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文化祭!ダンジョンダンジョンダンジョン!の巻
第187話 騒がしい人たちが来ました
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「ゆ~かちゃんの執事……鼻血でそう。お嬢様扱いされたら召される」
「うわー、蓮くん美人! さすが!」
早速私を拝み始める瑠璃さんに、蓮の女装メイドに感動してるモブさん。うん、大体予想通りの反応かな。
「こんにちはー! 今整理券配ってるんです。空いてるのは11時45分からの回以降なんですけど」
「ママさんから聞いてます。満員御礼なんだってね。じゃあ12時の回で整理券ください。藤堂さんも来るんだけど、ちょっと遅れてて先に整理券だけ確保しておくって連絡しておいたの」
「これ1枚で1席4人までです。お時間5分過ぎてもいらっしゃらない場合はキャンセルにさせていただきます」
蓮がいつも通りの説明をして12時の回の整理券を渡すと、モブさんが整理券を受け取って固まっていた。
「……わかってたけど、美人なのに声が低いなって驚いてしまった……。蓮くんだから当たり前なんだけど!」
「……裏声だったら余計ヤバくないっすか」
私が初めて見たときと同じ感想だー! 蓮って地声が低いから、女装してて喋るとびっくりするんだよね。
「あー、わかりますわかります。私も最初見たとき同じ事言いましたもん。聖弥くんが最初は雑女装だったから蓮だけクオリティ違って、美人過ぎて引きました」
「わー、褒められてるのか貶されてるのかわかんねえ」
「褒めてるんだよ! 私が美人とかイケメンとか言ったらそれは全部褒め言葉だからね!」
「おまえの場合褒め言葉に聞こえないんだよな、一言余分に付いてるから」
「もう、そんなの今更じゃん! 蓮の顔はいつも褒めてるでしょ」
「ほんと顔だけな!」
私と蓮がいつものジャブの応酬をしていたら、瑠璃さんとモブさんがぬるい眼差しを私たちに注いでいる。そして瑠璃さんがこそっとモブさんに耳打ちを……聞こえてるんだけどね。
「ね、電車の中でもこういう感じでしたよ。デート? って言っちゃった私の気持ちわかるでしょ」
「わかるわかるー。あ、私推しに彼女ができても動揺しないタイプだから。なんなら、変な不祥事起こす前にさっさと身を固めて安心させて欲しい位に思ってる」
「変な不祥事ってなんですか……もー」
既に体育祭でも会ってるから、蓮はモブさんには意外と気楽に話すね。
「いや、あるんですよ? 彼女と半裸で自撮りしてたのが流出しちゃって舞台降板したりとか……あの時は友達が推してた子だったから、泣きはらした目でバスツアーに行って『もう推せないってお別れしてきた』とか言ってて地獄み凄かった……」
「あ、その話ママからも聞いたかもしれません。ママもX‘sのフォロー解除したとか言ってた。2年くらい前だったかな」
「そうそうそう! 役と本人の中身を一緒に考えちゃ駄目だけど、女性関係のスキャンダルって結構ダメージでっかいからね。あ、でも蓮くんとゆ~かちゃんなら応援します。SE-RENファンはね、本当にゆ~かちゃんには感謝してるの」
「いや……あの……うーん、すいません、後ろに人来ちゃったから避けてください」
蓮は困った様に口ごもり、私の手から整理券を取ってモブさんたちの後ろに並んだ人に配りに行った。
「ゆ~かちゃんと写真撮るのは12時からかー。あ、体触らないでくださいって書いてある! くっついて取らせてもらおうと思ってたのにー」
瑠璃さんが張り紙を見て絶望した様にガラスにべたんと張り付いた。そんな、そこまで落ち込まなくても!
「瑠璃さんだったらいいですよ。昨日男子で凄く可愛くなっちゃった人が他の学校の男子に絡まれたから、一応お触り禁止ってなってるけど。私は相手が女の人だったら、肩組んでも腕に抱きついてもOK出します」
さすがに男性相手にはしないけど、私と写真撮りたがるのは大体女子だからね。昨日ひとりだけ男性がいたかな。
「マイエンジェル! 愛してる! 気合い入れてメイクしてきて良かったー!」
また私を拝み始める瑠璃さん。なんかもう見慣れてきたな……。
モブさんと瑠璃さんは、藤堂さんが来るまで他のところを見てくると言って去って行った。ちょうど教室から浦和くんが出てきて交代してくれると言うから、私と蓮は一段落した整理券配りをやめて教室の中に戻る。
「柚香、その、さっきの話さ」
バッグヤードに入りかけたとき、蓮が小さい声で呟いたので思わず足を止める。
「さっきの話し?」
「モブさんが言ってた不祥事の話……どう思った?」
「あー……人気仕事は大変だなーって。ママはその写真絶対私には見せなかったけど、絶叫してたし1週間くらい愚痴ってたよ。だからさすがに覚えてる」
「げっ、果穂さんがそんなに愚痴ってたのか。相当ヤバかったんだな」
「私は顔は知ってたけど別に興味なかったからなんとも思わなかったけど」
「……俳優の彼女って、やっぱり辛いのかな」
「どうだろう? 公表してないだけで付き合ってる人はたくさんいるだろうし、意外に彼女の方も『ふたりだけの秘密』って楽しんでたりするのかもしれないよ」
「おまえ……ポジティブ……サンキュ、ちょっと元気出たわ」
「えっ、もしかして蓮、彼女いるの!?」
数ヶ月死ぬほど忙しかった姿しか見てないんですが!? もし彼女いたとしたら不憫すぎない!?
「いない、いないよ! てか、聖弥の次におまえが一番知ってるだろ!?」
「いやいや、わかるわけないじゃん、前の学校の子と付き合ってたりしたら」
「いないって言ってんだろ! いません! 終了!」
何故か蓮はちょっと怒ってバックヤードの奥に入っていった。
あれ? 私なにか怒られる様なこと言ったかな?
「うわー、蓮くん美人! さすが!」
早速私を拝み始める瑠璃さんに、蓮の女装メイドに感動してるモブさん。うん、大体予想通りの反応かな。
「こんにちはー! 今整理券配ってるんです。空いてるのは11時45分からの回以降なんですけど」
「ママさんから聞いてます。満員御礼なんだってね。じゃあ12時の回で整理券ください。藤堂さんも来るんだけど、ちょっと遅れてて先に整理券だけ確保しておくって連絡しておいたの」
「これ1枚で1席4人までです。お時間5分過ぎてもいらっしゃらない場合はキャンセルにさせていただきます」
蓮がいつも通りの説明をして12時の回の整理券を渡すと、モブさんが整理券を受け取って固まっていた。
「……わかってたけど、美人なのに声が低いなって驚いてしまった……。蓮くんだから当たり前なんだけど!」
「……裏声だったら余計ヤバくないっすか」
私が初めて見たときと同じ感想だー! 蓮って地声が低いから、女装してて喋るとびっくりするんだよね。
「あー、わかりますわかります。私も最初見たとき同じ事言いましたもん。聖弥くんが最初は雑女装だったから蓮だけクオリティ違って、美人過ぎて引きました」
「わー、褒められてるのか貶されてるのかわかんねえ」
「褒めてるんだよ! 私が美人とかイケメンとか言ったらそれは全部褒め言葉だからね!」
「おまえの場合褒め言葉に聞こえないんだよな、一言余分に付いてるから」
「もう、そんなの今更じゃん! 蓮の顔はいつも褒めてるでしょ」
「ほんと顔だけな!」
私と蓮がいつものジャブの応酬をしていたら、瑠璃さんとモブさんがぬるい眼差しを私たちに注いでいる。そして瑠璃さんがこそっとモブさんに耳打ちを……聞こえてるんだけどね。
「ね、電車の中でもこういう感じでしたよ。デート? って言っちゃった私の気持ちわかるでしょ」
「わかるわかるー。あ、私推しに彼女ができても動揺しないタイプだから。なんなら、変な不祥事起こす前にさっさと身を固めて安心させて欲しい位に思ってる」
「変な不祥事ってなんですか……もー」
既に体育祭でも会ってるから、蓮はモブさんには意外と気楽に話すね。
「いや、あるんですよ? 彼女と半裸で自撮りしてたのが流出しちゃって舞台降板したりとか……あの時は友達が推してた子だったから、泣きはらした目でバスツアーに行って『もう推せないってお別れしてきた』とか言ってて地獄み凄かった……」
「あ、その話ママからも聞いたかもしれません。ママもX‘sのフォロー解除したとか言ってた。2年くらい前だったかな」
「そうそうそう! 役と本人の中身を一緒に考えちゃ駄目だけど、女性関係のスキャンダルって結構ダメージでっかいからね。あ、でも蓮くんとゆ~かちゃんなら応援します。SE-RENファンはね、本当にゆ~かちゃんには感謝してるの」
「いや……あの……うーん、すいません、後ろに人来ちゃったから避けてください」
蓮は困った様に口ごもり、私の手から整理券を取ってモブさんたちの後ろに並んだ人に配りに行った。
「ゆ~かちゃんと写真撮るのは12時からかー。あ、体触らないでくださいって書いてある! くっついて取らせてもらおうと思ってたのにー」
瑠璃さんが張り紙を見て絶望した様にガラスにべたんと張り付いた。そんな、そこまで落ち込まなくても!
「瑠璃さんだったらいいですよ。昨日男子で凄く可愛くなっちゃった人が他の学校の男子に絡まれたから、一応お触り禁止ってなってるけど。私は相手が女の人だったら、肩組んでも腕に抱きついてもOK出します」
さすがに男性相手にはしないけど、私と写真撮りたがるのは大体女子だからね。昨日ひとりだけ男性がいたかな。
「マイエンジェル! 愛してる! 気合い入れてメイクしてきて良かったー!」
また私を拝み始める瑠璃さん。なんかもう見慣れてきたな……。
モブさんと瑠璃さんは、藤堂さんが来るまで他のところを見てくると言って去って行った。ちょうど教室から浦和くんが出てきて交代してくれると言うから、私と蓮は一段落した整理券配りをやめて教室の中に戻る。
「柚香、その、さっきの話さ」
バッグヤードに入りかけたとき、蓮が小さい声で呟いたので思わず足を止める。
「さっきの話し?」
「モブさんが言ってた不祥事の話……どう思った?」
「あー……人気仕事は大変だなーって。ママはその写真絶対私には見せなかったけど、絶叫してたし1週間くらい愚痴ってたよ。だからさすがに覚えてる」
「げっ、果穂さんがそんなに愚痴ってたのか。相当ヤバかったんだな」
「私は顔は知ってたけど別に興味なかったからなんとも思わなかったけど」
「……俳優の彼女って、やっぱり辛いのかな」
「どうだろう? 公表してないだけで付き合ってる人はたくさんいるだろうし、意外に彼女の方も『ふたりだけの秘密』って楽しんでたりするのかもしれないよ」
「おまえ……ポジティブ……サンキュ、ちょっと元気出たわ」
「えっ、もしかして蓮、彼女いるの!?」
数ヶ月死ぬほど忙しかった姿しか見てないんですが!? もし彼女いたとしたら不憫すぎない!?
「いない、いないよ! てか、聖弥の次におまえが一番知ってるだろ!?」
「いやいや、わかるわけないじゃん、前の学校の子と付き合ってたりしたら」
「いないって言ってんだろ! いません! 終了!」
何故か蓮はちょっと怒ってバックヤードの奥に入っていった。
あれ? 私なにか怒られる様なこと言ったかな?
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