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第21話 異世界テンプレをかわしましょう
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「こちらが商業ギルド、隣が冒険者ギルドになります。」
結局案内してもらうことにした。
なにも知らない異世界人が一人でうろつくよりも、大商会の一族が付いて来てくれた方が問題が起こらないかと思ったのだ。
思ったのだ。
でも起きたのだ。
『異世界人の一人歩き<冒険者ギルドに女連れで行く』
テンプレにも序列があるらしい。
俺がどっちに入ろうかほんの少し迷ってる隙に、
「やめてください。」
建物に入る前から絡まれてら・・・
絡んでるのは当然のように『ハゲ』『ヒゲ』『筋肉』のムサイおっさんら3人組だ。
冒険者ギルド前に居て、革鎧に斧や槌、槍で武装しているところを見ると冒険者なんだろうが、自分の職場前で人に絡むなんて普通の神経してたらできないよな。
おっさんらを横目に商人ギルドに入る。
「え?」
お嬢さんは迷惑そうな顔の上に驚きの表情を浮かべる。
どうやら俺が助けてくれると思っていたらしい。
商人ギルドに入ると俺は、
「ギルドの登録についてお伺いしたいんですが。
あと、表でババンガ商会のお嬢さんが冒険者らしき輩に絡まれてますが、衛兵とか呼んだ方がいいんじゃないですか?」
俺の言葉に慌てて職員らしき男の人が裏口から駆け出していく。
「普通はあなたが助けに入るか、少なくとも登録の件より先に伝えてしかるべきでは?」
受付のお姉さんがジト目でこちらに話しかけてくる。
「すいませんね。」
これから所属するかもしれない団体の職員さんだ、誤解は解いておいた方が良いだろう。
「この街のルールが解らない新参者なもんで。
助けておっさん等をやっつけたら傷害罪やら暴行罪で捕まるのも嫌ですし、無いとは思いますがあのおっさん等が有力者だったりすると面倒ですし、ありえませんが、俺が負けたらどうするんですか?命の保証や怪我の治療費は誰か負担してくれるんですか?
それにどこの誰ともわからない人の証言では信じてもらえないかもしれないと思って、少なくともギルドに所属しようとしている嘘を言ったら損になる人間の証言ということを現したくての順番だったのですけど。」
「・・・・」
ジト目が増殖しました。
カウンターいっぱいのジト目です。
解せぬ。
「登録ができたら買い取ってほしい物もあるんですけど、お話も聞かせてもらえないんでしょうか?」
「どうして冷静でいられるんですか?お連れ様ではないのですか?」
「だっておっさんらはもう捕まってますよ?」
「えっ?!」
気配察知レベル4は伊達じゃないんだな。
大商会の関係者の一大事とあって、呼びに行った職員さんも衛兵さんも大分頑張ったようだ。
すでに十数人の衛兵らしき揃いの鎧を着た兵士っぽい人におっさん等は組み伏せられていた。
結局案内してもらうことにした。
なにも知らない異世界人が一人でうろつくよりも、大商会の一族が付いて来てくれた方が問題が起こらないかと思ったのだ。
思ったのだ。
でも起きたのだ。
『異世界人の一人歩き<冒険者ギルドに女連れで行く』
テンプレにも序列があるらしい。
俺がどっちに入ろうかほんの少し迷ってる隙に、
「やめてください。」
建物に入る前から絡まれてら・・・
絡んでるのは当然のように『ハゲ』『ヒゲ』『筋肉』のムサイおっさんら3人組だ。
冒険者ギルド前に居て、革鎧に斧や槌、槍で武装しているところを見ると冒険者なんだろうが、自分の職場前で人に絡むなんて普通の神経してたらできないよな。
おっさんらを横目に商人ギルドに入る。
「え?」
お嬢さんは迷惑そうな顔の上に驚きの表情を浮かべる。
どうやら俺が助けてくれると思っていたらしい。
商人ギルドに入ると俺は、
「ギルドの登録についてお伺いしたいんですが。
あと、表でババンガ商会のお嬢さんが冒険者らしき輩に絡まれてますが、衛兵とか呼んだ方がいいんじゃないですか?」
俺の言葉に慌てて職員らしき男の人が裏口から駆け出していく。
「普通はあなたが助けに入るか、少なくとも登録の件より先に伝えてしかるべきでは?」
受付のお姉さんがジト目でこちらに話しかけてくる。
「すいませんね。」
これから所属するかもしれない団体の職員さんだ、誤解は解いておいた方が良いだろう。
「この街のルールが解らない新参者なもんで。
助けておっさん等をやっつけたら傷害罪やら暴行罪で捕まるのも嫌ですし、無いとは思いますがあのおっさん等が有力者だったりすると面倒ですし、ありえませんが、俺が負けたらどうするんですか?命の保証や怪我の治療費は誰か負担してくれるんですか?
それにどこの誰ともわからない人の証言では信じてもらえないかもしれないと思って、少なくともギルドに所属しようとしている嘘を言ったら損になる人間の証言ということを現したくての順番だったのですけど。」
「・・・・」
ジト目が増殖しました。
カウンターいっぱいのジト目です。
解せぬ。
「登録ができたら買い取ってほしい物もあるんですけど、お話も聞かせてもらえないんでしょうか?」
「どうして冷静でいられるんですか?お連れ様ではないのですか?」
「だっておっさんらはもう捕まってますよ?」
「えっ?!」
気配察知レベル4は伊達じゃないんだな。
大商会の関係者の一大事とあって、呼びに行った職員さんも衛兵さんも大分頑張ったようだ。
すでに十数人の衛兵らしき揃いの鎧を着た兵士っぽい人におっさん等は組み伏せられていた。
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