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2016年9月のごはん。

わらわと紫はパンを作りまくったのじゃ!

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俺達はオーブンをみた。
「オーブンの説明書通りにやっても効果がないのう」
姫が言う。
「とりあえず、色々試行錯誤しましょう」
紫が言った。
ふたりは、近所のアイスクリーム屋さんに言った。
「おいしいのう」
姫は食べる。
「ああ」
俺はアイスクリームを食べた。
「しかしのう、パンのこね不足が原因かのう」
姫はまだパンについて悩んでいるようだ。
「発酵不足かも」
俺は言う。
「イースト菌を入れすぎじゃったかのう」
姫が悩む。
「いつもスコーンみたいなさくさくパンになりますよね」
紫は言った。
「百戦百勝の我をここまで悩ますとは……げにおそろしきパンじゃ」
姫が言う。
「そうだな」
俺は言った。
俺達はスーパーの、パン屋さんに行った。
「ふわふわのパン……」
姫が羨ましそうにみる。
「ひとつ買うか?」
俺は言った。
「うん」
姫は頷く。
買ったのはふわふわさくさくのバターロール。
「おいしいのう」
姫はご満悦だ。
「うん」
紫。
俺達は昼、スパゲッティを食べた。
「しかし、なぜにふわふわのパンができぬの
か」
「主、そればっかりだな」
紫は言う。
「がははは」
隣の部屋から葵が大爆笑する声が聞こえた。
「どうした?」
俺は聞く。
「みろよこのBLゲーム。すごい顎尖ってるぜ!」
葵が意味不明な事を言う。
「はぁ…」
姫が言った。
「男の癖にそんなものをやるなよ」
紫は表紙を、みる。
「………なにこの絵柄」
顎が突き刺さった男の絵があった。
「学園ハンサムだよ!学園ハンサム!まだやってないけど」
「はぁ……」
意味が不明だ。
俺と姫は今度は発酵の手順まで正確にオーブンの説明書通りに作ってみることにした。
「ていや」
「とう」
「はっ!」
姫がパン生地を200回以上叩きつける。
「お、こんどは生地が薄い膜みたいになった
ぞ」
俺は生地を伸ばしながらいった。
「発酵を40分してみるのじゃ」
姫は言う。
オーブンで一次発酵を40分した。
「次こそは成功せんかのう」
「ああ、ちゃんと材料を図ったからな。」
「あんこパン食べたいのう、あんこパン…」
姫は悩む。
一次発酵してみたが、生地はあまり膨らまなかった。
「しかしフィンガーテストをしても穴は萎まないのう」
姫は言う。
生地を七分割して、ベンチタイムをとる。
「様子はどうだ?」
翠がカプリコ片手にやってきた。
「お、まだわからないぞ」
紫が言う。 
「なんで固いパンしかできないんだろうな」
翠が言う。
「パンは繊細ない生き物よのう……」
姫が言う。
「これでもう七回目だぞ」
翠が言う。
「いままでのパンはすべて固かった」
姫。
「七転び八起きになるかのう」
「わからんな」
紫。



完成したパンがオーブンから出てきた。
「見た目はよさそうじゃが……」
姫が言う。
「食べてみるか」
紫が言う。
食べた。
「お~」
姫が感激する。
「ふわふわパンじゃ~」
姫。
「よかった」
紫が言う。
ふわふわのアンパンが完成した。
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