上 下
37 / 39
4人が新婚旅行で異世界に行くようです

俺達は異世界デルピュネーに行った。

しおりを挟む
「紫殿ー先に行くぞー」
可憐が言う。
「待って待って」
俺は言った。
俺、紫は新婚旅行の真っ只中だ。
「あーしかしなんで新婚旅行がモンスター退治なんだよ」
俺。
「いいじゃろ、一掃しろと頼まれたんじゃから」
姫。
「とりあえず、スライム退治、いこうぜー」
翠。
「わくわく」
桜。
俺達は、この世界のスライム掃除に駆り出された。
といっても、スライムはいくら頑張ってもでてくるので、一種の清掃作業な訳だが…。
「あー疲れる」
俺は体中をねちゃねちゃさせながら、言った。
「いいから、次いくぞよー」
一方の可憐は、汚れひとつついていない。
俺、凡人。
相棒、チート。
そんな旅が続く。
この新婚旅行も、半年たち、春から夏へ、夏から秋になった。
「てやっ!ドーンシルフィード!!」
翠が、疾風のような蹴りを食らわす。
「ぐぎゃー」
コボルトが倒れた。
俺はロングソード片手に、敵を切り刻んでいく。
血しぶきが辺りを舞った。
「スライム以外のモンスターも、わんさかでてくるな」
俺。
まさに、ほっといても汚れる部屋の埃の如く。
まあ、きれいすぎる部屋より、若干汚い部屋の方が、人間長生きするものらしいが…。
宝箱を開けた。
薬草が入っていた。
「これで、ラーメン作るぞよ!」
姫が言う。
まあ、姫が幸せそうだから、まあいいか。



俺達は、草原の真ん中で、テントを立てた。
「さて、馬を休ませるぞ」
姫が言う。
「そうだな」
俺。
「うむ。ラーメンおいしい」
姫が言う。
俺達はラーメンが好きだ。
地平線をみながら、ラーメンを食べる。
「さて、寝るか」
姫が言った。
俺と姫達は寝る。
ラーメンの残り香がした。
しおりを挟む

処理中です...