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第二章  どうやら成人する前に色々と人生を詰んでいるみたいです

20 閑話 深窓の侍女エリーサベルト・ファンヌ・クランツは見たっ、いいえ見せられているのです!!  Ⅲ

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「あーエドの奴……何時もより少しばかり感情移入しちゃっているねぇ」
「はあ……左様に御座いますか?」
「うんうんやはり今回の件は何と言っても直接リーナちゃんへちょっかいを出したアイツが自ら招いた災難だね。本当に馬鹿な奴だよ、うん。一体何を見てそして何をどう判断したのだろうね。高位貴族なら誰しもエドの存在等直ぐにでもわかるだろうにね、本当にそうは思わないエリーサちゃん?」

 何も問題はない様な、話の内容と全くそぐわないその晴れやかな笑みを湛えたままで私へ同意を求めないで下さいませ。
 
「おや、エリーサちゃんにとって何か都合でも悪いのかな?」
「い、いいえっ、私はしがないそぐわない極々一般の子爵家の娘に御座います。バルテルス公爵家の様な高位貴族の御方とは何も繋がりはありませんわ」

 まあ下位の貴族令嬢だと見下される事は多々ありましたけれども……と、その言葉を発する事無く私はごくんと口内に少し溜まった唾液と共に飲み込んでしまいます。
 人間誰しも誰我が身は可愛いものですものね。


 それに事実私は元々下位の貴族の娘なのです。
 今こうしてジーク様と共に魔王様の断罪を見学……いえいえ生暖かく……それも違いますわね。
 うーん……そうこれはある意味社会見学なのですっっ。
 余り遭遇したくない見学をさせて頂いているのですが、本来ならば私には関係なかった事ばかりなのです。

 そう、全てはあの日リーナ様の許へ伺候した瞬間に、私の周りの景色も思いっきり変わったのですもの。

 
 確かにリーナ様、そしてリーナ様の乳姉妹で在られるアン=マリー様と過ごす時間はとても楽しくそれでいて貴重なひと時。
 ですがその裏で私は新たな使命を今目の前にいらっしゃいます魔王様より何故か拝命されたのですそれが――――。

 

 あ、ああこれではリーナ様がまるで罪人の様な表現になってしまいますわねっっ。
 あ、あのですね、それは少しばかり語弊がありまして……せ、正式にはリーナ様を取り巻く全ての者に対し監視を行う事に御座いますわ。
 
 
「うん、君にはその高い魔力を全力で行使し、僕の大切なリーナを全ての害悪より護って欲しいのだよ」
「私が――――に御座いますか?」
「まあ全てとは言わない。それに君以外にも彼女には色々と護衛が付いているからね。でもそこまでは君は知らなくてもいいよ」

 は、はいぃぃぃっ、是が非ともそれ以上知りたくもありませんわっっ。

 わ、私は本当に我が身が可愛いのですものっっ。
 それから魔王様私は……いえ何も御座いません。
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