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第一章 最早これは呪い? もう呪いとしか思えないでしょうっっ
6 ホラーそれともこれはコメディー? 七転び八起き的な私のこれまでの転生記??? Ⅳ
しおりを挟む六回目の転生の記憶は残念ながら???
いやいや実際残念なのかは――――謎。
でも六回目の人生の内容は本当に覚えてはいないのだけれども、だからと言って全くノーカウントなのかと言えばそうではないらしい。
確かに私の記憶では六回目も転生をしている。
ただ、その内容が全く思い出す事が出来ないだけ。
そして多分それが六回目なのだろうと言う何とも不確かな感覚なの。
きっとどこかの世界に存在はしているのだろうけれども、何故か私の記憶は真っ黒に塗り潰されている状態。
そんな不明瞭な六回目の転生でもきっと今までの様に元旦那様と出会い、そうして私は無残な死を迎えたのだろう。
うん、覚えていないだけで……。
そうして迎えた七回目の転生はまたしても平和な日本だった。
戦争のない……いや、確かに今でもこの世界の何処かで戦争は存在している。
ただ日本と言う国では70年前以上にあった大戦以降は平和を貫いていた。
それがどの様に難しい事なのかは、これまで繰り返した転生で十分過ぎる程理解をしている。
自分の思う通りの思想を言葉にでき、実行する自由がある。
確かに日本人全てが思い通りの人生を歩んでいるかと言えば、恐らく答えはNOだろう。
誰しも何らかの柵や制約は存在しているのだ。
中には社会より爪弾きにされ、不幸に囚われている人やまたその中でも勇気を振り絞り逞しく立ち向かう人もいる。
それでもだっっ。
大まかな国としての枠組みでしかないとしても、ここまで人権と平和を尊ぶ心をほぼ全ての国民が持っている国は他にはないだろう。
譬えひと時であったとしても王を志した人生を経験した私が思う理想の一つを、この国は現実に成し得ているのだから……。
そしてこの七回目の人生に於いての私のターニングポイントは23歳だった。
私は新人看護師としてまだまだ慣れない多くの仕事に日々忙殺していたのよね。
本当に学ぶ事は多く、また求められる事に一つでも答えたいと、忙しいながらも充実した日々を送っていたそんな頃――――。
私はまたまた再び出会ってしまったっっ。
勿論出会ったのは元旦那様……って、この展開も最早七回目ともなると感動……はない。
寧ろ絶望でしかない!!
そしてもうこれは呪いでしかないとさえ思ってもいるっっ。
何故なら元旦那様=バッドエンドだものね。
でもその絶望感ももう慣れっこ……いやいや慣れてどうする私!!
今回の私は看護師で、今度の元旦那様はやはりDr○並みの天才外科医ってドラマかっっ。
でも生憎ながら今の私の勤務先は内科病棟だからして、普通に考えれば外科とはあまり関係……なくもないか。
そう、患者さんがいる限り外科も内科も関係なく、求められればその場へ行き治療するのが仕事だものね。
あーあ、はてさて今回の私の寿命はあとどのくらいかしら。
自分の人生なのにどこか他所事?
いやいやもうバッドエンドは確定でしょ?
何故なら今現在私に過去の記憶があると言う事は、元旦那様と出逢った瞬間に戻っているのは最早御愛嬌。
流石に膨大な記憶量に一瞬眩暈を覚えたけれども、うんそれはそれでめっちゃ驚きはした。
でもだからと言って過去の様に職場放棄し、元旦那様の前より脱兎の如く逃げ出したりはしない。
そこはもう大人ですもの。
一社会人として、看護師として患者さんを置いて逃げ出す訳にはいかないでしょ。
しかしそうは言っても、まあ何もなかったかの様に、いやいや何も気が付いていない振りを全力で徹している現在進行形っっ。
一方元旦那様はと言えば何故か私へ何か言いたげな様子だけれども、そこは敢えてスルーをしています。
兎に角……そう何度も悲壮な最期を迎えるのはこちらとしても避けたい案件だったりする訳よ。
大体ごく普通に天寿を全うして迎える最期ならまだしも、毎回惨たらしく殺されたり、毒を呷るとか本当に――――ないわ!!
それにね、何故私が元旦那様と再会した瞬間に思い出さなくてもいい壮絶な過去を思い出し、そして無残に死んでいく理由を知りたい。
後それから……元旦那様ともう一人、雰囲気しかわからない女性だろうね。
何時も憎々しげに私を見て、憎しみで歪んだ表情で嘲笑いながら私を死へと導くもう死神としか思えない女性。
毎回元旦那様とは違い彼女の姿形は様々だけれど、でも彼女より発せられるであろう明らかな私への恨みとも思える雰囲気だけは間違えようもない。
そうして思う事は……。
過去に一体私は何をしたのだろう。
どうして私は元旦那様とあの女性に過去七回も再開したの?
それから後何回こんな不毛な転生を繰り返せば私は自由になるのだろう。
私から文句が言えるのであれば――――死ぬ為だけの人生なんて正直言ってご免被りたい。
一度でもいいからマトモな、幸せな人生を歩みたい!!
そうして悶々としながらも仕事で忙殺される日々を過ごして一ヶ月経った頃にその日はやってきた。
私の七回目の死刑執行のカウントダウンはついに始まったのだ!?
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