115 / 283
冒険者科夏合宿の巻
第107話 うちのクラスの団結力
しおりを挟む
翌朝はさすがに朝のランニングをすることができなかったので、私の体力は100%の充填率だ。
それを朝ご飯の席で言ったら、周囲が全員「えっ?」とこっちを向いた。
「柳川さん……まさか学校の前にも走ってるの?」
柴田さんが嫌そう~な顔で、味噌汁のお椀を持ちつつ私を見ていた。
朝ご飯は、わかめと豆腐の味噌汁と雑穀米、玉子焼きに焼き鯖にサラダだ。これ以外にみんなそれぞれプロテインを飲む。
汗をかくから、塩分不足にならないようにお味噌汁はしっかり飲めと言われてる。冒険者科は4ヶ月の間にサバイバル能力が上昇していて、「じゃあ、苦手でも頑張って食べたり飲んだりしなければ」って思うようになってるね。
「うん、元々走ってたけど、最近はヤマトがいるし朝散歩に5キロくらい走ってから朝ご飯食べて学校行ってるよ」
「うわぁ……」
「お味噌汁! こぼれるよ!」
斜め前にいる柴田さんのお椀が傾いたので慌てて叫んだら、周囲からたくさんの悲鳴が上がった。柴田さんのお味噌汁に対してじゃなくて、私に対して。何故!
「5キロのランニングは散歩じゃねえよ!」
「ヤマトがいるからって、いるからって! いるから? いや、いなくても走ってるんだよね!?」
「化け物だ、化け物がいる……」
「まあ、柳川だったらフルマラソン余裕だな」
大泉先生は驚きもせずにお箸を動かしている。うん、もういい加減入学してからの付き合いがあるんだからこうであってほしい。
私の周りで驚いていないのは、あいちゃん・かれんちゃん・彩花ちゃん・寧々ちゃんの同じ部屋チームと、蓮と聖弥くんだけか……。解せぬなあ。
「今更だろ。こいつ、装備背負ったら多分大山阿夫利ダンジョンまで爆速で走るぞ」
「装備背負って速くなるのが、物理法則を超越してるんだよなあ」
「ステータス補正こええ」
何かを諦めたような顔で蓮が呟くと、周囲の男子からはため息交じりの言葉が飛んでくる。いや、装備背負って重くなるのは、補正が付いてない場合だけだからね!?
むむ、この中では2番目に付き合いが短い蓮が一番よくわかってる件?
大山まで走るのは考えてなかったけど、神奈川県内だから行けないことはないね!
「さすが、ゆずっちに担がれて山を降りた男の言葉は含蓄がある」
そこに彩花ちゃんの言葉が矢のように突き刺さり、蓮は胸を押さえてもだえた。ノリがいいな。
「長谷部様! やめて差し上げろ! 今日のダンジョン、安永が潰れてたら話にならねえんだよ!」
「こいつチキンハートなんだから、攻撃すんな!」
おおっと、蓮と同じパーティーの金子くんと千葉くんが凄い勢いで蓮を庇ってる。そしてその理由が悲しい。
そういえば、蓮たちが転入してから、男子たちは最初こそその顔の良さと知名度にちょっとビビってたけど、すぐに馴染んだんだよね。――蓮がヘボすぎて。
蓮は初期ステータスでもうMAGが8あったから、その時点で魔法系に方針が決まってて、剣を持ったことがなかったらしい。
なので、実技がダメダメにも程があったのだ。最初の実技の時、終わる頃には男子全員が微笑ましいものを見る目になってて笑った。
剣を持つ必要はないんだから大丈夫だー、とか慰められてたし。まあ、その慰めてた男子が金子くんや千葉くんだね。
「頼もしいよ、柚香ちゃんがいるから、ちょっと潜っても全然平気そうだね」
今日のうちにLV8くらいまで上げて従魔をゲットしたい寧々ちゃんは、一点の曇りもない目で私を見ている。私の周りはこうあって欲しいね!
最初は驚いてた柴田さんも「そういえば柳川さんだった」と一言言って何故か平常心に戻った模様。
よくわからない理由だけど、納得してくれたならいいか。
朝食の後は準備をして、ストレッチをしてから武器防具を装備してパーティーごとに分かれてダンジョンに出発だ。
今日の武器は授業のように刃を潰してなくて、殺傷力のある本物の武器だ。そして、自分で種類を選ぶことができる。限りはあるけどね。
初心者武器と言われる補正がほとんど付いてないものだけど、人間に向かって使ったら大問題になる奴ね。もちろんそんなことをしたら周囲に反撃されるし、事前に書類で禁止事項の遵守って事で確認も取られてる。
戦闘専攻はもうだいたい武器が決まってて、クラフトは慣れてるショートソードを選ぶ人が多い。ショートソードを選ばない人はクロスボウ。弓のように引くときに筋力が必要になるわけじゃないし、威力も高い。矢も短くて持ち運びが簡単だから。
須藤くんと寧々ちゃんは、それぞれ武器を持ち替えようかと悩んでた。
須藤くんはクロスボウ、寧々ちゃんは刀に。
「全員近接なのはバランス悪いかなと思ってさー」
須藤くんは良識的だなあ。そこで自分が武器変えようと思う辺り。
「でも、初級ダンジョンのモンスは、基本近接でボコれば問題ないのばっかりだし、いきなり慣れないことやると逆に大惨事を引き起こすよ。蓮みたいに、蓮みたいに」
「それもそうか」
初級ダンジョンの敵は連係攻撃をしてこない。だから、こっちが同士討ちにならない程度に多い人数で囲んで殴れば勝てる。階を下っても、モンスのステータスが上がるだけで基本戦術は何も変わらない。
プチサラマンダーはちょっと例外だけど。
「うん、盾持ちもいるし、金太郎ダンジョンは特殊な敵はいないって聞いてるから大丈夫だよ! 一番当てやすい方法で殴ろう」
「笑顔で『殴ろう』って言う柳川の安心感、凄い」
「須藤くんもゆーちゃんに毒されてるね」
確かに私も一瞬、それは安心感なのかと思ったよね。
10人しかいない女子のうち、3人がA指定されたせいで、女子は全員女子リーダーのパーティーに入ってしまった。前田くんと倉橋くんと中森くんと蓮がリーダーになってるパーティーは、メンバー全員が男子だ。
「それじゃあ、出発の前にリーダーに質問だ。ダンジョンでの基本の立ち回りは?」
武器を選び終えたところで大泉先生がそんな質問をしてきた。
奇しくも、蓮以外の6人がぴったり声を揃える。
「近くの敵を囲んでボコれ!」
蓮以外のリーダーは私以外全員戦闘系だから、笑顔で言うよね! 私も笑顔で言ったけどさ!
「え、えええええええー?」
出遅れた蓮は、周囲のあまりに脳筋な発言にドン引きしている。
いいんだよ、初級ダンジョンで5人パーティーなんて基本戦力飽和なんだから。
ボスですら「LV10が4人で倒す」って言われてるんだし。
それを朝ご飯の席で言ったら、周囲が全員「えっ?」とこっちを向いた。
「柳川さん……まさか学校の前にも走ってるの?」
柴田さんが嫌そう~な顔で、味噌汁のお椀を持ちつつ私を見ていた。
朝ご飯は、わかめと豆腐の味噌汁と雑穀米、玉子焼きに焼き鯖にサラダだ。これ以外にみんなそれぞれプロテインを飲む。
汗をかくから、塩分不足にならないようにお味噌汁はしっかり飲めと言われてる。冒険者科は4ヶ月の間にサバイバル能力が上昇していて、「じゃあ、苦手でも頑張って食べたり飲んだりしなければ」って思うようになってるね。
「うん、元々走ってたけど、最近はヤマトがいるし朝散歩に5キロくらい走ってから朝ご飯食べて学校行ってるよ」
「うわぁ……」
「お味噌汁! こぼれるよ!」
斜め前にいる柴田さんのお椀が傾いたので慌てて叫んだら、周囲からたくさんの悲鳴が上がった。柴田さんのお味噌汁に対してじゃなくて、私に対して。何故!
「5キロのランニングは散歩じゃねえよ!」
「ヤマトがいるからって、いるからって! いるから? いや、いなくても走ってるんだよね!?」
「化け物だ、化け物がいる……」
「まあ、柳川だったらフルマラソン余裕だな」
大泉先生は驚きもせずにお箸を動かしている。うん、もういい加減入学してからの付き合いがあるんだからこうであってほしい。
私の周りで驚いていないのは、あいちゃん・かれんちゃん・彩花ちゃん・寧々ちゃんの同じ部屋チームと、蓮と聖弥くんだけか……。解せぬなあ。
「今更だろ。こいつ、装備背負ったら多分大山阿夫利ダンジョンまで爆速で走るぞ」
「装備背負って速くなるのが、物理法則を超越してるんだよなあ」
「ステータス補正こええ」
何かを諦めたような顔で蓮が呟くと、周囲の男子からはため息交じりの言葉が飛んでくる。いや、装備背負って重くなるのは、補正が付いてない場合だけだからね!?
むむ、この中では2番目に付き合いが短い蓮が一番よくわかってる件?
大山まで走るのは考えてなかったけど、神奈川県内だから行けないことはないね!
「さすが、ゆずっちに担がれて山を降りた男の言葉は含蓄がある」
そこに彩花ちゃんの言葉が矢のように突き刺さり、蓮は胸を押さえてもだえた。ノリがいいな。
「長谷部様! やめて差し上げろ! 今日のダンジョン、安永が潰れてたら話にならねえんだよ!」
「こいつチキンハートなんだから、攻撃すんな!」
おおっと、蓮と同じパーティーの金子くんと千葉くんが凄い勢いで蓮を庇ってる。そしてその理由が悲しい。
そういえば、蓮たちが転入してから、男子たちは最初こそその顔の良さと知名度にちょっとビビってたけど、すぐに馴染んだんだよね。――蓮がヘボすぎて。
蓮は初期ステータスでもうMAGが8あったから、その時点で魔法系に方針が決まってて、剣を持ったことがなかったらしい。
なので、実技がダメダメにも程があったのだ。最初の実技の時、終わる頃には男子全員が微笑ましいものを見る目になってて笑った。
剣を持つ必要はないんだから大丈夫だー、とか慰められてたし。まあ、その慰めてた男子が金子くんや千葉くんだね。
「頼もしいよ、柚香ちゃんがいるから、ちょっと潜っても全然平気そうだね」
今日のうちにLV8くらいまで上げて従魔をゲットしたい寧々ちゃんは、一点の曇りもない目で私を見ている。私の周りはこうあって欲しいね!
最初は驚いてた柴田さんも「そういえば柳川さんだった」と一言言って何故か平常心に戻った模様。
よくわからない理由だけど、納得してくれたならいいか。
朝食の後は準備をして、ストレッチをしてから武器防具を装備してパーティーごとに分かれてダンジョンに出発だ。
今日の武器は授業のように刃を潰してなくて、殺傷力のある本物の武器だ。そして、自分で種類を選ぶことができる。限りはあるけどね。
初心者武器と言われる補正がほとんど付いてないものだけど、人間に向かって使ったら大問題になる奴ね。もちろんそんなことをしたら周囲に反撃されるし、事前に書類で禁止事項の遵守って事で確認も取られてる。
戦闘専攻はもうだいたい武器が決まってて、クラフトは慣れてるショートソードを選ぶ人が多い。ショートソードを選ばない人はクロスボウ。弓のように引くときに筋力が必要になるわけじゃないし、威力も高い。矢も短くて持ち運びが簡単だから。
須藤くんと寧々ちゃんは、それぞれ武器を持ち替えようかと悩んでた。
須藤くんはクロスボウ、寧々ちゃんは刀に。
「全員近接なのはバランス悪いかなと思ってさー」
須藤くんは良識的だなあ。そこで自分が武器変えようと思う辺り。
「でも、初級ダンジョンのモンスは、基本近接でボコれば問題ないのばっかりだし、いきなり慣れないことやると逆に大惨事を引き起こすよ。蓮みたいに、蓮みたいに」
「それもそうか」
初級ダンジョンの敵は連係攻撃をしてこない。だから、こっちが同士討ちにならない程度に多い人数で囲んで殴れば勝てる。階を下っても、モンスのステータスが上がるだけで基本戦術は何も変わらない。
プチサラマンダーはちょっと例外だけど。
「うん、盾持ちもいるし、金太郎ダンジョンは特殊な敵はいないって聞いてるから大丈夫だよ! 一番当てやすい方法で殴ろう」
「笑顔で『殴ろう』って言う柳川の安心感、凄い」
「須藤くんもゆーちゃんに毒されてるね」
確かに私も一瞬、それは安心感なのかと思ったよね。
10人しかいない女子のうち、3人がA指定されたせいで、女子は全員女子リーダーのパーティーに入ってしまった。前田くんと倉橋くんと中森くんと蓮がリーダーになってるパーティーは、メンバー全員が男子だ。
「それじゃあ、出発の前にリーダーに質問だ。ダンジョンでの基本の立ち回りは?」
武器を選び終えたところで大泉先生がそんな質問をしてきた。
奇しくも、蓮以外の6人がぴったり声を揃える。
「近くの敵を囲んでボコれ!」
蓮以外のリーダーは私以外全員戦闘系だから、笑顔で言うよね! 私も笑顔で言ったけどさ!
「え、えええええええー?」
出遅れた蓮は、周囲のあまりに脳筋な発言にドン引きしている。
いいんだよ、初級ダンジョンで5人パーティーなんて基本戦力飽和なんだから。
ボスですら「LV10が4人で倒す」って言われてるんだし。
13
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる