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第一章 最早これは呪い? もう呪いとしか思えないでしょうっっ
18 閑話 チャラ男側近 ジークの一人愚痴大会 Ⅲ
しおりを挟むエドの後を追いかける様にしてやってきたリゾート魔法王国とも名高い、長閑で美しい春の花が咲き乱れるアールグレン王国。
北方の山間にある小さな王国は険しい山脈に囲まれた自然の要塞都市とでも言うのだろうか。
普通に攻め込むには不可能に近い、だからこそこの国の民達の表情はラングハイムの民達とは違う……とても穏やかで幸せそうに見える。
とは言え我がラングハイムの民達が不幸である――――とは言わないけれども、ここまで安心し切った表情をしているかと問われれば答えはNOだな。
ラングハイムは確かにこのメヒティルデ大陸内では一番の領土と国力を誇っている軍事国家と言えるだろう。
また軍事だけではない、現皇帝陛下の御世になってからは商業にも力を注いでいる故に帝都ラウクは大陸一の都市としても有名だ。
だがその半面地方の小さな村や町までがその恩恵に与っているかと言えば決してそうとは言い切れない。
先日の座学で聞いた話では、広大過ぎる領地故にその全てが同じ恩恵を齎されてはいないと講師が話していた。
帝都やその周辺の街は主に皇族直轄領であるが故に民達の生活も安定していると言うが、遠い領地ともなれば帝国の力よりもその量を治める領主の力量で民達の生活は左右されてしまう。
また国境沿い等は今でも戦にまでは至らないが、まだまだ平和だと言い難い状況であると言う事も俺達は教えられた。
なのに目の前にあるアールグレンはどうだっっ。
領地こそは微々たるものなのだが、でもだからこそなのかもしれない。
全てとは言わないけれども、この穏やかな表情そして――――この国の環境だからこそ発展したのであろう魔法に溢れた夢の様な国を……。
そして今日俺は、いいや俺達は更に魔法を掛けられたのだと思う。
なんと言ってもあのエドに心からの幸せだと言わんばかりの表情を与えてくれたのだからな!!
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