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42 食事が豪華になりすぎ問題
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私たちは山の麓から続く森に近づいて、「臭い匂いは元から絶つ」作戦に出ていた。
ハーストン伯の言葉で、私たちが森に近づいて戦っても、双子都市に近づくモンスターを殲滅できる事を確信したからだ。
モンスターはやはり森に近づくと急激に増える。出てくるアイテムも豪華になる。
金箔乗ってるチョコレートケーキなんてまだ可愛い方だった。
大量にキメラを倒した夕飯の時に、ビュッフェと一緒にシェフ付きの調理台が出てきて「お好きなパスタをお作りします」「この場でクレープシュゼットをお作りします」って来られたときには私は崩れ落ちた。
黄色いコンテナと同じ扱いらしくて、みんなが食べ終わったら一礼したシェフと調理台は消えた。子供たちには大受けだった。
そりゃあ、食べたけどね。
オレンジの香りがふんわりと漂うクレープシュゼットも、本格的なジェノベーゼも美味しかったけどね!
だけど、これはいかん! 絶対にいかん! 毎食こんなに豪華な食事を食べてそれに慣れてしまったら、元の世界に帰ったときに困るのは親御さんなんだよ!
「優安ちゃん!」
これは、常識ある大人としてシステム管理者に物申さねばならないね!!
「どうしたの、先生」
私がいきなり凄い剣幕で肩を掴んだので優安ちゃんは目をまん丸くしてる。
「先生、神様に言いたいことがあるんだ!」
「うん、なんでゆあんに?」
それは優安ちゃんと神様が繋がってるからだよ、とはさすがに言えない。
「ほ、ほら、教会で一緒にお祈りしたでしょ? 優安ちゃんにも聞いて欲しいなーと思って」
「うん」
「ご飯が豪華すぎです! 豪華なご飯は2日か3日に1度くらいでいいです! だからその分経験値に回して欲しい! 切実に!」
「先生、ゆあんにわからないお話ししてるー」
「はー、すっきりした! 優安ちゃんも神様に何か言いたいことある?」
「えーとね、今日のクレープおいしかったです。また食べたいです」
くぅ……。私の要望に正面からぶつかってくる優安ちゃんの要望……。
「優安ちゃん、おうちに早く帰りたいよね?」
「うん」
「おうちに早く帰るのと、美味しいクレープ、どっちがいい?」
「…………おうち」
一瞬間が空いたな。うちのクラスの中でも臆病で甘えん坊な優安ちゃんすらも一瞬悩ませるクレープの魔力よ、恐ろしい恐ろしい。
森に近づいたせいで、出てくるモンスターはキメラやグリフォンが増え、猿顔のマンティコアなんてものまで出始めた。
念には念を入れて私たちの前面には八門遁甲の椅子を展開。白兵戦をしてくるモンスターはここで足止めをして安全に退治。
そして、空を飛んでくるグリフォンはといえば。
「やーだー! こないでってばー!」
聖那ちゃんの椅子は相変わらず飛行キラーで、一撃でグリフォンを墜としていく。
他の子の場合は、投げた椅子がグリフォンに当たって、その場で煙幕が出るんだけど落下してくるグリフォンは丸見えなので、墜ちてきたところに椅子で集中攻撃。
1頭のグリフォンを倒すのには5人くらいの攻撃が必要だ。キメラは今のところふたりか3人の攻撃で倒してる。
キメラがひとりで倒せるようになったら、もっと南下しよう。
じわじわ上がってLV62になったステータスを見ながら、私はそう計画を立てていた。
けれど、やっぱりLVが上がった分、LVアップまでに掛かる時間がどんどん増えていって、そんな戦いを一週間も続けて、出てくる敵が減ってきた時点で私は時期尚早とは思いながらも決断をするしかなくなった。
敵が強いのはわかってる。でも、敢えて南へ行く。ここの敵はあらかた倒してしまったから、居続ける利点が何もない。
それを伝えて別れを告げるために私たちはソントンの街へ向かい、ライリーさんとハーストン伯に挨拶をすることにした。
まずは街の人に教会の場所を聞く。街の人たちは私たちのことを「魔物退治屋さん」だと一目でわかってくれて、涙ながらに手を取って御礼を言ってくれたりした。
葵ちゃんも俊弥くんも、お婆さんに頭を撫でられ、皺だらけの手で手を握られたりしたら照れて困ってて。
3歳くらいの子が「魔物退治屋さん」を見て興奮してぴょんぴょんしてたら、友仁くんが格好良くポーズ取ったりして、それがまた喜ばれて。
それらの住民との交流を見る度に、私は「これが最初に訪れた場所での出来事だったら」と思わざるを得なかった。
でも、それはどう考えてもあり得ない話。今のこの状況は教会の後ろ盾があってこそのもので、それはレティシアさんの尽力の賜物で、そしてレティシアさんとの出会いは、クリスさんたちを助けたからこそのものだった。
「ライリーさん、今日はお別れの挨拶に来ました」
教会の前を掃除していた彼にそう声を掛けると、彼は少し驚いた顔をして背筋を伸ばした。
「随分と急ですね?」
「いえ、急ではないですよ。もうこの辺の魔物もかなり少なくなって、私たちはもっと南へ行かないといけないのです」
「そうですか。あなた方の行く先に神の御加護がありますように」
それ一番いらんやつ、とはさすがに言えなかった。祈りを捧げてくれるのは、彼にとっては純粋に厚意なのだから。
私は無言でライリーさんに頭を下げ、ハーストン伯の屋敷へと向かった。
ハーストン伯の屋敷でここを発って更に南に向かうことを告げると、ハーストン伯は見えない尻尾をへちょんと垂らして、端から子供たちを抱っこし始めた。
ひとりずつ名前を呼んで、抱き上げて、頭を撫でる。それを34人分。
「みんな、魔物退治屋さんをよく頑張ってくれたね。おかげで、この街の人たちは魔物に怖い思いをすることがなくなったよ。本当にありがとう。ここから離れてもどうか元気で。早く家族の元に帰れるようにおじさんもお祈りをするよ」
しゃがんで目線を合わせ、優しい目で子供たちを見渡しながら話しかけている。
こんな善性の人が領主だったら、ライリーさんも「せめてこの人が生きてるうちは戦争が起きませんように」って祈るよね……。
私も「現代日本に生まれてたら校長先生になって欲しい人だ」とか思ってしまった。
「この辺りの魔物はほとんどいなくなりました。これからは急激に魔物が増えることはないはずですので安心して下さい。私たちが元の世界に帰るときは、この世界の魔物が本来いるはずの数になったときです」
「……ミカコさん、貴女は随分と軽く言ったが、貴女方が為し得たことはとんでもないことなのだよ? この世界の人間が数十年掛けてもどうにもできなかったことを、僅か10日足らずで解決したのだ」
「それは、私たちがそのためにこの世界に喚ばれたからです。魔物を倒すための力を授かり、この世界の人がただ魔物を倒しただけではまた魔物になって生まれ変わってしまうはずの『存在するための力』を私たちの力として吸い取っている。
御礼を言いたいのはこちらの方です。ライリーさんとハーストン伯のおかげで、この街の人たちは私たちにとても好意的に接してくれました」
「良きことには良きことを返す。私はこの街の民にそれを願っただけだよ」
「これからもその美徳が続くことを祈ってます」
手を差し出されたので私たちは握手を交わし、子供たちも名残惜しそうにしながらその場を離れる。
私たちが見えなくなるくらいまで、ハーストン伯はずっと手を振り続けてくれていた。
敵が強いのはわかってる。だけど、行くぞ、南へ!
ハーストン伯の言葉で、私たちが森に近づいて戦っても、双子都市に近づくモンスターを殲滅できる事を確信したからだ。
モンスターはやはり森に近づくと急激に増える。出てくるアイテムも豪華になる。
金箔乗ってるチョコレートケーキなんてまだ可愛い方だった。
大量にキメラを倒した夕飯の時に、ビュッフェと一緒にシェフ付きの調理台が出てきて「お好きなパスタをお作りします」「この場でクレープシュゼットをお作りします」って来られたときには私は崩れ落ちた。
黄色いコンテナと同じ扱いらしくて、みんなが食べ終わったら一礼したシェフと調理台は消えた。子供たちには大受けだった。
そりゃあ、食べたけどね。
オレンジの香りがふんわりと漂うクレープシュゼットも、本格的なジェノベーゼも美味しかったけどね!
だけど、これはいかん! 絶対にいかん! 毎食こんなに豪華な食事を食べてそれに慣れてしまったら、元の世界に帰ったときに困るのは親御さんなんだよ!
「優安ちゃん!」
これは、常識ある大人としてシステム管理者に物申さねばならないね!!
「どうしたの、先生」
私がいきなり凄い剣幕で肩を掴んだので優安ちゃんは目をまん丸くしてる。
「先生、神様に言いたいことがあるんだ!」
「うん、なんでゆあんに?」
それは優安ちゃんと神様が繋がってるからだよ、とはさすがに言えない。
「ほ、ほら、教会で一緒にお祈りしたでしょ? 優安ちゃんにも聞いて欲しいなーと思って」
「うん」
「ご飯が豪華すぎです! 豪華なご飯は2日か3日に1度くらいでいいです! だからその分経験値に回して欲しい! 切実に!」
「先生、ゆあんにわからないお話ししてるー」
「はー、すっきりした! 優安ちゃんも神様に何か言いたいことある?」
「えーとね、今日のクレープおいしかったです。また食べたいです」
くぅ……。私の要望に正面からぶつかってくる優安ちゃんの要望……。
「優安ちゃん、おうちに早く帰りたいよね?」
「うん」
「おうちに早く帰るのと、美味しいクレープ、どっちがいい?」
「…………おうち」
一瞬間が空いたな。うちのクラスの中でも臆病で甘えん坊な優安ちゃんすらも一瞬悩ませるクレープの魔力よ、恐ろしい恐ろしい。
森に近づいたせいで、出てくるモンスターはキメラやグリフォンが増え、猿顔のマンティコアなんてものまで出始めた。
念には念を入れて私たちの前面には八門遁甲の椅子を展開。白兵戦をしてくるモンスターはここで足止めをして安全に退治。
そして、空を飛んでくるグリフォンはといえば。
「やーだー! こないでってばー!」
聖那ちゃんの椅子は相変わらず飛行キラーで、一撃でグリフォンを墜としていく。
他の子の場合は、投げた椅子がグリフォンに当たって、その場で煙幕が出るんだけど落下してくるグリフォンは丸見えなので、墜ちてきたところに椅子で集中攻撃。
1頭のグリフォンを倒すのには5人くらいの攻撃が必要だ。キメラは今のところふたりか3人の攻撃で倒してる。
キメラがひとりで倒せるようになったら、もっと南下しよう。
じわじわ上がってLV62になったステータスを見ながら、私はそう計画を立てていた。
けれど、やっぱりLVが上がった分、LVアップまでに掛かる時間がどんどん増えていって、そんな戦いを一週間も続けて、出てくる敵が減ってきた時点で私は時期尚早とは思いながらも決断をするしかなくなった。
敵が強いのはわかってる。でも、敢えて南へ行く。ここの敵はあらかた倒してしまったから、居続ける利点が何もない。
それを伝えて別れを告げるために私たちはソントンの街へ向かい、ライリーさんとハーストン伯に挨拶をすることにした。
まずは街の人に教会の場所を聞く。街の人たちは私たちのことを「魔物退治屋さん」だと一目でわかってくれて、涙ながらに手を取って御礼を言ってくれたりした。
葵ちゃんも俊弥くんも、お婆さんに頭を撫でられ、皺だらけの手で手を握られたりしたら照れて困ってて。
3歳くらいの子が「魔物退治屋さん」を見て興奮してぴょんぴょんしてたら、友仁くんが格好良くポーズ取ったりして、それがまた喜ばれて。
それらの住民との交流を見る度に、私は「これが最初に訪れた場所での出来事だったら」と思わざるを得なかった。
でも、それはどう考えてもあり得ない話。今のこの状況は教会の後ろ盾があってこそのもので、それはレティシアさんの尽力の賜物で、そしてレティシアさんとの出会いは、クリスさんたちを助けたからこそのものだった。
「ライリーさん、今日はお別れの挨拶に来ました」
教会の前を掃除していた彼にそう声を掛けると、彼は少し驚いた顔をして背筋を伸ばした。
「随分と急ですね?」
「いえ、急ではないですよ。もうこの辺の魔物もかなり少なくなって、私たちはもっと南へ行かないといけないのです」
「そうですか。あなた方の行く先に神の御加護がありますように」
それ一番いらんやつ、とはさすがに言えなかった。祈りを捧げてくれるのは、彼にとっては純粋に厚意なのだから。
私は無言でライリーさんに頭を下げ、ハーストン伯の屋敷へと向かった。
ハーストン伯の屋敷でここを発って更に南に向かうことを告げると、ハーストン伯は見えない尻尾をへちょんと垂らして、端から子供たちを抱っこし始めた。
ひとりずつ名前を呼んで、抱き上げて、頭を撫でる。それを34人分。
「みんな、魔物退治屋さんをよく頑張ってくれたね。おかげで、この街の人たちは魔物に怖い思いをすることがなくなったよ。本当にありがとう。ここから離れてもどうか元気で。早く家族の元に帰れるようにおじさんもお祈りをするよ」
しゃがんで目線を合わせ、優しい目で子供たちを見渡しながら話しかけている。
こんな善性の人が領主だったら、ライリーさんも「せめてこの人が生きてるうちは戦争が起きませんように」って祈るよね……。
私も「現代日本に生まれてたら校長先生になって欲しい人だ」とか思ってしまった。
「この辺りの魔物はほとんどいなくなりました。これからは急激に魔物が増えることはないはずですので安心して下さい。私たちが元の世界に帰るときは、この世界の魔物が本来いるはずの数になったときです」
「……ミカコさん、貴女は随分と軽く言ったが、貴女方が為し得たことはとんでもないことなのだよ? この世界の人間が数十年掛けてもどうにもできなかったことを、僅か10日足らずで解決したのだ」
「それは、私たちがそのためにこの世界に喚ばれたからです。魔物を倒すための力を授かり、この世界の人がただ魔物を倒しただけではまた魔物になって生まれ変わってしまうはずの『存在するための力』を私たちの力として吸い取っている。
御礼を言いたいのはこちらの方です。ライリーさんとハーストン伯のおかげで、この街の人たちは私たちにとても好意的に接してくれました」
「良きことには良きことを返す。私はこの街の民にそれを願っただけだよ」
「これからもその美徳が続くことを祈ってます」
手を差し出されたので私たちは握手を交わし、子供たちも名残惜しそうにしながらその場を離れる。
私たちが見えなくなるくらいまで、ハーストン伯はずっと手を振り続けてくれていた。
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