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第二章 どうやら成人する前に色々と人生を詰んでいるみたいです
14 ジャ○アンの主張!! アンセルムSide Ⅵ
しおりを挟む俺の行動は早かった。
と言うよりも今まで散々放置していた癖に今更だとは思うのだが父親だけでなく、何と母親までもが俺に、いや俺の将来就くだろう地位と王家の外祖父母へとなるのだろうからな。
今まで以上に我が侯爵家への権力やその他諸々湧き出る様な甘い汁が集中するのを見越してなのだろう。
特に母親には愛人との間に子供までいるらしいからな。
大方その庶子の未来と大好きなキラキラ物を収集したいが為だろう。
公爵家の子供で然もまだ未成人の俺にしてみれば、利用出来る駒が増えて嬉しい限りだ。
これでエヴェリーナを早々に取り戻し、来年まででなくとも王へ願い出て今直ぐにでも結婚したって俺は一向に構わないのだっっ。
だがその為には……エヴェリーナに群がるクソ虫を早々に排除しなければなるまい。
その点には両親は諸手を挙げて同意し、母は愛人の伝手でクソ虫のいるラングハイム帝国で俺たち同様アイツを邪魔に思い常に排除しようと隙を窺っている現皇帝の側妃の一派と共闘する事となる。
これでアイツは自国やこのアールグレンに置いて常に命の危険へ晒される事になったのだがっ、中々どうして手きは途轍もなく手強いらしい。
子飼いのだけでなく、母は新たに雇い入れた暗殺者へ高額を払い続けるも一向にアイツを仕留めたという報告がないばかりか、送り込む暗殺者がこれまた悉く排除されていると言う事実に正直俺は相当苛立っている。
相手は15歳の未成人男子と17歳の成人したての側近の二人のみ。
偶にアイツの弟が一人ないしは二人付いているとは言ってもだっ、どちらにしてもまだまだ子供だろうっっ。
子供の二人や四人を一流と言われた暗殺集団が完膚なきまでに失敗し続けるとは一体どういう事なのだっっ。
それとも何か、その四人の子供はとんでもない天才集団とでも言うのかっっ!!
俺はやり場のない怒りを両親や家に仕える者達へと八つ当たりしていく。
だってそうだろう。
このままでは俺のエヴェリーナがあんな奴に取られかねないのだからな!!
エヴェリーナは俺だけのモノなんだっっ。
あの笑顔は誰一人として渡しやしない。
エヴェリーナの笑顔だけじゃない。
彼女より派生する全てのものっ、そして彼女の未来の何もかもが俺の……俺だけのものでなければ可笑しいんだ。
エヴェリーナ……お前だけが俺の傍にいてくれればいい。
仄暗い欲望がエヴェリーナを思う毎に日々大きくなっていく。
俺は一体エヴェリーナに何を求めているのだろう。
そしてエヴェリーナに対するこの想いは一体何と言うものなのだろうか。
誰も、あぁ未だに誰も教えてはくれない。
ただ今叶えたい事は――――エヴェリーナ、お前に今直ぐ逢いたい!!
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