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51 長い長い遠足の終わり
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「ステータスオープン」
私は今日何度目かの言葉を呟いた。そして、そこに現れた文字に目を見開く。
茂木美佳子
LV 99
HP 309
STR 100
VIT 100
AGI 100
DEX 100
スキル:指揮 LV8、指導 LV6
「やったー! LV99になったよー!!」
昨日から何度確認したことだろう!
やっと、やっと神から出された条件をクリアできた!
LV上限に達したのに指揮・指導LVが10まで行ってないとか、そんな些細なことは気にしないことにしよう。うん、些細なことだよ……。
はーあ、あのシステム管理者ざまぁだわ! 少しずつ肥沃になる土地と、この前方々に送ったジャガイモとサツマイモの苗があれば、神の思惑に反して人口は増える。そして、ジュスタさんが願ったようにこの世界は発展するだろう。
神の危惧は戦争のことだったけども、私はその方向に向かないように釘を刺しておいたしね。
リチャード3世のところになんか、部屋中びっしり苗を置いてやったから、起きたときに相当ビビっただろうな。
あー、いろいろとすっきりした!
これで心置きなく帰れる!
「やったー! 帰れるー!」
「ほんとに? ほんとに帰れるの?」
子供たちはざわざわとしている。達成感と、不安感とで。
私もLV99になることにばかり気を取られていたけど、99になったからといって特に何も起こらない事に気付いてしまった。
「あのー、ジュスタさん、今更ですが、私たちどうやって帰ればいいんでしょう?」
イメージ的には、LV99になってヒューンと元の世界に帰るのをなんとなく想像してたんだよね。
でも、どうやらそうではないみたいだ。
「そうか、神の出した条件に到達したのじゃな。これで、世界は元通りというわけか。ミカコ、そこにしゃがむが良い」
「はい?」
ジュスタさんに言われるがままにしゃがむと、彼女の手が私の頭を撫でた。
「よく頑張ったのう」
その声は少女のものでしかないのに、小さな頃に母に褒められたときのことを思い出す。
頑張った。うん、頑張ったよ。
私も頑張ったし、子供たちはもっと頑張った。
私は指揮をするだけ。実際に椅子を投げて戦っていたのは、年端もいかない子供たち。
何度自分のふがいなさに唇を噛みしめたことだろう。
「ジュスタさん、子供たちの方を褒めてあげてください」
「もちろんじゃ。だが、そなたを褒められるのはこの場では妾だけじゃからな」
「うっ……」
じわりと涙が浮いてくる。やっぱりジュスタさんは、子供に見えても中身はとんでもない時間を過ごしてきた神様だ。
「みな、本当によく頑張ってくれたのう。おかげで、この世界は元通りじゃ。すぐにでも元の世界に送り返すことはできるが、やり残したことはないか?」
なるほど、ジュスタさんが私たちを帰してくれるのか。
もしかしたら、LVを上げないといけないとわかっていたから、どんな道筋を通っても私たちはこの場所に辿り着いていたのかもしれないな。
「やり残したこと……。あっ! みんな、服! こっちの世界の服は置いていって。持って帰ったら驚かれちゃうからね!」
「そうだー!」
慌てて子供たちがリュックから服を取り出す。それは辺境騎士団の砦で買ってもらって、ソントンの街までずっと着ていた服だ。
「この服、フロードルのレティシアさんのところへ送ってもらえませんか?」
「うむ、よいぞ」
あそこは養護院があるから、服はいくらあっても困らないはず。
そして、今のうちに子供たちに話しておかなければいけない大事な話があった。
「はいみんなー、先生のお話聞いてね。……これからおうちに帰るけど、こっちの世界であったことは、他の人には喋らないこと。先生と、みんなだけの秘密だよ。いいね?」
「なんで?」
不満げな声を上げたのは太一くんだった。
わからないではないよ。きっと、いろんなことがあったのを親に話したりしたいだろうと思うし。
「信じてもらえないからだよ。みんなはこっちに来る前、こんな別の世界があるなんて思ってた?」
私の問いかけに答える子はいなかった。異世界召喚・転生系のアニメが好きだという心愛ちゃんですら、難しい顔をして黙っている。
「楽しかったことも大変だったこともたくさんあるから、お父さんやお母さんに話したい気持ちはわかるよ。でも、話せることと話せないことが世の中にはあるの。これは話せないことの方。話して『嘘つき』って言われたら悲しいでしょう? だから、思い出してお話ししたくなったら、クラスの中でか、先生としよう。わかった?」
渋々という様子で、わかったという声があちこちからあがる。
「そうだ、あとこれ」
私は手帳の中から押し花になった白い花を取り出した。
心愛ちゃんがデニスくんからもらった花は、時間が経ったせいでうっすらと花びらが黄色くなってしまったけども、きっと心愛ちゃんの心の中ではこれはずっと「白い花」だろう。
手帳の白紙のページを破り、それに挟んで押し花を心愛ちゃんに手渡す。
「ね、先生が言ったとおり、おうちに帰るときに押し花になってたでしょう?」
「うん」
心愛ちゃんは大事そうに押し花を挟んだ紙を胸に当て、リュックの一番下に慎重にしまった。
「こちらの準備は大丈夫です。ジュスタさんはどうですか?」
私が尋ねると、ジュスタさんは無言で子供たちをひとりひとり抱きしめ始めた。
「子らよ、達者でな」
その声は悲しそうに聞こえて、私は胸が痛む。だから、彼女がこれ以上心を痛めなくていいように、満面の笑みを浮かべてアドバイスをした。
「ジュスタさん、こういう時には『元気でね』と言うんですよ! 多分、子供たちには『達者でな』は通じませんから」
「うむ。我が愛しの子供らよ、元気でな! 久々に楽しい時を過ごしたぞ!」
「ジュスタさん! さよなら!」
「魔王様、ありがとう!」
「元気でね!」
全員が、口々にジュスタさんに別れの挨拶を告げていた。それに微笑み返して、ジュスタさんは片手を大きく振った。するとその手の軌道に虹が現れて、私たちは思わずそれに見入ってしまった。
――空に現れるはずの虹を見つめていたら、いつの間にか私たちは森の中にいた。
「茂木先生、後ろが詰まってますよ」
後ろから掛けられた声で慌てて振り向く。茂木先生なんて呼ばれたの、物凄く久しぶり!
振り向くとそこには、3組の児童と担任の瀬川先生が立っていた。
私たちを見ても別に驚いている様子はなく、記憶の限りでは服装もあの遠足の日と同じ。なにより、3組の子たちが一緒にいるから、私たちは元の世界の元の時間に戻ってきたんだ!
「せ、せがわせんせーー!!」
元の世界に戻ってきたのだとわかって、私は思わず座り込んでしまった。
1組の子供たちも、歓声を上げている。そして、そんな私たちを瀬川先生は不思議そうに見ていた。
「どうしたんですか?」
クリスさんと同じくらいの身長の瀬川先生が見下ろしてくる。
本当のことは言えないから、私は必死に記憶を探った。
そうだ、あっちの世界に行ったときは霧が出てきて、校長先生に電話をしようとしたら繋がらなくて……。
「さっきの霧、酷かったですよね!?」
「ああ、ちょっと出てましたね」
「ちょっと!? こっち、前が見えないくらい酷かったんですけど」
「場所が悪かったのかな。ともかく、後ろが詰まってますから進んでください」
「は、はいっ!」
そういえば、と私は子供たちを見渡し、男子の髪の毛が向こうの世界で伸びた様子がなかったことに今更気付いた。女子はわかりにくいけど、男子はわかりやすいんだよね。
結局私たちってどうなってたんだろうか。うーん。
……多分システム管理者しか答えられないから考えないようにするか。
私たちは心の中に興奮を押し込めたまま、何もなかった振りをして丘の麓へ下り、電車に乗って地元の駅に戻ってきた。
途中何度も子供たちは叫びだしそうになっていて、太一くんは隣を歩く芽依ちゃんに何度もどつかれていた。
なんというか、うん。いろいろ変わった。子供たちの間のパワーバランスとか。
たった1日で、2ヶ月分の成長をしてきた子供たちを、家族はどう思うだろう。
きっと違和感を感じるだろうけど、悪い方へ成長した子はひとりもいないはず。
駅からは学校へ向かって歩く道々で保護者が迎えに来ていて、少しずつ子供の列が欠けていく。
だけどどの子も、何度も私の方を振り向いて、力強く手を振っていた。
「先生、また明日ね!」
「また明日! 今日はゆっくり寝るんだよ!」
私たちのとんでもなく長い遠足はこうして終わった。
1組の子供たちは他のクラスの子よりちょっと大人びて、椅子や食べ物を大事にするようになった。
1年1組は「とても仲が良いクラス」として校長先生からも何度も褒められ、進級前のお別れ会ではみんな大泣きしてしまった。
クラスがバラバラになっても、疎遠になった子はいなかった。だって、私たちには共通の秘密があるから。
それはきっと、一生私たちを結びつけていくだろう。
ちなみに、あの後椅子を投げた子はひとりもいない。
私は今日何度目かの言葉を呟いた。そして、そこに現れた文字に目を見開く。
茂木美佳子
LV 99
HP 309
STR 100
VIT 100
AGI 100
DEX 100
スキル:指揮 LV8、指導 LV6
「やったー! LV99になったよー!!」
昨日から何度確認したことだろう!
やっと、やっと神から出された条件をクリアできた!
LV上限に達したのに指揮・指導LVが10まで行ってないとか、そんな些細なことは気にしないことにしよう。うん、些細なことだよ……。
はーあ、あのシステム管理者ざまぁだわ! 少しずつ肥沃になる土地と、この前方々に送ったジャガイモとサツマイモの苗があれば、神の思惑に反して人口は増える。そして、ジュスタさんが願ったようにこの世界は発展するだろう。
神の危惧は戦争のことだったけども、私はその方向に向かないように釘を刺しておいたしね。
リチャード3世のところになんか、部屋中びっしり苗を置いてやったから、起きたときに相当ビビっただろうな。
あー、いろいろとすっきりした!
これで心置きなく帰れる!
「やったー! 帰れるー!」
「ほんとに? ほんとに帰れるの?」
子供たちはざわざわとしている。達成感と、不安感とで。
私もLV99になることにばかり気を取られていたけど、99になったからといって特に何も起こらない事に気付いてしまった。
「あのー、ジュスタさん、今更ですが、私たちどうやって帰ればいいんでしょう?」
イメージ的には、LV99になってヒューンと元の世界に帰るのをなんとなく想像してたんだよね。
でも、どうやらそうではないみたいだ。
「そうか、神の出した条件に到達したのじゃな。これで、世界は元通りというわけか。ミカコ、そこにしゃがむが良い」
「はい?」
ジュスタさんに言われるがままにしゃがむと、彼女の手が私の頭を撫でた。
「よく頑張ったのう」
その声は少女のものでしかないのに、小さな頃に母に褒められたときのことを思い出す。
頑張った。うん、頑張ったよ。
私も頑張ったし、子供たちはもっと頑張った。
私は指揮をするだけ。実際に椅子を投げて戦っていたのは、年端もいかない子供たち。
何度自分のふがいなさに唇を噛みしめたことだろう。
「ジュスタさん、子供たちの方を褒めてあげてください」
「もちろんじゃ。だが、そなたを褒められるのはこの場では妾だけじゃからな」
「うっ……」
じわりと涙が浮いてくる。やっぱりジュスタさんは、子供に見えても中身はとんでもない時間を過ごしてきた神様だ。
「みな、本当によく頑張ってくれたのう。おかげで、この世界は元通りじゃ。すぐにでも元の世界に送り返すことはできるが、やり残したことはないか?」
なるほど、ジュスタさんが私たちを帰してくれるのか。
もしかしたら、LVを上げないといけないとわかっていたから、どんな道筋を通っても私たちはこの場所に辿り着いていたのかもしれないな。
「やり残したこと……。あっ! みんな、服! こっちの世界の服は置いていって。持って帰ったら驚かれちゃうからね!」
「そうだー!」
慌てて子供たちがリュックから服を取り出す。それは辺境騎士団の砦で買ってもらって、ソントンの街までずっと着ていた服だ。
「この服、フロードルのレティシアさんのところへ送ってもらえませんか?」
「うむ、よいぞ」
あそこは養護院があるから、服はいくらあっても困らないはず。
そして、今のうちに子供たちに話しておかなければいけない大事な話があった。
「はいみんなー、先生のお話聞いてね。……これからおうちに帰るけど、こっちの世界であったことは、他の人には喋らないこと。先生と、みんなだけの秘密だよ。いいね?」
「なんで?」
不満げな声を上げたのは太一くんだった。
わからないではないよ。きっと、いろんなことがあったのを親に話したりしたいだろうと思うし。
「信じてもらえないからだよ。みんなはこっちに来る前、こんな別の世界があるなんて思ってた?」
私の問いかけに答える子はいなかった。異世界召喚・転生系のアニメが好きだという心愛ちゃんですら、難しい顔をして黙っている。
「楽しかったことも大変だったこともたくさんあるから、お父さんやお母さんに話したい気持ちはわかるよ。でも、話せることと話せないことが世の中にはあるの。これは話せないことの方。話して『嘘つき』って言われたら悲しいでしょう? だから、思い出してお話ししたくなったら、クラスの中でか、先生としよう。わかった?」
渋々という様子で、わかったという声があちこちからあがる。
「そうだ、あとこれ」
私は手帳の中から押し花になった白い花を取り出した。
心愛ちゃんがデニスくんからもらった花は、時間が経ったせいでうっすらと花びらが黄色くなってしまったけども、きっと心愛ちゃんの心の中ではこれはずっと「白い花」だろう。
手帳の白紙のページを破り、それに挟んで押し花を心愛ちゃんに手渡す。
「ね、先生が言ったとおり、おうちに帰るときに押し花になってたでしょう?」
「うん」
心愛ちゃんは大事そうに押し花を挟んだ紙を胸に当て、リュックの一番下に慎重にしまった。
「こちらの準備は大丈夫です。ジュスタさんはどうですか?」
私が尋ねると、ジュスタさんは無言で子供たちをひとりひとり抱きしめ始めた。
「子らよ、達者でな」
その声は悲しそうに聞こえて、私は胸が痛む。だから、彼女がこれ以上心を痛めなくていいように、満面の笑みを浮かべてアドバイスをした。
「ジュスタさん、こういう時には『元気でね』と言うんですよ! 多分、子供たちには『達者でな』は通じませんから」
「うむ。我が愛しの子供らよ、元気でな! 久々に楽しい時を過ごしたぞ!」
「ジュスタさん! さよなら!」
「魔王様、ありがとう!」
「元気でね!」
全員が、口々にジュスタさんに別れの挨拶を告げていた。それに微笑み返して、ジュスタさんは片手を大きく振った。するとその手の軌道に虹が現れて、私たちは思わずそれに見入ってしまった。
――空に現れるはずの虹を見つめていたら、いつの間にか私たちは森の中にいた。
「茂木先生、後ろが詰まってますよ」
後ろから掛けられた声で慌てて振り向く。茂木先生なんて呼ばれたの、物凄く久しぶり!
振り向くとそこには、3組の児童と担任の瀬川先生が立っていた。
私たちを見ても別に驚いている様子はなく、記憶の限りでは服装もあの遠足の日と同じ。なにより、3組の子たちが一緒にいるから、私たちは元の世界の元の時間に戻ってきたんだ!
「せ、せがわせんせーー!!」
元の世界に戻ってきたのだとわかって、私は思わず座り込んでしまった。
1組の子供たちも、歓声を上げている。そして、そんな私たちを瀬川先生は不思議そうに見ていた。
「どうしたんですか?」
クリスさんと同じくらいの身長の瀬川先生が見下ろしてくる。
本当のことは言えないから、私は必死に記憶を探った。
そうだ、あっちの世界に行ったときは霧が出てきて、校長先生に電話をしようとしたら繋がらなくて……。
「さっきの霧、酷かったですよね!?」
「ああ、ちょっと出てましたね」
「ちょっと!? こっち、前が見えないくらい酷かったんですけど」
「場所が悪かったのかな。ともかく、後ろが詰まってますから進んでください」
「は、はいっ!」
そういえば、と私は子供たちを見渡し、男子の髪の毛が向こうの世界で伸びた様子がなかったことに今更気付いた。女子はわかりにくいけど、男子はわかりやすいんだよね。
結局私たちってどうなってたんだろうか。うーん。
……多分システム管理者しか答えられないから考えないようにするか。
私たちは心の中に興奮を押し込めたまま、何もなかった振りをして丘の麓へ下り、電車に乗って地元の駅に戻ってきた。
途中何度も子供たちは叫びだしそうになっていて、太一くんは隣を歩く芽依ちゃんに何度もどつかれていた。
なんというか、うん。いろいろ変わった。子供たちの間のパワーバランスとか。
たった1日で、2ヶ月分の成長をしてきた子供たちを、家族はどう思うだろう。
きっと違和感を感じるだろうけど、悪い方へ成長した子はひとりもいないはず。
駅からは学校へ向かって歩く道々で保護者が迎えに来ていて、少しずつ子供の列が欠けていく。
だけどどの子も、何度も私の方を振り向いて、力強く手を振っていた。
「先生、また明日ね!」
「また明日! 今日はゆっくり寝るんだよ!」
私たちのとんでもなく長い遠足はこうして終わった。
1組の子供たちは他のクラスの子よりちょっと大人びて、椅子や食べ物を大事にするようになった。
1年1組は「とても仲が良いクラス」として校長先生からも何度も褒められ、進級前のお別れ会ではみんな大泣きしてしまった。
クラスがバラバラになっても、疎遠になった子はいなかった。だって、私たちには共通の秘密があるから。
それはきっと、一生私たちを結びつけていくだろう。
ちなみに、あの後椅子を投げた子はひとりもいない。
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※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
続き
【登場人物の魅力】
この物語には、個性的な生徒がたくさん出てくる。多様性とは当たり前であり、個人個人発想も違う。だからこそ助け合えると感じる部分がたくさんあり、一見弱いだけに見える主人公がそれらを認めることでバランスが取れている。この物語では主人公は解説者であり、理解者であり、語り手なのだ。
子供たちの多様性を通し語られるのは、人間とは何かという事なのではないだろうか。何故、主人公は教育者なのか。どうして子供たちが、自由な発想が出来る年代なのか。そこに意味のある物語だと感じる。かなりテーマの深い作品だ。
【物語の見どころ】
ほのぼのしているように見え、計算された世界。子供たちは疑うことなく、自分の感性を信じている。自由な発想が自分たちを救い、仲間も救っていく。椅子一つから産まれる発想もまた自由だ。そして最大の魅力は個性。椅子が持つ力は、椅子そのものにあるわけではなく、個人個人の想いによるもの。つまり椅子は象徴でしかなく、本当は子供たちの想いの結晶なのかもしれない。成長し、団結力が強くなっていく生徒たち。そんな彼らにこの先、待ち受けるものとは何だろうか。主人公視点では、推理も展開されていく。果たして、この世界が彼らを呼んだ目的とは?
是非あなたも、お手に取られてみませんか?
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これは自分も常々感じていることである。平等とは何かということ。戦える者が戦い、戦えないものは見ているだけ。そう思えるかもしれないが、飲み物に例えるならば、平等だからと言って全員に珈琲を配る。好きな人にとっては”嬉しい”嫌いな人にとっては”困る”ということが起きるのは想像に難くない。すなわち平等とは、同じものを渡すという事ではないのだ。
一話では、主人公である教師には”お弁当”が二つ。一見不平等に見えるかもしれないが、体格に合わせた栄養という意味では平等だ。物語のはじめから、多様性と平等について語られているのがとても印象的である。
【物語の魅力】
この物語は、ある日自分のクラスの生徒と共に、担任教師である主人公が、異世界に飛ばされるという物語。斬新なのは、生徒が椅子で戦う所。学校によくあるタイプの椅子である。しかし、何故椅子だったのかについて、詳しい経緯が書かれている為、なるほどと納得してしまう。モンスターを倒すための発想ではないという事だ。ステータスなどもあり、完全にゲームをしているような感覚で楽しめるのも良い。特性がステータス化されるという世界観。
沢山の生徒が出ており、教師である主人公視点で物語は進んでいく。多視点切り替えではない為、一部の特別な生徒以外は名前を覚えられなくても、物語の流れが理解できる。飛ばされた先の世界では、時間に合わせて必要なものを与えられるシステム。主人公も心の中で不審がっているが、ご都合主義なのが気になる点。何かに支配された世界なのだろうかと疑ってしまう、不思議な物語である。彼らは果たして、無事に戻ることが出来るのであろうか?