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13 人攫いの村・3
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「やめろー! 離せー!」
「太一くん!?」
あいつ、また何かやらかしたか!? 一瞬私の頭によぎったのはそんな疑問。
まだ口を付けていないお茶をテーブルに戻すと、私は慌てて外に駆けだした。
「太一くんと桂太郎くんを離して!」
目の前の広場では大人が数人で子供たちを追い回し、楓ちゃんの怒声が響いている。その視線の先には、ビニーさんに担がれた太一くんの姿があった。
「なんだ、この子供たち、異様にすばしっこいぞ!?」
「捕まえたら足を掴め!」
成人男性が20人ほど村の中心にある広場で走り回り、こちらも怒声が飛び交っている。
私は瞬時には状況が掴めなくて、呆然とそこに立っていた。
「先生、この人たち、私たちを捕まえようとした!」
凄い勢いで走ってきた葵ちゃんが半べそを掻きながら私にしがみつく。葵ちゃんは普段甘える子じゃない。これは、怖い思いをした証拠。
「桂太郎が連れてかれる! 足と手を縛られたんだ!」
俊弥くんはそう叫ぶと桂太郎くんを担いだ男性に追いすがった。
私は唐突に状況を理解した。
子供たちを休ませると言って民家に誘導したのは親切心じゃなかった。
私は故意に子供たちと引き離された。もしかしたらあのお茶も何かが仕込まれていたかもしれない。
この村の人たちは、おそらくは村長の指示で子供たちを捕らえようとした。ビニーさんはその指示を聞いているはず。家で休めと言ったのはあの人だから。
簡単に捕まえられる子供たちを捕らえて、おそらく少し難しい私には一服盛ろうとでもしたんだろう。
ところが、実際は村人たちの予想に反して子供たちは凄く強かった。足も速いし、力もある。大人の私よりずっとある。
だから、うまく捕らえることができずに逃げ出されて今の有様だ。
桂太郎くんが捕まったのは、多分全力で抵抗できなかったから。太一くんは……多分粗忽だから……。お菓子か何か出されたら、緩みきるに決まってる。
俊弥くんに体当たりされた男性の体が海老反りになって、桂太郎くんをその場に落とした。私は慌ててそこへ駆け寄って、俊弥くんとふたりがかりで桂太郎くんの拘束を解く。
「ごめん、ごめんね! 先生がみんなと離れたから!」
「先生が悪いんじゃないよ、悪いのはこいつらだよ!」
俊弥くんが怒りに燃える目を村人に向ける。確かにそうだ。でも、私の油断が招いた事態でもある。
「みんな、こっちに来て! 人に椅子を投げちゃ駄目だよ!」
椅子を投げちゃ駄目なのは、椅子の攻撃力があまりに強いからだ。モンスターさえ下手すると一撃で倒す物を、人間相手に投げたら殺してしまうかもしれない。
――私は酷い人間だから、この村の人が死のうとどうでもいいけど、子供たちを人殺しにはさせたくない!!
キリキリと胃に差し込むような痛みを感じながら、私は広場を駆け回る子供を素早く数えた。
ここにふたり。楓ちゃんが追いかけてるビニーさんが担いでいるのが太一くん。葵ちゃんは今こちらに駆けてきている。敦くんと一翔くんと芽依ちゃんも私の姿を確認したのか全力でこちらに逃げてきていて……。
そして、真澄ちゃんは――。
「はッ!」
腹の底からの気合いが響き渡る。自分を捕まえようとした大人の脛に回し蹴りを入れ、その回転をそのまま活かしてもう一回転。遠心力を付けた裏拳をジャンプしながら鼻めがけて叩き込む。食らった人は鼻血を吹いて崩れ落ちた。
「てやっ!」
崩れ落ちた男に目もくれず、次の標的に柔らかい体を利用した鋭く蹴り上げる金的蹴り……。食らった人は地面を転がって悶絶している。
ひえええええ……真澄ちゃんが乱舞してるよおおおお!
「エイッ!」
一方で楓ちゃんの鋭い声も私の耳に届いた。ビニーさんに追いつき、重心を落とした正拳突きをぶちこんでいる。その拳がめり込んだとき、明らかに骨が折れたような鈍い音がした。
「楓、サンキュ!」
「このっ、バカ太一! バカ太一! ……うわーん!」
泣きじゃくる楓ちゃんの手を、今度は太一くんが掴んで走り出す。
「椅子召喚! 八門遁甲の陣!」
私の間近で恐ろしく物騒な単語が飛び出した。手を上に掲げているのは一翔くんで、広場の中心に巨大な椅子が出現する。
「一翔くん!?」
「大丈夫です、人を傷つけたりしません!」
巨大椅子の脚の間を太一くんと楓ちゃんが駆け抜けてくる。ふたりが抜け出した途端に一翔くんが「発動!」と叫び、座面の下に当たる地面が光った。その椅子は最初の椅子テントのように巨大で、その脚の間を村人が次々と通り抜けようとする。
――そして、椅子の中入った村人は方向を見失ったようにぐるぐると回り始めた。
なるほど、出口がわからなくなる罠! だから八門遁甲か。凄い、これは汎用性があるかも。
「せんせい、せんせい……わたし、人を殴っちゃった……手に、ぐしゃって感触が……う、うわあああん!」
私の元に辿り着いた途端、楓ちゃんはへなへなと座り込み、号泣し始めた。その様子は普段の快活な彼女とは全く違って、楓ちゃんが激しく傷ついているのがありありとわかった。
楓ちゃんは空手を習っているけど、組み手をしない流派もある。人を殴って、しかもあの感じだと思いっきり骨を折っていそうで……それはショックに違いない。
「楓ちゃん! 楓ちゃんは太一くんを助けたの! 楓ちゃんが悪いんじゃないよ!」
私は楓ちゃんを抱きしめながら混乱しきった状況に改めて目をやった。
楓ちゃんに殴られたビニーさんは地面に倒れ、口から血を流していた。……これは、殴った側も間違いなくショックだ。人の骨を砕く感触なんて、普通は知らずに生きていくのに。
他にも真澄ちゃんによって昏倒させられた人が数人。敦くんが逃げる途中に手を出して、合気道で腕を捻られて投げ飛ばされた人がひとり。そして、残りは八門遁甲の椅子の中と、その椅子の向こうで怯えた表情でこちらを窺っている。
「真澄ちゃん、もういいからこっち来て!」
放っておくと乱舞し続けそうな真澄ちゃんにストップを掛けて呼び寄せる。こちらに駆けてきた真澄ちゃんは、楓ちゃんよりも多くの人を戦闘不能に叩き込んだにも関わらずけろっとした顔をしていた。
「真澄ちゃん……強かったんだね」
「『真澄は可愛いから、変な人に狙われるかもしれない。その時はこうしなさい』ってママが教えてくれたの。脛とキンタマと鳩尾と喉と鼻。急所は一列に並んでるから、って。力がない分は回転して『えんしんりょく』で叩きなさいって。向こうから手を出してきたら、容赦なくやり返せって言われてる」
ま、真澄ちゃんのママー!! 何を教えてるんですかー! いや、ある意味正しいけど、今の真澄ちゃんだと一歩間違えたら誰か殺してたかもしれないよー!?
ガタガタと震えながら泣いている楓ちゃんを私は抱き上げた。今は子供たちはみんな私の側。そして、場所は門の近くで、村人たちは広場の向こう側。
これ以上ここにいる必要は見当たらない。
「みんな、帰ろう。先生が判断を間違えたよ……ごめんね、みんなを危ない目に遭わせて」
「先生、待って下さい!」
門に向かおうとした私を桂太郎くんの声が引き留める。何事かと思ったら、桂太郎くんはビニーさんに向かって椅子を投げつけた。
地面でビクビクと痙攣していたビニーさんは椅子が飛んでくるのを見て顔を引きつらせたけども、桂太郎くんの椅子は彼が思っているようなものじゃない。彼はしばらく恐怖を顔に貼り付けたまま体を縮めていたけども、椅子の効果に気がつくと呆然と私たちを見遣った。
「桂太郎くん……」
「だって、嫌です。怪我をした人を放っておくのは……。きっと楓ちゃんだって、もっともっと気にしちゃいますから」
「……優しいね、桂太郎くんは」
桂太郎くんの無垢な優しさに、自分が嫌になりそうだ。
それからも桂太郎くんは遠くから次々に椅子を投げ、負傷者を治療していった。
そうだ、子供たちは優しい。人を踏みつけにして当たり前という社会では育ってきていないから。思いやりが美徳とされる土台と、ある程度豊かな社会が子供たちに優しさを与えていた。――でも、それは当たり前のことではなかった。
「私たちは出ていきますが、子供を傷つけようとしたあなたたちを許さない! 優しい子は許すかもしれない。だけど」
一翔くんが八門遁甲の椅子を消した。中で迷っていた人は驚いた顔で周りを見回して、私たちに目を留めて顔を強張らせる。
「だからこそ、私は絶対に許さない!!」
「太一くん!?」
あいつ、また何かやらかしたか!? 一瞬私の頭によぎったのはそんな疑問。
まだ口を付けていないお茶をテーブルに戻すと、私は慌てて外に駆けだした。
「太一くんと桂太郎くんを離して!」
目の前の広場では大人が数人で子供たちを追い回し、楓ちゃんの怒声が響いている。その視線の先には、ビニーさんに担がれた太一くんの姿があった。
「なんだ、この子供たち、異様にすばしっこいぞ!?」
「捕まえたら足を掴め!」
成人男性が20人ほど村の中心にある広場で走り回り、こちらも怒声が飛び交っている。
私は瞬時には状況が掴めなくて、呆然とそこに立っていた。
「先生、この人たち、私たちを捕まえようとした!」
凄い勢いで走ってきた葵ちゃんが半べそを掻きながら私にしがみつく。葵ちゃんは普段甘える子じゃない。これは、怖い思いをした証拠。
「桂太郎が連れてかれる! 足と手を縛られたんだ!」
俊弥くんはそう叫ぶと桂太郎くんを担いだ男性に追いすがった。
私は唐突に状況を理解した。
子供たちを休ませると言って民家に誘導したのは親切心じゃなかった。
私は故意に子供たちと引き離された。もしかしたらあのお茶も何かが仕込まれていたかもしれない。
この村の人たちは、おそらくは村長の指示で子供たちを捕らえようとした。ビニーさんはその指示を聞いているはず。家で休めと言ったのはあの人だから。
簡単に捕まえられる子供たちを捕らえて、おそらく少し難しい私には一服盛ろうとでもしたんだろう。
ところが、実際は村人たちの予想に反して子供たちは凄く強かった。足も速いし、力もある。大人の私よりずっとある。
だから、うまく捕らえることができずに逃げ出されて今の有様だ。
桂太郎くんが捕まったのは、多分全力で抵抗できなかったから。太一くんは……多分粗忽だから……。お菓子か何か出されたら、緩みきるに決まってる。
俊弥くんに体当たりされた男性の体が海老反りになって、桂太郎くんをその場に落とした。私は慌ててそこへ駆け寄って、俊弥くんとふたりがかりで桂太郎くんの拘束を解く。
「ごめん、ごめんね! 先生がみんなと離れたから!」
「先生が悪いんじゃないよ、悪いのはこいつらだよ!」
俊弥くんが怒りに燃える目を村人に向ける。確かにそうだ。でも、私の油断が招いた事態でもある。
「みんな、こっちに来て! 人に椅子を投げちゃ駄目だよ!」
椅子を投げちゃ駄目なのは、椅子の攻撃力があまりに強いからだ。モンスターさえ下手すると一撃で倒す物を、人間相手に投げたら殺してしまうかもしれない。
――私は酷い人間だから、この村の人が死のうとどうでもいいけど、子供たちを人殺しにはさせたくない!!
キリキリと胃に差し込むような痛みを感じながら、私は広場を駆け回る子供を素早く数えた。
ここにふたり。楓ちゃんが追いかけてるビニーさんが担いでいるのが太一くん。葵ちゃんは今こちらに駆けてきている。敦くんと一翔くんと芽依ちゃんも私の姿を確認したのか全力でこちらに逃げてきていて……。
そして、真澄ちゃんは――。
「はッ!」
腹の底からの気合いが響き渡る。自分を捕まえようとした大人の脛に回し蹴りを入れ、その回転をそのまま活かしてもう一回転。遠心力を付けた裏拳をジャンプしながら鼻めがけて叩き込む。食らった人は鼻血を吹いて崩れ落ちた。
「てやっ!」
崩れ落ちた男に目もくれず、次の標的に柔らかい体を利用した鋭く蹴り上げる金的蹴り……。食らった人は地面を転がって悶絶している。
ひえええええ……真澄ちゃんが乱舞してるよおおおお!
「エイッ!」
一方で楓ちゃんの鋭い声も私の耳に届いた。ビニーさんに追いつき、重心を落とした正拳突きをぶちこんでいる。その拳がめり込んだとき、明らかに骨が折れたような鈍い音がした。
「楓、サンキュ!」
「このっ、バカ太一! バカ太一! ……うわーん!」
泣きじゃくる楓ちゃんの手を、今度は太一くんが掴んで走り出す。
「椅子召喚! 八門遁甲の陣!」
私の間近で恐ろしく物騒な単語が飛び出した。手を上に掲げているのは一翔くんで、広場の中心に巨大な椅子が出現する。
「一翔くん!?」
「大丈夫です、人を傷つけたりしません!」
巨大椅子の脚の間を太一くんと楓ちゃんが駆け抜けてくる。ふたりが抜け出した途端に一翔くんが「発動!」と叫び、座面の下に当たる地面が光った。その椅子は最初の椅子テントのように巨大で、その脚の間を村人が次々と通り抜けようとする。
――そして、椅子の中入った村人は方向を見失ったようにぐるぐると回り始めた。
なるほど、出口がわからなくなる罠! だから八門遁甲か。凄い、これは汎用性があるかも。
「せんせい、せんせい……わたし、人を殴っちゃった……手に、ぐしゃって感触が……う、うわあああん!」
私の元に辿り着いた途端、楓ちゃんはへなへなと座り込み、号泣し始めた。その様子は普段の快活な彼女とは全く違って、楓ちゃんが激しく傷ついているのがありありとわかった。
楓ちゃんは空手を習っているけど、組み手をしない流派もある。人を殴って、しかもあの感じだと思いっきり骨を折っていそうで……それはショックに違いない。
「楓ちゃん! 楓ちゃんは太一くんを助けたの! 楓ちゃんが悪いんじゃないよ!」
私は楓ちゃんを抱きしめながら混乱しきった状況に改めて目をやった。
楓ちゃんに殴られたビニーさんは地面に倒れ、口から血を流していた。……これは、殴った側も間違いなくショックだ。人の骨を砕く感触なんて、普通は知らずに生きていくのに。
他にも真澄ちゃんによって昏倒させられた人が数人。敦くんが逃げる途中に手を出して、合気道で腕を捻られて投げ飛ばされた人がひとり。そして、残りは八門遁甲の椅子の中と、その椅子の向こうで怯えた表情でこちらを窺っている。
「真澄ちゃん、もういいからこっち来て!」
放っておくと乱舞し続けそうな真澄ちゃんにストップを掛けて呼び寄せる。こちらに駆けてきた真澄ちゃんは、楓ちゃんよりも多くの人を戦闘不能に叩き込んだにも関わらずけろっとした顔をしていた。
「真澄ちゃん……強かったんだね」
「『真澄は可愛いから、変な人に狙われるかもしれない。その時はこうしなさい』ってママが教えてくれたの。脛とキンタマと鳩尾と喉と鼻。急所は一列に並んでるから、って。力がない分は回転して『えんしんりょく』で叩きなさいって。向こうから手を出してきたら、容赦なくやり返せって言われてる」
ま、真澄ちゃんのママー!! 何を教えてるんですかー! いや、ある意味正しいけど、今の真澄ちゃんだと一歩間違えたら誰か殺してたかもしれないよー!?
ガタガタと震えながら泣いている楓ちゃんを私は抱き上げた。今は子供たちはみんな私の側。そして、場所は門の近くで、村人たちは広場の向こう側。
これ以上ここにいる必要は見当たらない。
「みんな、帰ろう。先生が判断を間違えたよ……ごめんね、みんなを危ない目に遭わせて」
「先生、待って下さい!」
門に向かおうとした私を桂太郎くんの声が引き留める。何事かと思ったら、桂太郎くんはビニーさんに向かって椅子を投げつけた。
地面でビクビクと痙攣していたビニーさんは椅子が飛んでくるのを見て顔を引きつらせたけども、桂太郎くんの椅子は彼が思っているようなものじゃない。彼はしばらく恐怖を顔に貼り付けたまま体を縮めていたけども、椅子の効果に気がつくと呆然と私たちを見遣った。
「桂太郎くん……」
「だって、嫌です。怪我をした人を放っておくのは……。きっと楓ちゃんだって、もっともっと気にしちゃいますから」
「……優しいね、桂太郎くんは」
桂太郎くんの無垢な優しさに、自分が嫌になりそうだ。
それからも桂太郎くんは遠くから次々に椅子を投げ、負傷者を治療していった。
そうだ、子供たちは優しい。人を踏みつけにして当たり前という社会では育ってきていないから。思いやりが美徳とされる土台と、ある程度豊かな社会が子供たちに優しさを与えていた。――でも、それは当たり前のことではなかった。
「私たちは出ていきますが、子供を傷つけようとしたあなたたちを許さない! 優しい子は許すかもしれない。だけど」
一翔くんが八門遁甲の椅子を消した。中で迷っていた人は驚いた顔で周りを見回して、私たちに目を留めて顔を強張らせる。
「だからこそ、私は絶対に許さない!!」
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