の眠り薬を盛って一思いに犯ってしまった方が……いやいやあの女は物語を上手く進行させる為には絶対に必要だわっっ。
うん、今はまだあの親子を殺す事は出来ないし殺せない。
ふふん、でもまあそれも後もう少しだけれどね。
そうそうそうそう目障りなあんた達が死ぬのは、この私が無事王子様と結ばれてから――――よ。
だからこそここは何としても上手く切り抜けないといけないわね。
そして、それに関しての証拠もちゃあんと消さなければいけない。
「エドモン、アナスタシアの事はもういいわ。じゃあ改めて命じるわ。あんたは今からトレメイン夫人を手伝ってくるの。いい、少しでもここへ残りたいと渋る使用人には少々手荒な事をしてもいいわ。だから今夜中に何としても全ての使用人をこの屋敷より追い出しなさい。これは絶対命令よ!!」
「命……令」
「そう、命令。それから全てが終わればお前もこの屋敷より出て行きなさい。そうしてうんと遠くへ行ってからこの包み紙の中身を飲むの。これはね、誰よりも幸せになれる大切なもの。私はお前だからこれをあげるのよ、感謝しなさい」
「は、い……エラ……様」
エドモンは魔女の眠り薬を胸の内ポケットへと大切にしまい込むと、静かにこの部屋から出て行ったわ。
暫くの間何やら階下や天井の方で騒がしいと感じたけれど、あの女やアナスタシアは何も気付かなかったみたい。
ほんと、根性と言うか心臓が図太いからこんなに物音がしても少しも起きる事無く熟睡していられるんだわっっ。
それからどのくらい経ったのかな、随分と夜遅くに屋敷を出て行く使用人達を、私はさも寂しげな様子でカーテンの隙間よりじっと見つめていた。
本当は小躍りしたくなるくらい笑っていたかったのだけれど、それこそ誰が見ているかなんてわからないでしょ。
ふふん、用心をするに越した事はないわ。
さぁこれからが本当のシン〇レラの始まりね。
掃除や洗濯に料理なんてめっちゃかったるいし前世でも余りと言うかほぼほぼやった事ないのだけれど、まあこれも全ては未来の幸せの為だ。
本来ならばこの為にも是が非ともアナスタシアを懐柔したかったと言うのに、でも懐柔したとしても実際あのどんくさい女がどれだけ役に立つかなんてはっきり言って余り宛には出来ないと思ってしまう自分もいたりする。
いざともなればトレメイン夫人でも夜中に遣うしかないか……な?
うん、一応義理とは言え母親だしね。
それにこの屋敷内でたった一人の大人だし、このくらいの家事なんてどうにか出来るでしょ。
――――と言う事で私は明日に備えてさっさと寝るとしよう。
だって夜更かしするとこのつるんつるんのお肌が荒れてしまうものね。
まだ見ぬ王子様の為にもこれからより一層美しさに磨きを掛けないと……ね。
あの後約一時間後にエドモンは一人で戻って来た。
まあエドモンにしてみればそのままお義母様の補佐へ回るよりも、私の最初の命令でもあるアナスタシアへ薬を飲ませ損なったの事に対して一刻も早く報告をする方がいいと思ったのだろう。
確かに幾ら私の操り人形と化したとは言っても、そこは執事であった記憶と言うか習慣が少しは残っていたらしい。
うん、何処の世界に居ようとも報連相は大事だもんね。
そうして私の前で項垂れたままエドモンは一つのいい訳も何もしない。
ただ何が遭ったのかを覚束ない口調でポツリポツリと報告するだけ。
多分嘘偽りなく――――ね。
あ゛あ゛〰〰〰〰でもよりにもよってあの女の部屋で事を起こさなくても良かったんじゃない。
本当にあの間の抜けているアナスタシアだからこそっ、妖精の誘惑も難なく飲ませられると思ったと言うのにっっ。
然もだっ、今まであれだけジャンジャカ昼夜を問わずお菓子を大量に食べ漁っていたアナスタシアがよっ、よりにもよってどうして今夜に限ってお菓子を食べないなんて本当に運の悪い事ったらありゃしない。
でもどうしよう。
今回の事であの女が変に不審を抱かないかな。
あーもういっその事あの女へ魔女の眠り薬を盛って一思いに犯ってしまった方が……いやいやあの女は物語を上手く進行させる為には絶対に必要だわっっ。
うん、今はまだあの親子を殺す事は出来ないし殺せない。
ふふん、でもまあそれも後もう少しだけれどね。
そうそうそうそう目障りなあんた達が死ぬのは、この私が無事王子様と結ばれてから――――よ。
だからこそここは何としても上手く切り抜けないといけないわね。
そして、それに関しての証拠もちゃあんと消さなければいけない。
「エドモン、アナスタシアの事はもういいわ。じゃあ改めて命じるわ。あんたは今からトレメイン夫人を手伝ってくるの。いい、少しでもここへ残りたいと渋る使用人には少々手荒な事をしてもいいわ。だから今夜中に何としても全ての使用人をこの屋敷より追い出しなさい。これは絶対命令よ!!」
「命……令」
「そう、命令。それから全てが終わればお前もこの屋敷より出て行きなさい。そうしてうんと遠くへ行ってからこの包み紙の中身を飲むの。これはね、誰よりも幸せになれる大切なもの。私はお前だからこれをあげるのよ、感謝しなさい」
「は、い……エラ……様」
エドモンは魔女の眠り薬を胸の内ポケットへと大切にしまい込むと、静かにこの部屋から出て行ったわ。
暫くの間何やら階下や天井の方で騒がしいと感じたけれど、あの女やアナスタシアは何も気付かなかったみたい。
ほんと、根性と言うか心臓が図太いからこんなに物音がしても少しも起きる事無く熟睡していられるんだわっっ。
それからどのくらい経ったのかな、随分と夜遅くに屋敷を出て行く使用人達を、私はさも寂しげな様子でカーテンの隙間よりじっと見つめていた。
本当は小躍りしたくなるくらい笑っていたかったのだけれど、それこそ誰が見ているかなんてわからないでしょ。
ふふん、用心をするに越した事はないわ。
さぁこれからが本当のシン〇レラの始まりね。
掃除や洗濯に料理なんてめっちゃかったるいし前世でも余りと言うかほぼほぼやった事ないのだけれど、まあこれも全ては未来の幸せの為だ。
本来ならばこの為にも是が非ともアナスタシアを懐柔したかったと言うのに、でも懐柔したとしても実際あのどんくさい女がどれだけ役に立つかなんてはっきり言って余り宛には出来ないと思ってしまう自分もいたりする。
いざともなればトレメイン夫人でも夜中に遣うしかないか……な?
うん、一応義理とは言え母親だしね。
それにこの屋敷内でたった一人の大人だし、このくらいの家事なんてどうにか出来るでしょ。
――――と言う事で私は明日に備えてさっさと寝るとしよう。
だって夜更かしするとこのつるんつるんのお肌が荒れてしまうものね。
まだ見ぬ王子様の為にもこれからより一層美しさに磨きを掛けないと……ね。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜
梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーレットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。
そんなシャーレットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。
実はシャーレットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーレットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーレットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。
悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。
しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーレットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーレットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーレットは図々しく居座る計画を立てる。
そんなある日、シャーレットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

〈完結〉八年間、音沙汰のなかった貴方はどちら様ですか?
詩海猫
恋愛
私の家は子爵家だった。
高位貴族ではなかったけれど、ちゃんと裕福な貴族としての暮らしは約束されていた。
泣き虫だった私に「リーアを守りたいんだ」と婚約してくれた侯爵家の彼は、私に黙って戦争に言ってしまい、いなくなった。
私も泣き虫の子爵令嬢をやめた。
八年後帰国した彼は、もういない私を探してるらしい。
*文字数的に「短編か?」という量になりましたが10万文字以下なので短編です。この後各自のアフターストーリーとか書けたら書きます。そしたら10万文字超えちゃうかもしれないけど短編です。こんなにかかると思わず、「転生王子〜」が大幅に滞ってしまいましたが、次はあちらに集中予定(あくまで予定)です、あちらもよろしくお願いします*
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。

「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる