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第一話 もしかしなくてもここはとある異世界と言うものなのでしょうか??? 前篇
異世界生活始まります
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「お早う御座います、愛美様」
ん……眩しい。
朝、なの?
半覚せい状態の私の顔に眩し過ぎるお日様の光を感じたのと同時に、私の名を呼ぶ声で慌てて目を覚ます。
そして目が覚めて思うコト。
昨日のは夢じゃなかったんだ。
だって豪華で広々とした、ふかふかの寝台の中に私はいたのだから……。
まかり間違っても元の世界に存在している私の部屋のシングルサイズのベッドではない。
これはしっかり3人は寝れるくらいの広さだ。
そして私を起こしてくれたのは、昨日より私付きだと言う侍女のエイミー。
明るい茶色の髪に緑色の瞳をした綺麗な女性。
「お、お早う御座います、エイミー」
「イヤですよ愛美様、そんなに畏まらないで下さい」
「でも、エイミーは私より年上でしょう?」
「ええ、20歳です」
であるならば最低限敬語を使わないといけないやん。
「愛美様、幾ら年齢は上でも、私は貴女様の侍女なのですから敬語は不要ですよ」
「だけど……慣れません」
行き成りそう言われてもこっちは昨日まで一般ピープルだったのだから、それにはっきり言って帰り方さえわかったら、私はとっとと家に帰る身だもん。
変な癖は付けたくないよ。
「それよりも愛美様今日はどのお召し物にしましょうか?」
「どのって?」
私はベッドの上をもそもそしながらゆっくりと降りる。
そうしてふと考える。
お召し物ってつまり洋服だよね?
どの……と言われても私は制服しかないもん――――と思っていたらっっ!?
寝室の中にある衣裳部屋?
昨日は全く気がつかなかったっっ。
でもそれらしい扉をエイミーが勢いよく開けると、そこには色とりどりの見たコトもない綺麗なドレスや帽子と靴に下着等々が、所狭しと犇めき合う様にこれでもかという具合に入っている。
これに対して私は思わず質問してしまった。
うん、これはとても大事なコトよね。
「これ……誰のですか?」
「勿論愛美様のモノです」
「いえ、私こんなの持ってません」
「いえいえこれは公爵閣下より必要なモノとして揃えさせて頂きましたので、これは全て愛美様のモノに御座います」
「いやいやこれは如何みても多過ぎでしょう?」
「いいえ、こんなのはまだまだ少ないくらいですよ、それにこれは当座に必要なモノだけです」
「そ、そんなぁ」
「女性は美しく着飾るモノですよ、それとも愛美様はお洒落がお嫌いですか?」
「いいえ好きとか嫌いではなくてですね、何というか一般庶民には荷が重いと言いいますか、まぁはっきり言ってそんなモノです。それにここへは長居するつもりなんて本当にないんです。そしてですね、今頃きっと家族や友人は心配してるでしょうし、私も元の世界へ早く帰りたいんです」
そう一応私も女の子だ、断じてお洒落が嫌いなのではない。
ただ訳がわからなくて、自分の置かれている状況もはっきりわからなくて、兎に角安心出来るホームグラウンドでもある元の世界早くへ帰りたいだけなのだ。
な~んて悶々と私が考えている間に、エイミーは自分のチョイスした真っ青なドレスに共布で作られたリボンをポニーテールにした所へ結んでくれていた。
はぁとどのつまり、あれよあれよと言う間に、私はお着替えさせられてしまったという訳です。
そしてただ今食堂へと来ています。
しかしここでもそのぉ広くてね、映画とかに出てきそうなお貴族様ん家の長いテーブルに私が1人、ポツンと座る。
まーったく日本の家では有り得ない。
そこにお箸なんてモノは存在せず、当然ナイフとフォークの世界だ。
一応マナーは学校でも習っているから困らないけど、でもお箸……恋しいな。
だけど昨夜はめっちゃ疲れていたんだろうね。
あれからエイミーが手伝うっていうのを何とか丁重にお断りしてやっとこさお風呂に入って、その頃には食事をする元気もなかったものだから、軽くジュースとサンドウィッチを何とか胃に収めた。
そう、だからして朝になったからと言って元気になる訳でもない。
状況は何一つ変わりがないのだ。
目の前の広くて大きなテーブルには、何処かの美味しいホテルの朝御飯並みに色んなパンやお料理が出てくるけれど、この状況では非常に食べ難い。
何故って、たった1人だけの食事に大量の料理、そしてエイミーを含めて給仕に付いてくれる人が6人くらいいるんだよっっ!!
お1人様でご飯――――と言うのも一種の拷問かって思ったけれど、じーっと見られて食べるのはもっと拷問だ。
さっき食べたパンは一体何処を通って(勿論私の口からだけれど)胃へと辿り着いたのかさえわからない。
美味しそうなお料理ばかりなのに、1人で食べるのってこんなに味気ないものだったんだ。
日本で、我が家での食事はお昼ご飯以外何時も家族と一緒だった。
それが当然で当たり前の日常だったのに……。
まだたった1日なのに、何時もの日常が恋しくて堪らない。
そんな寂しいお食事が終わったら、今度はこの国の礼儀作法の勉強ときました。
し・か・もっ、和の国、日本人にダンスだよダンス!!
泥鰌掬い……なんてコトはしないけれど、だけどワルツなんてモノはもっとしないしそして踊れないっっ!!
不思議と言葉はスムーズに話せるけれど、文字は物語で見たルーン文字っぽい。
当然書けませんよ。
歩き方から細かい仕草に至るまで、沢山の先生に付いて毎日厳しいレッスンが始まりました。
流石に勉強をしている間はホームシックに悩まされるコトはなかった。
夕方になってクタクタになるまで勉強をし、1人で食事をしてお風呂に入って……寝る。
そして偶に何度かこの館の主人である公爵について聞いてみた。
だってこんなにお世話になっているというのに、お礼の一つも言えていないのが気になっていたから。
ただあの人、私のコトペットか拾いモノみたいにしか思ってなさ気……だけど。
まぁ公爵は物凄く忙しい人らしいから、それに館もここだけではないらしい。
即ち滅多に会えない……とのコトである。
あれから何だかんだと言ってドラゴンさん達にも会えていないし是非とも会いたい、だけどカルロスさんから公爵にこの館より出る許可を貰っていないと言われてしまったので、一応今は大人しくしている。
そうしてあれからもう、ここへきて早くも1ヶ月が経とうとしていた。
ん……眩しい。
朝、なの?
半覚せい状態の私の顔に眩し過ぎるお日様の光を感じたのと同時に、私の名を呼ぶ声で慌てて目を覚ます。
そして目が覚めて思うコト。
昨日のは夢じゃなかったんだ。
だって豪華で広々とした、ふかふかの寝台の中に私はいたのだから……。
まかり間違っても元の世界に存在している私の部屋のシングルサイズのベッドではない。
これはしっかり3人は寝れるくらいの広さだ。
そして私を起こしてくれたのは、昨日より私付きだと言う侍女のエイミー。
明るい茶色の髪に緑色の瞳をした綺麗な女性。
「お、お早う御座います、エイミー」
「イヤですよ愛美様、そんなに畏まらないで下さい」
「でも、エイミーは私より年上でしょう?」
「ええ、20歳です」
であるならば最低限敬語を使わないといけないやん。
「愛美様、幾ら年齢は上でも、私は貴女様の侍女なのですから敬語は不要ですよ」
「だけど……慣れません」
行き成りそう言われてもこっちは昨日まで一般ピープルだったのだから、それにはっきり言って帰り方さえわかったら、私はとっとと家に帰る身だもん。
変な癖は付けたくないよ。
「それよりも愛美様今日はどのお召し物にしましょうか?」
「どのって?」
私はベッドの上をもそもそしながらゆっくりと降りる。
そうしてふと考える。
お召し物ってつまり洋服だよね?
どの……と言われても私は制服しかないもん――――と思っていたらっっ!?
寝室の中にある衣裳部屋?
昨日は全く気がつかなかったっっ。
でもそれらしい扉をエイミーが勢いよく開けると、そこには色とりどりの見たコトもない綺麗なドレスや帽子と靴に下着等々が、所狭しと犇めき合う様にこれでもかという具合に入っている。
これに対して私は思わず質問してしまった。
うん、これはとても大事なコトよね。
「これ……誰のですか?」
「勿論愛美様のモノです」
「いえ、私こんなの持ってません」
「いえいえこれは公爵閣下より必要なモノとして揃えさせて頂きましたので、これは全て愛美様のモノに御座います」
「いやいやこれは如何みても多過ぎでしょう?」
「いいえ、こんなのはまだまだ少ないくらいですよ、それにこれは当座に必要なモノだけです」
「そ、そんなぁ」
「女性は美しく着飾るモノですよ、それとも愛美様はお洒落がお嫌いですか?」
「いいえ好きとか嫌いではなくてですね、何というか一般庶民には荷が重いと言いいますか、まぁはっきり言ってそんなモノです。それにここへは長居するつもりなんて本当にないんです。そしてですね、今頃きっと家族や友人は心配してるでしょうし、私も元の世界へ早く帰りたいんです」
そう一応私も女の子だ、断じてお洒落が嫌いなのではない。
ただ訳がわからなくて、自分の置かれている状況もはっきりわからなくて、兎に角安心出来るホームグラウンドでもある元の世界早くへ帰りたいだけなのだ。
な~んて悶々と私が考えている間に、エイミーは自分のチョイスした真っ青なドレスに共布で作られたリボンをポニーテールにした所へ結んでくれていた。
はぁとどのつまり、あれよあれよと言う間に、私はお着替えさせられてしまったという訳です。
そしてただ今食堂へと来ています。
しかしここでもそのぉ広くてね、映画とかに出てきそうなお貴族様ん家の長いテーブルに私が1人、ポツンと座る。
まーったく日本の家では有り得ない。
そこにお箸なんてモノは存在せず、当然ナイフとフォークの世界だ。
一応マナーは学校でも習っているから困らないけど、でもお箸……恋しいな。
だけど昨夜はめっちゃ疲れていたんだろうね。
あれからエイミーが手伝うっていうのを何とか丁重にお断りしてやっとこさお風呂に入って、その頃には食事をする元気もなかったものだから、軽くジュースとサンドウィッチを何とか胃に収めた。
そう、だからして朝になったからと言って元気になる訳でもない。
状況は何一つ変わりがないのだ。
目の前の広くて大きなテーブルには、何処かの美味しいホテルの朝御飯並みに色んなパンやお料理が出てくるけれど、この状況では非常に食べ難い。
何故って、たった1人だけの食事に大量の料理、そしてエイミーを含めて給仕に付いてくれる人が6人くらいいるんだよっっ!!
お1人様でご飯――――と言うのも一種の拷問かって思ったけれど、じーっと見られて食べるのはもっと拷問だ。
さっき食べたパンは一体何処を通って(勿論私の口からだけれど)胃へと辿り着いたのかさえわからない。
美味しそうなお料理ばかりなのに、1人で食べるのってこんなに味気ないものだったんだ。
日本で、我が家での食事はお昼ご飯以外何時も家族と一緒だった。
それが当然で当たり前の日常だったのに……。
まだたった1日なのに、何時もの日常が恋しくて堪らない。
そんな寂しいお食事が終わったら、今度はこの国の礼儀作法の勉強ときました。
し・か・もっ、和の国、日本人にダンスだよダンス!!
泥鰌掬い……なんてコトはしないけれど、だけどワルツなんてモノはもっとしないしそして踊れないっっ!!
不思議と言葉はスムーズに話せるけれど、文字は物語で見たルーン文字っぽい。
当然書けませんよ。
歩き方から細かい仕草に至るまで、沢山の先生に付いて毎日厳しいレッスンが始まりました。
流石に勉強をしている間はホームシックに悩まされるコトはなかった。
夕方になってクタクタになるまで勉強をし、1人で食事をしてお風呂に入って……寝る。
そして偶に何度かこの館の主人である公爵について聞いてみた。
だってこんなにお世話になっているというのに、お礼の一つも言えていないのが気になっていたから。
ただあの人、私のコトペットか拾いモノみたいにしか思ってなさ気……だけど。
まぁ公爵は物凄く忙しい人らしいから、それに館もここだけではないらしい。
即ち滅多に会えない……とのコトである。
あれから何だかんだと言ってドラゴンさん達にも会えていないし是非とも会いたい、だけどカルロスさんから公爵にこの館より出る許可を貰っていないと言われてしまったので、一応今は大人しくしている。
そうしてあれからもう、ここへきて早くも1ヶ月が経とうとしていた。
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