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謁見
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アレクの言葉通り30分程で城へとついた。
ザワザワバタバタと慌ただしい音が馬車の外から聞こえてくる
先に降りたアレクさんの声が聞こえ、扉を開ける
「失礼致します。
準備が整いましたので、お手をどうぞ」
「あ、ありがとうございます‥!」
アレクさんの手を取り、ゆっくり馬車から降りるとレッドカーペットがひかれ左右にはメイドや執事、第3騎士団の皆さんがズラリと並んでいて驚き息が一瞬とまる
「足元にお気をつけ下さい。」
「は、はい。」
緊張感から震える手足、アレクがいなければ三咲はロボットのように手足が一緒に動くかそのまま倒れてしまっただろう。
アレクに誘導されるまま、歩くと大きな扉がある部屋へと着いた
「こちらが王の間です。中には国王と王子がいらっしゃいます。
いくつか質問されるかと思いますが、ゆっくり焦らずに答えれば大丈夫です。」
三咲を安心させるように、ゆっくりと話す
「アレクさんは一緒に入りますか?」
「はい、報告がありますから。
ですが、少し後ろに下がっていなければなりません。」
「そう、ですか」
せめて隣にいてくれればまだもう少し安心できたのに、と思いながら扉を見つめる
「どうしても不安なら、コレを」
三咲の右手に青い石のついた金ブレスレットをつける
「これは?」
「私のお守りです。これがあれば何も怖くありませんよ」
壊れ物を扱うように、優しくブレスレットを撫でるアレク。
おそらくアレクにとって凄く大切な物だろうに、会ってまだ間もない私を安心させる為に貸してくれるなんて。
アレクの優しさに涙が出そうになるが、これ以上心配かけないように笑う
「アレクさん、ありがとうございます!
なんだが急に元気になりました!」
「良かった、では行きましょうか」
アレクは扉の前にいた門兵に合図を送る
ギギギ、と重厚感のある大きな扉が鈍い音を立てながら開く
「第3騎士団団長、アレク・エドワーズ様と本日召喚されました第3花嫁候補様が御入場です!!」
門兵のよく通る大きな声に驚きながらも、ゆっくりと前に進む
「よくぞこの国に参られた花嫁候補殿。
月の神ルクアの名の下、其方を歓迎する。
名を名乗るがいい。」
「ありがとうございます、国王様。
私坂田三咲と申します、三咲が名前になります」
ゆっくりと頭を下げる。
「第3騎士団団長アレク、報告を。」
「はっ!!信託通り、城から北東の位置にある森に召喚されました。
黒髪黒目の女性であり右手の甲に月の神ルクア様の印をお持ちです。」
「神官殿」
「はい」
白い髭を蓄えた優しそうなお爺さんが三咲の右手をじっくりと見る
「間違いなく、これは月の神ルクア様の印でございます。そして満月でございます」
「そうか‥、ミサキ嬢其方には私の息子ウィルの花嫁候補としてこの城に滞在してもらう。
滞在期間中は何をしようと構わない、叶えられる範囲でこちらも協力しよう。
ただし、週に一度王子との面会がある。余程の理由がない限り出席するように。」
キラキラと輝く金髪に、アレクさんとは異なる深海のような濃い青の瞳を持つウィルと呼ばれた男は美しく凛々しい顔立ちをしていた。
一瞬視線が合った気がしたが、無表情でどこかを見つめる姿に違和感を感じた。
「はい!」
「其方の護衛役として第3騎士団団長アレクをつける。部屋は北東にある離れを使うが良い」
「はっ、仰せつかりました!」
「ありがとうございます」
2人で頭を下げて、王の間を後にする
「ミサキ様、お疲れ様でした。
お部屋にご案内いたします」
「はい、よろしくお願いします」
ザワザワバタバタと慌ただしい音が馬車の外から聞こえてくる
先に降りたアレクさんの声が聞こえ、扉を開ける
「失礼致します。
準備が整いましたので、お手をどうぞ」
「あ、ありがとうございます‥!」
アレクさんの手を取り、ゆっくり馬車から降りるとレッドカーペットがひかれ左右にはメイドや執事、第3騎士団の皆さんがズラリと並んでいて驚き息が一瞬とまる
「足元にお気をつけ下さい。」
「は、はい。」
緊張感から震える手足、アレクがいなければ三咲はロボットのように手足が一緒に動くかそのまま倒れてしまっただろう。
アレクに誘導されるまま、歩くと大きな扉がある部屋へと着いた
「こちらが王の間です。中には国王と王子がいらっしゃいます。
いくつか質問されるかと思いますが、ゆっくり焦らずに答えれば大丈夫です。」
三咲を安心させるように、ゆっくりと話す
「アレクさんは一緒に入りますか?」
「はい、報告がありますから。
ですが、少し後ろに下がっていなければなりません。」
「そう、ですか」
せめて隣にいてくれればまだもう少し安心できたのに、と思いながら扉を見つめる
「どうしても不安なら、コレを」
三咲の右手に青い石のついた金ブレスレットをつける
「これは?」
「私のお守りです。これがあれば何も怖くありませんよ」
壊れ物を扱うように、優しくブレスレットを撫でるアレク。
おそらくアレクにとって凄く大切な物だろうに、会ってまだ間もない私を安心させる為に貸してくれるなんて。
アレクの優しさに涙が出そうになるが、これ以上心配かけないように笑う
「アレクさん、ありがとうございます!
なんだが急に元気になりました!」
「良かった、では行きましょうか」
アレクは扉の前にいた門兵に合図を送る
ギギギ、と重厚感のある大きな扉が鈍い音を立てながら開く
「第3騎士団団長、アレク・エドワーズ様と本日召喚されました第3花嫁候補様が御入場です!!」
門兵のよく通る大きな声に驚きながらも、ゆっくりと前に進む
「よくぞこの国に参られた花嫁候補殿。
月の神ルクアの名の下、其方を歓迎する。
名を名乗るがいい。」
「ありがとうございます、国王様。
私坂田三咲と申します、三咲が名前になります」
ゆっくりと頭を下げる。
「第3騎士団団長アレク、報告を。」
「はっ!!信託通り、城から北東の位置にある森に召喚されました。
黒髪黒目の女性であり右手の甲に月の神ルクア様の印をお持ちです。」
「神官殿」
「はい」
白い髭を蓄えた優しそうなお爺さんが三咲の右手をじっくりと見る
「間違いなく、これは月の神ルクア様の印でございます。そして満月でございます」
「そうか‥、ミサキ嬢其方には私の息子ウィルの花嫁候補としてこの城に滞在してもらう。
滞在期間中は何をしようと構わない、叶えられる範囲でこちらも協力しよう。
ただし、週に一度王子との面会がある。余程の理由がない限り出席するように。」
キラキラと輝く金髪に、アレクさんとは異なる深海のような濃い青の瞳を持つウィルと呼ばれた男は美しく凛々しい顔立ちをしていた。
一瞬視線が合った気がしたが、無表情でどこかを見つめる姿に違和感を感じた。
「はい!」
「其方の護衛役として第3騎士団団長アレクをつける。部屋は北東にある離れを使うが良い」
「はっ、仰せつかりました!」
「ありがとうございます」
2人で頭を下げて、王の間を後にする
「ミサキ様、お疲れ様でした。
お部屋にご案内いたします」
「はい、よろしくお願いします」
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